「自分は、ひたすら暗い闇の道だけを歩んできた。お前のような者には負けない!」
CV:野島健児
概要
梁山泊塾に所属するデュエリストの一人。
所属する塾の苛烈な教えに則り、リアルファイトによるデュエルを得意とする。
所属する塾で代表格まで昇り詰め、前年度の舞網チャンピオンシップでは準優勝者という結果を出しているため、大会では優勝候補としても有望されている。
人物
勝鬨は幼少期にプロデュエリストになるべく、父親に連れられて梁山泊塾に預けられる事になる。
塾に預けられるその直前、河川敷で遊矢とその父・遊勝が楽しげにデュエルしているところを目撃しており、舞網チャンピオンシップで相まみえた遊矢の「勝鬨の笑顔を取り戻す」という決意に対し、「光の道でぬくぬくとデュエルをしてきたものには負けない」と闘争心をあらわにしている。
来歴
舞網チャンピオンシップ篇
ジュニアユース選手権第一回戦の最終デュエルにて対戦相手になった刀堂刃は、ライフを0にされてもなお暴行され続ける形で一方的に倒され、担架で運ばれるほどの重傷を負っており、榊遊矢を始めとする観客達の殆どは、余りの凄惨さに顔を歪め、言葉を失っていた。
第二回戦にて遊矢と対戦することになり、遊矢は彼とのデュエルで自分のデュエルを伝えるが、デュエル中に河川敷で見た遊矢と遊勝の姿を思い出した勝鬨は、刃の時同様アクションカードを力づくで奪い取る戦法で遊矢を心身ともに追いつめる。
「そのまま暗い闇の中に墜ちるがよい」と勝鬨が囁いたその結果、遊矢は突如謎の力に覚醒してダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴンを召喚。自身の「覇勝星イダテン」のレベル10以下のモンスターの攻撃力を0にする効果で迎え撃とうとするものの、レベルを持たないエクシーズモンスターにその効果は通用されず、あっけなく敗れ去った。
「何!?"レベルを持たない"なら"レベル0"ではないのか!?」(※)
の台詞はあまりにも有名である
※エクシーズモンスターはレベルを持たずランクを持っている。そしてレベルを持たないと言うことは「レベルを参照する効果を受けない」ということである。これは逆にランクを参照するカードにも言える事であり、「ランクを持たないならランク0」ではないとも言えるため、他の面妖かつ複雑な表現と比較してもとても簡単であり、エクシーズ召喚が実装された直後の初心者ならともかく名門の生徒としては勉強不足としか言いようがない。ちなみに後の世代で守備力を持たないリンクモンスターも登場したがそちらも同じく「守備力を持たないのでそれを参照する効果を受けず、それ故に守備表示にならないため、守備表示にする効果と裏側表示にする効果を受けない」という裁定になっている。なお、「?」のモンスターは「持っているがまだ指定されていない」であるため、「元々の数値」としては0の扱いになる。(基本的に自身の効果で数値が決まる)遊戯王において「0である(持っている)」ことと「持たない(設定されていない)」ことは別で考える必要があるのだ。
遊矢に敗北した事で、その心を彼への憎しみに支配されてしまった勝鬨は、差し伸べられた手を振り払う形で強く拒絶するのだった。
また、この件は「デュエルは人を笑顔にする楽しい物である」と考える遊矢の心に影を落とす事になる。
上述の通り、梁山泊塾の掟で寮から外出は出来ない為、遊勝が公式のデュエルで失踪した事は当然ながら知らない可能性が高い。その為に「卑怯者の息子」と虐げられていた遊矢に「光の道でぬくぬくと~」等の台詞を言ってしまったのも無理は無い(開会式で遊矢がその事に関した演説もしているが、その辺りは聞き流していたのだろうか)。
融合次元篇
第113話、融合次元に姿を見せた榊遊矢達の前に、デニス・マックフィールドに唆される形でデュエルアカデミアの軍門に下った彼の姿があった。ジュニアユース選手権の敗戦から、梁山泊塾では破門も同然の扱いを受けており、遊矢に対する感情を己の勝利を以て乗り越える為に、デニスに「遊矢が融合次元に来るので勝鬨も来ないか」という誘いを受け遊矢との対峙を決意する。
そして、融合次元に訪れて柚子と再会した遊矢を前に、復讐を始めるべく遊矢に襲い掛かった。
