概要
『ヒューマンバグ大学』に登場する極道組織。
神奈川県横浜市を拠点に置いており、蒼弩街をシマとしている。天城戦争にて天羽組と対立する。
組織の特徴
極道組織の例に漏れず、好戦的もしくは冷徹な人物が多く在籍している。他組織の構成員にも慇懃無礼で非常に威圧的な態度をとり脅しにも近い対応をしていた事から、当初は任侠集団というより羅威刃や戒炎のようなマフィアに近いと見られていた。
しかし実際は仁義を貫く任侠組織であり、地元の人々を半グレから守り頼られている(恐らく海外勢力からも横浜を守っていると思われる)。また、仲間同士の結束も非常に固い。
現時点では、麻薬などの汚いシノギもしておらず、初期の京極組のように、一部の構成員が悪徳なシノギで私腹を肥やしていた組織とは対照的と言える。
その一方、横浜を一枚岩にするという理想があるのもあって、非常に排他的であり、部外者の介入をよしとせず、特に過去に因縁がある東京の極道達に強い敵対心を持っている。
周辺組織からは「触らぬ神に祟りなし」と言われ、武闘派としては超強力だが、元々好戦的ではなかった模様。同じ神奈川県の鎌倉市にあるとされる隼瀬組との関係は不明。
また、神奈川エリアでは1年前から武闘派マフィアの凱娃が藤沢市を制圧しており、そちらとも戦争状態である。
また、閏間地区に入り込んだ余所者を即座に嗅ぎ付けるなど、地元故の勘からか、非常に綿密な情報網と人海戦術を取り柄とする。
歴史
2024年4月17日の動画で、過去に東京対横浜の戦争となり、戦後にその緩衝地帯となったのが閏間地区だった事が判明。
その昔、閏間地区は横浜でも指折りの貧困地帯であった。その事もあってか横浜の極道は閏間地区周辺の出身者が多く、さらに運動場などの子供向け遊戯施設が集中しているため他所の地区出身者でも閏間地区で子供時代を過ごした者も多く、そのため閏間地区は横浜極道にとって故郷と呼ばれる程の思い入れが深い特別な土地であった。
そして今から15年前に起きた東京極道との大戦争で閠間地区は一時的に東京側に実効支配され、元々の閠間地区をシマにしていた家入組は生き残りの為に東京極道と繋がる事となるが、奇しくもこの頃に東京極道から学んだシノギのノウハウにより閏間地区は経済成長する事となる。だが横浜極道による決死の攻撃により多数の犠牲を出しながらも閠間地区から東京極道を追い出す事に成功し、家入組に自治権を返した。神城組のシマにした方が東京極道の再侵攻に備える上で妥当という案もあったが、家入組が独立を求めたため、彼らも横浜極道の仲間だからと信頼して要望をのむ形となった。だが戦争後も東京との関係を続けている家入組が再び東京側に付く事によって、両者の勢力圏が再び接する事を危惧している模様。
そして今から5年前に、警察の特殊部隊上がりで、警察に追われていた市合を守るため、神城組が警察と抗争を起こし、両者痛み分けという形で終結したものの、シノギを全て潰されて神城組は財政危機に直面してしまう。横浜極道が総出で支援した事によりどうにか持ち直すが、家入組はこの時を境に神城組と距離を置き、東京極道との結び付きを強めるようになり、神城組と家入組との間に徐々に亀裂が生じ始める。
それでも家入組の事情に配慮して静観していたが、近年になって半グレが閏間地区を荒らすようになり治安が悪化する。家入組では戦力不足で対応できずにいる状況を見かねて協力を持ちかけるも、東京極道との兼ね合いで家入組に協力を断られた事に腹を立てる。自分たちの故郷を自分たちで守れない事に納得がいかず、さらに東京極道と組んで閠間地区の都市開発に乗り出した事を知り、これは利権目当てに東京に横浜の土地を売る裏切り行為だと断定。もはや家入組に閏間地区を任せられないと長年の不満を一気に爆発させるに至った。
