僕の名前は小湊圭一…… 裏の世界じゃ「隻腕の暗殺者」なんて呼ばれてる。
君の脳味噌見せておーくれ♪
公式サイトでの解説
羅威刃幹部の隻腕の剣豪。
幼少期に片腕を理由に虐められ育った。
母親の教え『あなたは間違えていない』『強く生きなさい』を曲解した結果、両手のある人間を恨む残忍な暗殺者となった。
伊集院に母親の言葉の本質を説かれた後、拷問死。
概要
巨大半グレ組織「羅威刃」の幹部。
もともとはフリーのアサシンとして活動して裏社会きっての暗殺者として恐れられていたが、城ヶ崎によって雇用され幹部入りを果たした。彼の戦闘スタイルを見た者はいないらしく、ターゲットとなった相手は全員抹殺されたとのこと(ただし、青髪の男だけは例外)。
……刀の抜き方が気になるところであったが、刀を振って抜くことが後に判明。
人物像
基本情報
異名 | 隻腕の処刑人 |
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地位 | 羅威刃 幹部 |
メインウェポン | 日本刀+??? |
血縁者 | 母親(幼少期に死別) |
師匠 | 飛鳥馬(本名不詳/後に発生した師弟対決で殺害) |
経歴 | 母と死別 → 児童施設 → 飛鳥馬の道場 → フリーの殺し屋 → 羅威刃 幹部 → 京羅戦争 |
俳優 | 谷水力 |
容姿
糸目で灰色の髪をしており、左側の髪に紐のような髪留めをしている。顔立ちは優男系。
開眼した際に描写される瞳の色は、真夜中の海を思わせる暗い青(しかし伊集院シリーズに登場した際は銀灰色だった)。
普段は、袖に花柄がある灰色の着流しを纏っている。
性格
普段は温厚な喋り方をしているが、本性は極めて残忍で卑劣、かつ狂気に満ちた異常者。
どこか相手を嘲笑うかのような言動が目立ち、笑顔も貼り付けたような不自然なもの。また、子どものような好奇心を覗かせることも。
羅威刃のメンバーだけに任侠や仁義もない……どころか、久我虎徹に「下衆中の下衆」と評価されるほど歪んでおり、我欲と利益の為なら手段を選ばない。高額の報酬を条件に城ヶ崎の下に付いているものの、基本的に単独行動を好み、城ヶ崎や他の幹部達と違って手下を引き連れて行動することはない(本人曰く「仲間なんて邪魔なだけ」との事)。
城ヶ崎の命令でターゲットの暗殺を行って報酬を受け取るという、羅威刃専属の殺し屋と言える立場にある。
異名は「隻腕の小湊」または「隻腕の処刑人」。
シリアルキラー
この手の剣士らしく人を斬り殺す事に快感を感じる性分で、中でも両腕がある人間を斬る事に悦びを見いだす(自身が隻腕なので強烈なコンプレックスを持つ)。
また趣味嗜好も猟奇的で、相手の内臓や脳味噌の色を見ることが好きらしく、殺しの時に「君の○○は何色だい? 見せて」などと言いながら、相手を真っ二つに斬り裂くことを得意としている。
暗殺者としての仕事は一応きちんとこなすものの、殺しに快楽を覚える性分故に、途中からハイになってターゲット以外の殺す必要のない人間まで殺害したり、常日頃から辻斬りと称して無関係な一般人を何の躊躇もなく斬り殺したりしている。前者に関しては殺し屋という立場上、「目撃者の口封じ」という場合であればまだ理に適ってはいるが、後者に関しては完全に擁護のしようもない身勝手な蛮行である。
元々が半グレの集まりである事もあって羅威刃はロクな人間性の奴がおらず、幹部ともなれば一際やべーやつが揃う。しかし小湊はその中でも取り分け人間性が希薄で、常軌を逸している。
人でなしの極悪人である城ヶ崎すら、自身及び母親と同じような境遇の母子を助けるなど、本人が捨てたと思っていた人間性は残っているのだが……。
プライド
一方で、片腕のみという日本剣術を遣うに当たって重大なハンデ(日本刀は両手持ちが基本であり、片手持ちではその性能を十全に発揮する事が出来ない)を補う為に相当な修練をするなど、努力家な一面も見せている。それだけに自身の剣腕には絶対の自信を持っており、剣腕に関して否定的な言葉を聞くだけで怒髪天を衝く。
不愉快なことを感じたりブチギレたりすると笑みが消え、六車に追い詰められた際は「あんなに頑張ったのに……」、「何で俺だけ……」と相手の事を妬んだり羨むような発言の通り、隻腕によって悲惨な境遇の中で育っており(後述)、両腕がある人間はそれだけで憎悪もしくは惨殺の対象になる。この価値観については、幼少期の経験が関係している。詳細は後述。
