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天京戦争

てんけいせんそう

天京戦争とは、漫画系Youtubeチャンネル『ヒューマンバグ大学』の物語にて展開された長期抗争。作中の極道組織「天羽組」「京極組」の利権トラブルにより勃発した、武闘派極道同士による抗争である。
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概要編集

当初「ヤクザ組織の実態」をテーマに展開していた小峠シリーズ(現タイトル『華の天羽組』)と、その後発で開始された久我シリーズ(現『京極の轍』)の2視点で展開。小峠華太が与する「天羽組」、久我虎徹与する「京極組」という、各シリーズの主人公たちの在籍するヤクザ組織の間で勃発した長期抗争。


事の発端は、天羽組の若手・北岡隆太が、組長命令により初の大仕事(海外の最新武器の入手)を任されたことに始まる。取引相手のブラジル系マフィアとの交渉窓口を務めていた北岡だったが、このとき相手マフィアからの日本での違法薬物の販売許諾に(相手国の言語に無識だったため)ウッカリ「OK」と応えてしまい、京極組のシマ「黒焉街」を含めた近隣の町々で薬物売買が蔓延。京極組もその対処に動くことになるが、締め上げた売人から「天羽組の北岡」の名前が出たことで、京極組組長・日下孝次郎は京極のシマを荒らした天羽組に激怒、組織名うての武闘派・一条康明に北岡の抹殺命令を下した。奇しくも舎弟の速水泰輝から出世祝として黒焉街のバーに招待されていた北岡は、直ぐ様一条に発見され惨殺されることになる。こちらにも落ち度があるとはいえ、一切言い分を聞かず北岡を殺した京極組に、天羽組組長・天羽桂司および彼をかわいがっていた構成員たちも激怒し「実行犯の一条、命令を下した組長の日下の殺害」を目標に攻撃を開始。京極組もそれを迎え撃つこととなった。


チャンネル内では、以後も展開される各長期抗争劇の先駆けとなったシリーズながら、当初より個々で物語を展開していた主人公派閥同士が、敵味方として互いに死傷者を出しての削り合いを演じる特殊な構図、また各々ストーリー内で構築された「武闘派極道組織」というイメージもあり、視聴者間でも「どちらが勝つか」に加えて「どちらが強いか」、また上述のような勃発の経緯から「どちらが極道・任侠としての筋が通るか」といった議論が展開される形で反響を呼んだ。


最終的に天羽組の武闘派・小林幸真が、連日の張り込みでガラをかわしていた日下を追い詰め殺害。またその過程で日下および彼の息のかかった利権派構成員が(とある大手麻薬カルテルと結託して)ヤクの斡旋を長年おこなってきたことが発覚し、野田一と接触した国生英明を介して久我たち仁義派構成員たちも日下たちの隠れた悪事を知ることに。暫定的に代表となっていた五十嵐幸光が後日謝罪と和睦交渉を天羽組に申し出、天羽たちも五十嵐のケジメの姿勢を見届け、詫び料とシマの出入り権を条件付けて和睦を承諾し、戦争は終結を迎えることになった。


交戦勢力の主要人物編集

「×」は当時の死亡者。また天京戦争以降の展開(羽王戦争京羅戦争など)での死亡は省くものとする。

※備考編集

  1. 正確には一条に彼を殺害されたことにより戦争が勃発。
  2. 天羽組の攻撃開始後直ぐにガラをかわし、已む無く五十嵐が自軍の指揮を代行。
  3. 和中に敗北後、天羽組に救命された義理立てから戦線離脱。
  4. 戦争状勢とは別件で大怪我し戦線離脱。
  5. 戦争状勢とは別件で大怪我し戦線離脱。

