概要
羅威刃に代わって新たな京極の轍シリーズの主要な敵となった、東北圏最大規模の超武闘派半グレ組織。
我妻京也が立ち上げ、僅か2年で構成員を300人まで増やし、対抗勢力のリーダーだった麻生成凪や榊原周を降し彼らを組織ごと吸収するなどして東北圏全域の支配まで成し遂げ、天京戦争や京羅戦争当時には日本最大の半グレ組織として知られた羅威刃に負けず劣らずの規模と実力を誇るようになった。また東北を掌握しているだけに根城としている付近の飲食店に息がかかっており、いくらかの要求を全て通せるほど近隣への影響力も大きい。
組織の特徴
恐ろしさ
ヒューマンバグ大学に登場した半グレ組織の大半は中規模又は小規模の組織であるが、戒炎は構成員300人を誇る巨大組織である。しかも、現在の強力な幹部たちだけでは満足しておらず、引き続きさまざまな猛者に働きかけてさらなる勢力拡大を目論んでいた。下部組織も含めて構成員数は大規模組織である京極組をも凌駕している。
羅威刃の場合は強力な戦力を金で買うことで補強していたが、この組織は純粋な暴力で服従させるという形で人員を確保し、トップである我妻の強力な独裁体制で統制を保っていた。
そして我妻以外の上級メンバーがいなくなった後になると、彼は地球最悪のマフィア組織であるマッド・カルテルと契約し世界制覇の野望まで持つようになっていた。
幹部メンバーの序列
トップである我妻のほか、No.2の麻生、No.3の緋田の3名が上層部として明確に定義づけられている。3名とも作中上位クラスの実力者であることから、彼らをまとめて「戒炎三英傑」と呼ぶ視聴者も一定数いる模様。
しかし京極組との戦争において麻生が六車謙信、緋田が仙石薫に討たれ、そして我妻も守若冬史郎との戦いで敗死した。
また上級幹部には親衛隊長という称号を与えられた角中がおり、その他にも3名の実力者が一般幹部として主力を担っていた。しかし京炎戦争にて当初の幹部たちが全滅し、戦争中に下部組織から昇格した反町も行方をくらましたため、最終的には不在状態となっていた。
しかし三英傑とその他の幹部の格差は厳しく、幹部の5名は後に開催された公式の特別飲食店で個人メニューや新規グッズに恵まれていない。さらに実力差も激しく、三英傑は京極組の最強戦力と互角の戦いを繰り広げたりのに対し、他の幹部(反町を除く)は全員序盤から中盤で敗死しており、中には京極組最強戦力にほぼ一方的に殺害された者もいた。
資金稼ぎのやり方
主な収入は下部組織に課している大量の上納金であり、マッド・カルテルと契約した後には売上の20パーセントを受け取る条件となった。数パーセントでも億単位の収入を得ていた羅威刃の前例からするに、月収10億は下らないと推測される。
弱点
上述のように戒炎への入団はその多くが武力によって服従させられたものである(裏を返せば金で買った戦力でないため、無理矢理従わせられている)ため傘下組織の出身の構成員には戒炎への忠誠心などあるはずもなく、実際に作中で戦争真っ最中に幹部経験者の組織を含む6つもの組織が離反を試みている。
この結果として24年以降の統制はガタガタになり、最終的に下部組織の1つの裏切りが遠因となって我妻本人の死にまで直結してしまった。
さらに(緋田と角中が亡き後の)我妻には自分を本気で慕ってくれた部下がおらず、後釜となって組織を継承する者が現れる可能性も極めて低い。その場合、残党が旧マッドカルテル日本支部に吸収され、組織を乗っ取られてしまうこともあり得る。そして実際に組織を継承した者は現れず、旧マッドカルテル日本支部が独立した後に興った新組織の裏神に生き残りのメンバーの大半が吸収されてしまった。これに伴い戒炎は完全に壊滅を迎え、千尋亡き後の我妻の心の拠り所であった戒炎は名も形もなくなり歴史の闇に沈むこととなった。
メンバー
上層部
- 我妻京也 (あがつま きょうや) ×
異名は「愛の処刑人」。
創設者にして現トップ。立ち上げからわずか2年で東北圏の完全掌握を達成した。
城ヶ崎の投げた手榴弾が偽物であることを見抜く冷静さ、初対面であるのにもかかわらず「(両親からの)愛の不足が城ヶ崎を狂人に変えた」と見抜く洞察力、幼少に学んだ古流の殺人術による強大な戦闘力、さらには自分の命が危険に曝されると、部下が命を投げ捨てる覚悟で守ろうとするほどの人望までも持ち合わせている。
「殺害対象も含めて愛してやる」というのが基本スタンスであるが、その目には光が感じられない。
「殺す相手ですら愛してやらねえとさぁ」
「この戦争にルールなんてない。勝つためにできることだけを考えてほしい。金なら好きに使っていい」
- 麻生成凪 (あそう せいな) ×
戒炎のNo.2。明るいグレーに動きを利かせた七三分けヘアーと丸眼鏡が特徴的な青年で、我妻から全幅の信頼を寄せられている。
過去には自身の組織を率いていただけあって戦闘力は凄まじく、あの城ヶ崎賢志ともある程度殺りあえたほど。
特に動体視力は目を見張るものがあり、防御に関しては誰もが認める一級品。世界的傭兵組織で天才と呼ばれた緋田を明らかに上回っている実力を持つ。
