概要
羅威刃に代わって新たな京極組の武闘派・久我虎徹シリーズの主要な敵となる、東北圏最大規模の超武闘派半グレ組織。
我妻が立ち上げた組織であり、僅か2年で構成員を300人まで増やしたうえに東北圏全域の支配まで成し遂げた、日本最大の半グレ組織として知られた羅威刃に負けず劣らずの規模と実力を誇る組織である。また東北を掌握しているだけに根城としている付近の飲食店に息がかかっており、いくらかの要求を全て通せるほど近隣への影響力も大きい。
京羅戦争中に羅威刃の当時のリーダーである城ヶ崎賢志は勢力拡大や戦力補充のために前々から目に付け最初は挨拶で済ませる形でコンタクトを取っていた。後日、経緯こそ不明だが東京に出向くとの連絡を城ヶ崎の側近であった東雲竜政に電話で連絡を入れ、羅威刃と接触していたがその時にどのような交渉をしたかは城ヶ崎が戦死したこともあり分からずじまいのままだった。
城ヶ崎死後、羅威刃を傘下に取り込もうと言う話も上がり、(おそらく前々から企んでいたであろう)関東侵攻計画に羅威刃の生き残り幹部の東雲と秋元詩郎を勧誘した。(後に音信不通になったのもあって事実上の決裂。)
当初は東北を拠点にしていたものの、関東侵攻の本格化と東北で待機していた副将の麻生が東京で我妻らと合流した事に伴い、貴凛町に母体を移す事となった。
登場当初は羅威刃のような武闘派マフィアのように描かれていたが、早い段階で黒焉街のカタギを巻き込むような襲撃や抗争に関係ない人物へのちょっかいを仕掛け、我妻が京極組で屈指の武闘派である海瀬との戦いを経てからは葬儀会場を襲撃すると言う海外マフィアのような所業をする事に一切の躊躇いがなくなっており、暴走に近い状況になっている。その様も京極組御用達の情報屋にして仁義や恩義を重んじる風谷でさえ嫌悪感を一切隠そうとしないほどである。
さらに羅威刃との決裂後はマッド・カルテルと手を結び関東どころかカルテルを利用して世界支配の野望すら抱くようになった。
メンバー
上層部
トップの我妻京也、No.2の麻生成凪、No.3の緋田功哲郎の3名が該当。
3名とも作中上位クラスの実力者であることから、彼らをまとめて「戒炎3英傑」と呼ぶ視聴者も一定数いる模様。
- 我妻京也 (あがつま きょうや)
通称:愛の処刑人
創設者にして現トップ。立ち上げからわずか2年で東北圏の完全掌握を達成した。
城ヶ崎の投げた手榴弾が偽物であることを見抜く冷静さ、初対面であるのにもかかわらず「(両親からの)愛の不足が城ヶ崎を狂人に変えた」と見抜く洞察力、幼少に学んだ古流の殺人術による強大な戦闘力、さらには自分の命が危険に曝されると、部下が命を投げ捨てる覚悟で守ろうとするほどの人望までも持ち合わせている。
「殺害対象も含めて愛してやる」というのが基本スタンスであるが、その目には光が感じられない。
2023年1月1日にアップされた動画から声優が伊藤タカユキ氏に変更されている。理由は個別項目を参照。
「愛はさぁ…… 全国に広めていくべきだと思うんだ」
- 麻生成凪 (あそう せいな)
通称:?(戒炎幹部の中では唯一通称が明かされていない)
戒炎のNo.2。明るいグレーに動きを利かせた七三分けヘアーと丸眼鏡が特徴的な青年で、我妻から全幅の信頼を寄せられている。
過去には自身の組織を率いていただけあって戦闘力は凄まじく、あの城ヶ崎賢志ともある程度殺りあえたほど。
特に動体視力は目を見張るものがあり、防御に関しては誰もが認める一級品。世界的傭兵組織で天才と呼ばれた緋田を明らかに上回っている実力を持つ。
