概要
1642年オランダ人探検家アベル・タスマンが到達したことからこの名がつけられた。
起伏の多く、山の多い地形。面積は北海道よりやや小さい。
氷河期時代はオーストラリア本土と繋がっていたが、約1万年前に氷河期が終わり氷河が溶けた分、海面が上昇したことで孤島化した。
タスマニアアボリジニの悲劇
タスマニア島には約3万年前から先住民であるタスマニアアボリジニ達が住んでいたが、
19世紀にイギリス等から多数の白人が移住し、彼らを迫害した。南極に近いため、オーストラリア本土より涼しいこの島はヨーロッパに気候が比較的近く、そのため移住者達にとっては魅力的な土地であり、アボリジニは彼等から邪魔者と見なされた。
アボリジニも勿論抵抗したが武力では敵わず、また白人の持ち込んだ伝染病などで死亡する者も多かった(長い間、孤立した生活をしていたためタスマニアアボリジニには外部からの病原に対する免疫が無かった)。
外部への強制移住だけでなく、白人はおもしろ半分にアボリジニを狩りの対象とし
1876年、ついに最後の純血タスマニアアボリジニ女性「トルガニーニ」が死亡しタスマニアアボリジニは絶滅した(混血の子孫は残ってはいるが、文化はほとんど失われており、民族=文化集団としては絶滅に等しい)。
いくら人種差別の酷い時代だったとはいえ、ひとつの民族を絶滅させるという他ではあまりない事例である。
タスマニアの自然
タスマニアデビル、ウォンバットなどの野生動物がいる。また固有の植物や原生林も多い。
数千年前に人間が持ち込んだイヌ(ディンゴ)の影響でオーストラリア本土で絶滅してしまったタスマニアデビルだが、海峡で隔てられたこの島まではディンゴが到達しなかったため生き残ることが出来た。同様の理由でフクロオオカミが生き残っていたのだが、こちらは1930年代に人為的な原因で絶滅してしまった。