我妻が関東侵攻を開始した当初は抑えとして東北に残っていた。しかし、東北圏で数少ない強力なライバル組織であった部乃武のトップを暗殺してその証拠を我妻に提出したことで、東北における戒炎にとっての不安要素がなくなったため、自身も満を持して京炎戦争に加わることとなった。
「人間を見る指針はバリュー…… ソイツの能力に付随する明確な価値だ」
「俺は目が抜群にいいんだ…… 攻撃の予備動作から全て捉える」
- 緋田功哲郎 (ひだ こうてつろう) ×
CV:伊藤タカユキ
異名は「戦場の申し子」。
戒炎のNo.3。我妻の側近の一人であり、黒髪オールバックに精悍な顔立ちが特徴である。城ヶ崎を「大型の猛獣(のようなオーラ)」のようだと評した。
角中と同じ戒炎の生え抜きで、我妻に対する忠誠心は特に高く、交渉に赴いた城ヶ崎が手榴弾を投げてきた際は迅速に身を挺して庇った。
元は巨大組織の傭兵であり幼少の頃から相当実力が高く、特にナイフと銃の腕は一流。「戦場の申し子」とまで言われている。
「戦場は命を惜しんだ者から死ぬ」
「なぜバカどもは抵抗するのか…… 全く意味をなさない」
幹部
- 角中正樹 (かくなか まさき) ×
CV:伊藤タカユキ
異名は「棒術の達人」。
我妻の護衛を務める親衛隊長で、色黒のスキンヘッドが特徴である。上半身から手首までにタトゥーが刻まれている。
生え抜きの構成員故に我妻への忠誠心が非常に強く、交渉に赴いた城ヶ崎が手榴弾(実際は模造品なので爆発はしない)を投げてきた際は迅速に身を挺して庇った。
異名の通り棒術の達人であり、武器である棒の扱いは我妻をして「突けば槍・薙げば薙刀・打てば棒」と称するほどの変幻自在なものである。
「その心臓…… 戒炎に差し出すがいい」
「フン… 温い…… そこは既に棍の制空権よ…」
- 遊馬大介 (ゆうま だいすけ) ×
CV:ベルべる☆
異名は「東北屈指の剣豪」。
幹部の一人。青藍色の長ドスや苦無を用いた我流の殺人剣で、東北屈指の剣豪に上り詰めた。比遊怒羅の綾小路との戦いでは、彼を圧倒している。
見た目に違わず厳格な男であり硬派な振る舞いが目立つが、その戦闘スタイルは前述の剣術だけではなく、苦無や体術など我流らしく何でもありなもの。
「“えせ侍の刀弄り”…… どんな武器を使おうが鍛錬がなっていなければ意味がない」
「“一敗地に塗れる”…… 醜い骸と化し地面に転がるがいい」
- 上堂新一 (かみどう しんいち) ×
CV:畑耕平
異名は「笑う死神」。
幹部の一人。二丁拳銃を得物とし、どんな逆境でも常に笑顔を絶やさない陽気な性格をしている。
1発の銃声で3発の銃弾をぶっぱなし敵をまとめて瞬殺する能力を持つ。
またジャンキーであり、どれだけ傷を負っても立ち上がり、笑いながら銃を乱射しまくる極めて凶暴な男。
その凶暴さと狂気を遺憾なく発揮して、暴走族150人以上を私兵としている。
「鉛玉をどうぞぉ! 素敵な地獄の旅をぉ!」
「今日のクジ運は最悪ぅ! 全員死のうかぁ!」
- 榊原周 (さかきばら あまね) ×
CV:西村隆主
異名は「双剣の榊原」。
幹部の一人。古流武術に端を発する双剣を得物とした、いかにも戦士というような重厚な見た目をしている人物。
常に時間を気にして動いており、目的のためなら自らの命を躊躇なく危険に晒さんばかりの行動を取るが、これにはある理由が隠されている。
「早く死ね…… 時間がない」
「俺は未来などに興味はない…… この身が砕けても構わんのだ!」
上級構成員
- 皆堂智則 (かいどう とものり)
金髪をオールバックにした男。
麻生を筆頭とした幹部陣が死んだ後に台頭してきた構成員。反町離反後、構成員の中でも特に重用されており、香坂たちとのミーティングでは我妻の護衛を任せられるほど信頼されていた。現状戦闘力は不明だが、亡き幹部たちに代わる我妻の側近として重用されていたことからそれなりの実力者だと思われる。
また、情報収集面の能力が高いようで、敵対者や離反者を即座に報告していた。
我妻には忠実で存命中は裏切らなかったが、彼の死後に戒炎を退団し羅威刃に移籍した。
一般構成員
- 錦戸 (にしきど) ×
角中の手下。
彼の指示で一条を最初に探し出し、待ち伏せするが回避され失敗。そして彼の反撃を受けて命を落とし、京炎戦争における戒炎側で名前が与えられたキャラクターで最初の犠牲者となった。
- 新見 (にいみ)
戒炎の構成員。
言及のみの登場で、風俗嬢に入れ上げそうな性格とされている。
- 福田 (ふくだ) ×
戒炎の裏切り者。
組織の掟を破って戒炎直営の店の風俗嬢と駆け落ちしたため我妻に粛清された。
- 戒炎構成員A ×
CV:伊藤タカユキ
城ヶ崎と東雲が現れた時に驚いた青髪の構成員。
五十嵐幸光と二階堂将平に攻撃を仕掛けようとしたが佐竹博文に止められる。しかし運悪く彼が放った銃弾は元々工場があったビルのタンクに当たってしまい佐竹と二階堂諸共有毒な粘液で瀕死になる。それでも失敗すれば我妻に殺される恐怖から彼は病院で再び五十嵐に襲撃を仕掛けるばかりか、看護師を人質に取る暴挙に出たが二階堂に止められた挙句、完治していない病状のまま暴れたせいで症状が悪化して窒息死した。