東京侵攻は無理なのかと考えていたところ、我妻と出会い、我妻の説得で戒炎のNo.2に就く。
我妻が関東侵攻を開始した当初は抑えとして東北に残っていた。しかし、東北圏で数少ない強力なライバル組織であった部乃武のトップを暗殺してその証拠を我妻に提出したことで、東北における戒炎にとっての不安要素がなくなったため、自身も満を持して京炎戦争に加わることとなった。
「寂しいなぁ…… 俺も連れて行ってくれよぉ」
- 緋田功哲郎 (ひだ こうてつろう) ×
通称:戦場の申し子
戒炎のNo.3。我妻の側近の一人であり、黒髪オールバックに精悍な顔立ちが特徴である。城ヶ崎を「大型の猛獣(のようなオーラ)」のようだと評した。
角中と同じ戒炎の生え抜きで、我妻に対する忠誠心は特に高く、交渉に赴いた城ヶ崎が手榴弾を投げてきた際は迅速に身を挺して庇った。
元は巨大組織の傭兵であり幼少の頃から相当実力が高く、特にナイフと銃の腕は一流。「戦場の申し子」とまで言われている。
戒炎の下部組織にスパイとして入っていた仙石から突然の急襲を受けた。冷静に対処するが、仙石の卑怯なトラップで徐々に劣勢となり、最後は力負けして討ち取られた。
「命乞いの時間は無駄でしかない」
幹部
幹部に該当する4名はいずれも戒炎の中では実力者の部類に入るメンバーだが、トップの我妻や最高幹部の麻生・緋田と比べるとやや見劣りする。
また、4名全員が京炎戦争で一条康明の命を狙ったことがある。
京炎戦争中盤までの期間で全員敗死しており、そのうち半数は一条康明の手で葬られている。
余談ではあるが、幹部のうち榊原周を除いた3名をまとめて「戒炎三馬鹿」と呼ぶ視聴者も一定数いる。
- 角中正樹 (かくなか まさき) ×
通称:棒術の達人/ハゲ
我妻の護衛を務める親衛隊長で、色黒のスキンヘッドが特徴である。上半身から手首までにタトゥーが刻まれている。
生え抜きの構成員故に我妻への忠誠心が非常に強く、交渉に赴いた城ヶ崎が手榴弾(実際は模造品なので爆発はしない)を投げてきた際は迅速に身を挺して庇った。
棒術の達人であり、彼の武器である棒は 「突けば槍・薙げば薙刀・打てば棒」と呼ばれるほどの多様な戦い方で戦うことができる武器である。
我妻の指示で京極組における最強戦力の一角にして精神的支柱である一条康明を最初に狙い、後に遊馬や上堂が遅れて登場し優位に立つも、一条の凄まじい強さと機転で致命傷を負ってしまい、最終的には上堂の弾除けにされて完全に絶命した。
「その心臓…… 戒炎に差し出すがいい」
- 遊馬大介 (ゆうま だいすけ) ×
通称:東北屈指の剣豪
幹部の一人。青藍色の長ドスや苦無を用いた我流の殺人剣で、東北屈指の剣豪に上り詰めた。綾小路との戦いでは、綾小路を圧倒している。
見た目に違わず厳格な男であり、硬派な振る舞いが目立ち搦手も可能なことに対戦相手には驚かれる。
自動車での移動中に京極組の守若冬史郎が仕掛けた偽の道路工事に足止めされ、駆けつけて来た守若と戦闘に発展。
序盤こそ優勢だったがすぐに形勢逆転してしまい、勝負がついていた中でもなお戦い続けたが、抵抗も空しくスコップで胸を貫かれ、敗北した己を嘲笑いながら絶命した。
「“一敗地に塗れる”…… 醜い骸と化し地面に転がるがいい」
- 上堂新一 (かみどう しんいち) ×
通称:笑う死神
幹部の一人。二丁拳銃を得物とし、どんな逆境でも常に笑顔を絶やさない陽気な性格をしている。
1発の銃声で3発の銃弾をぶっぱなし敵をまとめて瞬殺する能力を持つ。