能力
飛鳥馬流剣術
恐るべき剣腕の持ち主であり、六車曰く相当な手練れ。
剣術の流派は合わせ技による上下の打ち分けと足捌きを重視する古流剣術である「飛鳥馬流」。何気にヒューマンバグ大学に登場した剣術家の中で、唯一遣う流派が判明している(六車に遊馬大介は我流なのでノーカン。和中蒼一郎は本人が頑なに語らず流派は今も不明。一条康明・柳楽和光・犬亥鳳太郎・袈裟斬りの吉岡・馬渕春斗・榊原周も何らかの流派を修めているか詳細不明)。更には彼自身の異常な思考回路故に感情が読みにくく、それに伴って太刀筋の先読みも困難であるという凶悪な能力に仕上がっている。
身体能力
右腕のみという弱点を補う為に相当な修練をしており、右腕の筋肉は非常に分厚く、片手斬りで人体を両断出来、六車の剛剣を受ける程の膂力を持つ。なお、腕だけでなく足捌きも極限まで鍛えており、凄まじい反射神経と敏捷性による機動力も相まって嵐の様な斬撃も紙一重で掻い潜る。
本人は自身を「片腕だが生まれつきの剣士」と豪語するだけあって、剣術家として卓抜したバトルセンスの持ち主であり、六車に「本物の天才」と言わしめ、武芸全般収めた達人である伊集院茂夫にも「天賦の才の持ち主」と言わせる程。しかし隻腕故の宿命か、打ち込みにはパワーが足りない。
一方で、戦闘には不向きな着流しを纏っているが、そこには恐るべき理由が隠されている。詳細は後述。
殺人歴
- 一般人 ×
推定300人斬ったとされている。大半が羅威刃は疎か裏社会とも関係はないと思われる。
- 母親の客 ×
母親が憔悴する原因を作ったと思われる村の男たちで、最初の犠牲者。母の肉体と精神をズタズタにした挙句、死んだことを喜んでいた下衆を許すわけがなかった。
- いじめっ子2人組 ×
隻腕を理由にいじめていた。母親の客同様バールで殺された。
- 飛鳥馬 ×
剣術の師匠。稽古を付けていたが辻斬りを止めるために殺しにかかった戦闘で、既に自身の実力を超えられていたため返り討ちにあってしまった。
- パンチラおじさんらしき人 ×
一瞬だけ登場。紅林と瓜生のコラボ回にて、彼らと戦った剣豪らしき人物。袈裟斬りにされた。
- 偽情報屋 ×
村迫を騙して京極組の評判を落とそうとした羅威刃の構成員。最終的には証拠隠滅の為、用済みとして始末された。
- 泉一家 ×(娘以外)
馬場の依頼で父親を殺した後、気が向いたので娘をぶった斬った。また、娘の前に母親も殺害している。
過去
- 2022年9月18日の動画(小湊圭一)
「僕は生まれた時から片腕がなかった」
「子供は無邪気で正直だ。僕は嫌と言うほど爪弾きにされた」
母
「圭一、腕がないのはあなたの個性。あなたは強い子。負けちゃダメ。お母さんは何があってもあなたの味方」
主役で登場、彼の過去編が公開された。
彼の隻腕は先天性の要因により片腕が極端に短く小さいというもので、それ故に幼い頃から周りの子供に虐げられる毎日を送っていた。
時には虐げる相手に向かっていったこともあったが、片腕のハンデの前では無力同然だった。また、住んでいた地域も閉鎖的な田舎の村かつ、父親はおらずシングルマザーの家庭で育っていたため、自らの隻腕も相まって村八分同然の扱いを受け母子ともに悲惨な境遇。
そんな状況でも母はいつも自分に寄り添ってくれ、彼女の存在を精神的な支えにしていた。
「嘘だぁ! 何で!? 何でええええ!!」
「アイツらみんな……絶対に許さない」
……しかし、そんな過酷な状況の中で母親は先の見えぬ暮らしに悲観するあまり徐々に精神を擦り減らしていき(明言こそされていないが、生活の為に村の男たち相手に売春をしていたことも示唆されている)、自殺か事故死か、ある日唐突に川で溺死してしまう。唯一の理解者を失ったことで彼は深い悲しみに包まれたが、同時に自身と母親を虐げた者たちへの激しい憎悪を滾らせるようになる。
「おかしいのは周りだ。僕は強い子なんだ。こんな奴らに負けない」
「僕は勝ったんだ……! 今まで僕や母さんを虐げた両腕がある奴らに……!」
そして、よく自身の家に押しかけてきていた男2名と、自身をイジメていた少年2名をバールで殺害したことで、「コンプレックスだった片腕がない状態でも、武器さえ持てば人を倒せる強い人間になった」という強烈な強迫観念と高揚感に捉われ、自身の奥底に眠っていた殺意と快感、そして猟奇性が一気に目を覚ました。
