早く死ね…… 時間がない
CV:西村隆主
公式サイトでの解説
戒炎幹部の一人。
時間の効率にやたらこだわっており、「時間がない」が口癖。古流武術に端を発する双剣の使い手。
京炎戦争にて、闇医者の元で入院する京極組組員の奇襲を図るも、先手を読んだ一条が待ち受けており致命傷を喰らう。意識が遠のく中、持病に怯え運命に向き合わず、我妻に自己を投影し死に急いだことを後悔しながらとわに目を瞑る。
概要
東北圏最大規模の超武闘派半グレ組織戒炎の幹部。上記より「時間がない」が口癖。
元々は東北で1つの半グレ組織を率いるトップだったが、我妻によって組織ごと雇用され移籍した。
人物
基本情報
異名 | 双剣の榊原周、謎に包まれし二刀流 |
---|---|
地位 | 戒炎 幹部 |
メインウェポン | 双剣 |
こだわり・口癖 | 時間 |
経歴 | 独自組織 トップ → 戒炎 幹部 → 京炎戦争 |
性格
上記のセリフにある通り、時間の効率にこだわる人物である。
これはある理由が関係している(詳細は後述)。なお、麻生成凪はこの話はバリューが無いとしている。
能力
古流武術に由来する双剣を得物としており、とある事情で弱体化している状態にもかかわらず、半グレ組織を単騎であっさり壊滅する強さを誇る。
後述の状態から命を懸けた作戦や行動に打って出る事に殆ど躊躇が無く、特攻同然の戦法を容易く取れる点も敵からすれば厄介な要素である。
容姿
グレーの髪色をしたソフトリーゼントヘアに黒シャツ、二の腕の赤いタトゥーが特徴的な青年。情報公開時と本編で服装が変わっており、前者では肩出しのシャツに首、二の腕、手首に金色のアクセサリーを装着、さらにサスペンダー付きのズボンを着用と特徴的な格好をしていた。(以下のイラストに近い容姿)
本編ではグレーと金色の半袖Tシャツに薄墨色のズボンとやや普通寄りのファッションとなっている。(サムネイルのイラストの容姿、因みに本編中の半袖Tシャツは、よく見るとデザイン変更前の服装を意識したデザインとなっている)
過去
元々は東北で1つの半グレ組織を率いるトップだったが…
(なんだ…… 腰の調子がおかしい)
ある日から腰の痛みを感じるようになった。
「なんだって…… 俺が末期の胃ガンだと……?」
病院に行ったところ、医者から胃ガンのステージ4であることを宣告された。
「神様…… なんで…… なんで俺なんだよ……!? こんなに若えのに…… まだやりたいこともいっぱいあるのに……!」
「一縷の望みにかけて治療に専念するしか……」
その宣告を受けて涙ながらに絶望し、半グレを引退して治療に専念することも視野に入れていた。
しかし、そんなある日…
男「お邪魔しまぁす」
我妻から手を組もうと提案されるが…
「おい…… 今、虫の居所が悪い。つまらねえ話をしに来たなら殺すぞ」
「この私に勝てるハゲなど存在しない、時間の無駄だ…ハァアアアアア!!」
槍を構える角中に対して二刀流で迎撃し、優勢にもっていったものの次は我妻が飛び出す。
そのまま我妻に攻撃を仕掛けるものの…
我妻「よいしょぉおおお」
連撃の癖を見抜かれて強烈な一本背負いを食らってしまう。
しかし、我妻はある言葉をかける。
我妻「なあ…… 俺は東北から出て関東を制圧してみたいんだ。どうせならデカいゲームをやって人生を太く行きたいんだよ…… 一緒にやんねえか?」
(太く短く…… 今の私には最適ではないか…… この男の下についてみよう)
太く短く生きたいという自身の目標を見つけ、戒炎に入って関東制覇を目指すことになった。
活躍
- 2023年1月15日の動画 (状況整理)
ビジュアルと共に初めて存在が明かされる。謎に包まれし二刀流と説明されている。
- 2023年2月18日の動画 (久我虎徹)
動画終盤で初登場。
同じ幹部である上堂新一と共に黒焉街の半グレ組織を次々と壊滅させていき、確実に黒焉街へ牙を剥き始めていた。
「早く死ね 時間がない」
「パーティならもうすぐ飽きるくらいにできる。さあ メインディッシュといこう」
- 2023年5月31日の動画 (久我虎徹)
ワンシーンだけではあるが、3ヵ月ぶりに再登場。
動画では弱小半グレ組織を単騎で襲撃している様子が描かれた。
「時間がないんだよぉぉぉ!」
半グレたち「コウインッ!」「ヤノゴトシッ!」
