風を掴め― Into the VRAINS
概要
『遊☆戯☆王VRAINS(ゆうぎおうヴレインズ)』とは、テレビ東京系列アニメ『遊☆戯☆王』シリーズの6作目。2017年5月10日から2019年9月25日まで放送された。全120話。遊戯王シリーズとしては初めて三年目の途中で終わった作品でもあり、同時に本作で19年半に渡り続いてきたアニメシリーズは一旦の区切りを迎える事となった。また、遊戯王DMから制作を手掛けてきたぎゃろっぷは本作が最後となり、半年間の休止を置いて始まった次回作『遊戯王SEVENS』の制作はブリッジに移行している。
タイトルのVRAINSは「VR(ヴァーチャル・リアリティ)」「AI(アーティフィシャル・インテリジェンス)」「NS(ネットワークシステム)」を合わせた造語である。
作品のメインテーマは「一歩を踏み出し、トライしよう!」
情報過多により、実際に経験する前に諦めてしまう子供達に対して、自分の好きなことや興味がある事に対して、一歩を踏み出しトライして欲しい。そんな想いから生まれた作品である。
今作の特徴として、最先端技術によって構築された現実と遜色ないVR空間、『LINK VRAINS』内でのデュエルが挙げられる。VR空間でのデュエルは現実世界と同じ姿でも行えるが、専用のコスチュームに変身するキャラクターがほとんどである。
本作から新たな召喚法「リンク召喚」が登場する。
遊戯王OCGでのマスタールール3から新マスタールールへの変更もあり、作中のデュエルはこちら寄りのルールや召喚がメインとなる。また作中ではOCG同様の通常デュエルを「マスターデュエル」、特殊なスケートボードに乗って行うデュエルを「スピードデュエル」と呼んでいる。
第47話からは2期「イグニス編」へ突入。穂村尊を始めとする新キャラクターの登場に加え、リンク召喚以外にも、儀式召喚・融合召喚・シンクロ召喚・エクシーズ召喚を交えるようになった。
あらすじ
ネットワークシステムが発達した都市「Den City(デンシティ)」。そこでは大企業『SOLテクノロジー社』が作り上げた高度なネットワーク技術により、LINK VRAINS(リンクヴレインズ)と呼ばれるVR空間が構築され、人々はVR空間での新たなデュエル体験に熱狂していた。
だが突如としてLINK VRAINS内に、デュエルによるハッキングを仕掛ける謎のハッカー集団、『ハノイの騎士』が現れる。彼らの狙いはネットワークのどこかに存在するAI達の世界、『サイバース世界』を滅亡させる事にあった。
しかし、そのLINK VRAINSの脅威に立ちはだかる1人のデュエリストがいた。
彼の名は「Playmaker(プレイメーカー)」。圧倒的なデュエルでハノイの騎士を倒し、何も語らずに去っていく彼の存在は、ネットワーク世界で一躍有名になる。
Playmakerの正体である高校生、藤木遊作は過去に起きた事件の真相を探るため、LINK VRAINSに出没するハノイの騎士を追っていく――。
ストーリー構成
- 1期『ハノイの騎士編』(1~46話)
- 2期『イグニス編』(47~103話)
- 3期『Ai編』(104~120話)
登場人物
人物名/アカウント名表記。
主人公周辺
藤木遊作/Playmaker | Ai |
---|---|
CV:石毛翔弥 | CV:櫻井孝宏 |
主人公。高校1年生の16歳。目立つ事が苦手であり、クールで寡黙な性格。高度なハッキング技術を持つ。過去の因縁を清算するためにハノイの騎士を追っており、ハノイへ向ける強い敵意を『復讐』と形容している。 | SOL社とハノイの双方から狙われる謎のAIで、「イグニス」と呼ばれている。1話で遊作に捕獲されてから共に行動しており、彼にAi(アイ)と名付けられる。遊作とは対照的にお喋りでお調子者な性格。司る属性は「闇」 |
穂村尊/Soulburner | 不霊夢 |
CV:梶裕貴 | CV:八代拓 |
2期から登場する転校生で、遊作と同様にロスト事件の被害者である。不霊夢と共に遊作達に協力しており、VR空間ではソウルバーナーへ変身する。 | 穂村尊のパートナーである「炎」属性のイグニス。Aiと比べると落ち着いた性格であり、やや古風な言葉遣いが特徴。 |
草薙翔一 | 草薙仁 |
CV:木村昴 | CV:鈴木崚汰 |