その後は家入組の許可無しに閏間地区に乗り込んで治安維持を強行し、さらに家入に東京極道と手を切り神城組と協力するよう圧力をかけるが、家入は神城組の脅迫じみた強引な態度に怯え、天羽組に助けを求める事態となり、天羽組は戦争を回避するための抑止力として武闘派構成員を家入組に派遣するが、神城組は家入組が警告を無視して閠間地区に東京極道を引き入れた事に激怒し、東京極道が仕切る都市開発の建設案件を回してもらった家入組が完全に東京側に付いたものと受け取ってしまい、戦争回避どころか逆に神城組の戦意がさらに高まる結果となった。そして最終通告として家入組に臣従か家入組を取り潰して横浜から追放かを迫ったがそこで最悪の事態が起きてしまうのだった・・・。
戦力
規模や戦力としても不明な点は多いが、関西極道でもトップレベルの規模と戦力を持っていた天王寺組が東京侵攻する際も、当時の若頭でブレインとして非常に優秀だった大嶽徳史でさえ、接触や抗争を恐れて横浜を通る事を回避したほどに警戒していた事から、天羽組どころか他地方の極道組織も気安くやり合いたがらないレベルである模様。天羽組の武闘派舎弟にして不良上がりの飯豊曰く「港町として栄えてきた横浜は海外の輩達が降り立つ場所である事から、その対抗戦力を持つために強い男が多く集まりやすい」との事。
現在の若頭である名波がどこかのアサシンギルドに所属していた経験があり、彼が主導となって武闘派構成員を鍛え上げており、それが戦力の高さにブーストをかけている。
メンバー
現時点の確定している序列は神城>名波>市合>長門>広瀬>安芸=百田>神田>山井だが、山井と木田はどちらが上か不明。他にも登場する可能性はある。
上層部
- 神城義信(かみしろ よしのぶ)
神城組の組長。
横浜極道の最右翼とされる人物で、「ハマは1つ」という主張を公約として掲げている。
「横浜は必ず俺たちが守り抜きます、だから俺がそっちに行くまで少し待っててください」
- 名波和親(ななみ かずちか)
若頭。茶色のスーツにオレンジ色のメッシュがかかった髪型が特徴。
若頭でありながら現場に立ち続ける現役の武闘派であり、統率力にも長けた人物である。
先述の通りとあるアサシンギルドに所属した経験があり、株式会社モーリーやエルペタスの面々に匹敵する戦闘力を持っている可能性が高い。
「ハマを汚す警察なんざこの世にいらねえんだよ」
- 百田吾郎(ひゃくた ごろう)
神城組長直属の護衛を務める武闘派構成員。
見た目は鈍そうな印象だが、巨体で並外れた怪力の持ち主。また、肉体の頑丈さも一級である。
元は離散した忍者一族の出身であり、同じく離散した三門一族の長男である三門一郎太や鵺の一族や雷一族と面識がある可能性がある。
「親父が悲しい顔してたんで、俺も悲しいです」
幹部
- 長門碧(ながと あおい) ×
名波の護衛にあたっていた武闘派構成員。
紫色の服装と相良によく似た髪型と髪色をしており、右耳にはルビーのイヤリングを付けている。
「男前」が口癖であり、好戦的でありながら週に3回もトリートメントに通うほど美意識の高い性格をしている。
武闘派なだけに、避ける能力が異次元レベルのディフェンス力を誇っている。
宇佐美を殺し、飯豊に重傷を負わせるも、青山との死闘に敗れ殉職。
「俺が男前だからって緊張しなくていい」
- 広瀬大聖(ひろせ たいせい)
「猛拳」の異名を持つ武闘派構成員。元々は横浜伝説の不良グループ「須牌堕」のトップを張っていた。
白髪オールバックをベースに右側辺りへ髪を降ろした髪型と色黒の肌をした強面が特徴的な青年。
「ステゴロなら広瀬、文句あるならやってみな」とまかり通るほどに取っ組み合いの喧嘩に優れた人物。ヤンキー達の憧れの的であり、天羽組の飯豊朔太郎も不良時代に何度もその名前を聞くほどの有名人である。一方、受けた恩義を決して忘れない一面もある。
「東京との金になるシノギを土地のカタギより優先するってんなら、もう許せねえな」
- 安芸直治(あき なおはる)
「絶対に失敗しない男」の異名を持つ武闘派構成員。
黒色外ハネのミディアムヘアに毛先に青色のメッシュをかけたタレ目が特徴的な青年。
周りの空気が沈むほどの超ネガティブな性格で「僕なんかどうせ失敗する」が口癖。
古流武術を収めた戦闘者であり、ネガティブな性格故に通常のケースから最悪のケースまで全て想定するほど用心深く、高い作戦立案能力を持っていることが窺える。
「長門の兄貴、午前中はラグビーですしいろんなスポーツ見過ぎです」