- 2023年6月7日の動画 (久我虎徹)
京極組の作戦会議にて、他の戒炎幹部と共に名前が挙げられた。
京極組の幹部を襲ったと告知されている。この事から、京極組の組長である五十嵐幸光か若頭の大園銀次もしくは現在の武闘派兄貴最年長でまとめ役のような存在であり同じ二刀流である六車謙信あたりを狙う可能性が高いと見られていた。
本格的に初登場。
我妻との作戦会議で、京極組における縁の下の力持ちである若頭の大園に狙いを定める。
望遠カメラを使い京極組の本部を10日間見張ると言う徹底した調査や監視の結果、大園が原西組と提携を組むために度々通っていることや、トイレが離れにあることを掴んだ。
大園がトイレに向かう所を狙い、大園がトイレから帰ってきたタイミングで原西組事務所を急襲。丸腰の大園の背中を容赦なくX字に切り裂く。
そこに護衛である犬飼が登場。犬飼の猛攻に一時は押されるものの、隙を見つけて大園に致命傷を与えてしまう。
しかし犬飼の凄まじい蹴りを受けて肋骨が砕け、退散を選択する。犬飼が逃がすまいと投げたハンマーを受けてさらにダメージを負うも、塀を越えて逃げ切った。
「俺は未来などに興味はない、この身が砕けても構わんのだ!」
「俺は命ある限り貴様らの喉元にくらいつく。時間が差し迫っている、またすぐ来る…楽しみにしておけ」
戒炎 生き急ぐ剣士vs京極組 最強の修羅 葛藤と過ち
犬飼との戦いで受けた傷も概ね回復し行動を再開する。しかし、完全回復とは言い切れない状況であり、我妻にはバレないように強がるしかない状況だった。
「本当に…… 私の選択は合っていたの…… うぐぅっ!?」
我妻の指示に従わない下部組織の粛清に動く中でも、胃癌による死へのカウントダウンは確実に迫ってきており、
胃や消化器が食べ物を受け付けず、他の場所にも癌が転移、血便など、余命が幾ばくも無いほどに病状は悪化していた。同時に、「短く太く生きる」自分の人生に迷いも生じ始めていた。
そんなある日、我妻の前で思わず吐血してしまう。
「……無様を見せてしまい申し訳ありません」
我妻(完全に末期の症状だ……)
「もうリタイアするか? 東北で余生を過ごすのもいいだろう」
とうとう我妻に死期が迫っている事を悟られ、戦力外通告をされてしまう。
「なっ……!? 待ってください! 私はまだやれる!!」
我妻「やれるって何が出来るんだ? 半死人のお前じゃあ殺されるだけだぜ」
必死の喰い下がりをよそに、流石の我妻も見切りを付けようとしているのは明らかだったが… (我妻も冷徹に突き放そうとしていたが、上記のセリフから榊原の今後を多少は考えていると思われる。)
「……なら入院中の奴等を襲えばいい! 病人なら私にだってやれる!!」
我妻「いいねぇ榊原…… 面白いじゃん…… 愛せるよ」
入院中の人間ならば襲えると進言した事で、チャンスを捥ぎ取る事に成功する。
そして、抗争の中で怪我をした京極組の下っ端構成員である花沢伊織を尾行する事で入院している武闘派を狙う作戦に打って出る。
張り込む事数日、花沢の通院先の病院を見つけ出し、夜になる瞬間侵入するのだった。しかし、自分の身体は既に限界であり一人でも屠ろうと動き一つの部屋の扉を開けるが…
「う……!」
一条「違和感を感じて起きてみれば…… こんなところまでカチ込んでくるか…… 外道が」
そこにいたのは、京極組における最強戦力の一人である一条康明だった。
入院中の構成員は、一条を含めリスク分析のために別々の病院に入院させていたのだった。失態を感じつつも、一条を斃せば挽回できると踏んで戦闘に踏み切る。命を懸けた踏み込みで攻めるが…
一条「甘い…… スピードもねえ」
「よくもカシラをやってくれたな…… もらったぁあああ!!」
「がはぁああああっ!」
完治に近づいた一条の強さは想像以上であり、ほとんど何もできずに斬り裂かれる。
「まだだ…… まだ死なんぞぉおおおおお!!」
再び攻撃を仕掛けるも、カウンターで腹を貫かれてしまう。それでも道連れに一条の首を狙うという命の一滴まで絞り出した抵抗をするも通用せず、ついに致命傷を負ってしまう。
(悪くない…… この天才に殺されるならそれもいい)
最早勝てないと悟り、一条のような実力者に殺されるならば良しと思うも…