今回のデュエルでは、勝鬨のディスクがスタンダードでのものではなく、アカデミアで使用されているタイプに変わっている。更に、前回の借りも返すべく遊矢との再戦では、初手から手札融合を決めたり、あえてダーク・リベリオンの召喚を要求した上で「レベルが有ることで優位になる」というエクシーズメタの戦術を披露。ランクという概念をきっちり理解した戦術、そして梁山泊塾の教えであるいつものリアルファイトで遊矢を追い詰めていく。
「そう、レベルを持たないと言うことは、レベル0ということだ!」
(視聴者から「ランク周りをまだよく理解できていない」と突っ込まれていたが、前回の意趣返しとも取れるので、一概にルールの認識不足とも言い難い。そもそも、前回は「レベルを参照して不利を背負わせる」効果であるため「レベルを持たない=レベル0」は誤りだが、今回は「レベルが無い事が不利」な効果であるため「レベルを持たない=レベル0」は受けられる恩恵が同じなのであながち間違ってもいない、実際カードには効果処理が面倒故に「ルール上レベル1とする」とされてしまっているが、原作ではレベル0として登場しているモンスターはいくつか存在している。)
同時に、ライフコストや自爆しかねないデメリットを兼ねた自身が傷付くことも厭わないまさに修羅と化していた。
これに対し、遊矢もエクシーズモンスターにレベルを与えるアニメ効果の「相克の魔術師」を活用したり、エクシーズ次元にて神月アレンから託された特殊なローラースケートで走行術を駆使して対抗し、アクションカード争奪戦においてもずっとやられっぱなしではなくなっていく。道連れで終わらせようとする勝鬨に対して、遊矢が放った最後の運否天賦で勝敗はつけられる。
しかし、街中で縦横無尽に駆け巡り、一進一退に丁々発止と切り結んだ展開は観客も魅了しており、負けて終わりだった今までとは違って「楽しかった」と手を差し伸べる遊矢にと対戦者を称える拍手や歓声に負けながらも、今までとは違い「悪くはないな」と言い残し、遊矢という存在に対して気持ちの整理をつけることができた模様。
遊矢の方も、最初の勝鬨戦で初めてのエンターテインメント失敗による後味の悪さを乗り越えることができ、互いに得るものがあるデュエルと言える。
容姿
拳法家のような服装をしており(梁山泊塾生全員がそのような服装)、前述のようにリアルファイトの実力は折り紙つきである。
使用デッキ
使用カードはレベル5の戦士族モンスター群。勝鬨が使うカードは「しょう星」で共通しており、しょうはモンスター毎に違う。
作中で出てきたのは、メインデッキのモンスターの「天昇星テンマ」と「地翔星ハヤテ」、エースモンスターは融合モンスターの「覇勝星イダテン」。
実況によれば前回大会では融合召喚を使用していなかったようで、本大会に向けて新たに習得した様子。
融合次元篇ではアカデミアに付いた際に「天融星カイキ」と「覇道星シュラ」を与えられている。
なお、使用デッキが明らかになる前は既存のシンクロ・エクシーズの両方が混在するOCGカテゴリの【炎星】使いだろうかと(勝手に)想像されていた。
見た目からというだけの突拍子の無い想像というわけでもなく、「炎星」のモンスター名の多くは歴史小説「水滸伝」での登場人物が元ネタとなっており、所属塾名である「梁山泊」も小説内で出てくる主人公の拠点の名称でもある。未使用の元ネタもまだ多かったのも大きい。
エースモンスターとして登場したイダテンも、実際にある炎星モンスターである「速炎星-タイヒョウ」と元ネタが一致しているカードであるため、当たらずとも遠からじと言ったところか。
なお、アニメ『遊戯王ARC-V』放送時の【炎星】には融合関連のカードや融合モンスターは無い。融合召喚が選ばれたのもこの辺りの影響があるのかもしれない(2020年10月にて融合モンスターの富炎星-ハクテンオウが登場している)。
2018年にはイダテンなどの関連カードがOCG化を果たした。
ちなみに、本編初デュエルとなった刃とのデュエルはリアルファイトで刃をボコボコにするシーンしか描かれなかったため、使用するデッキなどは一切明かされなかった。これカードゲームのアニメだよな…?
