概要
エクシーズモンスターは、エクシーズ召喚で呼び出されるモンスターの総称である。アニメ『遊戯王ZEXAL』で初登場。
流星群らしきものがデザインされた黒いカード。独自のステータスとしてランクとエクシーズ素材を持つ。基本的に自分フィールド上の同じレベルを持つモンスターを複数体重ねてその上に置く事でエクストラデッキから特殊召喚できるモンスター。その為、同レベルのモンスターを揃えれば対応するエクシーズモンスターを召喚できる。
効果を持つ者の多くは、エクシーズ素材に関するモンスター効果を持ち、基本的にエクシーズ素材を取り除く事で効果を発動する。
一部のエクシーズモンスターには「ナンバーズ」と呼ばれるカードが存在し、カード名に「No.○○」のように番号が振られているのが特徴。詳細はナンバーズ(遊戯王)を参照。
ランク
エクシーズモンスターはレベルを持たず、代わりにランクという表記(黒い星)がある。レベルを持たないので『レベル制限B地区』などのレベルに関する効果を受けなかったり、儀式のリリースやシンクロ素材に出来ない。
例えば、レベル4のモンスターを素材に召喚するエクシーズモンスターはランク4となる。ランク5以上のモンスターは同じレベルの上級モンスター複数体を利用するため、召喚難易度が一気に上昇する。レベルを調整する効果や融合、シンクロ召喚などを利用すれば出しやすくなる。
中には特定のランクのエクシーズモンスターの召喚に長けたカテゴリも存在するので、一概にランクが高いモンスターが召喚しにくいとは言いきれない。寧ろ、素材数が3体以上必要なエクシーズモンスターのほうが揃え易いレベルが限られるので召喚難易度が高くなる。《RUM》魔法カードは、そう言ったモンスターの召喚に使用するほうが戦略として優れていると言える。
エクシーズ素材
エクシーズ召喚のために使用されエクシーズモンスターの下に置かれたカードのこと。
ただしフィールド上ではカードとしての扱いにならない。そのため、エクシーズ素材となったモンスターは、エクシーズ召喚が無効になった場合も含め、「このカードがフィールド上から墓地へ送られた時」の効果を発動できない。
エクシーズ素材を取り除く場合、どれを取り除くかは任意で決められる。
エクシーズモンスターがフィールドから離れる際は素材は墓地に送られる。扱いとしては魔力カウンターなどのカウンターに近いが、エクシーズモンスターが裏側表示になっても取り除かれない点が大きく異なる。
英語名
公式の英語名は「Xyz」で、これで「イクシーズ」と発音する。
英語には「超越する」という意味を持つ「exceed」という言葉があるのだが、その意味に加え、関連性のない全く違うカード同士を組み合わせるという意味合いを込めて、代数として頻繁に用いられるX・Y・Zを使ったものと考えられる。
エクシーズ召喚
手順
- エクシーズモンスターによって、素材として指定されているモンスターを自分フィールド上に表側表示で存在するように準備。素材となるモンスターは表側表示であれば、攻撃表示でも守備表示でも構わない。
- 特殊召喚したいエクシーズモンスターに書かれた、素材となるモンスターをモンスターカードゾーン上に縦向きで重ねるように置く。
- 重ねたモンスターを素材とするエクシーズモンスターをエクストラデッキから取り出し、素材としたモンスターの上にさらに重ねる。
素材
裏側表示モンスターは、レベルが不明で条件を満たしているかどうかが判定できないため使用することができない。トークンもカードではないため使用できない。
罠モンスターは使用可能である。
それ以外のエクシーズ召喚
CNo.39希望皇ホープレイなど一部のエクシーズモンスターは、指定された条件を満たしたモンスターの上に重ねる特殊なエクシーズ召喚が行える。また、《RUM》魔法カードなどは条件に合ったより高ランクのエクシーズモンスターを上に重ねてエクシーズ召喚が行える。
アニメ・漫画作品での扱い
『遊戯王ZEXAL』より登場。同作の世界ではごく当たり前のように用いられる召喚方法である。また、先に述べたように、ナンバーズと呼ばれる特殊なエクシーズモンスターが存在し、これが物語の設定・世界観に大きく関係してくる。
エクシーズモンスターのことを作中では一貫して「モンスター・エクシーズ」と呼び、同じレベルのモンスターを素材として使用することは「オーバーレイ」、エクシーズ素材の事は「オーバーレイ・ユニット」と呼ぶ。
例えばランク4のNo.39希望皇ホープのエクシーズ召喚を行う際には、「レベル4の(モンスター名)と(モンスター名)をオーバーレイ! 2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築! エクシーズ召喚! 現れろ、No.39希望皇ホープ!」という表現をする。
