『自らの怠惰で貧困を招いておきながら、それを補う為に他人の血と金を使う』
「人の世のルールも分からんケダモノめ。この拷問ソムリエから逃れられるとは思うなよ」
『被害者の痛みを……怒りを、兆倍にして刻みつける。この世に跡形も残しはしない!』
飯豊「気合い入れろ宇佐美! 伊集院さんに全部やられちまうぞ!」
「遊びは終わりだ下衆野郎。地獄以上の地獄を見せてやる」
「言いてぇ事はそれだけかクソ野郎。乙無、流川、やるぞ」
「いくら貴様が無知でも、ヘビは餌を食う前に何をするか知ってるな?」
「今更ナニ都合のいい事言ってるんだコノ野郎」
「この依頼者はな……片腕で娘さんを育て上げたんだ。その腕で、娘さんを抱きしめる事が、彼の喜びだったんだよ」
「弱い奴は餌なんだろ? どう見てもお前が弱者で、大蛇が強者じゃねぇか」
「たっぷりと抱きしめて貰って、全身の骨が砕けた後、ゆっくり食って貰え」
「貴様はクソのような男だ。だから、正真正銘のクソになるがいい」
対象
京極組に潰された外道ヤクザ時代の貯金を女遊びで溶かして貧困になり、幸せそうな人間が因縁つけてると思い込み、依頼人の娘一家に強盗殺人を働いた半グレ集団ボスの「大河原」に執行。
概要
爬虫類専門家の乙無慎太郎の協力のもと執行される拷問で、アナコンダの1tあるパワーでターゲットを絞め殺す。まず同じく乙無が持ってきたメスのワニガメが大河原の頬を噛み付きで切り取るという攻撃で叩き起こした後、いつも通り伊集院は大河原に罪の意識があるかを尋ねたところ、「強い奴が偉い。弱い奴はただの餌」という下衆の論理をほざき散らすだけで更生は見込めないと判断しアナコンダが放たれる。巻きつかれてから数分で大河原は命乞いをするが、伊集院は大河原の論理を「蛇の方が強くて偉い。弱いお前はただの餌」と丸々叩き返し、「クソ野郎は文字通りのクソになるがいい」と言い放ち、乙無に命じてアナコンダを操作させ、10時間かけて1tのパワーを体験させ続け大河原を丸呑みして抹殺した。
登場人物
- 大河原(おおがわら)
今回の断罪対象。かつて外道ヤクザ組織におり何らかの命令(恐らく鉄砲玉)によって服役していたものの、服役中にその組織が京極組のカチコミで壊滅しており豪遊後の生活資金がないとわかり発狂、幸せそうな人間は自分を見下していると因縁をつけ最低な強盗殺人を働いた。
伊集院に捕獲された後はアナコンダの餌となったが、助けを乞う被害者を嘲笑っておきながら自分は数分もせず「助けて」と都合の良い主張をほざき散らしており、最期の最期まで視聴者を苛立たせた。
- 神崎(かんざき)
依頼人。19年以上前居眠り運転で妻と左腕を失う。その後娘を右腕1本で育て上げたが、その娘を滅茶苦茶な理由で娘家族ごと殺害された事で伊集院に依頼を出した。
- 神崎千尋(かんざき ちひろ)
依頼人の娘で今回の被害者。神崎氏に男手1つで育てられとある男性と結婚していたが、たまたま因縁をつけてきた大河原に夫、腹の子と共に刺殺された。
- 佐々木(ささき)
神崎が左腕と妻を失う原因となった居眠り運転の犯人。しかし居眠り運転の理由はブラック企業による違法スケジュールによるもので、彼自身は至ってマトモな人物。
神崎親子に一生涯かけて罪を償い、千尋氏が殺害された際は神崎氏のために京極組の久我虎徹を探しあてた。
黒焉街の道明寺通りでゲイバーを営むママ。事件の全貌を握っており、依頼者に話した。
今回のゲストキャラその1。大河原の所属していた組を壊滅させていた。また事件を探る佐々木氏と神崎氏に情報屋を紹介した。
今回のゲストキャラその2と3。大河原が率いる組織「鬼羅亜」へのカチコミに来た天羽組の若手構成員。
