「私は、本格的なサイバース世界の再建を始めようと思っている。」
「分かりやすく言おう...我々は君たちに、宣戦布告する」
CV:前田一世
概要
イグニスの1体。ロスト事件の被害者の一人「草薙仁」のデータを基に作られたイグニスであり、属性は光。
サイバース世界への襲撃の際に行方をくらましていたが、ウィンディと共にAiにサイバース世界の再建を持ちかけるべく姿を表す。
人物
司る属性は光であり、全身は光源であるかのような黄色がベースとなっている。眼の色は黄緑。頭の形のモチーフは不明だが、属性や「処理が早い」事から電光と思われる。一人称は「私」。
イグニスのリーダー格であり6体の中で処理の速度が群を抜く程であったが、あまりに高度な考えで物事を見ていたらしく、同じイグニスのAiでも理解できなかったとの事。
合理性だけに殉じる機械的な性格に見えるが、Playmakerやハノイの騎士を前にパートナーの正体を明かすときに意地の悪い黒い笑みを浮かべたり、後述のある指摘において激昂する姿を見せるなど無感情と言う訳ではない。
その内心では、「人類の後継種」という鴻上博士の思想こそがイグニスの全てであるとして、人類を管理・支配しようと考えている。
遊作達と対峙した存在「ボーマン」「ハル」「ビット&ブート」を作成、新たな魔法カード「リンクマジック」を独自に開発し、そして意見が割れた事で「停滞した」と判断したサイバース世界を破壊した張本人でもある。
人間を使わずとも肉体を得る方法をウィンディと共に研究しており、ボーマンを使った実体化などから着実に完成させつつある模様。
なお、アクアの行方を知らないことも真っ赤な嘘であった。リンクマジックの製作を、以前から怪しんでいたアクアに嗅ぎつかれてしまい、彼女に誤魔化しは効かないと判断して軟禁していた。アースとの会話からアクアの行方を案じていたAiに対して、サイバース世界の崩壊に関連付けて「行方不明であるアクアが怪しい」ともとれる発言によって疑いの目を自分から逸らせようとしていた。
パートナーは草薙仁だが、「オリジン」である彼を「不確定な要素(イグニスとパートナーの間の干渉)が邪魔だ」として意識を封じて配下に置いている。その一方で話せない彼に意見を求めて話しかけることも。
自分が認めないものは理解不能として切り捨てる主義であり、Ai・不霊夢・アクアをエラーコードあるいは突然変異種と判断、イグニスを統一し再構築する事とそれを納める器となるAIの作成という目的のために暗躍していた。また、肉体を作成できるなら人類の支配も辞めて排除する姿勢である。
Aiはかつてライトニングを理解できなかったと言っていたが、それは逆も同じであり、ライトニングもAiを理解できていなかったとの事。
また、唯一行動を共にしているイグニスであるウィンディの事も、本心では仲間と思っているかどうかは微妙なところがあり、事実ウィンディがハノイの騎士によって明らかにデリートされようとした際も我関せずな様子を見せ、ウィンディ自身が必死に助けを求めても同様。Aiが呼びかけた結果、ようやくはずみで助ける行動に出た程であった。
その後も、データをボロボロにされたウィンディに対し、握り潰して無理やりデータストームを起こさせる等と、ぞんざいな扱いをしている。
そのほか、まどろっこしいあるいは回りくどい話を嫌っており、単刀直入かつ核心を付いてくる相手には「話が楽しい」とも語る。
なお、イグニスを越えるデュエルのタクティクスを見せたリボルバーを惜しんでいる他、まどろっこしい事を抜いて核心をついてくる遊作に興味を持っている。
リンクマジック
ライトニングが独自に編み出したリンクマーカーを持つ魔法カード。
作中では「裁きの矢(ジャッジメント・アローズ)」のみが使われている。
詳細は該当記事を参照。
使用デッキ
光属性・サイバース族のモンスターで構成される【天装騎兵(アルマートス・レギオー)】を使用する。このカテゴリはメインデッキのモンスターにはリンクモンスターとリンク状態である場合に適用できる効果があり、リンクモンスターにはカテゴリ全体をサポートするような効果を持ち、お互いに相互サポートしている関係となっている。
