サイバースの新たな可能性を秘めた鉄壁の守護竜。
類い稀なるリンクセンスを持つ者だけが、その鼓動を感じ取れるという。
概要
「CODE OF THE DUELIST」にて登場した攻撃力2500・光属性・サイバース族のリンクモンスター。
旧テキスト
リンク・効果モンスター
リンク4/光属性/サイバース族/攻2500
【リンクマーカー:上/左/右/下】
モンスター2体以上
(1):このカードがフィールドに表側表示で存在する限り1度だけ、このカードと相互リンクしているモンスターの数まで、自分または相手の、フィールド・墓地のモンスターを対象として発動できる。そのモンスターを持ち主の手札に戻す。この効果は相手ターンでも発動できる。
(2):このカードのリンク先のモンスターが、戦闘で破壊された場合、または墓地へ送られた場合に発動できる。手札からモンスター1体を特殊召喚する。
解説
リンク4である為、モンスター4体という重い召喚条件であるが、プロキシー・ドラゴン等のリンクモンスターを使う事で最低2体でのリンク召喚も可能である。
モンスター効果のバウンスは条件付きではあるが、同名カードに縛られていないため、リンクマーカーの位置に合わせて蘇生や帰還でリセットできれば再使用が可能である。更に、2体並べられれば、バウンス効果はフリーチェーンで2度使用可能。
自分の墓地の再利用も可能である他、相手ターンでも可能なので罠カードで蘇生したこのカードで相手のモンスターの展開を阻害する事もできる。
そしてそちら以上に危惧されていたのが(2)の効果で、こちらにも回数制限がないことから、様々なループコンボに利用されるとパック発売前後から評されていた。
最終的にループコンボに厳しい姿勢であるOCGにおいては2018年の元日より制限カードに指定されることになる(なお、制限後も【植物リンク】での先攻1ターンキルへのループコンボから一部カードが規制されたり、それ以外にも水晶機巧-ハリファイバー、サモン・ソーサレス、トロイメアなどのカード群とコンボを組んでソリティア要因にもなっている)。
アニメで使われる主人公のエースモンスターとしては、放送中(放送後)に制限の規制を受けた初の事例となる。
また、リンクモンスターやサイバース族の規制としても初となる。
これによって、イラスト違いが3種類あるこのカードだが、その3種類を同時にデッキに入れられた期間が10日もない事態となっている。
さらに海外では2018年12月3日適用のルールでついに禁止カードに指定された。
そして2019年1月1日からのリミットレギュレーションでは、なんと日本でも禁止カードになってしまった。
当然、アニメ主人公のエースモンスター(しかも現行アニメ)が放送中に禁止カードになるのは前代未聞の事態である。
アニメ
遊作(Playmaker)とリボルバーとのデュエルで登場。
1戦目のスピードデュエルにおいて、Storm Accessのスキルによって入手し、リンク召喚を行おうとしたものの、リボルバーの罠カードで引き分けに持ち込まれ、登場はお預けになった。
その後2戦目となるマスターデュエルでデコード・トーカーとエンコード・トーカーを素材にリンク召喚した(この際、素材となった2体がフィールドから離れたことでリボルバーが発動していたフィールド魔法「天火の牢獄」が自壊)。
が、攻撃で弾帯城壁龍を破壊するものの、次のターンででヴァレルロード・ドラゴンの効果により、コントロール奪取されてしまう。
さらにリボルバーの攻撃宣言によりPlaymakerを攻撃するも、彼自身が発動した通常罠「サイバネット・リフレッシュ」によって破壊されてしまった。一応、その後Playmakerのフィールドに蘇生されている。
エースやキーカードがデュエル内外で奪われるのは遊戯王主人公のカードとしてはよくあることだが、デュエル初登場かつ効果も発動していない状況で真っ先に奪われてしまったのは珍しい(スターダスト・ドラゴンの場合はすでに奪われていたという状況)。
登場の告知こそされていたが、オープニング映像以外では登場することがないまま彼が収録された次のパックが発売という(VRAINSの放送が変則だったのも含めても)スターダスト・ドラゴンよりも珍しい扱いとなった。
攻撃名「テンペストアタック」
(1)の効果名「エマージェンシーエスケイプ」
ここでのテンペストは「Transient Electromagnetic Pulse Surveillance Technology」を指し、「電磁波盗聴」のこと。
テンペストアタックで「電磁波盗聴攻撃」となり、セキュリティー情報を不正に入手する暗号解読手法のことを意味する。
ファイアウォールという名前に反したような攻撃名だが、ハッカーであるPlaymakerのカードと考えると妥当な名称ともいえるか。
愛称「しょごりゅう」
そんな強力モンスターの本龍だが、事実上の初登場である第12話である珍事が発生した。
実は配信開始時の12話のサブタイトルの表記が、
「鉄壁(てっぺき)の守護龍(しょごりゅう)ファイアウォール・ドラゴン」
だったのだ。この副題、何処かおかしくないだろうか?
守護龍(し"ょ"ごりゅう)
まさかのミスタイプである(配信担当者は"かな漢字変換"を使用しているであろう事が容易に想像出来る)。しかし、この誤字がむしろネット上でその字面の丸さ愛らしさに人気を博し、遂には本龍の愛称とも相成った。
他にも「FWD」「ファイアウォール」といった愛称があったのだが、某ネット界隈では「しょごりゅう」を愛用する者が少なくない。
ホーケースラッシュとかドラゴン族とか予告や本編で誤植された人よりはポジティブ面が強かったのが幸いである。
鉄壁の守護龍?