- 市合麟太郎(いちごう りんたろう)
特殊警察から極道へと移籍した異色の武闘派構成員。
ピンク色の髪にホクロや八重歯が特徴的な青年。
腐敗した警察に三下り半を突き付け権力側に愛想が尽きて裏社会へと流れて来た。彼を保護したことで神城組と警察がバトルになった。
「お前らみたいな奴はなんのために存在するんだ?」
舎弟
- 神田直道(かんだ なおみち)
下っ端の構成員。濃いベージュのスーツに少し幼さが残る顔立ちが特徴的な青年。長門などと共に家入組への最終通告に向かう。
「失礼しました!送り届けたらすぐ戻ります!」
- 下田
下っ端の構成員。名波に家入組が本格的に天羽組もとい東京極道と繋がろうとする旨の報告をした。その後、最終通告に向かった際、家入組幹部の柴原洋司に腹を撃たれる。後述の山井と異なり彼は瀕死の重体ながらもギリギリ生存しており、長門の指示を受けた神田によって闇医者へと運ばれた。
- 山井充(やまい みつる)×
下っ端の構成員。最終通告に向かった際。下田の負傷に激昂して家入組長を撃とうとしたため、天羽組の宇佐美純平に頭を撃たれて即死した。有望な若手として舎弟の中でも特に可愛がられていた一人だったようで、直接の上司として実際に面倒を見ていた長門は当然ながら、神城組長もその死には激しい怒りを露わにしていた。
- 木田圭(きだ けい?)
下っ端の構成員。香月が神城組内部潜入の際、名波にご飯に誘われた際、一緒にお供した。
島田こと香月に惚れ込んでおり連絡先を交換しようとしていた。市合と広瀬による天羽組の前線メンバー襲撃のドライバー役を務めた。
※現状下の正確な名前の読み方は不明
「くそ!弾切れだ!」
氏名不詳
- 神城組構成員A
青髪の下っ端の構成員。閏間地区を巡回していた小峠華太を発見し攻撃態勢をとるも、小峠からの飛び蹴りを喰らい負傷した。
- 神城組構成員B
焦茶髪の下っ端の構成員。舎弟Aと共に攻撃態勢をとるも、小峠に太腿を刺され、顔をボコボコにされた。
- 神城組構成員C
紫髪の下っ端の構成員。広瀬、安芸と共に巻田組攻略に参加。巻田組に天羽組がいることを知り、本部へ連絡しようとするも、小峠に腕を撃たれ阻止された。
- 神城組構成員D
橙髪の下っ端の構成員。巻田組攻略に参加。巻田組の構成員を倒し、小峠と戦闘中の安芸に加勢するも、小峠に蹴り飛ばされた。
- 神城組構成員E
黄土髪に赤い上着を羽織った下っ端の構成員。長門を護衛中、ナイフ張り込み中の飯豊と青山を長門、構成員Fとともに奇襲する。その後車で逃走を図るも、飯豊が乗った車に追突され気絶した。
- 神城組構成員F
焦茶髪に緑の上着とズボンを着用した下っ端の構成員。構成員Eと同様に、追突され気絶した。
その他の構成員
- 佐々木(ささき)×
神城の兄貴分だった人物。
戦争開始時点で既に死亡しており、15年前の東京横浜間の抗争で殉職。
- 島田美月(しまだ みつき)
政治家の吉田の紹介で神城組の事務員面接に来た女性。
正体は天羽組の香月紫苑だが、現時点で素性はバレていない。
協力者・協力組織
- 和泉錦之助(いずみ きんのすけ)
「妖怪」の異名を持つ刀使い。
「剣を志した者なら知らない者はいない」と言われており和中蒼一郎とは何らかの因縁がある模様。白髪に緑の和服を着ており、右の頬にある3つの傷跡が特徴的な高齢の男性。長ドスの使い手であり、その剣術は老いた今でも衰えるどころか高みに達しているという。
- 横浜アローズ
横浜のプロ野球チーム。神城組に守代を払っている。
なお、初出は三門シリーズ。以前、オーナーの意向で野球賭博とそれにかかわる八百長試合をしていたが、三門と部南による債権取立てを受けてオーナーが交代したという経緯がある。
関係者・関係組織
- 広瀬大聖の父親 ×
広瀬大聖の実父。年を重ねている事を除けば、広瀬とよく似た容姿をしている。
高校時代は柔道で日本一を取ったキャリアを持っているものの、貧困だった家庭を理由に引退した過去がある。それだけに中年の身でありながら、半グレ数人程度ならば手傷を負っても蹂躙し切る身体能力とタフネスを持っている。
