概要
家入組とは神奈川県横浜市の閏間地区に拠点を構える極道組織である。
組織の特徴
戦力に乏しく、任侠者の看板を掲げているものの半グレ達がのさばるのを抑えきれず、現時点では半グレを始めとした悪党には舐められきっており治安は悪化の一途を辿っている(実際に天羽組から派遣された小峠華太と青山琉己が家入組の柴原洋司と見回りに出た時に戒炎傘下の朝流斗のように誘拐ビジネスを行う半グレがおり、青山が解決したものの、青山や小峠がいなかったら危なかった可能性がある)。隣接する神城組の蒼穹街を始めとして横浜には武闘派が多く、半グレ達が活動しにくいため、閏間地区に流れてくるのも治安の悪化に拍車をかけている。規模は羽王戦争時に天王寺組に制圧された北大路組と同等かさらに下と思われる。
そのため、組長の家入雅和は天羽組を始めとした東京極道と同盟を結ぶことで治安の回復や経済的発展を目指している。しかし、それが原因により、過去に東京極道と因縁のある横浜極道、その中でも地元愛が特に強い神城組には横浜の一部を東京に切り取って売ると思われ、関係が悪化している。同県鎌倉市にある隼瀬組と関係があるのかは不明。
歴史
家入組がまだ前身となる藤田組だった15年前、東京極道と横浜極道の間で大きな戦争が起こった(現時点では戦争の原因は明かされていないが総集編の安芸直治曰く、「近隣の宿命」とのこと。)。その時、東京と横浜の緩衝地帯となったのがまさに、現在家入組が拠点を構え、横浜で最も東京に近い位置にある閏間地区だったのである。そして閏間地区は東京に実効支配されることとなったが、それは決して藤田組にとって悪いものだけではなく、東京極道が新しいシノギのノウハウを持ち込んだことで、それまで閏間地区は横浜の中でも貧しい地域だったが、経済的に発展した。また、東京極道が出入りすることで半グレ等の悪党も鎮まり、治安も安定した。しかし、横浜の一部を、東京に支配されることが我慢ならなかった当時の他の横浜極道は命がけで東京極道を追い出した(その中には、現在神城組の若頭を務める名波和親もいた)。
その後、閏間地区の自治は藤田組、そして藤田組の跡を継いだ家入組に返されたものの、組長の家入はその時、東京極道に助けられた恩義から東京極道との付き合いを重視する方針を維持した。
現在
長年の緊張は神城組の長門碧が最終通告として、待ち伏せの形で家入の前に現れた際に、神城組による執拗にも程がある圧力に耐えかねて、家入の護衛の柴原が長門に発砲するという最悪の形で暴発することとなった。更に不幸なことにその銃弾は長門の舎弟の下田の腹に命中したため、同じく舎弟の山井が家入を拳銃で狙い、それを見た天羽組の宇佐美純平が家入を守ろうとして、山井の額を撃ち抜いてしまうという最悪の連鎖が起こってしまった。それにより長門は激怒してこれ以上の話し合いは無用と判断し、柴原、家入、そして宇佐美を殺害することとなった。この事件が後の天城戦争の引き金となる。
メンバー
- 家入雅和(いえいり まさかず) ×
家入組の組長。茶髪を左に流し、濃緑色のスーツを着ている男性。恩義を重んじ、東京極道に閏間地区を経済的に救われた過去から、東京極道との付き合いに重きを置いている。
穏やかな性格な一方で決断力もあり、日に日に圧力を増す神城組を始めとした横浜極道と決別した。しかし、これが仇となり神城組の怒りを増長させるという、まさに火に油を注ぐ結果となった。その後、最終通告として訪れた長門が柴原の暴発をきっかけに激怒。自身も宇佐美と共に抵抗したものの相手にならず、最終的には宇佐美を庇う形で長門に斬られる。自身が助からぬことを悟った家入は、長門に宇佐美を殺さないよう懇願しながら死亡した。しかし、虚しくもその言葉が長門に届くことはなかった。
- 棚橋(たなはし)
家入組の若頭。白髪に青色のシャツと空色のスーツを着た壮年の男性。
家入達が襲撃された際の緊急会議に同席し、家入達が討たれたことに悔し涙を流し、その後、天羽組にも被害が出たことを詫びていた。
- 柴原洋司(しばはら ようじ) ×
家入組の幹部。黒髪を右に流し、黒いコートを着た男性。家入組の幹部の他、家入の護衛を務めている。
家入組の戦力不足により半グレがのさばっている現状を苦々しく思っている。会合の道すがら、長門が最終通告として舎弟を連れて現れた際に、日に日に増す神城組からの圧力により、家入を守らなくてはならないという責任感や焦りが出て冷静さを失い、長門に突然発砲。長門には避けられたものの、長門が連れてきた舎弟の下田の腹に命中したため長門が激怒。追撃をしようとするも力の差がありすぎたため、何もできず長門の横薙ぎにより背骨まで斬られ即死した。これにより長門はこれ以上の家入組との話し合いは無用と判断したため、皮肉にも家入を守るはずが逆に危険にさらすことになってしまった。