またジャンキーであり、どれだけ傷を負っても立ち上がり、笑いながら銃を乱射しまくる極めて凶暴な男。
その凶暴さと狂気を遺憾なく発揮して、暴走族150人以上を私兵としていた。
集会を開いている最中に海瀬将悟と佐古大和から急襲を受け、銃弾の雨を突破した海瀬に金的で防御を崩された後上半身の骨を全て砕かれて死亡した。
「鉛玉をどうぞぉ! 素敵な地獄の旅をぉ!」
- 榊原周 (さかきばら あまね) ×
通称:双剣の榊原周/謎に包まれし二刀流
幹部の一人。古流武術に端を発する双剣を得物とした、いかにも戦士というような重厚な見た目をしている人物。
元は彼も麻生と同じく独立した半グレ組織の長であり、勧誘に来た角中や我妻と一戦した後で戒炎に加入した。
末期の胃がんを発症しており、常に時間を気にしながら動いている。また目標達成のためなら、危険な賭けに出ることも厭わないという厄介さを持つ。
食事も満足にとれないほど衰弱した中で我妻からも東北で余生を過ごすことを提案されるがこれを無視し、その体で一条の潜む闇病院に特攻するが返り討ちにされ死亡。
「時間がもったいない……」
幹部候補
- 反町琥治郎 (そりまち こじろう)
CV:ヤシロこーいち
真ん中分けの黒髪をベースに前髪に緋色のメッシュをかけた髪型に赤いTシャツに黒いライダースジャケットとレザーグローブ、シルバーのアクセサリーを身に付けた青年。
元々は戒炎直下の下部組織のトップを張っていたが、我妻と麻生に実力と将来性を買われて幹部候補として迎えられた。口癖は「学び」や「インプット」であり、京炎戦争で様々なことを学ぼうとしている。
また普段の態度は慇懃だが内心には野心を秘めている。下部組織のトップで幹部候補として迎え入れられただけに、反論してきた部下を音も無く斬り殺したりと戦闘能力や作戦立案能力は高い。
働く人間の価値は能力を重点で見ているスタンスのために学歴や職歴などをよく見る一方、それらが無くても泥臭く働いた形でも実績を出せば認める等、良くも悪くも信賞必罰なメンタリティーで部下を扱っている。
「何も持ってねえ奴に発言権なんてねえんだよ」
一般構成員
- 錦戸 (にしきど) ×
角中の手下。
彼の指示で一条を最初に探し出し、待ち伏せするが回避され失敗。そして彼の反撃を受けて命を落とし、京炎戦争における戒炎側で名前が与えられたキャラクターで最初の犠牲者となった。
- 新見 (にいみ)
言及のみの登場で、風俗嬢に入れ上げそうな性格とされている。
- 福田 (ふくだ) ×
組織の掟を破って戒炎直営の店の風俗嬢と駆け落ちしたため我妻に粛清された。
- 戒炎構成員A ×
城ヶ崎と東雲が現れた時に驚いた青髪の構成員。
五十嵐幸光と二階堂将平に攻撃を仕掛けようとしたが佐竹博文に止められる。しかし運悪く彼が放った銃弾は元々工場があったビルのタンクに当たってしまい佐竹と二階堂諸共有毒な粘液で瀕死になる。それでも失敗すれば我妻に殺される恐怖から彼は病院で再び五十嵐に襲撃を仕掛けるばかりか、看護師を人質に取る暴挙に出たが二階堂に止められた挙句、完治していない病状のまま暴れたせいで症状が悪化して窒息死した。
- 戒炎構成員B
城ヶ崎と東雲が待ち合わせ通り14時にカチコミしてきた際に居合わせた戒炎構成員Aと共に出迎えた構成員。
礼儀正しさと狂気を併せ持ったとんでもない登場にビビりながらツッコミを入れた。
- 戒炎構成員C・D・E ×(全員)