初期の頃はシンクロ召喚と違い、口上が固定されていたが、それを寂しいと感じる視聴者が多かったからか、主要人物の切り札を中心に独自の口上を付けるようになった。
例
- CNo.39希望皇ホープレイ:「カオス・エクシーズ・チェンジ! 今こそ現れろ、混沌を光に変える使者!CNo.39 希望皇ホープレイ!!」
- 超銀河眼の光子龍:「逆巻く銀河よ、今こそ怒涛の光となりて姿を現すがいい!降臨せよ、我が魂!超銀河眼の光子龍!!」
アニメでは、エクシーズ素材はエクシーズモンスターの周囲を回る属性と同じ色の光球として表現され、効果によってエクシーズ素材が取り除かれる時にはモンスターに吸収される。
また、エクシーズ素材を取り除いて効果を発動する際は「オーバーレイ・ユニットを1つ使い」といった表現をする。
カオスモンスター・エクシーズ
遊戯王ZEXALⅡにて登場した、モンスター・エクシーズの上位種と思われる特殊なモンスター・エクシーズで、通称カオスエクシーズ。バリアン世界の使者に洗脳された人々が使用する、対ナンバーズ用のモンスター。ルール上は普通のモンスター・エクシーズと同じ存在のようである。
詳細はカオスエクシーズを参照。
後続作品での扱い
アニメの続編『遊戯王ARC-V』では作中の認識が前作と異なり、一般には普及しておらず、LDSの中でも一部のエリート生徒が受ける専門クラスでのみ学べる戦術とされており、それ以外のデュエリストには「エクシーズモンスターはレベルを持たない」といった基本的なルールすら浸透していない(現に勝鬨勇雄は「"レベルを持たない"なら"レベル0"ではないのか!?」」という誤解をしていた)。
後にZEXALでの世界観同様、エクシーズモンスターが普及したエクシーズ次元と呼ばれる異次元が存在している事が判明した。
主要人物ではユートや黒咲隼といったエクシーズ次元の出身者がエクシーズ召喚を中心とした戦術を披露している他、LDSにおける上記のクラスの優等生である志島北斗がセイクリッドを使用してセイクリッド・プレアデスやセイクリッド・トレミスM7の召喚に繋げるというOCGにも通用する戦術を披露したりしている。
呼び方は「エクシーズモンスター」へと変更されたが、「オーバーレイ」「オーバーレイ・ユニット」といった語句や召喚・効果発動時のエフェクト等はそのまま使用されている。
『遊戯王VRAINS』では放送2年目の終盤から登場。こちらでも「オーバーレイ」「オーバーレイ・ユニット」といった語句が続投している。
余談
効果を使用できる回数に制限があり、多くが無制限だったシンクロモンスターと違ってバランス調整が図られている。
昨今では、インフレしているので毎ターン使えるとしても1度使えれば実は大した差がないと言える場合が増えている上、効果もぶっ壊れなものが多くなった。
何より、エクシーズモンスター効果の代償の多くは、「エクシーズ素材を取り除く」だけなので、回数制限があっても多くの場合攻撃権に影響はない。
しかも、エクシーズモンスターは相手のモンスターを破壊するのはもちろんのこと、破壊以外の除去手段も多い上に、低レベルモンスターとのバトルやダイレクトアタックなら十分なレベルのアタッカークラスである場合が多い。
これは、他種のモンスターの場合は効果の使用には何らかの制限がかかるので、コストの面で見ればむしろ優遇されていると言ってもいい。コストがない場合は、召喚する難度自体が高かったりするために、手間暇かけて超強力なシンクロモンスター1体を呼ぶくらいなら、エクシーズ2体に費やした方が効率が良い場合も少なくない。
エクシーズの場合、相手に何らかの効果耐性があっても別の耐性がない効果に簡単に切り替えてしまえばいい上に、除去してからもモンスターの攻撃権自体は残っているので簡単にダイレクトアタック出来るからだ。
その上、相手ターンにも効果を発動して相手に発動出来る効果に対し、能動的なフリーチェーンの効果を持つモンスターも他方面に比べて優遇されている。
端的に言えば、『回数制限がある』と言ってもインフレすればするほどコストパフォーマンスが、極端に優遇されている。
一応、使用したエクシーズ素材を元に戻す効果・強制的に墓地に送る効果、エクシーズ素材の代用品にできる効果を持つカードも存在する。
しかし、他カテゴリーに比べてエクシーズ素材に干渉する効果がメインのカードは案外とデッキの枠を消費する傾向からあまり使われず、後述のランクの関係でロックをすり抜けるので色々と使い勝手が良い、悪く言えば優遇され過ぎているモンスターとなる。
(エクシーズモンスター自体はレベルを持たないが、エクシーズ素材として用意されたモンスターはレベル変動の影響を受けやすい為、「デビリアンソング」や「妖怪のいたずら」等の妨害策を張られても、ある程度動けるよう、エクシーズ特化カテゴリーにシンクロや融合等を添えたデッキが使われた事もあった。)