「僕が武器を持てば、片手でも奴らを殺せるんだ」
「もっと強い武器を持ちたい……!」
その後、前述の事件を起こしたことで村人たちから袋叩きにされて警察に突き出されるが、年齢が幼すぎた為に少年院には入れられずに児童施設に送られた。が、案の定隻腕をバカにしてきた周囲に対して今度は棒でフルボッコにし、「更なる強い武器」を求め続けるようになる。
飛鳥馬
「坊主、こんなところで何をしている(この子……左腕が無い)」
「僕を弟子にして下さい。僕は身も心も強くなりたいんです」
施設に入れられてから2年で出所するが、その直前に飛鳥馬という人間国宝候補の剣術家の存在を知る。飛鳥馬は「剣術は人を斬るもの」としつつも、「それを追求することで命の大切さを知る」という活人剣を説いていたが、「人を斬る」という前半の言葉のみに惹かれて弟子入りする(事前に飛鳥馬の経歴や性分を調べ尽くしており、弟子入りの志願時に自身の身の上話をして同情を簡単に誘うことができた)。
そこで徹底的な指導を受けて剣士としての基礎を磨き、この時に足捌きなどを徹底的に叩き込まれた。
「あぁ、斬ってみたいなぁ人間を。中身はどんなんだろうなぁ」
「はああああああ♡……! これだよこれえええ♡……!」
修行を続けて6年が経つ頃には弟子の中でも最強の存在となるが、どうしようもない人格の歪みは全く改善されず(既に戦意喪失した相手に対して執拗に攻撃を加えるなど)、そればかりかこっそり真剣を持ち出し、遂に辻斬りを夜な夜な繰り返す快楽殺人鬼へと成り果ててしまった。
そしてある日、自身の悪行がとうとう飛鳥馬にバレてしまい、弟子の凶行に責任を感じて自身を殺しに来た飛鳥馬と戦闘に発展する。
飛鳥馬は弟子の蛮行の責任を取って警察に自首するつもりでいたが、既に師匠を遥かに上回る強さと人の命を奪うことに何の躊躇いも無い残忍さが形成されていた為、何の躊躇もなく恩師を斬り捨て、文字通り恩を仇で返す蛮行をやってのけた。
さらに両腕を持ち長年修行したであろう師匠よりも、片腕で尚且つ師匠の半分も修行していないであろう自分が師匠の剣技を上回ったという事実に、かつてない程の高揚感と自己肯定感に満たされたのだった。
「師匠、サヨウナラ。今までありがとう。最後に小腸見せてよ♡」
その後も残忍さは留まることを知らず、目に付いた人間を殺し続けた(その中には、紅林と瓜生のコラボ回に出てきたパンチラおじさんらしき者もいた)ことで、裏社会に名を馳せるようになるが、やがてある男と出会う。
「何だよ…… 何でこんな酷い事するんだよ……」
青髪の男
「……貴様が逆立ちしようとも、この俺に勝つことなど出来ない」
その男の正体は、殺し屋組織・CODE-ELの中でも指折りの実力者であり、同組織随一の剣術家でもある日本刀のバースだった。バースとたまたま交戦し、実力は認められつつも圧倒的な実力差を見せられて見逃されるという屈辱的な敗北を味わったが……
「……ねえママ。みんなが僕をいじめるんだ。何で僕だけこんな思いをしなきゃいけないの?」
「みんなと違って僕は片腕なんだ。だから何やってもいいよね?」
「発達しなかったこの左腕……“全くないわけじゃない”から」
研鑽と実力を認めてくれたにも拘らず、敗北が余程屈辱だったのかさらに性格と思想を捻じ曲げ、完全なる外道に染まって行った。
そして後述の通り城ヶ崎によるスカウトを受けて羅威刃に入団し、作中の時間軸に至る。
活躍
- 2022年6月1日の動画(総集編)
名前とビジュアルで登場。六車との対決が示唆された。ちなみに本格的に交戦したのは約3ヶ月後である。
城ヶ崎や設楽と共にビジュアルで登場。このことから羅威刃の人間だと判明された。
- 2022年6月24日の動画(総集編)
ここでは、城ヶ崎によって引き抜かれたこと、暗殺を得意としていることを紹介された。
終盤にて登場。村迫を利用して京極組を混乱させた偽情報屋の構成員を、警察の追跡から消す為に殺害した。
「もう君は用済みなんだ。色々歌われては困るからね」
(偽情報屋「え……嘘、言われた通りにしたじゃないですか……」)
「君の脳みそは何色だい? 見せて♡」
(偽情報屋「コエエエエエ!!」)
羅威刃結成時の姿が描かれているが、何故か左腕ではなく右腕がない姿になっている。作画ミスだろうか?
