概要
LVP3で登場したリンクモンスター。
カードテキスト
【リンクマーカー:左下/右下】
効果モンスター2体
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターはターン終了時まで闇属性になる。
(2):2000LPを払い、
「融合」通常・速攻魔法カードまたは「フュージョン」通常・速攻魔法カード1枚をデッキから墓地へ送って発動できる。
この効果は、その魔法カード発動時の効果と同じになる。
この効果の発動後、ターン終了時まで自分はモンスターを特殊召喚できない。
解説
ライフポイント2000のコストを払うことでデッキの融合(フュージョン)魔法・速攻魔法を墓地に送りその効果を自身のものとして適用できる効果を持つ。
普通に使っても優秀な効果だが、その真価はデッキ融合をコピーできることと、このカード自身が幅広いデッキで出せる展開の緩さにある。
通常の融合召喚は、素材一色を手札・場・墓地に揃え、手札から魔法カードを消費するため、消費の重さに加え相応の下準備が必要となる。
しかし、このカードは非常にゆるい縛りのリンク2であるため、展開制限デメリットが生じる一部のカードを避ければ、あらゆるデッキから呼び出すことができる。そしてデッキ内の融合魔法とデッキ内の融合素材により、下準備無しで一気に融合召喚ができてしまう。
当然ながら、手札を消費しない上に、効果を使う前なら特殊召喚し放題のため、手札は融合以外の展開に全力で費やすことができる。
また、コストはコピーされないため、あらゆるコストをライフ2000の消費に置き換えることができる。
発動条件と誓約に関しても無視できるため、本来なら重いデメリットを持つものも、このカード自身のデメリットに書き換える形で普通の融合カードのように扱える。
なお、似たようなコピーを行う効果を持っている他のカードに関しては、発動条件と誓約を無視できない裁定があるため、混同しないように注意。
コピー先をコストで墓地へ送る都合上「ジェムナイト・フュージョン」や「ネオス・フュージョン」のような墓地で効果を発動できるものとも相性が良い。
コピーできるのは融合魔法だけではないので、「融合回収」によるサルベージ、「融合徴兵」によるサーチ…なんて使い方もできる。ちなみに「融合解除」もコピーできる。
デッキから魔法カードを発動するわけではなく、このカードのモンスター効果がその魔法カードと同じになる効果である。
このため、融合デッキの弱点である魔法カード封じをすり抜けることができるが、一方で普通にモンスター効果封じに当然対処される。
モンスター効果を止められてしまえば融合できず、「超融合」や「超越融合」などが持つカードの効果に含まれない対チェーン耐性は適用外にあるためにカウンターは可能である。
効果発動に固定のライフコスト2000を必要とし、攻撃表示しかないリンクモンスターを棒立ちのままにしてしまうため、中盤以降では返り討ちのリスクを抱える欠点もある。
また、この効果自体は起動効果で自分のターンにしか使えないため、超融合で相手モンスターを融合素材にするものは奇襲性が薄れてしまい、場合によってはサクリファイスエスケープ等で相手モンスターに逃げられることになる。
最大の欠点はこの効果を使うとその後の特殊召喚はできない点だが、基本的には他の展開を済ませた締めとして最後に効果を使うことで回避は可能。
特に上記の「真紅眼融合」のデメリットを完全無視できる点を利用し、散々強力なモンスターを展開した締めに「超魔導竜騎士-ドラグーン・オブ・レッドアイズ」を呼び出してモンスター破壊とバーン&封殺の布陣まで敷けてしまうのは強力な戦術になる。
低打点で棒立ちのまま相手にターンを回す問題も、ドラグーン・オブ・レッドアイズを出した後で適当に(1)の方を発動しドラグーンで無効にし、処理しつつ攻撃力1000アップに変換することも可能。
超魔導竜騎士-ドラグーン・オブ・レッドアイズの禁止後は、ネオス・フュージョン対応の「レインボー・ネオス」、フュージョン・デステニー対応の「D-HEROデストロイフェニックスガイ」が採用され、相方を変えながらしぶとく生き残ってきた。
2020年4月1日に制限カードにぶち込まれたものの、役回りとして2枚目以降を使うことはほぼ無い上にエクストラデッキから出てくるため、全く影響は無かった。
このカードが入った商品の再販も繰り返され、相方が規制されては別の相方を見つけ、さらにその相方がまた規制され……と様々なカードを禁止・制限に追い込み続けた。
最終的に22年4月1日に禁止となり、入れ替わりで一部の相方が緩和されている。
そのあまりの扱いやすさから、あらゆる融合デッキの強力サポートにもなりうる一方、巻き添えで専用融合が規制されたことで逆に弱体化したり、強力な融合モンスターが本来所属する融合テーマデッキを使うより、別のデッキに切札出張した方が強いという状況が発生してしまっており、非常に評価が割れている。
また、類似するポジションであるハリファイバーはその召喚法の展開をサポートする中継・初動であるのに対し、こちらは最後にしか使えない都合上、融合召喚を多用するデッキほどこのカードの重要度が低い問題も存在していた。
マスターデュエルでは制限カードのままデストロイフェニックスガイが5月9日に新登場。同日改定のレギュレーションでフュージョン・デステニーは準制限になったものの、出張セットが容易に組めるようになった。
その後も烙印融合が登場するも、OCGとは違う周辺カードに規制を入れられた事で適正パワーに収まっており、そのままアナコンダを使用しない2022年の4強の登場から、あくまで「一部のデッキで使う便利なカード」という立ち位置が続いたため、禁止にはならず制限カードを維持している。
捕食植物において
登場当初から、出張で高い活躍をする一方、捕食植物においてはほぼ役に立たない状態であった。
捕食植物はこのカードと相性の良いデッキ融合や墓地融合を持たずフィールド融合に特化したテーマであり、リンク2のこのカードを出すとかえってフィールドの融合素材が減ってしまうため、基本的に相性が悪いとすら言える状態であった。
一応は忘れられがちな(1)による闇属性への変更は捕食植物ではいろいろとコンボできなくもない。
が、どう足掻いても他デッキの方がこのカードを活用できるのである。
このため、捕食植物でありながら、このカードに対する反感は特に捕食植物ユーザーから噴出するという、闇が深い状態を産んでいた。
こうした状態は2022年1月に数年ぶりの捕食植物の強化が行われたことで、ようやく改善され捕食植物にこのカードを採用する意義も出てきた。
直後に禁止されてしまったが、むしろこの強化により逆に捕食植物はこのカードが使えても要らないくらいにそれまでと劇的に変化しており、結局このカードが捕食植物使いに惜しまれることは少なかった。
関連タグ
捕食植物
捕食植物ダーリング・コブラ:近縁種、融合(フュージョン)に関する効果を持つ点でも近い存在と言える。
非関連タグ
装備魔法:効果に対応しておらず、「名刀アナコンダ」のようなギャグは出来ない。