一般人を巻き込む騒動を起こしたため急戦に持ち込まれ、ルーク黒羽根と交戦する。あと一歩のところまで彼を追い詰めたが全員が討ち取られた。そしてこの出来事がきっかけで、戒炎は羅威刃に代わって久我シリーズの主要な敵として立ち振る舞うこととなった。
- 戒炎構成員F・G ×(両者共)
海瀬によって投げ込まれたロケット爆弾の爆風を至近距離からもに食らい即死した。
- 戒炎構成員H ×
京極組が仕掛けた偽の道路工事で足止めされていたところ、スコップを持って登場した守若に真っ先に襲われ、為すすべなく胸を貫かれて絶命した。
- 戒炎構成員I
榊原と共に裏切り者の粛正に駆り出されたのだが、彼が胃がんの影響で苦しむ様子を見て心配するそぶりを見せていた。
- 戒炎構成員J・K ×(両者とも)
下部組織との会議に参加する緋田の護衛を務めていたが、その中にいた京極組の刺客である仙石の変装を見抜けず倒される。
このうち、赤ニット帽をかぶった金髪の人物(便宜上こちらを構成員Jとする)のファッションスタイルは構成員Iと類似していたが、同一人物か否かは不明。
- 麻生成凪の元側近
麻生とは学生時代からの付き合いであり、麻生が独自組織を率いていた時期には彼の側近を務めていた。麻生からはそれなりに信頼されていたため、戒炎の幹部たちには劣るとしても何かしらのバリューがある人材だと思われる。
京炎戦争本編には登場していないので現在何をしているかは不明だが、恐らく麻生が率いていた組織が戒炎に吸収された際に彼も麻生と共に戒炎に移籍したものと思われる。
構成員Iおよび構成員Jとファッションスタイルが類似しているが、同一人物か否かは不明。
- 無数の末端
佐古大和と浪岡常吉を集団リンチするが一条には勝てるわけがなく戒炎の関与を吐くことになった。
関係者・関連組織
我妻京也個人の関係者
古武術の達人で我妻の武術の師匠。
詳細は該当記事を参照。
- 千尋 ×
詳細は該当記事を参照。
- 我妻が率いた半グレ組織(正式名不明)
当時は我妻も特に勢力拡大などを意識していなかったが、この組織と敵対していた園部が千尋にリンチ殺人をかけた一件が遠因となって改名され組織の方針も大きく変化した。
傘下の半グレ組織
- 朝流斗 ×(全員)
戒炎の下部組織に当たる半グレ組織。戒炎の傘下に入った無数の半グレたちを統制することが主な役目であるほか、志正町の公園に立つ遊女たちを誘拐するビジネスによる金稼ぎも行っている。
しかし、戒炎本体と比べれば歴戦の猛者や武闘派を抱えていない等そこまで強力な組織ではなく、下記の裏切り者の件もあって怒り心頭だった仙石薫と佐古大和の2名によるカチコミを受けてアッサリ壊滅した。
- 鉄刀兄弟 ×(2名とも)
本来の戦闘力は佐古よりも上なのだが、半端者であったがゆえに覚悟を決めた佐古にビビってしまい、結果的に2人ともかつてザコ呼ばわりしていた佐古に殺されてしまった。
- 麻生が率いた半グレ組織(正式名不明)
盛岡市、仙台市など東北の大きな都市を掌握していたが、麻生が我妻に屈服したことで傘下入りする。
- 榊原が率いた半グレ組織(正式名不明)
榊原本人が重症になったため一時は引退・解散寸前にまでなってしまうが、彼が我妻との対峙を経てその生き方に感銘を受け、傘下に入ることとなった。
- 血乃犯(ちのぱん) ×(トップの愛人らしき女以外)
- 下部組織所属の半グレA・B ×(両者とも)
敵対者の野島はおろか、上司の反町からもゴミ扱いされていたちょっと可哀そうな2人組。
- 下部組織所属の半グレC ×
協力関係にある組織