城ヶ崎が小湊を引き抜いたシーンで登場。
城ヶ崎の放つオーラと用意された前金を見て彼を認め、羅威刃に加入する。
「WOW~、凄いオーラだぁ。アナタがあの城ヶ崎かぁ~」
「え~、こんなに貰えるんだぁ。悪くないお話かもぉ」
羅威刃 隻腕の剣魔vs京極組 二刀流の幹部 失われた左腕の秘密
- 2022年9月7日の動画(久我虎徹)
予告通り六車と交戦する。六車の嵐の如き斬撃を凄まじい脚捌きで回避し続け、その間隙を縫って凄まじい速度の斬撃を叩き込み、六車を負傷させる。更に跳び上がっての三段突きで六車の顔に傷を付けるも、反撃に出た六車の加速した斬撃を喰らい、更に蹴りで体勢を崩された後、すぐに来た斬撃で吹き飛ばされる。
しかし唐突にブチギレた小湊は、無いはずの左手から謎の銃撃をぶっ放し、腹を2発弾かれた六車に勝利しトドメを刺そうとするが、六車は重傷の身ながら小湊の刺突を弾き飛ばした。その直後に仙石以下3名の舎弟が救援に駆け付け、それを見て分が悪いと悟り、また六車が生死の狭間を彷徨い始めたのを確認したのもあって、そのまま撤退した。
ちなみに上述の通り、六車との戦いが示唆されてから約3ヶ月後に公開されたので「待った甲斐があった」「ようやく見れて嬉しい」などの声が多かった。
「じゃあその六車って男、僕が殺っちゃおうかなー」
「ずるい……両腕があるなんてずるいよ。あんなに頑張ってたのに……何で俺だけ……」
「左腕がないと思って油断しちゃったねぇ、六車くん♡」
依頼者である泉真琴の回想で登場。快楽的に真琴の父親を殺害し、さらには母親も殺め、そして逃げ遅れた真琴を袈裟斬りにしてその場を去った(真琴は両親からプレゼントされたアメジストのネックレスが盾になったことで傷が思ったより浅かったことと、父親のかかりつけ医が間一髪間に合ったことによって一命を取り留めた)。
泉一家を襲ったのは、真琴の父が経営する会社を目障りに思った馬場建材工業の社長・馬場が、泉家主人の殺害を小湊に依頼したからであったが、快楽殺人者である小湊はハイになって標的ではない妻や娘まで凶刃の餌食としたのである。一応、殺し屋として目撃者を生かしておく訳にはいかないという理屈は通るが……。
両親を喪い、心身共に深い傷を負わされた真琴の復讐心から伊集院に小湊を抹消するよう依頼された為、伊集院のターゲットとなる。伊集院はまず元凶である馬場を拷問で誅戮し、その後実行犯である小湊への殺意を露にしたところで動画は終了する。
「おやおや、見ちゃうなんて運が無い子供。けどこれも運命ってやつかもね♪」
「家族みんなあの世で再会だね…… じゃあ……君もハラワタ見せてぇ♡」
羅威刃 隻腕の剣魔vs裏社会の厄災 哀しき過ち
- 2022年9月21日の動画(伊集院茂夫)
「オジサン、凄いオーラだぁ。腕が立つみたいだね。その腸がどんな色か楽しみだ♪」
伊集院「狂犬が……そんなに見たければ自分の腹でも割るんだな」
ドヤ街の長老たちの協力により、久遠町のドヤ街のアパートに潜伏していたことを割り出した伊集院と流川がカチコミをかけるが、それを察知して後ろから流川に斬りかかる。しかし、間一髪伊集院が鉄棒で流川を守り、彼とケリを付けるべく場所を変えて激突する。
「まずは内臓ブチ撒けようか!」
「ヒャアアアア! オジサン死んでぇ!♡」
隻腕ながらも閃光の如き鋭さと速さの斬撃を伊集院に繰り出すが、初太刀を鉄棒で防がれ、二の太刀、三の太刀も紙一重で回避される。それでも上下左右と連続攻撃を仕掛けるが全て回避され、伊集院にはその太刀筋からあることに気付かれる。
伊集院「喉突きからの足薙ぎ……貴様、もしや飛鳥馬流か?」
「へぇ……何でわかるのオジサン? 僕、あそこでいっぱい修行したんだ♪」
伊集院「飛鳥馬さんは何者かに惨殺された。そして、犯人は未だ捕まっていない」
「あぁ……それ、僕がやったんだ。あいつは両手があるくせに、弟子で片腕の僕に殺されるなんて……滑稽だったよ♪」
伊集院「育てて貰い、剣を教わった恩を仇で返すか……」
伊集院に自身の流派が飛鳥馬流であることを看破されたが、これに対して悪びれるどころか飛鳥馬を侮辱する言葉を返し、さらに凶暴性を剥き出しにして伊集院に襲いかかる。
伊集院「……惜しむらくは隻腕であること。打ち込みにパワーが足りない」
「何が“パワーが足りない”だ! 片腕でも僕のスピードと足捌きは最強なんだ!!💢」
