概要
物事をABCD…といった具合に等級を付けていく手法を映画にも取り入れた際、最低等級として付けられる称号。
B級映画が「A級映画の添え物」ならば、Z級映画は「映画なのかどうかも疑わしいレベル」の低品質なクソ映画を表す。
実際にAから順番に付けていって最後のZまで行き着いたわけではなく「最低」「最悪」として最後の字を当てただけなので、X級やY級映画というものはまず聞かない。
低予算で利益を上げるため、話題作に便乗しただけの低品質なパクリ作品、所謂「モックバスター」と呼ばれるものも多い。
「あくまでネタとして」ハードルを下げる意味で付けられることも多く「存在さえ許せない!!」「外道!お前らこそ悪魔だ!!」などと強烈に罵られるようなケースはそこまで多くない…はずである。また、公的な機関が格付けをしてくれるわけではないので、当然ながら人によって「Z級映画」に分類される映画は異なる。
例えばエド・ウッド作品は、某動画サイトの大百科はZ級映画に分類しているが、この記事の初版においては「エド・ウッド作品はD級相当である」との記載があった。
自分がZ級だと思っていないものを誰かがZ級だと言っていたり、逆に自分がZ級だと思っているものを誰かがZ級でないと断じることは普通にありえることである。
楽しみ方
「Z級」の捉え方による。
先述のエド・ウッド作品などは、一般人から見ればひどい駄作でしかなく、「これはクソのような映画ではない。映画のようなクソだ」と酷評されたこともあるほどだが、ティム・バートン、デヴィッド・リンチ、サム・ライミ、クエンティン・タランティーノがファンを公言しており、ごく一部でカルト的な人気を誇る。
こういった作品に関して言えば、人を選ぶというだけで、「楽しむ」ことは困難であるが不可能ではない。
しかしそんなカルト的な人気すらも持つことができないトンデモ作品もまた存在する。
ここまでのレベルに来ると、視聴者の態度は「見ることを途中でやめる」か「ネタとして叩きながら(文句をつけながら)見続ける」か「ネタにすることも放棄し自分を虐めるため、もしくは地獄を体感するためにあえて見続ける」ぐらいしかなくなってしまう。
こうなると、もはや正常な楽しみ方とは言いがたくなり、粗探し目的の愉快犯か苦行を自分から求める変態しか楽しめない映画ということになるだろう。
どこまでをZ級と捉えるか、そしてどのような「楽しみ方」を選択するかはあなた次第である。
Z級と称される作品
加筆・修正大歓迎です。ただし、他の作品のレベルと比べ「本当にZ級と呼べるか」よく考えてから入れること。
- アタック・オブ・ザ・キラートマト
- アタック・ザ・マミー
- 恐怖!キノコ男
- えっ?サメ男(Jaws of the Shark)
- ジュラシック・シャーク
- ハウス・シャーク
- デビルシャーク(エクソシスト・シャーク)
- 尻怪獣アスラ
- 死霊の盆踊り
- 実写版デビルマン
- ブラックナイト・リターンズ
- プラン9・フロム・アウタースペース
- エイリアンVSアバター
- 北京原人 Who are you?
- ロボットモンスター
- メタルマン
- 親指ウォーズ
- 大怪獣のあとしまつ
Z級映画を配給する会社
- アルバトロス・フィルム
1991年設立の老舗クソ映画配給会社。B~Z級映画をよく配給してくれるとその道の愛好家には有名。別にZ級映画専門というわけではなく、買い付けることさえできれば権威ある賞を取れるような名作映画でも配給する。色々と酷すぎる勘違いの末にアメリというフランスの芸術映画を購入してしまい、それを大ヒットさせた逸話が有名。モックバスターを大得意としているアメリカのB級映画製作会社アサイラムと仲が良く、最近ではZ級扱いされるような映画はあまり配給せず、安定してB級映画を配給する会社となりつつある。何かと話題なプー あくまのくまさんシリーズを配給してくれるのはこの会社。
2002年設立。近年Z級映画専門配給会社として頭角を現してきた超新星。先述の通り「Z級映画とは、クソ映画とは何か?」という議論がこの界隈にはあるが、コンマビジョンが配給する映画はまず間違いなく99%以上の人がZ級、あるいはそれ未満と断ずるようなとんでもないものである。かのレジェンドクソサメカルト映画デビルシャークの国内配給権が切れた際、それをわざわざ再び買い付けエクソシスト・シャークと改題、監督のオーディオコメンタリーだの台本だのを付属させた完全版としてリリースしたという狂気じみたエピソードを誇る。ここが配給する映画は冗談抜きでどうやって撮影したのかすらわからない異常過ぎる低クオリティで、Z級映画には充分な免疫を持っているベテランクソ映画ハンターですら地獄を見ることが多々。間違っても初心者にはお勧めできない。ごく僅かではあるが、もはや普通の映画では満足できなくなってしまったその道の愛好家からは高い支持を得ているという。
キャッチコピーとしてのZ級映画
近年のジャンル分けとして、ゾンビ映画を指して「Z級エンターテイメント」「Z映画」などと表記する場合もある。