概要
首都 | キャンベラ |
---|---|
面積 | 769万2,024平方km(アラスカを除いた米国とほぼ同じ) |
人口 | 約2,660万人(2024年11月) |
建国 | 1901年1月1日(英国より独立) |
主要都市 | シドニー・メルボルンなど(下記参照) |
通貨 | オーストラリア・ドル |
公用語 | 英語(オージーと呼ばれる独特の訛りがある。) |
国家元首(職) | イギリス国王 |
政体 | 議院内閣制 連邦立憲君主国 |
オーストラリア連邦(オーストラリアれんぽう、英語:Commonwealth of Australia、漢字表記:濠太剌利・豪州・濠州など)は、オセアニアに位置する連邦立憲君主国。国名の由来はラテン語で「南の地」を意味する「Terra Australis」から来ており、「Terra」は土地・「Australis」は南の意味である。名前が良く似ているヨーロッパのオーストリアはドイツ語で「東の国」なので、語源からしても異なる。英語圏でもスペルが似ているので混同されやすい。
人口は2024年11月時点では約2,660万人。
略史
初期
1770年4月にイギリスの軍人・海洋探検家であるジェームズ・クックは、太平洋への最初の航海中にオーストラリアの東海岸に沿って航行して地図を作成した。クックはそれを「ニューサウスウェールズ」と命名してイギリスの領有権を主張し、1788年1月にシドニー・コーブに旗が掲揚された。
イギリス統治開始
1788年2月にアーサー・フィリップ総督は、オーストラリアを植民地として宣言した。当時のロンドンは産業革命による貧富の差が拡大しており、犯罪率で特に窃盗犯が激増していた。さらに当時統治下にあったアイルランドの独立運動に伴う政治犯も多数発生していた。
こういった治安・民度の悪化に対応するため、イギリス政府は痴漢などの軽微な性犯罪・少額の窃盗に関しても、死刑・長期の投獄を課すという歴史上類を見ない厳罰化で対抗した。その為刑務所が軒並み満員となり、加えて若年者による軽犯罪にも死刑を課すことに対して人権の観点から異論が唱えられた結果、代替案として国外の流刑地に投獄する事が決定した。しかし最大の候補地であった北アメリカは1776年7月に一部地域を除いて独立してしまっており、代替地として白羽の矢が立ったのが発見して間も無いオーストラリアであった。
流刑地として
こうしてイギリス本土から囚人船がひっきりなしに送り込まれ、現在のシドニーやメルボルンに建設された監獄に多数の窃盗犯や政治犯が送り込まれることになった。囚人らは当時ほとんどが荒野であったオーストラリアの開拓に強制動員され、開拓地は並行して募集された自由移民(母集団は英国本土での飢饉などにより困窮した農民などが多く、実態は「まだ犯罪を犯していない」だけで、貧困層が大半であった囚人らと社会的地位は大差ない人々が多くを占めていたと言われる)によって、囚人らに不足する食糧を提供する為の農場として使用されることとなった。
金脈発見
囚人らの大半は刑期の終了後にイギリスの本土には戻れず、自由移民と共にオーストラリアの地で生活することを余儀無くされた為、事実上の終身刑に近い刑罰であった。1851年7月にビクトリア州の内陸部で金山が発見されるとゴールドラッシュが発生し、島民の暮らしは一変(例えるなら異世界でチートスキルを手にして転生したかのような俺TUEEE状態)。その後紆余曲折を経て1901年1月に事実上の独立までイギリスの統治に服した。
独立後
1901年1月の独立後は2度の世界大戦に連合国側として参戦し、冷戦時代は自由民主主義陣営に与した。現在もイギリス連邦加盟国として名目上の君主を、カナダ・ニュージーランドと同様にイギリス国王に定めている。
地理
南半球のオセアニア州に位置する。769万2,024平方キロメートルの国土を有し、その内のオーストラリア大陸は「大陸」と呼称される陸地の中では最小である。大陸本土は全体的に乾燥地帯であり、内陸部には砂漠が広がる。独特の生態系があり、カンガルーなどの有袋類が多く生息している。南半球に位置するため、四季は日本と正反対であり、乾季には広い地域で森林火災が発生しやすい。