広瀬が幼い頃に妻を病気で喪い、それ以降は定職に中々ありつけないが故の貧しい家庭の中でも男で一つで彼を育ててきた。
困った人がトラブルに巻き込まれた事を見過ごせない、正義感と仁義に溢れる人格者であり、「大好きなもんのために戦う奴は強えんだ」を信条にしており、実子である広瀬の人格形成に大きな影響をもたらした。
ある日、恨みを買った半グレ達の報復によって車で轢かれ、吹っ飛ばされた際に古びたガードレールで右足を切ってしまう。
それでも、持ち前の強さと打たれ強さ、そして息子を傷付けようとした怒りを力に変えて半グレ達を蹴散らすも、右足から流れた出血が致命的となってしまう。
風前の灯火となった中、最期の瞬間まで強い男はどんな人物であるかを広瀬に教え説き、その命を散らした。
長門の幼少時代、親代わりだった人物。
- 市合健太郎 ×
市合麟太郎の実父。
三門シリーズの登場人物。特殊警察時代の市合の同僚だった。特殊警察を辞めた後、三門一郎太と出会い三門が社長を務めるナツメ金融に入社した。
- 吉田
神城組と関わりを持つ横浜の政治家。
(VIP席とはいえ)一般人を見下す発言をしたりビールの売り子に堂々とセクハラしたりと、外道とまではいかないが人間的に腐っている部類の人物。売り子に扮した香月紫苑が仕掛けた美人局にまんまと嵌められ、彼氏役に扮した小林幸真に尋問されて神城組の情報を洗いざらい吐いた。
敵対者・敵対組織
極道組織
神奈川県横浜市の閏間地区に拠点を構え家入雅和を組長とする極道組織。横浜の極道組織でありながら東京極道と友好関係を結んでいることが原因で神城組と緊張状態にあった。後日、神田・下田・山井を引き連れた長門が家入・柴原・宇佐美と出くわした際、柴原が半ば暴走に近い形で下田に重傷を負わせ、宇佐美も山井を殺害してしまう。これにブチ切れた長門はその報復として柴原・家入・宇佐美を殺害した。この一件を機に神城組と家入組・天羽組は完全に敵対することとなる。
東京都の空龍街に拠点を構える極道組織。家入組と神城組との抗争勃発を回避するために家入組に青山琉己・小峠華太に宇佐美を派遣していた。しかし、この行動が逆に神城組を激怒させることとなり、神城組から敵意を向けられることとなる、そんな中、家入の護衛をしていた宇佐美が家入・柴原諸共長門に殺害されてしまうという事態が発生してしまい、天城戦争が勃発してしまう。2024年8月16日動画において天羽組の報復で長門が青山琉己&飯豊朔太郎に殺害された事で、戦争にブレーキが掛からなくなった。
- 伊藤組(壊滅)
家入組と友好関係にある極道組織。武闘派の杉下が市合と安芸に殺され壊滅。
- 岩田連合(壊滅)
家入組と友好関係にある極道組織。武闘派の立川が広瀬に殺されたことにより、壊滅。
家入組と友好関係にある極道組織。小峠と矢部が出向いた直後、広瀬と安芸が訪れた。
小峠と矢部の奮戦によって、広瀬たちを追い払うことに成功し、壊滅は免れた。
その他の敵対者
神奈川県藤沢市に拠点を置く武闘派半グレ組織。トップは真田遼亮。
彼らは神奈川県全体の掌握を狙っており、その影響で長年に渡って神城組と対立している。
- 大槻三郎(おおつき さぶろう)×
数年前、横浜で多数のコロシと誘拐を行い、最悪の狂人として恐れられていた橙髪の男。言葉遣いが幼い。長門と戦闘になるも、手足の関節を全て逆にされ、最後は頚椎を折られて死亡した。
- 横浜警察上層部(過去) ×
当時署長だった佐藤を筆頭に絶望的に腐敗しており、マフィアと結託し賄賂を受け取る代わりに薬物蔓延を黙認。挙句には上層部を疑った警察内部の人間をヒットマンを使い殺害していた。
佐藤が市合に殺害されたことを契機に、市合を守ろうとした神城組と全面戦争に突入することになる。神城組のメインターゲットは腐敗した上層部であったため、当時の上層部は戦争の中で排除されたとみられる。現在の腐敗度合いは不明だが、市合曰く「まだイマイチ」とのことで、前よりはマシだが真っ当とも言い難い模様。
- 警察機動隊員・特殊部隊など(過去) ×(一部)