普段はホットドッグ屋だが、実は凄腕のハッカー。遊作が信頼する協力者で、彼と同じ境遇を持つ弟がいる。 | 草薙翔一の弟であり、ロスト事件の被害者の一人。事件のショックから精神を病んでおり、施設で療養している。 |
SOLテクノロジー社関係者
財前葵/ブルーエンジェル | 財前晃 |
---|---|
CV:中島由貴 | CV:山本匠馬 |
遊作の同級生であり、今作のヒロイン。遊作と同じく目立つのが苦手な性格だが、VR空間ではアイドルさながらの人気の高さを誇るカリスマデュエリスト。2期以降、兄からの密命時にはブルーガール、さらにアクアと共闘して以降はブルーメイデンへとアバターを変更した。 | 財前葵の兄。街やVR空間のセキュリティを一任するエリート社員で凄腕のハッカーでもある。上層部の命令を受け、イグニスの行方を追っている。葵とは血は繋がっていないが、強い信頼関係で結ばれている。 |
鬼塚豪/Go鬼塚 | クイーン |
CV:濱野大輝 | CV:小山めぐみ |
パワフルなデュエルで観客を沸かせるカリスマデュエリスト。Playmakerをライバル視しており、2期ではSOL社にバウンティハンターとして雇われる。 | 2期から登場するSOL社のトップ。イグニス確保のためにPlaymakerを賞金首にし、財前晃にバウンティハンターチームの管理権を与えた。会社の利益のためなら社員を使い潰すことも厭わない性格。 |
別所エマ/ゴーストガール | 道順健碁/ブラッドシェパード |
CV:鎌倉有那 | CV:奥田隆仁 |
様々な企業から依頼を受ける電脳トレジャーハンター。情報収集が得意。 | 2期から登場。SOL社にバウンティハンターとして雇われたデュエリスト。晃曰く「プロ中のプロだが危険な男」。過去の出来事からAIを敵視している。 |
ハノイの騎士
???/リボルバー | スペクター |
---|---|
CV:武内駿輔 | CV:鍛治本大樹 |
ハッカー集団「ハノイの騎士」のリーダー。「サイバース世界」の消滅、及びイグニスの抹殺を目的としている。 | リボルバーの補佐官。他の幹部とは異なり、唯一マスクを付けていない。 |
鴻上聖 | ファウスト |
CV:菅生隆之 | CV:三上哲 |
「イグニス」の生みの親である科学者。リボルバーからは「父さん」と呼ばれている。現実世界では7年前に死亡しているが…? | ハノイの騎士の幹部の一人。リボルバーとは彼が幼い頃から面識がある。 |
ドクター・ゲノム | バイラ |
CV:桐本拓哉 | CV:小清水亜美 |
ハノイの騎士の幹部の一人。DNAの研究をしている科学者。 | ハノイの騎士の幹部の一人。女医として病院に潜伏している。ファウストと同じくリボルバーとは面識があり、彼の身を案じている。 |
イグニス
ライトニング | ウィンディ |
---|---|
CV:前田一世 | CV:鈴木千尋 |
「光」属性のイグニス。サイバース世界ではリーダ的ポジションであり、サイバース世界への襲撃の際に行方をくらましていたが、ウィンディと共にAiにサイバース世界の再建を持ちかけるべく姿を表す。 | 「風」属性のイグニス。サイバース世界への襲撃の際に行方をくらまし、自分の住処であるデータストームの吹き荒れる「風のワールド」を構築した。 |
アクア | アース |
CV:川澄綾子 | CV:岡林史泰 |
「水」属性のイグニスであり、イグニス達のサブリーダー。嘘と真実を見分ける能力を持っている。 | 「地」属性のイグニス。サイバース世界が襲撃されたと同時にその行方をくらまし、一面の荒野のような外観の「地のワールド」を構築して新生LINK VRAINSに潜んでいた |
その他
島直樹/ロンリー・ブレイヴ→ブレイヴ・マックス | ロボッピ |
---|---|
CV:沢城千春 | CV:高橋未奈美 |
遊作と同じクラスの少年。デュエル部に所属している。最新のデュエルディスクをいち早く入手したり、Playmakerのデュエルを見逃さないなど今作のミーハー枠。 | 遊作の部屋にいるお手伝いロボット。ひょんなことからAiの子分的存在となっている。遊作を「ご主人様」、Aiのことを「兄貴」と呼ぶ。 |
ボーマン | ハル |
CV:松田賢二 | CV:白石涼子 |
