概要
「自己中心的な性格」とは、自分を客観視できない(自我中心性)性格、または自己の利益や自己顕示欲を満たす事ばかりを重視する(利己的)性格の事であり、一般的にはマイナスの印象を持たれる。心理学的な意味での「自己中心性」は前者のタイプだが、一般的に悪と認識されやすいのは大半が後者のタイプ。
わがままや自分勝手などが類義語ではあるが、これらと比べても基本的に蔑みの意味を込めて用いられる事が多い。
自分の行為は(自分の罪悪感が許す限り)許される事であり、他人の行為は少しでも自分が不快ならばそれは社会から見ても許される事ではないと認識している。仮に前者と後者が同じ行為であってもその場で認識が切り替わる。
警戒すべき事故や事件の情報に対して「自分は大丈夫」と高をくくり、結局(大抵周りを巻き込んで)被害に遭ったりする。
他人を自分の都合の良いように利用したいという考え方は一般的な人にも多かれ少なかれあるわけだが、それを露骨に出すと周囲には嫌われ、警戒されることは避けられない。
昨今においてはアニメの聖地や花火大会などのイベントにおいて自己中と思われる人達が近隣住民に多大な迷惑をかけており、これが原因で以降の開催を取りやめにした所も少なくない。
また、自分もしくは自分が含まれる(またはそう偽る事のできる)集まりを一方的に被害者とする事で自身の行為を正当化しつつ不当な利益を得ようとする悪質な団体または個人が多数おり、営業の妨害をされる、業務の停止を余儀なくされる、挙句の果てには職業そのものが廃止となり就いていた人達が路頭に迷ったり、誰もが疑問に思う不必要なレベルの規制が行われる、など自己中による問題が深刻化している。
マイナスばかりが目立つ性格だが、専門性が特化しているメリットもある。
創作物の自己中
基本的に創作物の登場人物は(モブでもない限り)基本自己中である。登場人物が思うがまま好き勝手に動くことで状況が二転三転し、物語が生まれていくのである。よく製作者側の人間が『自分の意志とは無関係に、勝手にキャラクターが動く。』と言う事があるのもそのため。
創作物の中で自己中と表されるキャラクターの場合、悪役やトリックスターである事が多い。
余談
元々は、自己中心的を略したものとして2000年代初頭あたりから中高生間で主に用いられた、主に『テメー勝手な奴』という意味の若者言葉であった。
2001~2004年頃にかけて片山恭一の恋愛小説『 世界の中心で、愛をさけぶ』が一大ブームになった際、
その内容が本居宣長いうところの『もののあわれ』--あくまで人の心の移ろいを主題とした視点という意味でーーとしてはピュア層のハートを唸らせたものの、
メタ的な視点では主人公の数々の言動がエゴや矛盾、独善に満ちたものにも見なくもなくもない内容で、映画版の終盤では白血病で死の淵にあるヒロインをオーストラリアまで連れていこうと(無謀にも)主人公は計画。病院から無断で抜け出し、空港まで連れ出した先でヒロイン失神&主人公「助けて下さい!!」と絶叫という…
加えて、原作冒頭では主人公の祖父が「自分が死んだら、遺骨を(祖父の)初恋の人の墓の中に入れてくれ」と、盗掘を指示する描写もみられ、俯瞰的な層・批評家からの評判はいまいちであった。
この作品、愛称が『セカオワ』もしくは『セカチュー』であった為、これを捩ると共に作品の内容を皮肉った『ジコチュー』が一部でレッテル貼りとして付せられるようになり、同時にそれに共感する層も一定数見られ、『自己中』が市民権を得ていく一助となってしまった。
関連タグ
自己中心的 ぎゅわんぶらあ自己中心派 暴君 ジャイアニズム 唯我独尊 エゴ
我田引水 独善 わがまま 身勝手 自分勝手 ダブスタ/ダブルスタンダード 自己愛 メンヘラ
ジコチュー:ドキドキ!プリキュアの敵キャラクター
小悪党・卑劣漢・悪漢・悪女・ツンデレ:他者に自己中とよく言われる者はこの中のどれかの要素に該当する(自己の利益ばかりを重視するタイプであればツンデレ以外に該当、自分を客観視できないタイプはツンデレに該当する)。
外部リンク
第7回 創作漢字コンテスト | 産経Square(スクエア):「自己中」の創作漢字が入選している。