- 戒炎構成員B
CV:伊藤タカユキ
城ヶ崎と東雲が待ち合わせ通り14時にカチコミしてきた際に居合わせた戒炎構成員Aと共に出迎えた構成員。
礼儀正しさと狂気を併せ持ったとんでもない登場にビビりながらツッコミを入れた。
- 戒炎構成員C・D・E ×(全員)
街中で京極組の重役らを襲撃した三人組。
一般人を巻き込む騒動を起こしたため急戦に持ち込まれ、ルーク黒羽根と交戦する。あと一歩のところまで彼を追い詰めたが全員が討ち取られた。そしてこの出来事がきっかけで、戒炎は羅威刃に代わって久我シリーズの主要な敵として立ち振る舞うこととなった。
- 戒炎構成員F・G ×(両者共)
上堂の手下達。
海瀬によって投げ込まれたロケット爆弾の爆風を至近距離からもに食らい即死した。
- 戒炎構成員H ×
遊馬の手下。
彼が乗る自動車の運転手を務めていた男。京極組が仕掛けた偽の道路工事で足止めされていたところ、スコップを持って登場した守若に真っ先に襲われ、為すすべなく胸を貫かれて絶命した。
- 戒炎構成員I ?(可能性あり)
戒炎の構成員。
榊原と共に裏切り者の粛正に駆り出されたのだが、彼が胃がんの影響で苦しむ様子を見て心配するそぶりを見せていた。
- 戒炎構成員J・K ×(両者とも)
緋田の手下達。
下部組織との会議に参加する緋田の護衛を務めていたが、その中にいた京極組の刺客である仙石の変装を見抜けず倒される。
このうち、赤ニット帽をかぶった金髪の人物(便宜上こちらを構成員Jとする)のファッションスタイルは構成員Iと類似していたが、同一人物か否かは不明。
- 戒炎構成員L・M ×(両者とも)
反町の指示で京極組本部周辺を徘徊しながら監視していた2人組の半グレ。反町の狂気に震えあがって命令通りに動いていたところ、見回り担当だった野島翔・佐古大和に偶然発見されてしまい、即座に動いた野島によって2人とも真っ二つにされて絶命した。
敵対者の野島はおろか、上司の反町からもゴミ扱いされていたちょっと可哀そうな2人組。
- 戒炎構成員N ×
ナイフを持ちながら反町琥治郎の命令に異を唱えた金髪の半グレ。学歴・職歴を問われた際に「中卒でその後は裏社会のシノギしかやっていない」と返答しかったようだが、すべてを言い終える前に反町によってナイフで喉を貫かれて絶命した。
- 戒炎構成員O・P・Q ×(全員)
反町の手下達。
五十嵐襲撃に動員される。うち2人は高砂に妨害されて倒れ、もう1人は五十嵐のところまで辿り着くが直々に粛清され役目を果たせず。
- 戒炎構成員R・S
後述の赤坂を排除するために差し向けられた2人。
一部始終を聞いていた近藤にボコボコにされ再起不能になった。
- 戒炎構成員T・U ×(2名とも)
舞乱呼の集会を訪問した我妻の護衛を務めていた2人。
ボスを取られたことで報復に動き出した舞乱呼の残党たちと交戦するも、数的に不利な状況を巻き返せずに敗北した。
- 麻生成凪の元側近 ?(可能性あり)
麻生成凪の回想で登場した、赤色のパーカーと黒いニット帽が特徴的な茶髪の男。
麻生とは学生時代からの付き合いであり、麻生が独自組織を率いていた時期には彼の側近を務めていた。麻生からはそれなりに信頼されていたため、戒炎の幹部たちには劣るとしても何かしらのバリューがある人材だと思われる。
京炎戦争本編には登場していないので現在何をしているかは不明だが、恐らく麻生が率いていた組織が戒炎に吸収された際に彼も麻生と共に戒炎に移籍したものと思われる。
構成員Iおよび構成員Jとファッションスタイルが類似しているが、同一人物か否かは不明。
- その他、使い捨てにされた無数の末端 ×(多数)
ある者は黒焉街でシマ荒らしを働き佐古大和と浪岡常吉を集団リンチするが一条に負けて情報を吐かされ、ある者は葬儀会場を襲い手榴弾で式を台無しにしたり、ある者は決戦現場に向かう一条を足止めしようとして失敗したり、またある者は仙石と久我と対峙して液体窒素で凍らされるなどしている。
傘下の組織のメンバー
- 鉄刀兄弟 ×(2名とも)
元京極組の構成員で「朝流斗」の幹部を務める二人組。
京極組5代目組長である日下孝次郎の意向で京極組に入ったが、現組長の五十嵐幸光体制下における京極組の文化が肌に合わず、京炎戦争で戒炎が優勢だと感じたのを機に恩を仇で返すかのように京極組を無断で離脱。そして、戒炎に京極組の情報を売ることで一気に出世し、朝流斗の幹部に任命された模様。
本来の戦闘力は佐古よりも上なのだが、半端者であったがゆえに覚悟を決めた佐古にビビってしまい、結果的に2人ともかつてザコ呼ばわりしていた佐古に殺されてしまった。
- 田中翔太 (たなか しょうた)
傘下の半グレ組織「雑楽滅」のトップを務める男。
