概要やけん
言語学的には西日本方言の近畿北陸方言から分化した予阿讃岐方言の一つやけん、讃岐弁や阿波弁とは兄弟言語、関西弁や北陸弁とも遠い親戚やのう。
どこの方言にも言えることやけんど、県内でも地域差があるけん、一般には夏目漱石著の「坊ちゃん」で知られる松山市(伊予市・今治市周辺を含む)の方言である中予弁(松山弁)が代表に選ばれることが多いぞな。 他には西条市・新居浜市周辺を境に県東で使われる東予弁(新居浜弁)と、内子町・大洲市・八幡浜市周辺で使われる西予弁(内子弁)と、西予市・宇和島市・鬼北町を中心に県南で使われる南予弁(宇和島弁)があるんぞな。東予弁は讃岐弁の、南予弁は土佐弁の影響がそれぞれ強くなっちょるの。
讃岐弁とは県境を跨いで連続的に変化しとるけん、はっきりした境界は決められんけど、広島弁とは瀬戸内海があるけん、明瞭に区別でっきょるの。
文法ぞな
〜加筆希望〜
アクセントぞな
讃岐弁が讃岐式アクセント、広島弁が中輪東京式アクセントを使うのに対して、伊予弁は京阪式アクセント、もしくはその変種を用いとんや。
やけど、東予弁エリア(四国中央市~新居浜市~西条市)は讃岐弁の影響が強いけん、讃岐式アクセントおよびその変種を用いるケースが多なるな。
正体ぞな
お隣の讃岐弁と同様、中近世に使われとった古い関西弁の生き残りやね。これは、かつてやらかした上流階級の流刑地やったから、当時の京言葉が盛んに持ち込まれた影響、って言われとるね。(要は讃岐弁とほぼ同じ事情)
同様の例に、英語のオーストラリア方言(オージーイングリッシュ)があるんや。オージーイングリッシュの正体は18世紀ごろの古いイギリス英語で、同様に流刑地じゃったから当時の古い表現や発音("often"や"Wednesday"の"t"や"d"が黙字にならず、はっきり発音されるなど)が保存された歴史もある。四国とオーストラリアは形が似とるってよー言われるけど、案外こんなところまでよお似とるんや。
やけど、伊予・讃岐は失脚した上流階級の流刑地やったから、当時の貴族階級の言葉に近いんやけど、オーストラリアは庶民の犯罪者を対象とした流刑地やったから、当時のコックニー(の先祖に当たる方言)が保存されたという根本的な違いはあるな。
関連項目ぞな
坂の上の雲:主人公である秋山真之秋山好古正岡子規が伊予松山生まれであるため、伊予弁がよく出てくる(特に少年期から青年期にかけて)