政治
イギリス連邦加盟国であり、憲法上は英国国王を国家元首とし、国王代理人として総督がいるが、事実上の行政の長は首相である。この国は近年、アジアなどからの移民を積極的に受入れている。
連邦制を取っており、各州の権限がかなり強い。また、州に近い権限を持つ特別地域という行政区画も存在している。一覧は次の通り。
名前 | 略号 | 州都(主都) | その他主要都市など | タイムゾーン(夏時間) |
---|---|---|---|---|
クイーンズランド州 | QLD | ブリスベン | ケアンズ・ゴールドコースト | +10 |
ニューサウスウェールズ州 | NSW | シドニー | ニューカッスル、ロード・ハウ群島 | +10(+11) |
ビクトリア州 | VIC | メルボルン | フィリップ島 | +10(+11) |
タスマニア州 | TAS | ホバート | - | +10(+11) |
南オーストラリア州 | SA | アデレード | カンガルー島 | +9.5(+10.5) |
西オーストラリア州 | WA | パース | - | +8 |
ノーザン・テリトリー(北部準州) | NT | ダーウィン | アリス・スプリングス | +9.5 |
首都特別地域 | ACT | キャンベラ | - | +10(+11) |
ノーフォーク島 | NF | キングストン | - | +11(+12) |
クリスマス島 | CX | フライング・フィッシュ・コーブ | - | +7 |
経済
1901年1月に完全に独立して以降は先進国として経済が発展しており、主要産業は鉱業・農業・金融・観光などである。 豊かな資源・広大な農地を生かして輸出・観光客の誘致などに注力して来たが、人口が少ないので内需の規模は大きくは無い。その為国際的な不況・為替ルートの変動の影響を受けやすく、近年は製造業の衰退・不動産価格の急騰などの社会問題が発生している。
社会
かつてヨーロッパより渡って来た白人達による先住民や奴隷・労働者として、この地に来た有色人種への虐待・搾取行為・白豪主義政策などの反省から、1973年1月以降は多種多様な社会の構築に注力している。国民の環境問題への意識が高いが、急進派・強硬的な国際団体が多い。
スポーツ
オーストラリアンフットボールという独自の球技が観戦競技としては人気が高い。
ラグビーは「ワラビーズ」の愛称が付けられ、世界でもランキング上位に位置する強豪国の1つ。他にはクリケット、サッカーがプロリーグとして成立している。ラグビーやクリケット用スタジアムが市内の目立ちやすいところにあるのは良くある光景。
水泳やサーフィンといった水上競技も盛んな地域であり、その中でもイアン・ソープは数々の大会で記録更新や金メダルを獲得、伝説的な選手として日本でも知名度が高い。
マイナースポーツながら野球についても設備等はそれなりに充実しており、季節逆転を利用して今永昇太など日本人選手が日本のシーズンオフ中にオーストラリアリーグに挑戦することも多い。なお、現地季節は夏ではあるが、国内報道などではウィンターリーグとして扱われている。
代表選手ユニフォームは黄色や緑色がメインカラーとなっている。
交通
国土が広いため、航空網が発達している。フラッグキャリアはカンタス航空で、その他にヴァージン・オーストラリア航空やジェットスター航空、リージョナル・エクスプレス航空などが各地への国内線を運航している。
都市部では鉄道やトラム、路線バスといった公共交通も発達しているが、その運航形態が州ごとに全くの別物となるのが最大の特徴。多くは現金での乗車は出来ず、ICカードで利用する形となっている。
州を跨ぐ超長距離列車も本数は少ないながら存在している。インディアン・パシフィックなどの豪華列車も存在しているが、競争率は高くプラチナチケットとなっている。