根性のある実力者だったが、襲撃してきた守若には力及ばず敗北し、自身の生存と引き換えに守若に戒炎の現状を伝えた。最終的にはカッパにされたうえで頭蓋骨に「佐古」と彫られてしまう。命までは奪われなかったがその後の動向は不明。
- 米山 (よねやま) ×
傘下の半グレ組織「封巣魔」のトップを務める男。
夢と希望に溢れており、幹部になることを目標として成り上がりを狙う。急襲してきた久我の特攻を食らっても耐えてみせたが、直後にトラック爆弾の攻撃をもろに受けて絶命する。
離反者
現裏神 反町派閥
- 反町琥治郎 (そりまち こじろう)
CV:ヤシロこーいち
戒炎の元幹部で裏神の幹部。真ん中分けの黒髪をベースに前髪に緋色のメッシュをかけた髪型に赤いTシャツに黒いライダースジャケットとレザーグローブ、シルバーのアクセサリーを身に付けた青年。
口癖は「学び」や「インプット」であり、京炎戦争で様々なことを学ぼうとしていた。普段の態度は慇懃だが内心には野心を秘めている。反論してきた部下を音も無く斬り殺すなど、戦闘能力や作戦立案能力は高い。
働く人間の価値は能力を重点で見ているスタンスのために学歴や職歴などをよく見る一方、それらが無くても泥臭く働いた形でも実績を出せば認める等、良くも悪くも信賞必罰なメンタリティーで部下を扱っている。
元々は戒炎直下の下部組織のトップを張っており、我妻と麻生に実力と将来性を買われて幹部候補として迎えられ、後に幹部に昇格。しかし、戒炎による京極組への総攻撃のタイミングで突如として行方をくらました。その件は我妻にばれて激しい殺意を向けられるも、彼による裏切り者狩りを生き延びて裏神に移籍。
「何も持ってねえ奴に発言権なんてねえんだよ」
「どんな歴史上の偉人も最初は下っ端だ…… お前達はそれに立ち会ってるだけだ」
- 烏丸瑞紀 (からすま みずき)
反町の手下の一般構成員。
彼に忠実で一緒に行動する場面を多く見せているが、当時の我妻には反感すら抱いていた。反町が脱退した後に彼も付き従って裏神に移籍し、情報面担当の兵站型幹部に昇格した。
- 反町が率いた半グレ組織(正式名不明)
若い頃の反町が幹部候補として取り立てられる前に率いていた組織。
烏丸をはじめとしたこの組織所属の構成員達は、他の下部組織メンバーと比べて比較的出番が多く与えられている。
その他の離反者
戒炎のやり方などに対し反旗を翻した形で、他の組織より良識的な面が目立つ。京極組との敵対はいずれもなし。
- 悪刃羅(アバラ) ×(全員)
三池が率いる戒炎の下部組織。戒炎が武力で屈服させた半グレ組織の1つで、名前が似ている羅威刃とは関係がない。
しかしこの強権的な傘下入り経緯からか三池からは完全に面従腹背であり、京極組が放った刺客である仙石が変装してこの組織につけ入る隙を見せてしまう。後にこの組織と戒炎上層部の会議が行われるが、そこに参加した緋田は仙石の変装を見破れず、かなり不利な状況で戦闘に持ち込まれ敗死した。
後日、三池らが作戦失敗の責任追及で我妻のもとを訪れたところ、反町が裏切った一件で激怒していた我妻に問答無用で裏切り者認定されて処刑され組織は解体となった。
- 三池 ×
悪刃羅のトップ。
前述の通り武力により強制的に戒炎の傘下につけられた形であり、彼自身はやりきるしかないとして服従しつつも本心では快く思っていない。
非常に仲間思いであり、組織を「アットホーム」と評している。千田として潜入した仙石のことも優しく迎え入れ、仙石を弟分のように可愛がりつつ時には本音を漏らしていた。
そして、千田が入ってしばらくして、戒炎本体との会合がある事と会合で緋田功哲郎が来ることを伝え、結果的に仙石の罠を張る計画に貢献した。
そして緋田との戦いに勝つも限界を迎えていた仙石を「死んじゃダメだ」と言い闇医者へと運んだ。
この際、京極組を「戒炎を倒す希望になるかもしれない」と激励している。
一部の視聴者からは三池は京極組に入るのではないか?という考察がされていたが、その後も戒炎の武力には逆らえなかったか傘下から脱出することができずにいた。
しかし、2024年1月12日の動画にて遂に謀反を起こし、我妻に対して「お前は計画に失敗して沢山犠牲を出した。俺達の仲間も多くが犠牲になった。もうお前にはついていけない、独立させてもらう」と糾弾、我妻に反抗心を持った駒など要らないと見限られ、見せしめとして粛清されてしまった。
半グレでありながら面倒見もよくむしろいい人という珍しい立ち位置であり、仙石も「気持ちのいいボス」、「本当にいい奴、死んでも忘れない」とかなり高く評価している。
最期は反抗の末命を落としてしまったが、京極組への貢献やその性格は視聴者からも高く評価されており、三池を含めた悪刃羅メンバーは仙石らによって弔われていてほしいと願う人も少なくない。
- 舞乱呼(ブランコ) × (一部)
山西が率いる戒炎の下部組織。戒炎による搾取に嫌気が差したからと、京極組による粛清を回避したいからの2点を理由に戒炎から離反を目論んでいる。佐古大和が坂下の名義で潜入した。
仲間意識が比較的強いという特徴が挙げられる。
