概要
1930年代のアメリカ合衆国で始まったもので、低予算、短期間撮影で製作された映画のこと。
後の20世紀フォックスとなるウイリアム・フォックス社が、新築の撮影所で作成される映画の予算を優遇したことが発祥とされる。
それまで使っていた旧撮影所でも映画の撮影は行われたが、新撮影所より製作費は低かった。
このことから新撮影所は「A地域」旧撮影所は「B地域」と呼ばれ、B地域で作成された映画を「B映画(B-Pictures)」と呼ぶようになった。
二本立て興行が主流となった時代、映画会社は穴埋めのための低予算映画を作る必要に迫られ、メインとなる長編映画の添え物として時間と予算を抑えた短編映画が上映され、これが「B級映画」と呼ばれるようになる。
フォックス社に倣って各映画会社も制作陣を長編とB級映画専門に組み分け、それでも足りない時はマイナー会社に委託していった。
ハリウッド映画がやがて大作主義となって映画の製作本数が減少すると、公式に「B級映画」と称されるものは消滅した。
後の時代では視聴者からの映画批評の指針として「B級映画」が用いられ、出来の悪さに応じてアルベット順に下がり、文字通りの下らない映画を「Z級映画」と呼ぶ。