余談
デュエル関連
塾の外に出ることが許されない環境にいたためかエクシーズモンスターについて詳しく知らなかったようで、レベルを持たないエクシーズモンスターはレベル0として扱うと勘違いしていた。そのため、レベルを参照するイダテンの効果でダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴンを対象にしようとしたが当然通じず、これが決め手となった。
視聴者からは色々と言われたが、当時スタンダード次元ではエクシーズモンスターがあまり浸透しておらず、チャンピオンのストロング石島でさえアドバンス召喚を使う世界である。エクシーズ召喚は最近になってLDSの講義内容に加わったばかりな上に、LDSが独占していた。現実と同じく融合以降にエクシーズモンスターが増えたのならば、把握していなくてもおかしくはない(現実でいえば2011年初めの感覚に近い)。
なお、昨年度のジュニアユースの優勝者が「桜樹ユウ」というデュエリストであることが40話にて判明している。彼がユース選手権の中でフィニッシャーとして使用したモンスターは、まさかのエクシーズモンスター「魔導法皇 ハイロン」。つまりエクシーズモンスターと戦ったのは初めてではない可能性が出ている。
しかし彼の名誉のためにも一応、当時から勝鬨がイダテンを使っていた可能性は低く、また語ると非常に長くなる(主に【魔導】の構築に関して)が、昨年の時点で桜樹ユウがエクシーズモンスターを使用していない可能性もあるということは追記しておく。
「何?レベルを持たないならレベル0ではないのか!?」
上記の台詞は、レベルを参照するイダテンの効果が、エクシーズモンスターのダーク・リベリオン効かなかった際の言葉。テキストだけでは分かりにくい遊戯王OCGルールを皮肉った台詞全般に改変されて使われる。ニコニコ大百科でも勝鬨勇雄の記事に先んじてこの言葉の記事が出来る始末である。
転じて、遊戯王OCG初心者あるある、KONMAI語の被害者といったネタに使われるようになった。
一例
「何!?フィールドにあるエクシーズ素材はフィールドから送られた扱いになるのではないのか!?」
「何!?サイクロンで破壊したら効果は無効になるのではないのか!?」
「何!?氷結界の龍トリシューラは対象を取るのではないのか!?」
「何!?コストとして捨てた暗黒界は特殊召喚できるのではないのか!?」
「何!?スキルドレインがあるならカードガンナーで墓地にカードは送られないのではないのか!?」
「何!?エフェクト・ヴェーラーの効果を受けてもスターダスト・ドラゴン/バスターは帰還できるのではないのか!?」
「何!?ならずもの傭兵部隊は墓地で発動する効果ではないのか!?」
アルティマヤ・ツィオルキン「何!?レベルを持たないならレベル0ではないのか!?」
「何!?エクシーズモンスターはレベルを持たないからエクシーズ素材にできないのではないのか!?」etc…
デュエリストなら誰でも通る道である。
シンクロ次元でも遊矢達を捕まえようとした捕縛者がエクシーズモンスターを前にして、上記の台詞を言うのだが、シンクロ次元の場合はエクシーズだけでなく、融合やペンデュラムも本来であれば存在しない召喚方法とされている事を補足しておく。
融合次元篇では、シュラの効果でエクシーズモンスターにレベルがないことを逆手にとり遊矢を圧倒しようとするが、よりによってエクシーズモンスターのランクをレベルに変換するという対抗手段が勝鬨に待ち受けていた。これを目の当たりにした勝鬨は、「なに!?レベルを持たないモンスターにレベルを与えるだと!?」 と驚愕していた(一応このデュエルは、一般人の目には触れていない。)。
この驚愕こそ「ランク」と「レベル」の違いを理解している証拠とも言える。
また、OCGシリーズ10期からは勝鬨君どころか熟練デュエリストすら大混乱するようなルールとモンスターが実装されている。
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ヴァロン-偉大なる先輩。