戒炎からの離反を決意するも、集会の様子を見に来た我妻によって山西が粛清されてしまう。しかし、潜入がバレた佐古による一発の銃声を皮切りに残党たちも佐古に加勢し、我妻の護衛2名と交戦することになる。少なくない犠牲を出しながらも数的優位を生かし、最終的には護衛2名を撃退することに成功した。また、我妻も守若が殺害したため、戒炎からの離反には結果的に成功したといえる。
なお佐古を治療した構成員である宮戸龍樹はのちに京極組に入門することになった。その他構成員のその後については不明。また、我妻の遺体のみ置き去りにされていたため、戦死した構成員の遺体は残った構成員たちが弔ったと思われる。
- 月怪音(ツケネ)
こちらも戒炎からの離反を目論んでいる半グレ組織。離反理由は、麻薬売買に加担させられてる現状に嫌気が差したから。花沢伊織が八村の名義で潜入した。体育会系の空気感が強めの半グレ組織であり、潜入中の花沢は1日14時間もひたすら荷物運びをやらされていた。その後、我妻が舞乱呼の集会所で守若との死闘で戦死した事で結果的に戒炎からの離反に成功している。京炎戦争後の2024年7月の時点において月怪音がどうなっているのかは描かれていない。
騙されて戒炎に入団させられた構成員。
仕入れた薬物を全て捨てたため粛清されそうになるが、近藤によって助けられた。
なお京炎戦争後に京極組に入門した際に本名が判明した。
- 大量の暴走族
上堂の狂気で支配されたその辺の不良達改め上堂の私兵達。総勢150人以上。
但し、上堂に脅されて従っていた者ばかりだったため、上堂を狙っていた京極組の海瀬将悟の進言で大半が離れていく事になった。
関係者・関連組織
前身組織
- 我妻が率いた半グレ組織(正式名不明)
戒炎の前身となる組織。
当時は我妻も特に勢力拡大などを意識していなかったが、この組織と敵対していた園部が千尋にリンチ殺人をかけた一件が遠因となって改名され組織の方針も大きく変化した。
- 麻生が率いた半グレ組織(正式名不明)
若い頃の麻生が我妻と出会う前に率いていた組織。
盛岡市、仙台市など東北の大きな都市を掌握していたが、麻生が我妻に屈服したことで同時に合流した。
- 榊原が率いた半グレ組織(正式名不明)
若い頃の榊原が我妻・角中と出会う前に率いていた組織。
榊原本人が重症になったため一時は引退・解散寸前にまでなってしまうが、彼が我妻との対峙を経てその生き方に感銘を受けたため、同時に合流することに。
傘下の半グレ組織など
- 朝流斗 ×(全員)
戒炎の下部組織に当たる半グレ組織の中核的立ち位置(誰が率いているのかは不明)。
戒炎の傘下に入った無数の半グレたちを統制することが主な役目であるほか、志正町の公園に立つ遊女たちを誘拐するビジネスによる金稼ぎも行っている。
しかし、戒炎本体と比べれば歴戦の猛者や武闘派を抱えていない等そこまで強力な組織ではなく、下記の裏切り者の件もあって怒り心頭だった仙石と佐古大和の2名によるカチコミを受けてアッサリ壊滅した。
- 封巣魔(フスマ) ×(全員)
米山が率いる戒炎の下部組織。戒炎に勧誘されて自主的に傘下入りした大規模の半グレ組織。前述の米山を筆頭に成り上がりに積極的な構成員が多く在籍しており、麻薬販売などで戒炎に貢献していたものの、努力も空しく成り上がる前に久我虎徹によるカチコミを受けて壊滅した。
- 雑楽滅(ザラメ) ×?
田中翔太が率いる戒炎の下部組織。守若と成り行きで戦闘になったため、戒炎本体に対してどのような役割をなしていたかは描写されていない。
本編ではボスの田中と手下1名のみ登場。田中が敗北した後の動向は不明。
- 血乃犯(ちのぱん) × (全員)
井畑寿郎が率いる戒炎の下部組織だったが、裏切っている。
ヤクの売買で資金稼ぎをしていたものの、麻生の調べで独自ルートを開発し、上納金の一部を隠している事が判明。
直接敵対したわけではなかったが反逆行為と見做した我妻のカチコミによって構成員らは殲滅、トップの井畑も抵抗空しく死亡して組織は壊滅した。
なお現場に居合わせた井畑の愛人らしき女性は構成員ではなかったのか、汚いシノギに一切関与や認知していなかったため我妻の意向で助命された。
その他の関係者・関係組織
古武術の達人で我妻の武術の師匠。
彼の元で我妻は多くのことを学び、現在の戦い方のベースとしている。
- 千尋 ×
若い頃の我妻が偶然助けたピンク髪の美女。
一時期の間で彼と交際し、我妻との子供を身籠っていたが、敵組織の人間に目をつけられリンチを受けて殺害されてしまった。これがきっかけで我妻は凶暴性が覚醒し、暴力的な性格になってしまう。
- 吉本
麻生伝説に登場した仙台を拠点とする東北の極道組織である岡口組の極道。
麻生は岡口組に加入後、戦い方の基礎とかを吉本に学んだものの暮らしに馴染むことができず、僅かな在籍期間で脱退した。京炎戦争後、岡口組は「ゼウス」を率いる元エルペタスの時透柚貴に襲撃され組長の岡口や若頭の水鳥らを殺害される。吉本は東京から仙台へ派遣された天羽組の須永陽咲也・小峠華太・工藤亘清と共闘し最終的に岡口や水鳥らの仇を取った。