天京戦争の原因になった世界最悪の麻薬組織。日本支部は城ヶ崎時代の羅威刃に壊滅させられており、天羽組・京極組・羅威刃と因縁がある。羅威刃離反後に我妻が連携相手として目を付け連携に成功した。
その他の関係者
- 岡口組
麻生がかつて加入・活動していた東北の極道組織。
彼はここでの暮らしに馴染むことができず、僅かな在籍期間で脱退することになる。
- 大量の暴走族
但し、上堂に脅されて従っていた者ばかりだったため、上堂を狙っていた京極組の海瀬将悟の進言で大半が離れていく事になった。
離反した組織
戒炎が武力で屈服させた半グレ組織の1つ(裏を返せば金で買った戦力でないため、無理矢理従わせられている)。名前が似ている羅威刃とは関係がない。
しかしこの強権的な傘下入り経緯からかリーダーの三池からは完全に面従腹背であり、京極組が放った刺客である仙石が変装してこの組織につけ入る隙を見せてしまう。後にこの組織と戒炎上層部の会議が行われるが、そこに参加した緋田は仙石の変装を見破れず、かなり不利な状況で戦闘に持ち込まれ敗死した。
なお、主要幹部としては東雲以外に秋元詩郎も生存しており、彼も戒炎と協力した。しかし彼らは別件で協力していた獅子王組黒澤派から約束を破られたことに懲りたためか、中盤以降で懐疑的な視線を彼らに向けるようになり決裂の可能性も浮上してきた。そんな中、井上月麦の急襲によりトップの東雲竜政が病院送りにされ、さらに追い討ちをかけるように行われた獅子王組による排斥活動により大きな被害を受けたため、最終的には現在の拠点である花宝町・黒焉街から撤退する判断を下した。これにより戒炎と音信不通になり、同盟は決裂した。
- 城ヶ崎賢志 ×
関東最大の半グレ組織・羅威刃の2代目トップ。あまりの悪名の高さから裏社会の悪魔とまで呼ばれていた男。戒炎を羅威刃に取り込むことを画策するも交渉中に京羅戦争で一条の襲撃を受けて敗死した。彼の死によって羅威刃は急速に弱体化・空中分解してしまった。皮肉な事に城ヶ崎の存在はいくつもの半グレ組織を束ねる必要悪として機能しており、それが無くなった事でいくつもの街に被害を大きくしてしまう結果を招いてしまった。
なお、我妻は彼が死亡したの受けて関東侵攻計画を本格化する決断をしたあたり、城ヶ崎の存在は関東侵攻を目論む戒炎にとってかなり大きな障害の一つだったと思われ「両雄並び立たず」な存在だったと言える。
CV:畑耕平
城ヶ崎亡き後、組織運営を引き継いだ羅威刃の新リーダー。
戒炎トップの我妻から関東侵攻計画への協力依頼を受け、どこか気味の悪さを感じつつも後日正式に協力関係となった。獅子王組に出向していた京極組の久我虎徹と犬飼鷹四郎が元居た場所に戻った事で狙いを再び戻す事になった。
CV:遠山春
京羅戦争で東雲と共に生き残った幹部の一人であり、東雲と共に協力関係になった事が明かされた。
手始めに獅子王組の黒澤派に加勢して眉済派に襲撃を仕掛けた。後に東雲と同じく、京極組に復帰した久我らに狙いを再び戻す事になった。
敵対者、敵対組織
- 園部 ×
若い頃の我妻の恋人だった千尋を誘拐し、強姦した上で殺害した男で我妻の心を破壊した元凶。元々から戒炎の前身だった組織と敵対していたらしい。
この出来事がきっかけでブチギレた我妻の単独カチコミにて凄惨な報復を受け、彼一人によって組織と彼女である聡美ごと排除された。
戒炎が京極組に齎した災厄と悲劇は全部こいつのせいと言っても過言ではない。一時の性欲に身を任せて我妻を悪魔に変え今まさに大災害を起こしたことから視聴者からも蛇蝎の如く嫌われている。
