概要
正式タイトルは『遊☆戯☆王 THE DARK SIDE OF DIMENSIONS』。
タイトルロゴだとDARKとSIDEの間にスペースが見られないように思われるが、実際にはスペースが入るのが正式な表記である。
公開日は2016年4月23日。その後、大喝采上映などのイベント上映も行われ、同年9月24日から期間限定で4DX(R)とMX4D(TM)での上映もされた。
キャッチコピーで「遊☆戯☆王シリーズで初の長編映画」と言われているとおり、上映時間130分と『光のピラミッド』より30分以上長い上映時間となっている。
ストーリー
アテムが冥界へ旅立ってから1年。アテムへの執着が強く残る海馬瀬人はひたすらに千年パズルを探し、アテムの復活と自身との決着を目論んでいた。
そしてそれと呼応するかのように、高校卒業を間近に控えた武藤遊戯達のクラスに、藍神と言う不思議な少年が現れる。
すべてのピースが合わさるとき、再び決闘の幕が切って落とされる。
過去作品との関係
「あくまでも原作漫画版の続編」と原作者・高橋和希氏は述べており、アニメ『遊☆戯☆王デュエルモンスターズ』および後続の作品群とは繋がっていない。しかし、アニメ版のみであった要素も多数存在している。
・真崎杏子の読み仮名 原作:まざきあんず アニメ:まさきあんず
・杏子の夢 原作:ダンサー志望とは言っている アニメ:ミュージカルの舞台に立つこと
・御伽龍児からの呼び方 原作:俺、城之内 アニメ:僕、城之内くん
・磯野から海馬への呼び方 原作:海馬様 アニメ:瀬人様
・遊戯変身時の服装変更現象 原作:無い アニメ:有る
・作中カードゲーム 原作:マジック&ウィザーズ アニメ:デュエルモンスターズ
(カードゲームの名前は伏せられており、藍神が「魔術の札」と表現しているが明らかにゲーム内容は「デュエルモンスターズ」)
・決闘盤 原作:最大5枚・変形無し アニメ:最大11枚・変形有り
(余談ではあるが、デザイン回りが極めてアニメ寄りの中、遊戯のデッキケース付ベルトのデザインだけはアニメ版ではなく原作版だったりする)
大筋のストーリーに影響していたわけではないので、おそらく見栄えの良さやファンサービス、OCGの販促などによるものだと思われる。
高橋氏いわく、この映画の世界観においては、「宇宙は一枚のカードから始まったわけではない」とのこと。
総じて、完全原作至上主義者の方は『原作者監修、原作の設定・時間軸を踏まえた延長線上に於ける劇場版DM』とでも捉えればよい
デュエル
本作品は原作の続きと言われているものの、作中カードゲームは原作のマジック&ウィザーズではなく、アニメや実物として販売されているデュエルモンスターズである(ゲーム名は言われていない)
そして、第一シリーズの続編という設定・世界観のため、シンクロ・エクシーズと言った特殊召喚方法は当然ながら存在しない(一応、前日談のデュエルリンクス内にはエクシーズと関連するモンスターであるオーバーレイ・オウルが登場している)。ただし現行ルールでの用語であるエクストラデッキは使用されている(なお原作漫画では融合モンスターカードが存在しないため、『融合デッキ』という名称は元々使われていなかった可能性もある)。
代わりに本作独特のデュエルとして『次元領域デュエル』が登場している。
この決闘では、
- 上級モンスターの通常召喚にリリースモンスターが不要になる。
- モンスター同士の戦闘ではダメージが発生しない代わりにモンスターが戦闘破壊された際に、フィールド上での表示形式に応じたステータス分の戦闘ダメージを受ける。
- モンスターのステータスがデュエリストの闘気によってテキストに示されている値の幅で増減する(作中では藍神はとある状態でのデュエルを除き元々の攻撃力0のモンスターを使用し、海馬や遊戯たちはそもそもマックスの値しかださなかったため、このルールは演出以外でほとんど意味はなかった)
などの特殊ルールが設けられている。
なお、このデュエルが適用されたのは藍神がデュエルするときのみであり、ほかのデュエルではOCGルールで行われている。
また、遊戯王関連作品を通して初めて(タッグデュエル等の例外を除いて)「公式OCGと同じくライフポイント8000からスタート」が採用されている。
本作は時系列上は最終回から1年後である。
先攻ドローや表側守備表示での召喚が存在していた当時のアニメルールのまま、スタート時のライフポイントが現在のOCGルールとなった形。
アプリゲーム「遊戯王デュエルリンクス」にて
2019年9月末にて、本作を題材とした新ワールドが実像された。
とはいえ、劇中でデュエルをしたキャラクターはわずか3人、デュエル経験者を全員加えても10人にも満たない…。