- 傭兵組織(正式名不明)
若い頃の緋田が所属していた傭兵組織。どこの国のものかは明らかになっておらず、秋元詩郎をはじめとする他組織の海外派と関係があるのかも不明。
彼は当時から訓練や実戦で優秀な成果を挙げ続けたため天才と評価されたが本人はこれを逆に不快に思っており、ある戦闘で仲間が殉職したことをきっかけに組織を抜けて浮浪者となり我妻に拾われた。
協力関係にある組織
- マッド・カルテル日本本部
天京戦争の原因になった世界最悪の麻薬組織の日本支部。旧日本支部は城ヶ崎時代の羅威刃に壊滅させられており、天羽組・京極組・羅威刃と因縁がある。羅威刃離反後に我妻が連携相手として目を付け香坂との交渉の末、連携に成功した。
しかし、後に日本支部トップの香坂慎太郎はかねてから本部への不満と独立への野心があり、我妻に焚き付けられて本部からの独立を選び、日本支部は新たな巨大マフィアへと生まれ変わることになる…
- 羅威刃 (以前)
交渉中の相手だったものの城ヶ崎の死によって大幅に弱体化。トップの我妻は、京羅戦争で生存した幹部の東雲にコンタクトを取り、戒炎による関東侵攻を手伝って欲しいという旨を伝えた。
なお、主要幹部としては東雲以外に秋元も生存しており、彼も戒炎と協力した。しかし海瀬の葬式襲撃で麻生と秋元が揉めたのをきっかけにお互いに不快感を抱くようになり、獅子王組による羅威刃狩りが続いたこともあって花宝町・黒焉街から撤退する判断を下した。これにより戒炎と音信不通になり、同盟は決裂した。
敵対者・敵対組織
極道組織・自警団
関東侵攻を開始するにあたり、最初に目をつけた。
侵攻当初の協力者だった東雲と秋元は京羅戦争からの因縁で並ならぬ敵意を燃やしている。
かつて瓜生龍臣が所属しEL戦争後、霧散したCODE-ELの毛利グループのトップだった毛利公平がCEOを務める会社。毛利班の生き残り及び元銀田派だった智也らが所属する。現在は鶴城史之舞や呉兄弟らの協力者たちと共にエルペタスと戦争中。瓜生か師匠に危害を加えられたことで瓜生もEL戦争に本格的に参戦し不在になったために貴凛町に容易にアジトを設けられるようになった。その後、瓜生が貴凛町に戻ってからは我妻はうりゅうのメロンパンを買ったり、殺人鬼の討伐に協力したりと表立って対立する気はなかったが、瓜生と香鈴は警戒しており、もしも貴凛町の市民に危害を加えれば組織ごと相手にする気でいた。
かつて羅威刃を構成していた組織の一つ。京羅戦争敗北後に綾小路が新たに自警団として作り直した。
遊馬が綾小路を勧誘するが拒否され戦闘になるが、取り逃してしまい失敗。
比遊怒羅と協力関係にある自警団。構成員たちがメンバーの一人西条秀郎を襲撃し、仲間の紅林二郎が上堂と交戦。その際、西条も紅林も戒炎に入ることを拒否したため敵対することになった。
京極組と同じ関東の極道組織で本拠地がある『空龍街』と轟組から譲り受けた『朱雀町』をシマとしている。戒炎が関東侵攻した当時は羽王戦争の真っ最中で工藤清志・阿久津敏朗・南雲梗平を失った。我妻はいずれ弱っていくと見て放置しており、京極組を片付けたら狙おうとしていた。
しかし小林幸真は街中で偶然我妻と鉢合わせした際に、持ち前の超人的な感性で我妻の危険性を看破。あわや一触即発にまでなりかけており(この時は小峠が止めたため、我妻自身との激突には至らなかった)、また羽王戦争後、空龍街のクリスマスマーケットで須永陽咲也と香坂が衝突した。
京炎戦争が終結してから約2週間後、天羽組と親交がある岡口組が『ゼウス』の猛威によって壊滅寸前となり、天羽組に訪れた吉本
が大金を持って時透の暗殺を嘆願された為、天羽は小峠、須永、亘晴を派遣した為、少なからず戒炎壊滅の余波を受けた。因みに派遣されたのが3名だったのは、当時冷戦状態だった横浜極道と後述の羅威刃と裏神への警戒があった為だと考えられる。
京極組や天羽組と同じ関東の極道組織。獅子王組の内部戦争では黒澤派を支援していた。元々眉済派からは反感を持たれていたがのちに黒澤派とも決裂したためこちらとも敵対関係になった。
現時点で戒炎との直接的な戦闘は発生していないが、戒炎と当時協力関係にあった羅威刃の排斥活動を行う形で間接的ではあるものの戒炎に対して一定のダメージを与えている。戒炎との直接対決は無かったが戒炎とカルテル日本支部の合流後に伊武隼人が近藤新平太に呼応して売人狩りを行ったことで完全な交戦状態になった。
半グレ組織
- 園部 ×
若い頃の我妻の恋人だった千尋を誘拐し、強姦した上で殺害した男で我妻の心を破壊した元凶。元々から戒炎の前身だった組織と敵対していたらしい。
この出来事がきっかけでブチギレた我妻の単独カチコミにて凄惨な報復を受け、彼一人によって組織と彼女である聡美ごと排除された。
戒炎が京極組に齎した災厄と悲劇は全部こいつのせいと言っても過言ではない。一時の性欲に身を任せて我妻を悪魔に変え今まさに大災害を起こしたことから視聴者からも蛇蝎の如く嫌われている。