そのまま壮絶な打ち合いに発展し、伊集院から天賦の才を認められつつも、隻腕であることを憐れむような言葉をかけられる。
しかし、コンプレックスである隻腕に触れられた上に剣腕を否定されるような言葉をかけられた事で目を見開き表情が歪むほどブチギレ、怒りのままに攻撃を仕掛けるが……
伊集院「隙ありゃぁぁあああ!」
「ぐううううう!」
怒りが仇となって隙を生み、伊集院に頭をカチ割られる手痛い一撃を受ける。しかし、それでも戦意は保って立ち上がり攻撃を仕掛けるも、再び手痛い一撃を貰って吹き飛ばされてしまう。
「両手なんてズルいよ。なんで一生懸命頑張ったのに、僕だけこんな辛い目を見るの?」
「こんな屈辱……青髪の殺し屋と闘って以来だ」
「僕は強いんだ、誰にも負けない。ママが言ってたもん、僕は強い子だって……」
伊集院(……この男、これだけの力の差を目の前に、目が死んでいない)
しかし、周りの空気が一変するほどの凄まじい怒気を見せ、伊集院に同じ打ち込みを繰り出したと見せかけて……
「サヨウナラ。大嫌いなオジサン♪」
六車を瀕死に追い込んだ謎の銃弾で伊集院を銃撃し、ついに深傷を負わせた……
伊集院「……外道らしい奥の手だったよ」
だが、極限まで集中力を高めた伊集院には通用せず、間一髪で躱されてしまった。
そのまま左腕をへし折られ、左袖から拳銃が飛び出す。そして伊集院にその流れのまま、右腕も叩き折られ、得物の刀まで取り落としてしまう。
実は完全な隻腕ではなく、先天性の四肢異常によって左腕が未発達なだけだった。
戦闘に不向きな着流しを纏っていたのも左腕と拳銃を隠すため。
「どうして…… どうしてわかったの……」
伊集院「テメェみたいなゲス、何万人見てきたと思ってんだ。目を見りゃわかるんだよ」
「さぁ来い。断罪の時間だ」
左腕のカラクリまで看破され、最後は締め落とされて拷問室へ運び込まれる。そして、泉一家のことを思い出せとしこたま殴られた後、伊集院から一応後悔の念の有無について聞かれるが……
「何それ? 死ぬべき悪人達の事なんていちいち憶えてないよ」
「左右の手が違うってだけで寄ってたかって石を投げる奴らに、生きる資格なんて無いんだよ!」
伊集院「その家族は石投げてねぇだろうが」
「どうせ害虫さ。そんな奴らなんて何匹殺そうと何も思わないね♪」
「ママが言ってたんだ。『差別する人間は間違ってる』『あなたは強く生きなさい』って」
後悔の念を見せるどころか、例の如く「両腕がある人間は悪者」という姿勢を見せ付け、それを聞いた伊集院は……
伊集院「成る程……謂れなき差別を受けた事で心が傷つき、他人に敵意を募らせた訳か。ならばお前も社会の犠牲者。一定の情状酌量の余地はある……なんて言うと思ったか、このクソ野郎」
「罪も無い家族を快楽的に殺し、か弱き少女を斬ったテメェは、万死に値する……」
「今までに殺された人々の恨みを……怒りを刻みつけてやる」
伊集院は悲惨な過去を理解しつつも、「他者を平気で傷付けて良い理由には全くならない」と一刀両断。
そして、伊集院に冷凍拷問(通称マヒャド)+ムチ打ち刑を執行されて満身創痍となるも、弱音や命乞いを吐くどころか不敵な笑みを浮かべる。
伊集院「……何がおかしい?」
「……僕を下衆と呼んでいるが、アンタも同じだ。まともな神経じゃあ、こんなこと出来ないよね」
伊集院「そうだよ。私はな、貴様らのような下衆を狩る為に、敢えて怪物となった。この身が抜けられない程闇に堕ちているなど、百も承知だ」
伊集院を自分と同じ穴の狢と挑発するも、そんな事はとっくの昔に受け入れて業を背負っている伊集院には全く通用しなかった。
伊集院「……あと、お前の母親のことなど知らんがな、もし我が子に健全に育ってほしいと願っていたならば、『差別する人間が間違えている』という言葉は、お前には、その差別をした者達のように、人を傷付けるような人間になってほしくないという願いを込めた筈だ」
「 『あなたは強く生きなさい』……という言葉は、その差別を乗り越え、いつか自分と同じように、差別されるような人間がいたならば、守ってやれという意味だ」
「テメェは母親の言いたい事を、本当に理解出来ていたのか? まあどうでもいい、お前に生きる資格など無い」
そればかりか、母の言葉を心の支えとしていた自分の姿勢についても、その母の言葉の意味を履き違えていた事を指摘される形で完全否定された(これに関しては、彼に対する最後の愛情だったとする解釈も公式から提供されている)。