ちなみに予告の時点からこの鉄壁の守護龍という肩書にもツッコミが入っていた。
ファイアウォールという名称から見るとおかしくはないのだが、上述したようにこのカードの効果は後続を呼べる(2)の効果はともかく、(1)のバウンス効果は思いっきり攻撃的なものである(しかも名称がエマージェンシー・エスケイプ)。攻撃名も上述したようにテンペストアタックとファイアウォールの名に反して攻撃的である。
そして肝心の12話だが、フィニッシャーとなる活躍こそしたものの効果はあまり活躍できず、鉄壁だったのもその効果を存分に発揮したエンコード・トーカーや自身の耐性によって結局このデュエルでは破壊すらされなかったヴァレルロード・ドラゴンだった。
そのため
- 「鉄壁の守護龍ってファイアウォール・ドラゴンではなく、ヴァレルロード・ドラゴンだったのでは?」
- 「『鉄壁の守護龍 vs ファイアウォール・ドラゴン』ならおかしくはないな」
と言われてしまうことに。
代わりに、制限以後もループコンボ等による活躍があるにもかかわらず、禁止やエラッタされていないところから、別の意味で鉄壁の守護龍なのでは?という意見も……(射出系カードが軒並み禁止カードとなっている)。
不遇?
上述したように現実のOCGでアニメキャラのエースモンスターで初めて規制されたように、効果が強い…というよりアニメ向きとは言い難いモンスターである。
そのためか、リンク4なこともあり非常に出番が少ない。1年目のデュエルではたったの3回であり、しかも効果がきちんと役立ったのは「vs財前晃」くらいで、他では効果があまり意味がなく、使用されなかったりと持て余しているとも言えなくは無い。しかも現状、メインのデュエルではないマスターデュエルでしか登場していない。
1年目最後のデュエルとなる「vsリボルバー(4戦目)」では久々に登場するも効果が使用できず、リンクマーカーだけ使用され、デコード・トーカーの素材になるという扱いだった(その為一部では「エース素材」なんて言われることも…)。
2年目では一応OPには写っているものの、エースモンスターステータスの儀式モンスターのサイバース・マジシャンや融合モンスターのサイバース・クロック・ドラゴンなどが登場しEDで大々的に映し出されるなど、視聴者からは上述のOCG事情も含めて彼の出番が気になる人も少なくない……
と思いきや、剛鬼使いの鎧坂とのスピードデュエル戦でまさかの再登場。
初めて(2)の効果も使われ、(1)のバウンス効果は容赦なく鎧坂の剛鬼たちを除去→総攻撃で1ターンキルするという、OCGの環境を彷彿させる強烈なコンボを行った。
なお懸念が強かったサイバース・クロック・ドラゴン登場後のOPでも、差し替えられることなく引き続き登場した。
しかし各所で「生存確認」と言われてしまったほどであり、(進化形態などならともかく)エースモンスターでは前代未聞の反応である。それだけ愛されていると言う事だろうが。
2年目のPlaymakerのデュエルではコード・トーカー勢の代わりに別のエクストラモンスター勢が登場している状況のため、1年目と比べると登場して多少は活躍している分だけ良い状況とも言える。
そして、3年目となる「calling」のOP映像ではついに存在が消滅。
ダークフルードは登場しているものの本人の登場はなく、コード・トーカー6体やPlaymakerの各召喚法におけるエースモンスターたちがカードで写っている一枚絵にも登場していない。
結果的にだが、デコード・トーカーの方が遊作にとってのマイフェイバリットとなった。
その後の守護竜
歴代主人公の中で唯一エースモンスターで禁止を食らったモンスター。
アニメ遊戯王VRAINSでは、2回目のGo鬼塚戦を最後に登場することはなかった。
その一方で、脱獄したかのように登場したファイアウォール・X・ドラゴンやイグニスの絆のカードにしてリンク5モンスターであるファイアウォール・ドラゴン・ダークフルードが登場し、ファイアウォール・ドラゴンの系譜は「闇属性」を中心に発展していく事になる。
アニメ終了後も新規のファイアウォールモンスターはすべて闇属性で統一され、ファイアウォールの名を持つ最初のドラゴンにして最後のドラゴンになってしまった。
新テキスト
モンスター2体以上
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードがフィールドに表側表示で存在する限り1度だけ、このカードの相互リンク先のモンスターの数まで、自分または相手の、フィールド・墓地のモンスターを対象として発動できる。そのモンスターを持ち主の手札に戻す。この効果は相手ターンでも発動できる。
(2):このカードのリンク先のモンスターが、戦闘で破壊された場合、または墓地へ送られた場合に発動できる。手札からサイバース族モンスター1体を特殊召喚する。
解説
エラッタで無限ループが不可能になった。
エラッタ個所は上記の様に、両方の効果に名称ターン1制限が追加され、特殊召喚効果の対象はサイバース族に限定された。また、バウンスの回数はこのカードの相互リンク先のモンスターの数となっている。
復帰に伴い、デコード・トーカーから商品展開におけるエースモンスターの座を取り返せるは謎。
なお、実際のゲームシーンではPlaymakerのキャラデッキに当たる【コード・トーカー】などで早速活躍している。
遊戯王クロスデュエル
遊戯王VRAINS出身のモンスターとして登場。
覚醒スキルを解放していない状態では、レベル8で攻撃力2500・守備力0の最上級の通常モンスターのままだが、スキルを解放することでリンク4のリンクモンスターへと覚醒する事ができる。
リンクモンスターに覚醒するとモンスター4体を召喚素材として要求するようになるが、モンスターゾーンは3つしか無いため、リンクモンスターもしくはリンクマーカーを持つ効果モンスターなどの召喚素材を代用できるモンスターが必要になる。
テキスト
サイバースの新たな可能性を秘めた鉄壁の守護竜。類い稀なるリンクセンスを持つ者だけが、その鼓動を感じ取れるという。