一条「お前のことは知ってるぞ。手遅れなガンの重病人…… どうせ死ぬ予定だったんだろ?」
「テメェは何故死に急ぐ? 治療を受ければ生き延びたかもしれねえじゃねえか」
「そ…… それは我妻さんと共に夢を見るため…… 太く短く生きるために」
一条「嘘つけボケ…… お前は病気と死の運命から逃げたんだろ? 我妻の野望とやらに乗るフリをして……」
(私は逃げたのか? だから病気と向き合い戦わずに煌びやかな死に様を咲かせることに)
一条の言葉は我妻と一緒に運命を共にする事そのものを皮肉るような言葉であり、長く生きる選択肢を取ろうとしない自分にとっては返す言葉がなくなってしまう状況に落とされてしまった。
そんな中…
氷室「随分と阿呆な悩みを抱えた賊じゃないか」
騒ぎを聞いた京極組御用達のヤミ医者である氷室が現れる。氷室は末期の胃癌でも場合によっては治療できる可能性を説く。
氷室「病気と向き合えば長く生きられる時間を得られたかもしれんのだ」
一条「お前は自分に起きた現実に向き合わず、我妻に健康な自分を重ねたんじゃねえか? そんなことをしても無意味なのによ」
その言葉を聞き、ようやく本心では求めていた願いを感じ取り、憑き物が落ちたかのように穏やかな表情に戻るのだった。
(しかし何とも無様なことだ…… 私は一体何をしていたのだ? 病に怯えて他者に己を投影し、主体性を捨てた挙句…… 何も為せずに死ぬ)
何も残せないまま死ぬのが何より嫌だったと思いながら、病に怯えて他者に自分を投影させて現実から逃げた挙句に結局何も残せていなかった結果を恥じる。
全ては…… 死の恐怖と自分の運命に向き合わなかった己の弱さが招いたことだ……
すまなかった…… 君たちに迷惑を…… かけてしまっ…… て
(こんなことなら…… 最後まで必死に生きて死ねばよかった…… 手にかけた者には…… 詫びる言葉もない)
「太く短く生きたい」と言い聞かせながらも、本当は死への恐怖と自分の運命に向き合う努力や現実から逃げていた男は、最後に気づいた自分の不甲斐なさを呪いながら、必死に生きて死んだ方が良かったと後悔の念を呟き、京極組に多大な被害を及ぼした非礼を詫びつつその命を散らした。
ちなみに自身の主役回が死亡回になった悪役は、黒澤航太郎に次いで二人目である。
余談
ちなみに、末期と呼ばれるステージ4のガンは原発巣やリンパ節を超えて他の臓器や骨などに転移することを指しており、彼の場合は腰痛ということから胃から骨転移しているとされる。また、現時点で腰痛以外の症状が明かされておらず、また彼の年齢を考えるとガンの中でも初期症状が現れにくく厄介とされているスキルス胃ガンの可能性もある。
何とも皮肉なことに、彼は戒炎幹部4名の中で最も長生きすることとなった。
彼の死をもって戒炎の幹部は壊滅...と思いきや、その後反町琥治郎が新たに幹部となった……
と思いきや、その反町も戒炎を離反したため、完全に幹部は全滅した。
尚、動画内ではほぼ一貫して「榊󠄀原」の表記が使用されていた。これは、「榊󠄀」という文字が環境に依存したものであるものと思われる。
関連タグ
遊馬大介 - 同じく戒炎の刀使い。ただし遊馬が我流なのに対し、榊原は古流武術を応用した二刀流である。
六車謙信 - 京極組の構成員。榊原同様、二刀流の剣士。
城ヶ崎賢志 - 羅威刃2代目トップ。「生に執着していない」という点が共通しているが、榊原はあくまで我妻のためなら命でも差し出せるタイプの人間であるのに対し、城ヶ崎は他人のために命を差し出すことがないタイプの人間であるため、両者はほぼ真逆の存在である。
城戸丈一郎 - 天王寺組城戸派のトップ。自分自身に時間が残されていなかった点(城戸は大嶽によるプレッシャー、榊原は病状の悪化)、敵側の構成員1人を殺害した点、敵側のアジトに潜入して命懸けの特攻を行った点、敵の最強戦力にトドメを刺された点など、本格的に登場してから死亡するまでの行動に類似点が多い。最後のセリフも似ているが、城戸は自分のしてきたことに後悔しなかったのに対し、榊原は病気と向き合わず自暴自棄になってしまったことに後悔して死亡した点が異なる。
さゆり - 株式会社モーリーの一員。武器はトンファーだが榊原や六車同様、二刀流。
鮎川鉄次 - 獅子王組黒澤派の武闘派。抗争で闇医者を襲撃して命を落とした点が共通している。