経過一覧編集

時期状勢
2022年3月15日
同年4月13日
同年4月23日
同年4月28日
同年4月30日
  • 天羽組の和中蒼一郎、京極組の六車謙信と交戦し勝利。
    • 六車負傷するも、天羽組により闇医者に担ぎ込まれ生存。救命された義理から以後戦線を離脱。
同年5月4日
  • 京極組の近藤新平太、貴凛町のメロンパン屋と交戦。
    • 近藤重傷により以後戦線を離脱。
同年5月10日
  • 京極組、事務所を羅威刃による襲撃を受ける。
    • 久我・野島負傷。一条重傷により以後戦線を離脱。
同年5月13日
  • 天羽組の飯豊朔太郎、京極組の相良颯誠と交戦し勝利。
    • 相良殉職。天羽組、相良の要望を受け鷹橋を抹殺対象から除外。
同年5月24日
  • 天羽組の小林幸真、京極組の日下孝次郎を襲撃。
    • 日下殉職。天羽組、日下が主導する麻薬ビジネスと北岡殺しの真意を共有。
同年6月4日
  • 天羽組の永瀬光一、京極組の白武利光の襲撃を未然に発見し交戦。
    • 白武殉職
  • 天羽組の野田一、京極組の国生英明との喧嘩に勝利。
    • 国生負傷するも、野田の指摘を受けて五十嵐幸光に日下の素行調査を打診。京極組、日下の麻薬ビジネスの実態を知り、ついでに白武の死に携わっていた桑田裕二を粛清。
同年6月5日
  • 京極組の五十嵐幸光、暫定代表として天羽組本部に和睦交渉へ赴く。
    • 天羽組、五十嵐の謝意を認め、2つの条件を飲ませた上で和睦に承諾。天京戦争が終結する



各組織の特色編集

天羽組は地図上の北に位置する空龍街に拠点を構えている中規模武闘派組織で、武闘派構成員は皆化け物揃い。かつては田頭組であったが田頭が殺されたことにより、天羽に組長が代替わりして、天羽組になった。任侠・仁義を重んじる昔ながらの極道組織である。


京極組は地図上の南西側に位置する黒焉街に拠点を構えている関東最大規模の巨大な武闘派組織。かつては天羽組と同じく任侠・仁義を重んじる極道組織であったが、現在の組長が日下に代替わりしたことにより、相良や海瀬(現在は2人とも久我によって改心し、久我の仲間になっている)などの仁義外れに成り下がる構成員が現れ、カタギを平気で食い物にする悪辣なシノギが横行し、カタギを平然と殺害する血も涙もない外道が幅を利かせている。


性質の共通点編集

  • 両組織の長である天羽と日下が互いに、今は失き徳島組の構成員であった。
  • キーパーソンおよび若頭が共に極道の掟を遵守する人情派かつ良識派。
  • 組長がムショ帰りの組員をヒットマンとして動員し、結局死なせてしまった事がある。
  • 銃使いの武闘派極道が組を絶縁されている。
  • 若手構成員の多くを伊藤タカユキ氏が担当。
  • 入門して間もない若手組員が足を洗うことに比較的寛容な面がある。
  • 現在の組の方針では違法薬物の売買は粛清対象となっている。