そして15時間に渡る拷問の末に、苦悶の極限を味わいながら断末魔をあげて死んだ。
斯くして、身勝手な理論を振りかざして多くの人間を斬り捨ててきた隻腕の快楽殺人鬼は、理不尽に殺された被害者たちとその遺族の恨みを背負った処刑人の手によってその報いを受け、壮絶な最期を辿った。
その突然すぎる失踪は裏社会に大きな波紋を呼び、当然それは羅威刃にも届いた。
幹部ですら捨て駒の如く扱い、他人の死に関心を示さない城ヶ崎ですら少なからず動揺を隠せず、「何だと? あの凶獣が……」という驚きの様子を示している。実際のところ、既に羅威刃は神原、設楽といった実力派幹部が死亡し、東雲も負傷により戦闘不能、この時点で即戦力となる幹部は新参者の高城と秋元ぐらいで(後にその内の高城も、京極組の中でも指折りの暗殺スキルを持つ狂人によって斃された)、京羅戦争開戦時にいた幹部陣の殆どが離脱してしまった為、羅威刃にとって重要かつ有能な戦力をここで失った事は小さくない痛手と言えるだろう。
逆に、京極組にとっては厄介な敵が一人減った事で追い風になる事は確かと言えるかもしれない。
……とはいえ、彼の失踪に伊集院が関わっている事は後述の通り羅威刃の城ヶ崎が推測している程度で京極組は認知していない(拷問ソムリエの仕事は極秘のもの故に内容が外部に漏れる事は無いが、京極組には「小湊が何者かによって殺された」という情報は入っている模様)。尤も、伊集院にとっても京羅戦争の内部事情や行く末など、(一般人が巻き込まれなければ)どうでもいい話であった。
城ヶ崎は情報屋を使って小湊の死亡原因を調べ、拷問ソムリエの仕業と推測していて、「拷問ソムリエ伊集院茂夫……誰であろうと羅威刃を舐めたならばその報いは受けさせる」と伊集院を敵視し、いずれ殺害しようと試みていた模様。
普段の伊集院が成敗した外道とは異なり情報屋などを通して死亡が伝わっていることなどから遺体が弔われた、もしくはドヤ街の長老ら以外に動向を知っている者がいたと推測する声もある(拷問方法的に肉体が削れはするが、今までの拷問方法よりも遺体はしっかり残るのではという指摘もこの可能性を補強している)。
回想で登場したほか、伊集院との戦闘シーンのアクスタが作られた。
小湊への伊集院の言葉が「最後の愛情」ではないかという解釈もエマから提示されたほか、流川も彼の不遇な人生には一定の理解を示していた。
回想で実に1年ぶりの再登場。六車と交戦した場面の新規カットが公開された。
死亡してから一定期間経過後に羅威刃のメンバーが回想で再登場するのは稲村、城ヶ崎、設楽、高城に続く5人目で、後に神原も追加された。
「内臓の色見せてよぉぉ!」
- 2023年12月2日の動画(久我虎徹)
回想シーンで再登場。
余談
本編での結末
最終的には伊集院によって冷凍拷問を執行され命を落としたが、シリーズ最強クラスの実力者で外道とやり合った際は敗北どころかこれと言った傷を負わなかった伊集院とのバトルでは、卑劣な手段とはいえ初めて明確な傷を負わせた人物であり、これまでの外道とは違い表面上の後悔の念は疎か命乞いさえも言わず、寧ろ伊集院のことを「僕を下種と呼んでいるがアンタも同じだ」と吐き捨てている(無論伊集院はそのことを理解しており、自分は絶対に地獄に行くことも覚悟している)と、他の外道よりも強い憎悪の心を持っていたことが示唆されている。
さらには個別で過去編が用意され、あちらでもやはり外道ではあったが、一方で悪人とはいえ多少なりとも視聴者からの同情を誘うような描写もされていた。後の動画で、エマは上述の伊集院の言葉は「隻腕で差別された彼に対する最後の愛情だったのかしら」と語っており、捕縛する最中に命を狙われた流川としても、そしておそらくは伊集院としても小湊の不遇な過去には思うところがあった様子。
結論として、同じ外道でも今まで伊集院が屠ってきた連中とは色々な意味で一線を画する外道であった。
舞台版での結末
本編で彼は粛清にきた伊集院と対決し、左肩を砕かれて拳銃を没収された直後に右肩も極められて無力化された。しかしこちらでは左肩を壊されても踏みとどまり、拳銃を奪われた後の展開で戦場に六車が乱入。
切り札を失った第二ラウンドでも彼は善戦したが追い詰められ、最後は大ダメージを負って倒れる。そして六車の口から母親の教えに対する歪みを説教されてから伊集院に背負うように運ばれて退場した。
記録抹殺?