伊集院に共闘を持ちかけられたが、気配も無く現れては外道を砕いていく仕事っぷりに戦慄し、飯豊は思わず失禁してしまった。
今回の拷問のために伊集院に呼ばれた爬虫類の専門家。利平の爬虫類verのような協力者。
余談
まさかの不始末
天羽組や京極組、その他ヒューマンバグ大学に登場する主要な極道組織は何れもシマとカタギを護るためにシマ荒らしをする半グレや極道を粛清しているが、今回の話はそれが遠因となって大河原が依頼人の娘夫婦を殺害、強盗団を組織する結果となってしまった。
尚、同シリーズではこれまでにもカタギをカタに嵌める仁義外れの極道(天羽組と京極組の元組員も含む)がターゲットになるケースはあったが、シマ荒らしの粛清が結果的にその要因になってしまった例はこれが初となる。
アナコンダの力関係
アナコンダは水辺に棲む凶暴な大蛇であり、実際にヒトが絞め殺されて食われたという事例が何件も確認されている。腹が膨れ上がったアナコンダを仕留めて割いたところ、殆ど原型を保ったままの人体が見つかった事もあったという。
また、伊集院の殺気はヒト科生物以外にも有効であることが示された。因みに罪人に伊集院が至近距離で詰め寄った際、アナコンダも怯えていた。
なお、動物拷問を行う際、拷問用の猛獣を不必要に怯えさせると食欲減退に繋がって罪人を襲わなくなるので止めておいた方が良い。特に蛇類は捕食と消化の際に多大なエネルギーを消費するため、ストレスを与えると折角の獲物を吐き出してしまう事が多い。
佐々木氏も被害者である
今回の協力者である佐々木氏が以前起こした事件の元凶であるドライバーに対する違法労働は、かつてバベル裁判所によって解説動画が出されている。
誤植と対応
今回の依頼者はなかなか進まない捜査に痺れを切らして警察につかみかかる描写があったのだが、なぜか無いはずの左腕が復活していたため、該当シーンは天京戦争のOPと同様に後からカットするという対策をなされた。
また、ミスはもう一か所あり「そして『鬼羅亜』という半グレ組織をつくりあげた」という字面が表記されていないミスがあるのだが、こちらはカットすると話の根本が見えなくなるためそのまま放置せざるを得なくなった。
時系列について
この回以降の拷問ソムリエシリーズは恐らく羽王戦争の小休止後及び城戸丈一郎の死後の話だと思われる。
理由としては野田一の復活が視聴者の体感的に異様に早い点(本来の復活は城戸が死亡してから1ヶ月後)、南雲梗平が城戸の捜索を放棄しシマ荒らしの粛清に出向かっているという矛盾点が存在しているため、矛盾点を解消するためには城戸が死んだ後にこれ以降の話が出ていると考えていい。
宇佐美の担当声優について
この回は宇佐美の担当声優である石井勇揮氏が初めて登場した回だが、宇佐美はこれより1年半後の2024年5月6日の動画で神城組の長門碧に殺害されたため氏の唯一の登場回となっている。
関連タグ
伊集院茂夫による改良版股裂き刑:罪人の起こした事件に共通点が多いことから、今回の上位互換とも言える胸糞さを誇るエピソード。無論罪人たちは今回の罪人以上の地獄を見てくたばったが、違う点とすればあちらは首謀者が女1人と復讐屋を騙る実行犯の男2人の複数人で犯行を行った点。
小塚千尋:今作から三か月後の久我シリーズに登場した悲劇のヒロイン。名前と殺された時に妊婦だったという点が今作の被害者と同じである。ちなみに恋人は彼女の死によって悪魔となり、京炎戦争で多くの悲劇をもたらした末にそれに激怒した守若によって因果応報・自業自得とはいえ悲惨な最期を遂げることになった。