相違点編集

天羽組

  • 声優:兄貴達の声優は畑耕平氏が担当。
  • 武闘派構成員:全員が「裏社会でも指折りの殺し屋」と呼ばれる精鋭揃いである。得意武器は勿論どつき合いは全員一流かつ様々な武器を操る武闘派も多数。
  • 主人公:小峠は幼少期から極道へ憧れを抱いており、理想と現実のギャップに苦悩していた。
  • 上下関係:封建的ともとれる程に厳格。それ故か暴言や脅しといった言葉のみならず流血沙汰にすら及ぶパワハラが平素から横行しており、上層部や兄貴分の命令がどれだけ不条理であっても従わないと強烈な制裁が与えられる。ただ組長や若頭、一部の兄貴分などは平時であれば温厚で部下思いで近接戦を初めとした教育も整っている。同時に組員の結束やモチベーションはとても高く京極組への怒りもあって血気盛ん。
  • カタギへの対応:シマ内のカタギの悩みや事件には真摯に向き合い解決している。組直轄の夜の店のキャストへの気配りも行き届いており小峠曰く「天羽組はキャストを大事にする」。
  • シマ:日本有数の繁華街である空龍街と友好関係にあった極道組織の轟組解散に伴い譲り受けた朱雀町。河内組を始め日夜数多くのシマ荒らしが利権を狙っているが尽く阻止している。その際に殺しが多発するため着いた異名が「コロシの天羽組」。かなり有名な話にもかかわらず事後処理が徹底されているからなのかサツは天羽組を殺しで検挙できていない。
  • 組長:基本的には良識派かつ穏健派で思慮深く、ほぼ全ての構成員から深く慕われている人格者が自身を守る盾になって重傷を負った際には肩を貸して救急車まで連れて行ったり身を案じて必死に声を掛けるなど、非常に子分思い。若手で発展途上とはいえ、中核メンバーである武闘派の北岡を殺害された際は怒り狂い、即刻報復指示を出し、また組員の葬儀には今まで組に貢献した事への感謝と労いの言葉をかけている。また、組内外の諍いごとなどのトラブルを仲裁する事が多く、交渉人として非常に高い能力を持つ。その一方で極道組織の長らしく、自身を怒らせた者や刃向かった者、組に危害を加える者には組内外問わず制裁したり粛清したりするなど苛烈な面がある。
  • 組長の息子:両親と血のつながりはなく組に所属している。両親を非常に慕っており、戦争中は母親の警護を担当したほか両親が危害を加えられた際は大激怒して自ら敵討ちに乗り出す程。敵対者には寸分の容赦なく、ミスをしでかした後輩にも躊躇なくパワハラを働く残虐極まりない性格だが強力な戦力であり、彼とぶつかり合った京極組の武闘派組員は完膚なきまでに叩きのめされ凄惨な最期を迎える羽目になった。組員との仲も、狂人として恐れられてはいるものの嫌われてまではおらず悪い様子は見られなかった。
  • ムショ帰りのヒットマンとその顛末:組長がかつて所属していた組織の同僚。天羽組の未来を守る為に敵対組織の首魁を殺害するヒットマンに。敵対組織首魁の殺害には成功したものの、その直後に首魁の側近達に殺害される。苦楽を共にしてきた心友へ命令を下す際は悲痛な面持ちだった。
  • 若手:教育が充実しているからなのか京極組の若手と比べて喧嘩が強く飯豊を始め若手どうしの小競り合いでは現在負け無し(但し速水は除く)。ただし怒りに身を任せ周りの影響を顧みずに暴れるといった問題点もあり小峠から止めに入られている。また組に対する忠誠心も強く、京極組の国生に日下殺しの犯人を尋問された際にボコボコにされたものの誰一人として情報を吐かなかった。
  • 裏社会に対する知識:相当に深く、国内だけでなく国外の組織にもそこそこ詳しい。そもそも規模が然程大きくない為、生き残る為の知識として詳しくなる必要があったと思われる。伊集院茂夫も(特に小峠の)裏社会知識を買っている。
  • 伊集院茂夫との関係:現段階では一応の協力関係で、特に小峠は伊集院との連絡係を任されているだけあって個人的には最も仲が深い。また伊集院自身、工藤とも旧知の間柄で、外道の粛正を行う際に彼と連携した事もある。しかし互いに気を抜いておらず、天羽組は伊集院を「敵に回せば一巻の終わり」と非常に恐れ、その行動を注視している。伊集院の方も天羽組が何かやらかせば攻撃するつもりだが現状は協力関係を維持している。
  • 紅林二郎との関係:紅林自身が極道などの反社会勢力を毛嫌いしている事もあり、あまり関わりは深くない。しかし、その戦闘能力には目をつけているほか、京極組とトラブルになったら加勢する意思を示している。
  • 佐竹博文との関係:異常者やヒットマンといった仁義外れの蛮行に共に出会すことが多く、犯人の居場所を物怖じしつつも教える、保護対象の赤ん坊を身を挺して庇う等彼の行動に助けられている。佐竹と小峠の面識は現状無い。
  • この抗争への考え:指揮官の天羽は現在も日下と一条の命を狙っている。組員も組長への忠誠心の高さおよび仲間意識の強さゆえに依然として京極組への怒りは強く、双方に死傷者が出てもなお抗争を続けることに疑問を持つものはいない。