上述の戦争で神城組と戦う様子が描写されていた。しかし、彼らの多くは恐らく上層部の腐敗に気づいておらず、事実上の捨て駒とされた善人である可能性が高い。最終的に警察が市合を諦めたことで手打ちとなったが、依然として緊張状態になっている。
敵対する可能性がある組織
2代目の城ヶ崎賢志政権時代に東日本随一のマフィアとして猛威を奮い京極組と京羅戦争を繰り広げた半グレ組織。天羽組とも初代の稲村政権時代から因縁がある。
現トップである東雲竜政は裏神に対抗するために真田を凱哇ごと吸収しようと考えており、それに伴って神城組との敵対も想定している模様。また京炎戦争時に獅子王組により花宝町を追われ天羽組の本拠がある空龍街の隣町の竜桜町にヤサを移転したため、天羽組からも警戒されている。
余談
その他、視聴者からは元アサシンの名波が獅子王組の井上月麦と同じ組織にいたのではとか、その井上のナイフ捌きが天王寺組の戸狩玄弥を彷彿とさせる(by伊集院茂夫)ようなので、名波も戸狩と同じくエルペタス出身の可能性もあるとか(少なくとも両者ともCODE-ELの出身ではないことはほぼ確定である)、不良時代の広瀬が同じく元不良である紅林二郎や久我虎徹と面識があるのではないかとか(年齢的にも同年代の可能性が非常に高く、紅林、久我、広瀬の知名度から少なくとも互いに認知はしているのはほぼ確実と考えられる)、和泉が和中以外にも他の剣豪たちと何かしらの関係があった可能性、安芸が田宮道三の弟子で我妻京也の弟弟子だった可能性などについても触れられている。
また、天城戦争は「一条康明がやられた世界線の天京戦争」または「一条ではなく相良颯誠が引き金になった世界線の天京戦争」と一部で呼ばれており、各キャラクターも
- 長門=一条康明(またはこっちが相良とも)
- 広瀬=久我虎徹
- 安芸=野島翔、鷹橋修也
- 和泉=六車謙信
- 市合=相良颯誠(またはこっちが一条とも)
- 百田=守若冬史郎(ただし天京戦争不参加)
- 名波=五十嵐幸光
- 神城=(外道ではない)日下孝次郎
に該当すると言える。
考察
神城組の問題点
警察との正面戦闘の余波
市合が横浜警察上層部の腐敗を見破り当時の極悪幹部だった佐藤を粛正したことで彼は警察に追われる身となり、匿った神城組がリークなど真相究明の手段を取らず、警察組織全体に対していきなり戦闘を仕掛けたことで彼らと警察は大喧嘩になった(故に、神城組の側から戦争を仕掛けたことはないという説明は事実ではない)。エルペタス戦争で紅林二郎とイヌワシが衝突した時にイヌワシが言及していたように、警察はそもそも一般人としての存在であり、上層部の腐敗を知らず任務に励んでいたであろう一般隊員を「敵対勢力側にいる」だけの理由で次々と排除した場合、彼らは表の人間に無差別殺人を働いたことと同義となり下手をすれば神城組はテロ組織認定されて壊滅していた恐れもあった。
また、この事件の余波で神城組はシノギの何を失い、家入組はなぜ困っていた彼らを見捨て東京と組んだかの理由が一切明かされていない。
真島組の放置
そもそも、天羽組と神城組の最初の接点は「天羽組のシマである空龍街で悪事を働いた半グレの親組織である真島組を横浜で排除したことに彼らが因縁をつけた」ことにある。この件で彼らは「頼んでもいないのに横浜極道のケツを拭いてくれたそうで」「領分を理解しない東京者」などと主張したが、実際に彼ら(や他の横浜極道)がこの問題に対して(少なくとも東京の地で実害が出る前に)天羽組の前に動いた様子は一切ない。
すなわち、実害を受けた天羽組が外道組織を粛清するための遠征に出ること自体は筋が通っており、それを完全無視して「(真島組は)横浜の問題だからよそ者は干渉するな」という主張は間違っている。
第一、仁義や任侠を重んじて「ハマは一つ」という主張を掲げている神城組が、シマを守る意思はあるがその能力が十分でない家入組のみを(東京と仲良くしているからという理由もあるが)敵視し、未成年の女子を脅して売春を強要(しかも、他所の地域でも)させるという外道なシノギを行っている"真のハマの恥"とも言うべき真島組を放置していること(あくまで描写がなかっただけで、近々粛清予定だった可能性はあるが、だからと言って天羽組にあのような身勝手な主張をしていい理由にはならない)自体がダブルスタンダードであり、本当に彼等が横浜を愛しているのならば真島組こそ真っ先に率先して粛清しないと筋が通らないのである。