当初は協力者だったが秋元が麻生チームに加勢した後の対応が尾を引き、互いにこの件を根に持って同盟関係決裂の原因となる。
後に我妻が妄信的に組織の拡大をするようになると羅威刃にとっても戒炎が裏社会のトップを目指す邪魔になり、戒炎に関連する情報を京極組に提供するという形で間接的に敵対関係となった。
- 部乃武(べのむ)×
東北の半グレ組織。我妻をして「部乃武が暴れた時、お前がいないとダメじゃないか」と言わしめるほどの強敵で、関東侵攻を進めている戒炎にとっての数少ない不安要素だった。しかし、後に独断で動いた麻生によってトップの玉山が暗殺され、その結果、組織自体が機能不全に陥ってしまったと思われるが、京炎戦争後に空白地帯になった東北の覇権を狙う半グレ組織が乱立した為、部乃武の残党も小競り合いをしていると考えられる。
- ガルム×
戒炎に壊滅させられた弱小半グレ組織の残党たちが結成した犯罪集団。戒炎への仕返しを目論んでいたが、その資金集めのために黒焉街で違法薬物の密売や園児誘拐を行ったことでシマ荒らし認定され、戒炎への復讐を果たす前に京極組によって壊滅させられた。
活躍
登場初期
京羅戦争中に羅威刃の当時のトップである城ヶ崎賢志は勢力拡大や戦力補充のために前々から目に付け最初は挨拶で済ませる形でコンタクトを取っていた。後日、経緯こそ不明だが東京に出向くとの連絡を城ヶ崎の側近であった東雲竜政に電話で連絡を入れ、羅威刃と接触していたがその時にどのような交渉をしたかは城ヶ崎が戦死したこともあり分からずじまいのままだった。
その城ヶ崎の死後、羅威刃を傘下に取り込もうと言う話も上がり、(おそらく前々から企んでいたであろう)関東侵攻計画に羅威刃の生き残り幹部の東雲と秋元詩郎を勧誘した(後に音信不通になったのもあって事実上の決裂)。
京炎戦争編
当初は東北を拠点にしていたものの、関東侵攻の本格化と東北で待機していた副将の麻生が東京で我妻らと合流した事に伴い、貴凛町に母体を移す事となった。
登場当初は羅威刃のような武闘派マフィアのように描かれていたが、早い段階で黒焉街のカタギを巻き込むような襲撃や抗争に関係ない人物へのちょっかいを仕掛け、我妻が京極組で屈指の武闘派である海瀬将悟との戦いを経てからは葬儀会場を襲撃すると言う海外マフィアのような所業をする事に一切の躊躇いがなくなっており、暴走に近い状況になっている。その様も京極組御用達の情報屋・風谷でさえ嫌悪感を一切隠そうとしないほどである。
さらなる詳細は別記事参照。→ 京炎戦争
マッド・カルテルとの提携以降
手を組んでいた羅威刃と縁が切れた後、組織の拡大を早く大きくするため、世界的麻薬組織『マッド・カルテル』日本支部トップである香坂慎太郎と提携を結び、潤沢な資金源を確保する。同時に我妻は関東制覇どころか日本裏社会制覇まで野望を膨れ上がらせた。京炎戦争にて古参幹部は全滅した上に新参幹部の反町琥治郎は離反したため幹部不在になっている状況の中でも、裏切者や離反する可能性のある要素を持つ人物の排除を強引かつ淡々と進める事で構成員の数を増やし、マッド・カルテル本部のやり方に不満を持つ香坂を上手く誑し込んた事で彼の独立を成功させ、組織拡大をより大きなモノにしていく。しかし、粛清予定だった傘下の半グレ組織に京極組の佐古が潜入していたことにより我妻は自身の居場所を守若冬史郎に把握され、駆けつけて来た守若との戦闘を余儀なくされた。激戦の末に我妻も敗死し、これによって戒炎の上層部は全滅した。
我妻の死後、前述の通り残党の多くが旧マッド・カルテル日本支部の流れを汲む新興組織「裏神」に吸収され、組織を継承する者も現れなかったことにより、東北・関東裏社会を震え上がらせた巨大マフィア「戒炎」はこの世から完全に消滅した。
混迷を極める東北裏社会
戒炎壊滅後、東北圏の裏社会は我妻という抑止力がなくなり、空白地帯となった事で戒炎を離脱した元傘下の半グレ組織や部乃武の残党といった当時戒炎と敵対関係だった組織が好き放題に暴れまるようになり群雄割拠の戦国時代となり我妻達が最初期に拠点を置いていた仙台は地獄絵図になっていたが、須永チームの加勢もありすぐに鎮圧された。
考察・余談
組織名の由来
組織名のモデルは、ドイツに本社を構える自動車製造メーカー・ポルシェの製品の一つであるカイエン+香辛料のカイエンペッパーであると思われる。
車のカイエンには「刺激」などの意味が含まれているとされており、東北から関東進出を目論む戒炎は関東裏社会への新たな「刺激」とも言える。また、カイエンペッパーは唐辛子を原料としており、唐辛子から連想されることが多い「炎」と戒炎の「炎」をかけている可能性もある。
また、当て字に着目せずに組織名の文字を見た場合、戒めの炎と解釈することも出来るだろう。我妻自身、京炎戦争終盤にてこの戦争の目的の一つとして自身が過去に救えなかった人物の教えである愛することを否定する事であると明かしており、自身の過去を戒めようとしていたのかもしれない。
戒炎の残した新たな戦争の火種