元羅威刃構成員の藤崎が再登場した回のバグアカデミアの動画では、羅威刃幹部が集合した一枚絵にてなぜか小湊だけ描かれていなかった。
もっとも、この回の語り手は佐竹博文であり、いくら羅威刃と因縁深いと言っても裏社会ですら情報が少なかった暗殺専門の小湊に関してカタギの佐竹が存在すら知らないのは不自然な話ではないし、そう考えれば今回の演出にも一応説明がつくだろう。
考察
動画のコメント欄内外で散々抗争に一般人を巻き込む羅威刃の性根が批判されているが、実は意外にも羅威刃の主要な構成員が一般人を殺した事は殆ど無い(せいぜい城ヶ崎が怨み骨髄の実父を刺殺した時くらい。但し、爆破テロや性犯罪などで殺人以外の悪虐は働いた事があり、結果として被害規模は大きい)。
原則として、警察や公共機関を頼れない裏社会の住人と違い、余計なところで表社会の人間を殺せば警察沙汰になる事は明らかで、特に京羅戦争の最中で主要メンバーに逮捕者が出れば組織が崩壊するからであろう。この点に関しては、紅林二郎シリーズにて設楽が粛清したモブ構成員に指摘している。
しかし小湊に関しては、抗争とは無関係で然したる理由も無い辻斬りを何度も行っていた為、無関係な人間からしてみれば通り魔殺人犯以外の何物でもない。故にもし奇跡的に伊集院から逃れられたとしても、逮捕されるのは時間の問題だったと思われる。そして罪の重さから捕まれば間違いなく死刑になる為、どの道あまり長生きはできなかっただろう。
また、仮に警察の捜査が彼に及ばなかったとしても、数々の通り魔行為がリーダーの城ヶ崎にバレた場合、「組織の事を考えず、勝手な理由で不要な殺し(=羅威刃にとって不利益な行為)を働く奴はいらない」として、良くて殺人許可証の没収(幹部から降格)、悪ければ証拠が出る前に粛清されていたと考えるファンもいる。城ヶ崎は以前、街中で無差別暴行事件を起こした半グレ・穂村(彼は羅威刃の構成員ないしは関連組織の人間である可能性が高い)を始末したことがあり、あり得ない話ではない。
ただ、2022年10月9日の動画にて小湊が快楽的殺人鬼であること自体は城ヶ崎も知っていたことが発覚。これによって「通り魔行為が羅威刃にとって不都合だと理解しつつも警察沙汰にならない限りは黙認する」という特別待遇を受けていた可能性も浮上してきた。
かねてより羅威刃の幹部の誰かが伊集院に狙われるという情報が流れていたが、そのターゲットは快楽のために人を殺してきた小湊であった。
これは小湊が馬場建材工業の社長である馬場から「ライバル企業の社長である泉を殺害しろ」という殺害依頼が下ったが、小湊は快楽殺人者である為ハイになってターゲットの泉のみならず婦人も殺害し、そして娘をも斬ったからである(娘はアメジストのネックレスが盾になって傷が思ったよりも浅かった為、そして父親のかかりつけ医が奇跡的なタイミングで到着した為一命は取り留めた)。
また、視聴者からは「ただ殺すのでは羅威刃の幹部というキャラが勿体ないので、敢えて過去を公開したのではないか」とも言われている。
殺される謂れのない一般人を手にかけた事が伊集院に狙われた最大の要因であり、過去編でもそのような行動を見せていたのは、彼がターゲットであることへの伏線だったとも読み取れる。
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狂人 マジキチ 人格破綻者 シリアルキラー 村八分 サイコキラー エゴイスト 自己中
マザコン(ただし彼の場合は幼い頃に母親と死別してしまったことが原因である)
護国蒼天会 - 彼が粛清された回から一年後に登場した、優勢主義に溺れた差別主義者の集まり。コメント欄には「(小湊は)コイツらを粛清すべきだった」と感想を述べる者もいる。