神代組は家入組を"無力さ故にシマのカタギを危険に晒してる連中"だと批判しているが、前述の通り、神城組自身は真島組の売春を他地域に被害が及ぶまで放置していたため、家入組のことを腐す謂れはないという意見もある。
真島組とその下部組織の戦闘力は、神城組の武闘派1,2名で十分に壊滅できる程度のレベルであるため、空龍街に被害が及ぶ前に彼らを滅ぼすことは容易だったはずである。
家入組への過度な圧力
また、家入組に以前から圧力をかけ続けていたことが明らかになっているが、家入組が対話を積極的にしなかったことを踏まえても圧力の掛け方が行き過ぎている。
実際に天城戦争の直接の発端は、柴原が下田に向かって発砲したことだと言われているが、そもそもアポも取らずに家入の行き先で待ち伏せをして武闘派組員と舎弟数名で圧をかけながら態度を聞くというやり方ではなく、正式に家入組に会合を申し入れ、どちらかの敷地にもう一方の組長や若頭と武闘派の数名が出向き、そこで天羽組の立ち会いの元で会合を行えば柴原の誤射や下田の負傷、山井や宇佐美の死亡は起こらなかった可能性が極めて高い。
実際に柴原が暴発した理由の一つに、別の東京極道との会合後に長門と広瀬が彼等を待ち伏せして、長門が柴原を避け家入に零距離(長門が家入を殺そうと思えば、柴原を無視していつでも殺せるということ)で圧をかけたことを想起したこともある。
相手の行き先を先回りして武闘派や部下数名が突如現れるという手法は、天羽組や京極組の敵対組織が戦争時に幹部や武闘派の奇襲の際に専ら取っていた戦術であり、単に最後通告が目的ならば態々そのような挑発的なアプローチを取るのは悪手と言わざるを得ないのである。
間違いなく横浜への郷土愛、東京から侵攻された経験が由来となっているのだが、横浜は横浜とのみ協力するべきという思想を自分たち以外の組織にもかなり強く押し付けていることにも留意する必要がある。
攻められた経験があるので警戒するのは当然ではあるものの、自分たちの思想を当然と考え融和的な立場を受け入れないというスタンスは相手への理解や共感性が欠如していると言わざるを得ない。この傾向は家入組にも見られることから、やはり対話不足が発端の1つであることは間違いないだろう。
郷土愛の押しつけと暴走
そして組の構成員の発言から「横浜は自分たち神城組のシマであり、自分たちの方が他の組よりも優位である」という考えがあることも示唆されている。家入組も「我々の権利は本質的に認められていない」と述べ、また神城組も「閏間を奪還する/奪い返す」としていることから、閏間も自分たちのものであるという認識があったのはほぼ間違いないだろう。
この考えのもと、閏間地区に侵攻することを決定した上家入組の友好組織全てに実力行使して閏間を自分たちのものにしようとするという行為に出てしまう。
家入組はまだしも、事前通告等一切なく閏間の他の組織まで襲うというのは暴挙と言わざるを得ず、また自治を認めている関係上事実上の閏間への侵略でもあり、これについてはどちらに非があるかという以前に流石に仁義外れでは?という声も多い。
このため、何ら悪いことをしたわけでもないのに一方的に縄張りを奪われ主力を殺害された同地区の組織が恨みを抱き、逆に反神城組を掲げて団結して家入組と天羽組に力を貸すことも考えられる。その場合、神奈川県東部一帯に神城組包囲網ができてしまい、1つであり皆が友好だと思っていたはずの横浜極道が天羽組側について団結するという最も皮肉な状況が起こりうる。
しかし、彼らなりに横浜ひいては家入組のことを考えていたこともまた事実であり、その根底にあるのは横浜としての一体感と誇り、郷土愛である。
神城・天羽・家入の三組織は少なくとも私利私欲で動く仁義外れの類ではなく、三方(特に家入組と神城組)の行き違いや非が重なったことで起こってしまった戦争と現状では言えるだろう。