概要
LVP1で登場したリンクモンスター。海外ではなかなか収録されなかった。
テキスト
リンク2/水属性/機械族/攻1500
【リンクマーカー:左下/右下】
チューナーを含むモンスター2体
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードがリンク召喚に成功した場合に発動できる。
手札・デッキからレベル3以下のチューナー1体を守備表示で特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターは、このターン効果を発動できない。
(2):相手のメインフェイズ及びバトルフェイズにフィールドのこのカードを除外して発動できる。
EXデッキからSモンスターのチューナー1体をS召喚扱いで特殊召喚する。
性能解説
(1)の効果でSSしたチューナーをS素材やリンク素材にしたり、(2)の効果でSSしたシンクロチューナーで相手ターンにブラック・ローズ・ドラゴンなどをS召喚して相手を妨害する事もできる。
アクセルシンクロを狙う場合もほぼ必須カードになるだろう。
しかし、下級モンスターの効果に召喚制限がついてしまう関係で想定されていた水晶機巧で使われることは殆ど無く、「召喚条件の緩さ」「テーマ縛りが無い」「マーカーの方向」など汎用性が異常に高いため、出張パーツとして活躍していた。
「動きの起点になるマーカーが斜め下2つのリンク2」という当時ではありえないほどの強さに2019年1月に制限カードに指定され、後述する2022年7月でついに禁止カードとなった。
後発のカードに比べてかなりのオーバーパワーにも思えるが、このカードの登場はリンクショックの影響で消滅が危ぶまれるほど影を落としていた遊戯王OCGの界隈に再び活気を取り戻した英雄的存在でもあった。
当時のサモン・ソーサレスやファイアウォール・ドラゴンのようにすぐには禁止されず、当時も「禁止にすべきではない」という意見が多数見られたのは、やはりこの時点では依存するデッキが多かったからとも言える。
シンクロ召喚の制限が無くなった2020年以降もその活躍ぶりは衰えず、コンボパーツとして出張したり、解放されたシンクロテーマのパワーを底上げしている。しかし悲しいことに肝心の水晶機巧にスポットが当たるのは、このカードが禁止となった後に出た新規カードの登場まで待つことになる。
昨今の使用例
2022年現在までの主な出張パーツの典型例が「ハリダグザ」と「ハリラドン」「ハリセレーネアクセス」の3種類。
「ハリダグザ」はハリファイバーとアーティファクトダグザを揃えるコンボ。結論から言うと、ハリファイバーの代わりにフルール・ド・バロネスが立ち、途中特殊召喚したアーティファクトデスサイズの効果でEXデッキからの特殊召喚を封じることが可能。バロネスも妨害役として有効なのでEXデッキを主体として戦うデッキはこれで詰む。とはいえ、相手ターンで展開する間妨害が通りやすいことと、他のカードが多く必要という弱点もある。
「ハリラドン」はハリファイバーと機械族チューナーを素材に幻獣機アウローラドンを召喚する方法。簡単に説明すると、アウローラドンでトークンを量産することでシンクロ・エクシーズ召喚等に繋げヴァレルロード・S・ドラゴンや真竜皇V.F.D.等様々な妨害モンスターを召喚する恐ろしい展開方法である。
ハリファイバーにさえ繋げられたら他のカードは手札コストコスト以外何も必要ない点がとにかく強力。VFD禁止後も幻竜族やルイキューピットを絡めた先攻展開が多くあり、【勇者天威ローズ】などのハリラドンをする為だけのデッキというのも多く存在している。
海外では2022年5月の改訂でアウローラドンが禁止となって出来なくなっている。
「ハリセレーネアクセス」は上記のような制圧ではなくリーサルに繋げる展開方法で、ハリファイバーから魔法使い族のエフェクト・ヴェーラーを出し、それらを素材に自力でリンク数を伸ばせる神聖魔皇后セレーネから攻撃力5300&対象を取らない破壊×2が可能なアクセスコード・トーカーを出すというもの。
別に2700以上の打点を用意してワンショットも可能であり、それがやりにくくともライフが5300を切った時点で勝負を決めに行ける点、メインデッキ内に引いてはいけないカードが実質的に存在しないのが利点。
墓地に多くの属性リンクを貯めやすく、テーマ内ギミックだけではライフカットが遅くなりがちな閃刀姫ではよく使われている。
そして・・・
その圧倒的汎用性で数多のデッキを支えてきたが、登場から約5年経った2022年7月にとうとう禁止カードに指定されてしまった。
「ハリラドン」で高速で制圧布陣を作れたということもあり、禁止カードに入るのではと予想していた人も多かったが、2022年4月から登場し、環境に大きな影響を与えたスプライトで使われていたことが理由もあって、最終的に禁止カードに指定されることになった。
ハリファイバーはリンク2であるため、レベル2チューナーをリクルートしてギガンティック・スプライトに繋げる役割を持っていた。さらに、灰流うららなどの手札誘発チューナーをリクルートし、それを同じくスプライトとの相性が良いカードである鬼ガエルでバウンスするという役割も持っていた。
そのため、ハリファイバーはスプライトのデッキパワーの底上げに一役買っていたこともあり、結局ハリファイバーは禁止カードに指定されることになったのだ。
(また、スプライトは、前述したように、2022年4月に登場したテーマであり、発売時期の関係もあって、スプライト本体に規制をするわけにはいかないと判断されたからだと思われる)。
これによりジェネクス・ウンディーネ、ライティ・ドライバー、ブンボーグ003、スケアクローなどの「1枚でハリファイバーに繋げられる」という点で評価されていたカードの多くが大きな強みを無くし、カードやテーマによっては無価値となるほどの大打撃を受けた。
【セフィラ】や【勇者天威ローズ】などのハリラドンへの依存度が大きいデッキは当然として、【TG】などのテーマ専用リンクに繋げるのにハリファイバーが必須だったテーマや、何もかもがハリファイバーありきでデザインされていた【ローズ・ドラゴン】などのデッキコンセプトが崩壊するなど、いかに環境テーマから零細テーマに至るまでこのカードに依存していたデッキが多かったかを物語る規制となった。
関連タグ
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