- 大矢(おおや)
家入組の舎弟。黒髪に黒いシャツを着た青年。
天気が怪しくなったため家入達に傘を届けようとして家入襲撃の現場に出会し、その一部始終を見ていたが、長門の圧倒的な戦闘力から出ていく勇気がなく隠れて見ていることしかできなかった。しかし、幸か不幸かそれにより天羽組、家入組は当時の正確な状況を知ることができ、大矢は緊急会議の場にて家入襲撃時の状況を証言した。
関係者・関係組織
- 藤田(ふじた)
家入組の前身となる藤田組の組長。黒髪に、タートルネックのシャツと黒いスーツを着た男性。横浜極道が東京極道を追い出したことをどう思っているのかは明かされていない。経緯は不明だが家入に組長の座を譲った。現在の動向は生死も含めて不明。
天羽組の組長と若頭。家入組と同盟を結んでおり家入が困った時は相談にのっている。家入の要請もあり、家入組に戦力を派遣して家入組と神城組の戦力差を埋め、神城組にとってリスクある戦争にするという抑止力になることで戦争を未然に防ごうとしていた。天羽は宇佐美や家入のことがあっても戦争を避けようとしていたものの…
- 杉下(すぎもと) ×
家入組の友好組織・伊藤組の武闘派構成員。茶髪に黒のジャケットを着た男性。天城戦争が始まったことを受け家入組に手を貸す準備をしていたが、神城組の市合麟太郎と安芸直治に横浜から出ていくように脅される。それを拒否し、市合と戦闘になるが動く間もなく唐竹割りで両断された。なお、それを見た他の伊藤組構成員は降伏し、生かされたが横浜を追放された。
- 立川(たちかわ) ×
家入組の友好組織・岩田連合の武闘派構成員(恐らくトップ)。黒髪に白のスーツを着た男性。神城組の広瀬大聖と戦闘になり、突進しながら正確に発砲し、広瀬に一太刀浴びせるが、広瀬はその痛みを意に介さず両断された。
- 巻田(まきた)
家入組の友好組織・巻田組の組長。黒髪に茶色の和服を着た壮年の男性。家入組と同じく神城組に対して徹底抗戦の姿勢を見せる。
- 巻田組の構成員A
青髪に青いジャケットの構成員。巻田組長と共に小峠たちを出迎えた。
- 闇医者
白のワイシャツを着た人物。飯豊や青山など負傷者の治療を担当した。
敵対者・敵対組織
神城組の組長と若頭。現状の描写では家入組との外交は若頭の名波が行っている。2人とも15年前に東京極道から閏間地区を取り戻したことを誇りに思っており、家入組の行動に不信感を抱いている様子。山井が殺害されたことについて激しく憤っていた。名波は東京極道との付き合いを重視し、横浜極道と一定の距離を置こうとする家入組に苛立っており、会合でしばしばそれを議題に挙げては家入と対立している。両者とも現時点ではできるだけ戦争はしたくないが、最悪の場合は戦争も辞さない構えであった。後に長門の柴原、家入、宇佐美の殺害を追認し、天羽との電話会談を打ち切り、家入組、引いては天羽組との戦争に踏み切る。
考察
組長の家入共々、視聴者からの賛否が大きく割れている組織。
作劇上は、閏間地区を荒らす半グレ連中と東京極道への憎悪に駆られた神城組の両方から虐げられる被害者ポジションとして描かれているものの、そもそも神城組の怒りを買っている理由は、家入組の実力不足によって閏間地区のカタギが危険に晒されているという部分にも大きな原因がある。神城組はエルペタスと同じく伊集院シリーズの客演回等で過激な手段こそ厭わないものの単なる外道ではないことを示されており、尚のこと自分の無能さを棚に上げる家入組の態度に共感できないという視聴者も少なくは無い(ただし神城組サイドにも重大な疑惑がいくつか浮上しているため一概には言えない。詳しくは神城組の項目参照)。
しかも閏間地区の治安回復を急ぐべきこの状況で、横浜極道との関係改善を図ろうとしないばかりか天羽組を閏間地区に介入させるという、抑止のためとはいえ更なる火種を呼ぶことが分かりきった行為を行っている。
まるで図ったかのように横浜極道の怒りを買うような行為を繰り返す理由は、本当にかつての恩義だけなのか、それとも何か裏があるのか、家入は秘かに裏神と通じており天羽組と神城組を共倒れにさせようとしているのではという考察さえ存在していたが、家入と柴原が長門に殺されたこと、家入が今際の際に宇佐美の助命を嘆願したことなどを勘案すると、この説は無理筋であると考えられる。
何れにせよ、少なくとも家入組は仁義外れではなく、彼らなりに組をどうするべきかは真剣に考えていたことは間違いない。神城組への説明不足や東京極道の呼び入れなど非がないわけではないが、神城組も強い圧力を以前からかけていたということから、どちらにも非があり、一概に善悪で片付く話ではないということになるだろう。