威刃との同盟解消後に戒炎と同盟関係にあった香坂が率いる「マッドカルテル旧日本支部連合」改め「裏神」は幹部が誰一人死んでおらず、京炎戦争の裏で戒炎と協力して開拓した日本市場の利益を独占できるようになった事で漁夫の利を得ているので我妻の遺した新たな戦争の種は既に日本全国に蒔かれる事になった。
又、カルテルのボスは香坂達の独立に激怒し、裏神の殲滅と日本市場を奪還するべく、武闘派構成員のダヴィッツ達を派遣し、新たな戦争を引き起こすのだった。
羅威刃との比較
一般人への対応
両者共に半グレ組織なので当然ながら敵のアジトを爆破や放火するなどは当たり前だが、羅威刃の場合は、少なくとも稲村はともかく城ヶ崎がトップでいた時は、一般市民に関しては羅威刃の不利益に繋がる者以外(小湊圭一のように無差別で一般市民を襲うような者は除くが)は直接被害を出していない。
一方で、戒炎は必要とあらば(のちのエルペタス戦争で登場した雷一族のように)一般市民を平然と傷付けることも厭わずボスの我妻自身は明確な指示は出していないものの、人通りの多い繁華街で五十嵐幸光や大園銀次達、京極組の構成員を襲うことを容認してしまうという点で羅威刃と大きく異なっている。
組織経営・仲間意識
また、城ヶ崎も我妻も両者共に恐怖政治でメンバーを従えているのだが、城ヶ崎時代の羅威刃は彼のワンマン運営による圧力と指示で組織運営を成り立たせていた上にごく一部を除いて仲間意識が無かった。しかし東雲が組織を継承してからは彼と秋元(及び新幹部の絢辻雅史)は強い結束で結ばれるようになり、互いが相手の命を救っている。さらに城ヶ崎時代から彼らは下部組織に契約金や給料をちゃんと払っており、このためか少なくとも城ヶ崎や他の幹部怖さに組織を抜けようとする者はいなかった。
戒炎の場合は最初こそ幹部の角中正樹と緋田功哲郎が我妻の身に危険が生じたなら身を呈して庇おうとしたり数名のモブ構成員が率先して我妻に意見を出してターゲットを狙うなど忠誠心があるようだったが、こちらは独裁者と成り果てた我妻が下部組織に金も出さずに恐怖だけで従わせていたため離反者が続出し、最終的にそれが原因となって反町や烏丸に見捨てられてしまった。
さらに羅威刃は戦闘力で劣る幹部の菊川・神原拓・間宮恭平に対しては兵站面での仕事を与え、彼らは期待に応えて資金稼ぎなどで活躍していたが、戒炎は資金などの後方支援を誰がどのようにこなしていたのかが明かされていない。
奇襲について
城ヶ崎がトップ時の羅威刃が葬式会場や病院に一切攻めてくる描写は特になかった(情報が得られなかったのか、そこまで追う必要はないと思ったのかは不明)。
一方の戒炎は、海瀬の葬儀の際に多くの部下と共に麻生と緋田が会場を襲撃するという典型的な「半グレに仁義はない」を体現している。ただしこのやり方は仁義云々以前に不謹慎だと激怒する視聴者も一定数存在している。似たようなことをした結果重大な被害を産んだことでアンチがヒューマンバグ界隈でも非常に多い室屋柊斗ですら葬式中はカチコミを決行していない。
そのため、京極組の中でも穏健寄りな考えを持っている高砂明夫や佐古大和でさえ「最早人間ではない」と激怒し、戒炎を相手に数々の悲劇を味わった京極組の組長である五十嵐幸光の方針を「外道を相手に手段を選ぶ必要はねえ!どんな手段を使っても叩き潰す!」と下手をすれば任侠者としての一線を完全に超えかねない怒髪冠を衝くものにしていたが、(元々暴走傾向があった)野島翔が完全に一線を超えてしまっていた。
幹部の口癖とこだわり
トップの我妻が「愛」に対して異様なこだわりを見せているのが戒炎の特徴であるが、実は我妻に従う幹部たちにも各々独特な口癖がみられる。しかも、そのうち数名に関しては口癖にちゃんとした深い意味がある模様。
以下に幹部の名前と口癖(およびこだわり)の対応を示した。
我妻:愛 - 敵に殺されてしまった恋人である千尋が遺した教えを守っている。
麻生:バリュー - 義父が幼少期に罵倒した言葉を覚えており、価値が人を表す指標と信じる。
緋田:普通の人 - 戦場では常に天才と評価され、人間扱いされなかったことの裏返し。
榊原:時間 - 胃癌を患い長生きできない身の上のため、とにかく時間の無駄を嫌う。
遊馬:ことわざ - ヒューマンバグ大学に登場する剣豪の例に漏れない特徴。
上堂:アッハー - この独特の笑い声から、「笑う死神」と称される。
角中:心臓/鼓動 - 唯一、こだわりへの明確な理由が不明。
反町:学び/インプット - 向上心が高く、あらゆることを学びの機会として捉えていることの現れ。
ネタキャラとして
どういうわけか戒炎は離反した反町を除いた幹部の全員が視聴者から何かしらのネタキャラとして扱われており、ネタキャラの集まりと言われることもある。
更に言えばその反町も一部視聴者からは「無能bot」、「毎回肝心な時に救援に現れない無能」などとネタにされることもある為、完全にネタキャラとは言い切れない部分もあり、関係者の麻生成凪の義父もネタキャラである。