侵攻当初の協力者だった東雲と秋元は京羅戦争からの因縁で並ならぬ敵意を燃やしている。
霧散したCODE-ELの元トップアサシンと現在所属する組織。現在はエルペタスと戦争中。瓜生がかつて所属していた毛利グループが反旗を翻したことで起きたEL戦争に瓜生も参加して不在であったために貴凛町に容易にアジトを設けられるようになった。その後、瓜生が貴凛町に戻ってからは我妻は彼の作るメロンパンを買ったり、殺人鬼の討伐に協力したりと今のところ表立って対立する気はないが、瓜生と香鈴は警戒しており、もしも貴凛町の市民に危害を加えれば組織ごと相手にする気でいる。
かつて羅威刃を構成していた組織の一つ。京羅戦争敗北後に綾小路が新たに自警団として作り直した。
遊馬が綾小路を勧誘するが拒否され戦闘になるが、取り逃してしまい失敗。
比遊怒羅と協力関係にある自警団。メンバーの一人紅林二郎が上堂と交戦。その際に戒炎に入ることを拒否したため敵対することになった。
京極組と同じ関東の極道組織。戒炎が関東侵攻した当時は羽王戦争の真っ最中で工藤清志・阿久津敏朗・南雲梗平を失った。我妻はいずれ弱っていくと見て放置しており、京極組を片付けたら狙おうとしているが。
京極組や天羽組と同じ極道組織。獅子王組の内部戦争では黒澤派を支援していた。元々眉済派からは反感を持たれていたがのちに黒澤派とも決裂したためこちらとも敵対関係になった。
現時点で戒炎との直接的な戦闘は発生していないが、戒炎と当時協力関係にあった羅威刃の排斥活動を行う形で間接的ではあるものの戒炎に対して一定のダメージを与えている。
- 部乃武(べのむ) ×(?)
- ガルム ×
敵対する可能性がある組織
大阪に本拠を置く武闘派極道組織。互いに関東に侵攻にしたタイミングがほぼ同時期だったものの具体的な競合も起きておらず、両者のトップが「向こうから仕掛けて来ない限りこちらからは手出ししない」という意向を示したこともあり、暗黙の内に「相互に警戒しながらも不干渉」という関係に落ち着いていた。しかし我妻としては羽王戦争によって双方共に疲弊したタイミングで狙おうとしていたが、最終的に羽王戦争に敗北した庫とで関東から撤退した。
考察
羅威刃との共通点と相違点
羅威刃同様、半グレ組織なので当然ながら敵のアジトを爆破や放火するなどは当たり前に行う。しかし羅威刃の場合少なくとも稲村はともかく城ヶ崎がトップでいた時は、一般市民に関しては羅威刃の不利益に繋がる者以外(小湊圭一のように無差別で一般市民を襲うような者は除くが)は直接被害を出していないのに対し、戒炎は必要とあらば、一般市民を平然と傷付けることも厭わずボスの我妻自身は明確な指示は出していないものの、人通りの多い繁華街で五十嵐幸光や大園銀次達、京極組の構成員を襲うことを容認してしまうという点で羅威刃と大きく異なっている。
また、城ヶ崎も我妻も両者共に恐怖政治でメンバーを従えているのだが、羅威刃は城ヶ崎の圧力と指示で組織運営を成り立たせていた上にごく一部を除いて仲間意識が無いので彼が死んだことで組織の名を捨てることなく今尚在籍している者は東雲と秋元以外おらずほとんどの構成員が霧散して行ったが、戒炎の場合は幹部の角中正樹と緋田功哲郎は我妻の身に危険が生じたなら身を呈して庇おうとした他、数名のモブ構成員が率先して我妻に意見を出してターゲットを狙う等戒炎に対する忠誠心がある。他にも組織形態において端的に言うと、羅威刃は城ヶ崎の恐怖政治によるワンマン運営で成り立っておりNo.2が誰なのかは明言されていない。ただし羅威刃のトップを側近である東雲が引き継いだことから事実上のNo.2は彼だったと思われる。それに対し、戒炎には明確に組織のNo.2である麻生成凪、No.3である緋田功哲郎が存在している点が大きな違いだと言える(もっと言えば、親衛隊長の肩書を与えられている角中もいる)。
