概要
悪党のうち、不良やいじめっ子やチンピラやゴロツキなど、思想も野望も品性も知性も度量も感じさせない、末端のちっぽけな悪党の事を指す。
作品における役柄としては「悪役」の一つとされている。
悪人でなければ小物でも小悪党とは呼ばれないが、例外としてクズモブはこれに該当する。 たとえイケメンな悪役だったとしても小物であれば、この肩書きは免れることはできない。
また、ある程度の信念や野望・度量、凄惨な過去を持っている場合や、度を越して残虐で狂気的な場合などは基本的に小悪党とは呼ばない。
小悪党の特徴
- 知性や品性に乏しく、暴力や口喧嘩(後者に関しては結構、強い)に訴える事しかできない。
- 群れ的な形でいじめや不正を行うが自己保身の感情が強く、ピンチになると平気で仲間を見捨てる(仲間がやられた際には怒りながら仲間思いなふりをする)。 一方で利害が一致すれば他者に協力を求めることもある。その場しのぎの卑怯な手段をよく使う。
- 思想や理想や哲学や美学といった己の芯となるものを持たない。一応リーダーなどには従うが。
- 夢や野望といった先の展望は無く、刹那的かつ快楽主義的。
- 逆にプライドや野望はやたらと大きい故にやたらと威勢を張るが、実力が伴わずいざとなると怖気づく。
- 自己中心的かつ感情的で、自制心が弱い。
- 責任感は無く、失敗や不満は常に他者に転嫁する。
- 向上心より嫉妬心が強く、他者を蹴落とすことで成り上がろうとする。
- 弱者には横暴だが、強者には媚び諂う。
- 想像力や理解力が貧弱な上、対応力も無い。
- 恨みがある、気に入らない人間を執拗につけ狙う。
用法・用例
創作物においては主に、主人公に倒される為だけに存在するザコキャラの位置に配される。
しかし、上記の小悪党と似たような特徴を持つキャラクターの場合は「小悪党じみている」として小悪党という言葉が適用される場合もある。
この場合は存在としての小悪党を指す言葉ではなく、性格・性質的な意味で小悪党「っぽい」というようなニュアンスで、「じみている」「っぽい」が省略された言葉として使われている。
それゆえ、主人公やヒロイン、ラスボスや大悪党であっても本タグが使われる場合がある。
組織のトップや幹部に小悪党じみたキャラを据えることで、組織の腐敗や衰退を描写する場合もある。
また、黒幕に利用されているのに全く気づかないケースもある。
多くの小悪党にいえる点として、「自分が小悪党だと気づいてない」という点も挙げられる。
逆に「自分は小物だ」と気づければ、脱・小悪党化への第一歩だが、小物・小悪党は承知の上で小悪党的行為をやってる者もいる。この場合は一種の「小悪党としての信念」を持っている事になり、存在としては小悪党でも、性質的には小悪党とは呼べないとも考えられる。
かつては善人で下劣ではなくても呆気ない最期を遂げるあるいは過去のトラウマを長らく根に持ち恨み言を執拗に唱える者も小物臭を漂わせる要因となる。
それまで大物風だったキャラなのに、最後の場面で惨めな末路を遂げた事で評価を落として小悪党キャラになったキャラや、逆に小物だったのに最後に見せ場のシーンが登場したことで小悪党を脱したキャラも存在する。
清々しいほどの小悪党だと逆に人気が出る傾向もある。主にネタ的な意味で。
そういった、ネタ的に愛される小悪党を指して「愛すべき小悪党」と呼ぶ場合もある。
逆に小悪党ながら、単なる小悪党に留まらない強烈な個性と立ち回りで暴れた末、最終的に大ボスともいえる分不相応な立ち位置にまで昇りつめてしまう者も少なからず存在する。