城ヶ崎賢志 - 雇い主。何気に共通点が多数あり、「母親と共に悲惨な境遇に身をやつしたことでどうしようもない加虐性を持った」「自分達を虐げた者に復讐をやり切った」「羅威刃メンバーで動画の主役を務めたことがある」「CV:ヤシロこーいち氏」といったところ。
六車謙信 - 同じく片手で日本刀を扱うことを得意としている京極組の剣士。ただし、小湊は腕が1本しかないのに対して、六車は双剣を得意としている。また、小湊は本流の剣士なのに対し、六車は我流の剣士いう点も異なる。この二人は京羅戦争で真正面から激突し、小湊は卑劣な手段を使い六車を戦闘不能にした。
和中蒼一郎 - 同じく日本刀を扱うことを得意としている天羽組の剣士。免許皆伝クラスの実力者であり、天京戦争では前述の六車と激戦を繰り広げた。なお、速さと技術に特化しているスピード型であり、本流の剣士であるところも共通している。また、六車や伊集院と戦ったことも共通している。
日本刀のバース - 現在は表向き「氷誕屋バース」の店主兼かき氷職人。小湊と同じく日本刀の扱いに長ける殺し屋。CODE-EL時代、作中最強クラスの元殺し屋である瓜生に作戦やお芝居抜きで初めて手傷を負わせた実力者。かつて小湊が交戦し、一方的にやり込められた因縁の相手でもある。
守若冬史郎 - 小湊と同じく、元殺し屋で作中でも屈指の常軌を逸した性格の持ち主である京極組構成員。こちらは刺身包丁で人体を斬り刻むことを趣味としている。ただし、守若は無関係なカタギの人間を手にかけたことはなく、快楽殺人鬼の小湊と違って無差別殺人に興じているわけではない。(自分の師匠(飛鳥馬)を殺害し恩を仇で返した小湊と違い、恩人(袴田教官)に感謝の言葉を伝えていた事から守若には人の心があることがわかる)
なお、片親な所(小湊は母子家庭、守若は父子家庭)と幼少期に差別(小湊は腕の障害、守若は父親の犯した罪について)されたのも同じ。ただし、幼少期に母親を亡くしてしまった小湊と違い、守若は五十嵐の協力の元父親と再会している。
宮沢永徳 - 同じく、辻斬り行為を行ったが故に伊集院に断罪された通り魔殺人鬼。ただし、宮沢は心身共に小湊の足下にも及ばなかった模様。そして中の人も同じ。
園田圭一 - バグ大最初期の主人公の一人。名前が「圭一」、担当声優がヤシロこーいちである点、動画の主人公を務めたことがある点が共通している(元々このシリーズは兼役が多い)。
山田康生 - 「隠し玉の山田」の異名を取る殺し屋。小湊と違い、拳銃を用いて善人を殺害する善人殺しの常習犯。伊集院を負傷させた点も同じ。
室屋柊斗 - 顔面に生来的な痣があり、それが原因で幼少時に仲間外れにされたりという差別を受けた事から強い被害者意識と劣等感を持ってしまい、悪堕ちにした挙句に極道になったという人物。だが、極道になった後、兄貴分の戸狩玄弥に鉄拳と同時に熱い説教を受けた事で被害者意識と劣等感から解放される等、小湊よりは環境に恵まれていた。また、比較的に普通の家庭で育った為か、自身を差別した相手に見返したいという気持ちは持っていても、殺意も抱いていなければ、健常者に無差別な悪意も持っていなかった。
遊馬大介・榊原周 - どちらも戒炎所属の剣豪。巨大半グレ組織の剣豪枠という点こそ共通している。小湊と異なり遊馬は我流、榊原は古流武術であること以外不明である。前者は「東北屈指の剣豪」と呼ばれており、事実剣術の技量は相当高いレベルに仕上がっているのだが、片腕のハンデを考慮せずとも総合的な実力は小湊の方が一枚上手だと思われる。後者は動画の主人公を務めたことがある点も共通している。
カルド・ゲヘナ - 容姿が似ている(カルド・ゲヘナは殺し屋ピンクにも容姿が似ている)。