さらに羅威刃の場合だと(元々同じ組織にいて引き抜かれた高城と秋元を除く)幹部同士の繋がりはほとんど希薄だったものの、戒炎は幹部同士が連携をとっている描写が多い。現に一条康明との戦いで角中が末端構成員に連絡するよう指示したことで遊馬大介と上堂新一が遅れながら参戦した。他にも、京極組の武闘派兄貴達やリサーチに優れた舎弟を狙う際は幹部格2名以上で出向く事で作戦の成功率を跳ね上げている。
総じて、羅威刃は『恐怖政治による絶対的なトップダウン』なのに対して戒炎は『現場の声を汲み上げて柔軟に反映や対応をしていくボトムアップ』と言える。
尚、城ヶ崎がトップ時の羅威刃が葬式会場や病院に一切攻めてくることは無かったのに対し、(情報が得られなかったのか、そこまで追う必要はないと思ったのかは不明)海瀬の葬儀の際には多くの部下と共に麻生と緋田が会場を襲撃するという典型的な「半グレに仁義はない」を体現している。ただしこのやり方は仁義云々以前に不謹慎だと激怒する視聴者も一定数存在している。似たようなことをした結果重大な被害を産んだことでアンチがヒューマンバグ界隈でも非常に多い室屋柊斗ですら葬式中はカチコミを決行していない。
遂には京極組の中でも穏健寄りな考えを持っている高砂明夫や佐古大和でさえ「最早人間ではない」と激怒し、戒炎を相手に数々の悲劇を味わった京極組の組長である五十嵐幸光の方針を「外道を相手に手段を選ぶ必要はねえ!どんな手段を使っても叩き潰す!」と下手をすれば任侠者としての一線を完全に超えかねない怒髪冠を衝くものにしている。
余談
組織名の由来
組織名のモデルは、ドイツに本社を構える自動車製造メーカー・ポルシェの製品の一つであるカイエン+香辛料のカイエンペッパーであると思われる。
車のカイエンには「刺激」などの意味が含まれているとされており、東北から関東進出を目論む戒炎は関東裏社会への新たな「刺激」とも言える。また、カイエンペッパーは唐辛子を原料としており、唐辛子から連想されることが多い「炎」と戒炎の「炎」をかけている可能性もある。
幹部の口癖とこだわり
トップの我妻が「愛」に対して異様なこだわりを見せているのが戒炎の特徴であるが、実は我妻に従う幹部たちにも各々独特な口癖がみられる。しかも、そのうち数名に関しては口癖にちゃんとした深い意味がある模様。
以下に幹部の名前と口癖(およびこだわり)の対応を示した。
我妻:愛 - 敵に殺されてしまった恋人である千尋が遺した教えを守っている。
麻生:バリュー - 義父が幼少期に罵倒した言葉を覚えており、価値が人を表す指標と信じる。
緋田:普通の人 - 戦場では常に天才と評価され、人間扱いされなかったことの裏返し。
榊原:時間 - 胃癌を患い長生きできない身の上のため、とにかく時間の無駄を嫌う。
遊馬:ことわざ - ヒューマンバグ大学に登場する剣豪の例に漏れない特徴。
上堂:アッハー - この独特の笑い声から、「笑う死神」と称される。
角中:心臓/鼓動 - 唯一、こだわりへの明確な理由が不明。
反町:学び/インプット - 向上心が高く、あらゆることを学びの機会として捉えていることの現れ。