道路は各地にフリーウェイ(無料高速道路)が存在している。通行区分は日本同様左側通行。
信号付横断歩道の多くに歩行者用スイッチがあり、渡る時はこれを押して待つこととなる。
国際関係
現在では旧宗主国の英国よりも経済・国防などの側面で米国・日本などとの繋がりが強く、地理的要因から東アジア・東南アジア・南アジアとの関係も重視している。近年は中国との関係が強化されていたが、国防・急速な経済進出などの懸念から現在は親中路線を転換して親西側的な立場を示している。ファイブ・アイズの一員であり、アジア開発銀行とアジアインフラ投資銀行の加盟国である。
- 米国
1940年1月に外交関係を樹立し、ANZUS条約とAUKUS条約によって同盟関係にある。両国はいくつかの共通の祖先・歴史を共有しており、植民地化の過程で土地を奪われた先住民が存在した。
- 英国
両国関係は歴史・文化・制度・広範な人的関係・安全保障上の利害の一致・スポーツトーナメント(特にThe Ashes)・重要な貿易と投資協力によって特徴付けられる。
日本との関係
1940年9月に外交関係を樹立、翌1941年12月に一時断交。1952年4月に回復して以降は友好的な外交関係にあるが、捕鯨問題などの文化・経済的摩擦もあり、オーストラリアの反捕鯨団体・その取り締まりに積極的ではない政府に批判的な日本人は少なからず存在する。
しかし、一般的には両国の関係は友好で、両国は日米豪印戦略対話に加盟している。
スポーツ関連
国際大会ではアジア・オセアニア地区として同じ予選枠に組込まれることが多く、サッカーやラグビー・バスケでは日本本選進出を前に立ち塞がる強大なライバルとして認識されている。特にサッカーは実力も非常に拮抗しており、アジア予選・ワールドカップ本戦で何度も激戦を繰広げている。選手が日本に移籍する例も少なくない。
野球は上述の通りマイナースポーツの類に入るが、ランキング上位12ヶ国の世界大会プレミア12に参加したり、WBCでも決勝トーナメントに進出できる実力を有する強豪国。オーストラリアの野球協会は上述の通り日本人選手を良く受入れていることや、代表選手が宿泊先の府中で好待遇を受けたことなどから、日本ファン獲得のために日本語で積極的な広報活動を展開しており、過去には東京ドームで日本ファンによって日本式応援が行われたこともあった。
渡航
申請者本人によるETA(電子渡航許可)が必要。GooglePlayから専用アプリを無料ダウンロード可能。
詳細はオーストラリア大使館に要確認。
日本外務省は危険情報は発令してないが「当局がテロに対してPROBABLE(起こるかもしれない)としているため、注意して欲しい」とのこと。
余談
- 1992年12月生まれの忽那汐里はオーストラリア生まれ、同じ帰国子女で高校時代の同級生であった河北麻友子(米国生まれ)とは仲が良い。河北は「いつも英語で喋っていた。汐里がいなかったら死んでいた」と語っており、慣れない日本語・生活への苦悩を2人で分かち合っていたようである。
- オーストリア
概要にある通り、日本語の片仮名・英語のスペルが似ているので混同されやすい。
エミューは国鳥では無くカンガルーとセットで「国獣」扱いとなっている。またコアラは公式上の国獣では無い。
関連項目
- 四国・福島県:日本では「全体の形が似ている」という意見も少なくない。オーストラリアで話される英語は入植当時の古いイギリス英語の生き残り、四国で話される予阿讃方言は流刑地であった当時の古い京都弁の生き残りであり、元となる言語こそ異なるものの、極めて酷似した成立過程を辿った言語同士といえる。
同国に関連するキャラ
ビッグウェイブス/シャイニングサタンズ(イナズマイレブンシリーズ)
オリヴィア・アデレード/サニー・バイロン/ミア・ジェムブルック(ステーションメモリーズ!)
- クラウンマン(ロックマン8):クラウンマンステージがオーストラリアにある。
- クレイグ・マードック(鉄拳シリーズ):出身地がオーストラリア。