2期『イグニス編』から登場。記憶を失くしている謎の大柄の男。草薙仁の意識データを奪って『LINK VRAINS』へ逃亡する。 | 2期『イグニス編』から登場。ボーマンの弟を名乗る謎の少年。 |
『LINK VRAINS』の様子を報道している記者の二人。カエルはリポーターで鳩はカメラマン。
スタッフ
監督は1~13話までが細田雅弘氏、14話以降は浅野勝也氏が担当している。シリーズ構成は遊戯王ZEXAL以来3年ぶりに吉田伸氏が担当。
キャラクターデザイン担当に、テレビ東京版の遊戯王全シリーズに参加した原憲一氏(キャラクターデザインはドーマ編以降で担当している)、音楽は遊戯王デュエルモンスターズ以来13年ぶりに光宗信吉氏が起用されている。
監修:佐藤竜雄(14話-)
助監督:武藤公春(32話-)
シリーズ構成:吉田伸
デュエル構成:彦久保雅博
キャラクターデザイン:原憲一
音響監督:松岡裕紀
音楽:光宗信吉
アニメーション制作:ぎゃろっぷ
製作:テレビ東京NAS
デュエルリンクス
デュエルリンクスでは2022年9月に『VRAINSワールド』として実装。
本編のパラレルである他シリーズとは異なり、VRAINSワールドは明確にアニメ最終回後のストーリーとなっている。本編のネタバレを回避したい場合、アニメ本編を見終わってからのワールド開放が望ましい。
主題歌
OP
- 「With The Wind」(1話~46話、120話ではエンディングテーマとして使用された)
作詞・作曲・編曲:Yocke
歌:富永TOMMY弘明
- 「go forward」(47話~102話)
作詞・歌:KIMERU
作曲・編曲:Yocke
- 「calling」(103話~120話)
作詞・歌:KIMERU
作曲・編曲:Yocke
ED
- 「Believe In Magic」(1話~24話)
作詞:MICRO、Bobby Conscious
作曲:藤本和則
編曲:Kazunori Fujimoto for D.O.C
歌:龍雅-Ryoga-
- 「Writing Life」(25話~46話)
作詞:福山匠
作曲:児玉一真
編曲・歌:Goodbye holiday
- 「BOY」(47話~70話)
作詞・作曲・編曲:K
歌:uchuu;
- 「glory」(71話~95話)
作詞:Miku Kobato
作曲・編曲・歌:BAND-MAID
- 「Are you ready?」(96話~119話)
作詞:松隈ケンタ×JxSxK
作曲:松隈ケンタ
編曲:Satoshi Toyosumi, Ichiro Iguchi, Kazuki Sato, oni, Kohei Abe, Kotaro Nakatani(SMC), Ohara just begun
歌:BiS
余談
- 放送時間帯は前作『遊戯王ARC-V』の日曜午後5時30分から、水曜午後6時25分に変更された。遊戯王シリーズが水曜の夕方放送に戻るのは『遊戯王5D's』以来7年ぶりである。また、当初は4月放送開始予定だったのが5月に延期したため、4月の間は『遊☆戯☆王VRAINS 徹底解剖!遊☆戯☆王LABO(ラボ)』という特番で繋いだ。ニコニコ動画でも毎週配信されていた。
- アニメ『遊戯王』シリーズでは唯一コミカライズ展開されていない(遊戯王DMおよび初代遊戯王は漫画の方が原作)。
- 本作で登場したスピードデュエルだが、実はスケートボードでのデュエルは『遊戯王5D's』で似たようなものが登場している。ただし、こちらは一人を除いてDホイールに乗れないキャラクターが「ライディングデュエル」を体感する為に乗っていた。
外部リンク
- テレビ東京『遊☆戯☆王VRAINS』公式サイト
- NAS 作品紹介 遊☆戯☆王VRAINS
- 『遊☆戯王☆VRAINS』Café Nagi 出張所 in コスパ
- 放送開始5周年記念に2022年8月27日~10月11日まで開催されたポップアップショップ。
- 『遊☆戯王☆VRAINS』オンラインミュージアム
- 2022年12月21日~2023月1月23日まで、eeo Museumで開催されたオンライン展覧会。
- 『遊☆戯☆王VRAINS』in ふらんす亭
- 2023年1月6日~1月22日まで開催された「ふらんす亭」とのコラボ。
関連イラスト
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