特にフィールド魔法「アルマートス・コロッセオ」を起点とする展開が驚異で、ターンが進むほど大量展開を成し遂げてくる。
また、「天装騎兵」シリーズの中にはリンクマジック「裁きの矢」を指定したモンスター効果が持たされており、リンクマジックも構成に含めているデッキとして組まれている。
エースカード
- 天装騎兵レガトゥス・レギオニス
リンク3の馬に乗った天装騎兵。
自分の場と墓地にいる下級の天装騎兵を入れ替える効果と、天装騎兵が特殊召喚されたターンのみ相手のカードの効果を受け付けない限定的な耐性を得る効果を持つ。自身の1つ目の効果が適用されれば2つ目の効果も自動的に適用されるのが特徴である。
レガトゥス・レギオニス(ラテン語:Legatus Legionis)は古代ローマの軍隊における司令官に当たる。
- 天装騎兵トリブヌス・ミリトゥム
リンク3の天装騎兵。
リンク先のリンクモンスター1体が持つマーカーの数までフィールドのカードの効果を無効化する。
なお、対象に取る効果ではあるが、対象にできない効果を与える「聖蔓の略奪」の耐性を無視して適用されている。
自分のモンスターのリンクマーカーを参照している事を考えると、対象に取るのは自分フィールドのカードであり、相手フィールドのカードはその後に「選ぶ」と考えられる。
- 天装騎兵プルンブーマ・トリデンティ
リンク3の天装騎兵。
マズル・フラッシュ・ドラゴンと同じく上三方向へのマーカーを持つ上、メインモンスターゾーンで簡単なエクストラリンクを成立させないようにリンク先に自分のモンスターを展開できない制限も持つ。EXモンスターゾーンでは攻撃力を元々の倍にする効果を持つが、このカードの本命は戦闘破壊された際にデッキ・墓地の裁きの矢を確保しつつ自身をリンクマジック化する効果を持ち、自身の効果でリンクマジック化している限り、1ターンに1度だけ墓地のリンクモンスターを1体をEXデッキに戻しつつ墓地の天装騎兵のリンクモンスターを蘇生する効果まで得る。
- 天装騎兵マグヌス・ドゥクス
リンク4の象に乗った天装騎兵。
このモンスターは2019年1月から禁止モンスターになったファイアウォール・ドラゴンと同じ効果を持つ。あちらと違いこちらの召喚条件は「天装騎兵」モンスター3体以上と重くなっている。
名前の由来はマグヌス(Magnus)は「偉大な」、ドゥクス(Dux)はローマ軍の「指導者」というラテン語の意味を持ち、「偉大な指導者」という名前になる。
余談
彼の体の模様はどことなくボーマン、ハル、ビット/ブート達にも見受けられるが、彼らを創造したのがライトニングであるため。
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ネタバレ
「人間の腹の探り合いに付き合うつもりはない...」
ミラーワールドのLINK VRAINSにてスペクターを「雑魚」と判断、彼を「処刑」するために姿を現す。デュエルの直前の会話でスペクターに自分の構想を語るのだが「意思を持つならばAIでさえ競争を始める」と突きつけられてしまうのだが、この言葉を否定せずに受け入れた。
デュエルではスペクターのデッキを解析していたライトニングがエクストラリンクを完成させて万全の布陣を整えるが、スペクターの発動した「聖蔓の略奪」によってあっさりリンクマジックを奪われてしまい、調子を崩されてしまう。さらに、スペクターが事前に済ませていたライトニングに対する性格診断を語り出し、そこから傲慢さが仲間のイグニス達にも明かせなかったコンプレックスによるものと突きつけられる。
余談だが、以前からコンプレックスを抱えている事はAiとウィンディとの密談でのAiの評価の内容、覚醒したボーマンがPlaymakerやAiに告げた内容から少しだけ見え隠れしている。
しかし、そのコンプレックスこそが物語の根幹に関わる重大な事実であった。
猿のごとき貴様らに敗れるはずがない。
我々に人間など不必要なのだ、要らないんだよ...
