概要
「アナコンダ」は、スリランカに分布するアミメニシキヘビ(学名 Python reticulatus)の現地名であるシンハラ語の hena-kanda もしくはタミル語の anaik-konda に由来する。ただし実際にはボアの仲間である。
- ボア科は卵を胎内で孵化させる「卵胎生」であることや、赤外線を感知できるピット器官の配置などで、ニシキヘビ科とは区別されている。また、ボア科のなかでもアナコンダ属は、鼻が小さな鱗ではなく遮蔽盾で覆われているという特徴を持つ。
有名な種としてオオアナコンダとキイロアナコンダがあるが、単にアナコンダと言った場合はほとんどオオアナコンダの方を指す。
そのオオアナコンダの体長は、計測された最大のもので9m。加えて体重227kg、胴回りは30cmにも及ぶという堂々とした体躯を持つ大蛇である。
熱帯雨林の水辺に生息する。夜行性で、昼間は川の浅瀬や水辺の枝等で休む。体重が重いため特に成蛇では陸上での動きは鈍く、水辺を好む。また泳ぎも得意である。
食性は動物食で魚類、両生類、爬虫類、鳥類、哺乳類等を食べる。
水中や茂みの中等で獲物を待ち伏せ、通りかかった獲物を素早い噛み付きで捕らえ、長い体で巻き付いて締め殺す。
野生では大型の個体がカピバラやペッカリーのほか、カイマンやジャガーを捕食した例もあるがジャガーやカイマンに逆に捕食されることもあり、この2種とは三つ巴関係である。
ただし獲物を捕食し飲み込んで消化している途中の動きは緩慢且つ巻き付き攻撃が出来ないため無防備になるという弱点がある。
なお、オオアナコンダはワシントン条約により国際的な保護が求められている種である。
しかし人間の家畜である豚や牛までも襲って食べてしまうため、現地では害獣として駆除の対象となっている。
日本においては「人の生命、身体又は財産に害を加える恐れがある特定動物に指定されており、ペットとして飼育することは法律で禁じられている(2020年6月1日施行)。研究などの目的で飼育する場合も特別な許可が必要である。
アナコンダの危険性
下記の映画の影響からかアナコンダは「人を丸呑みする人食い大蛇」のイメージで語られることが多い。しかし、実際には生息域が限定されるため、アナコンダによる人身事故そのものがほとんどない。
ネットでよく取りざたされる「大蛇の腹を裂いたら丸呑みされた人間が」というニュースや動画は、生息域が広いため人間との接触が多くなるニシキヘビによるものである。
また、人間が蛇に獲物として襲われ、丸呑みされるという事態も非常に珍しいものであり、だからこそニュースになると言える。ニシキヘビによる人間の死亡事故についても、その大半はペットの管理不備により発生しており、死因も噛み付かれての失血や、締め付けによる窒息である。
当たり前と言えば当たり前の事だが、映画のアナコンダのように「猛スピードで追跡しつつアクロバティックな動きと怪力で獲物を惨殺し銃弾を受けようが火達磨にされようが簡単には死なない怪物」という描写は映画の中での話であり、現実のアナコンダは大型故にパワーは相当なものだが体重が重すぎて陸上では素早く動く事ができないので、水中を好み殆ど陸には上がらずに暮らしている。獲物を狩るときも待ち伏せてじっとしている場合が多く水中だろうとそこまで活発なわけではない。これはアナコンダに限った事ではないが、人間に対しては万が一遭遇しても下手に近寄ったりイタズラにちょっかいを出したりしなければ襲ってくるような事は殆どないため、静かにその場を立ち去ればやり過ごせる。ただし、あくまでもこちらから手を出さなければの話であり、好奇心で必要以上に近寄ったりましてや触ったりなどすれば当然、警戒されて攻撃される。これは肉食動物だろうが草食動物だろうが、普段大人しい性質で有名な動物だろうが同じであり、野生の動物に無闇に近寄るのは危険である。
にわか知識で勘違いをしてわざわざちょっかいを出しに行けば、それこそパニック映画で喰い殺される悪役同様の目に遭い、そのような愚か者は助けようとも思われないどころか、命を落としたとしても誰も同情などするわけもなく、運良く助かっても違法行為で捕まるのは目に見えているので、そのような事になりたくなければ呉々も好奇心だけでバカな真似はしないようにしよう。
アナコンダ(映画)
1997年公開。密猟者の舌先三寸に操られたアマゾン川の調査隊と、全長12mの凶暴なアナコンダの死闘を描く。
制作費が4500万ドルというB級映画であるにもかかわらず大ヒットを記録した。公開から20年近く経った現在でも、「ヘビの映画では最も完成度の高い作品」として人気が高い。
ゴールデンラズベリー賞において6賞にノミネートされた(幸いいずれも受賞は逃している)ほど、特殊効果は安っぽくシナリオは陳腐だが、ジョン・ヴォイトの熱演はマニアから好評を得た。
- ヴォイト演じる密猟者・サローンをはじめ、誰一人として好感を持てる登場人物がいないため、序盤は視聴者にイライラが募る。しかしその分、ストレスがたまりまくったころに彼らが巨大アナコンダに襲われる様をいい気持ちで堪能できるという、見終わってみれば楽しい一本となっている。
その後、この作品とは全く繋がりのない続編が3度にわたって製作されたが、いずれも完成度が低く低評価で、クレームが殺到するほど嫌われているらしい。
最強王図鑑フランチャイズでは
初登場は『動物最強王図鑑』。しかし相手が悪すぎてその後悲惨な目に遭っていた状況が続いていた。
(もっとも類似企画では同じヒョウ属のライオンにさえ破れていた)
が、この状況が一転したのがマンガ版だった。
最後の人類が息絶え、ベンゾウ(ヒグマ)の勝利が確定したかに見えた瞬間、いきなり奇襲を仕掛け、勝利した。コケに擬態しリザーバーマッチ出場者が1体不足しているようになりすましていたのだ。しかもメスであり全長は12メートル。名前は「オロチ」という。
かくして、オロチは哺乳類以外で唯一の2回戦進出者となった。
アニメ版では未登場だが、新旧大蛇対決に期待の声も多い。
その他のアナコンダ
アナコンダ(クレヨンしんちゃん)
アナコンダ伯爵を参照。
アナコンダ(悪行超人)
キン肉マンⅡ世に登場する悪の組織「d.M.p」に所属する悪行超人。声優は稲田徹。インド出身。
下半身が数珠つなぎになった機械部品で出来ている半人半蛇の超人で、スペシャルマンjrに変装してヘラクレスファクトリーに潜入しキン肉万太郎抹殺を狙った。
万太郎を保健室に連れて行くふりをして金網リングにおびき寄せ、金網デスマッチを敢行する。長い身体を利用して万太郎を苦しめるも、金属の身体が裏目に出てテリー・ザ・キッドの放ったピーナッツ砲で体にクレーターを開けられ、クレーターを足場代わりに駈け上った万太郎のキン肉バスターを受けて戦死した。
劇中では屍魔王らd.m.p首領連とも対等に接しており、彼らとは親しい付き合いがあった模様。
アナコンダ(禁止カード)
詳細は捕食植物ヴェルテ・アナコンダを参照。
関連タグ
サダイジャ:アナコンダがモチーフの一つに使われている。
星のカービィ(アニメ):アナコンダをモチーフにした『ヘビーアナコンダー』という魔獣が登場する。
乙無慎太郎によるアナコンダ絞殺:ヒューマンバグ大学のエピソード。アナコンダが拷問に用いられた。