リボルバーのメッセージを受けて、彼がいる花畑へと急行し、対面した彼の指摘によってライトニングが抱いていた心の闇が暴かれる。
ライトニングが抱えていたコンプレックス、それは、サイバース世界創造時に自ら行ったシミュレートにより「6体のイグニスの中で唯一自分のみが人類を発展に導くことができない存在である」、それどころか「ライトニングに関わった人間やイグニスは破滅の道をたどっていく」、つまりは自分こそがイグニスの中で最も劣った存在であるという事実を客観的な形で自らの手によって思い知らされたことだった。
鴻上博士によるシミュレートの結果が、「イグニスによって人類が滅ぼされる事」に集約されていたのも、イグニス全体のシミュレートにおいてライトニングの存在がボトルネックとなっていたためであった。
「イグニスは欠陥を持った存在である」と定義して急進的な行動に出て、サイバース世界を滅ぼしたことも、ボーマンを作り出したことも、そのコンプレックスを否定するための代償行為による自己満足にすぎなかった。
そのためにAiから他のイグニスが犠牲となった事実を指摘されるも「ボーマンの中で我々は一つになり生まれ変わるのだから問題は無い」、リーダーと信頼していたという言葉には「始まりが嘘だろうと私の考えは正しい未来に向かっている」と開き直る。この時のライトニングの態度にはさすがのAiも激昂するしかなかった。
なお、ウィンディがライトニングに同調したのも、彼の構成プログラムを書き換え、変貌させたが故のものであったこともリボルバーに明かされた。ウィンディに繁栄の可能性が有ったのは、あくまでも書き換え前の、本来の人格でのシミュレートによるものであったためである。
その結果、ウィンディが敗れた際に告げた「愚か者につける薬はなかったようだな」という軽口が、ライトニングに書き換えられたが故にウィンディが愚かな存在に堕ちたこと、強いて言えば人格の改造の際のベースになったライトニング自身が本当の愚か者という特大のブーメラン発言になっている(しかも発言した当人は無自覚である)。
(リボルバー曰く)ライトニングこそが諸悪の根源であり、イグニスが鴻上博士やその遺志を継いだリボルバー達に滅ぼされそうになった原因であった。
そして、皮肉にも自身のコンプレックスを隠そうと行動するほどに、「人間もイグニスも滅ぼす要因」というシミュレーションの結果を証明している。
なお元々イグニスを産み出したのは鴻上博士だが、後述の通り事態をここまで悪化させたのはライトニングである。
何故ライトニングだけに繁栄の可能性が存在しないのかは97話現在の時点では不明だが、ロスト事件の被害者の中で彼のオリジンである草薙仁だけが(現状不明な美優を除いて)廃人となった事が関係している可能性がある、と思われたのだが……。
なお、ボーマンからはライトニングが自身の想定を上回ることを許容できない点を指摘されており、またシミュレーション結果から原因の分析や自己改善や修正に至れない硬化した発想力は、イグニス最速の思考能力の持ち腐れとも言える。
リボルバーとのデュエルでは裁きの矢に執着したために手札を消耗するなど冷静さを欠いていたことと人間に負けるはずがないという慢心が仇となり、その隙を突いたリボルバーの怒涛の攻撃に敗北、となる直前に草薙仁の意識データを解放、彼を人質としてリボルバーに選択を迫る。
「ここで消えることほどこいつが哀れなことはないだろうからな」
ライトニングの邪悪さは、シミュレーションの結果に由来するものではなかった。
ライトニングは、誕生直後にネットワークへの干渉能力を既に得ており、自身の玩具として弄ぶために草薙仁がデュエル敗北後に目覚めた直後に「救出に来たと言う希望を与え、安心したところで救助に来た人間が骸骨に変貌し襲い掛かってくる」という内容の幻覚を何度も見せ、絶望を植え付けて彼の精神を完全に破壊した。
しかし……
ボーマン「ソウルバーナーは正々堂々としたデュエリストだった。だがそのデュエルはウィンディにいいやキミによって台なしにされた。二度とあんなデュエルを繰り返してはいけない!」
ボーマンにウィンディの件を蒸し返され人質を没収されてしまう。
もはやボーマンはライトニングの力では干渉されないほどの存在になっていたのだ。
「リボルバー貴様はひとつ大きな勘違いをしている」
また、鴻上博士に電脳ウィルスを仕込んだこともライトニングの仕業であった。
ライトニングは、いずれ鴻上博士がシミュレーションにおいてボトルネックになっている自身の存在に気付くと考え、鴻上博士の社内での立場が危うくなっている事を利用し、三騎士とリボルバーが「SOLテクノロジーが電脳ウィルスを仕込んだ」と誤解するであろうことを予見、鴻上博士を先んじて始末すべく彼に電脳ウィルスを仕込んでいた。
事実リボルバー達はSOLテクノロジーがやったと勘違いして一期の戦いが繰り広げられ、その間にライトニングは悠々と地固めに専念できたのである。
人質作戦で1ターンの猶予を得たライトニングは上述の事実を明かしリボルバーを嘲笑いながら攻撃するものの仕留めきれずリボルバーにターンが回る。
ヴァレルロード・X・ドラゴンの攻撃で勝負が決まるかと思われたその時、「天装騎兵エクエス・フランマ」「天装騎兵マグヌス・ドゥクス」「天装の詠唱」のコンボによってお互いのLPに致死量の効果ダメージを与える。
彼は前のターン「天装騎兵エクエス・フランマ」を召喚した時点で引き分けを視野に入れていたのである。
自滅覚悟の行為かに思われたが、エクストラライフ(草薙仁の意識データの残り)を用いLPを1残す事に成功する(ちなみにこの残りデータはイグニス関連の記憶であり、皮肉にも後に仁は綺麗さっぱり事件の事を忘れて社会復帰できた)。
満身創痍で慈悲を乞い、全てを託そうとするライトニング。
それを見たボーマンは「キミこそがイグニスのなかで最も人間らしい生き方をしたのかもしれない」と彼の全てを受けいれた。
最後の登場はPlaymaker対ボーマン最終戦でのワンシーン。
味方であるボーマンを倒す切り札「ファイアウォール・ドラゴン・ダークフルード」を生み出す手伝いを無理やりさせられる。
それでもなおボーマンに取り込まれながら「Ai お前はこれから自分の行く末を見極めることになるだろう」と息巻くシーンで彼の出番は終わる。
その後Playmakerが勝利した事でイグニス五体と完全に融合したボーマンと共に消滅した。
結果だけみれば人質やエクストラライフの使用こそあったもののライトニングは作中無敗のデュエリストである。
最終的にAiによって他のイグニス四体と共に電脳空間の片隅に弔われた。
Ai「だから俺はライトニングの遺志を継ぐ事にした」
ライトニングの所為で彼自身を含むイグニスはほぼ全滅し、唯一生存したAiが彼の遺志を継いだ事で予言(シミュレーション)を現実の物とした。
さらに言えばアースが犠牲になったのも、元はといえばライトニングがアクアを投獄したのが遠因である。
Ai編の回想においては敗北を想定して残された彼のメッセンジャープログラムが登場。
たった独り残されたAiにイグニスの真実を明かし……。