京極組

  • 声優:兄貴達の声優はヤシロこーいち氏が担当。
  • 武闘派構成員:白武二階堂のような雑魚から、一条六車のような精鋭まで玉石混交である。飯豊曰く兄貴達と同格。
  • 主人公:久我は居場所が欲しくて極道になり、また血生臭い事理不尽に慣れっこだった為、極道世界の理不尽な現実に順応している。
  • 上下関係:親の命令には絶対であったり、不手際をはたらいた組員には相応な制裁が下されるものの、貴分と喧嘩しても咎められる様子がなかったり(日下が怠慢ゆえに何も知らなかった可能性が高い)、良識派の組員同志で互いに飲みに行ったりする描写があるなど、良識派は天羽組と比較するとさほど厳しくはなく、上の立場の人間も比較的フランクに接することが多いため、理不尽なパワハラが行われることはほぼない。ただし、改心する前の相良が舎弟にパワハラを働くシーンがあるなど外道構成員はこの限りではない様子。
  • カタギへの対応:良識派は天羽組同様に真摯に向き合っているが外道構成員は食い物にしている。またそれ以外にも組の名を振りかざす迷惑客の悪行の数々には良識派は土下座で謝罪する一方、外道構成員はフォローにすら動かないどころか悪ノリして一緒に騒ぐなど全く対応が異なる。
  • シマ:黒焉街という空龍街同様巨大な繁華街。サツ汚職ばかりで仕事をしないため大事件が尽く発生している。サツが最早反社なためこの街は京極組が治安を守っている。
  • 組長:かつては天羽と同じく良識派かつ穏健派で思慮深く、全ての構成員から深く慕われている人格者だったが暴対法とそれに伴う舎弟の死が原因で外道に堕ち、組が腐敗した全ての元凶と成り果ててしまった。若頭時代は曲がりなりにも業務を全うしていたのに組長になった途端、組長業務を放棄しているどころか権利だけは横暴に振り翳し、自身に対する反論も意見も一切許さない暴君(ただし別府を始めとする古参勢には比較的優しい一面を見せる)。粗暴かつ身勝手で短絡的な性格で情報屋を使うという当然のプロセスを踏まない程の無能。ほぼ全ての構成員から毛嫌いされているか無視されている。子分が自身の不手際の尻拭いの為に重傷を負った際は見舞う事すらせず、自らの趣味であるドライブに繰り出す始末で、構成員を自身の奴隷程度にしか思っていない(公式でも明言されている)。その上、最初の衝突で武闘派の中でも腕利きだった吉岡を殺された際も、駒を1つ失った程度にしか見ておらず、相良の葬儀にも顔を出さなかったばかりか労いの言葉すら全く無く、報復の指示を一切出さないどころか天羽組に対して何らアクションを起こすことすらしなかった。更には組内外に厄介ごとを撒き散らすトラブルメーカー……どころの話ではなくシマに麻薬をばら撒いていた事が小林伍代により発覚しており、羅威刃含めた其処らのシマ荒らしよりも遥かに悪質な存在だった(前述の通り外道に堕ちる前は任侠の人だった)。
  • 組長の息子:実の息子であり組には所属していない。父との仲は良いもののただ甘えて好き放題過ごしているだけのボンボン。組には所属していないにもかかわらず親の名前を振りかざすことで組内部のシマで好き勝手に遊びまわりカタギにも迷惑をかけ倒す、挙句身勝手な理由で暴行の末殺しを働き、組全体に危機をもたらすなど役立たずどころかシマ荒らしを通り越して疫病神同然の存在。当然ながら組員達からは父親以上に嫌われており、自身の身に危険が訪れた際も見捨てられてそのまま敵対組織に消された。
  • ムショ帰りのヒットマンとその顛末:京極組の武闘派で名の知られた人物。組長から「役立たず」の烙印を押され、体よく始末する目的も兼ねてヒットマンに仕立て上げられてしまう。最終的に敵対組織首魁と相打ちになって生涯を終えた。
  • 若手:仁義外れ構成員の若手は天羽組と比較すると弱い上に敵地である空龍街のキャバクラで豪遊する、公園で発砲しようとすると言った暴挙も目立つ。また天羽組に冨樫殺しの犯人を尋問された際に、ほとんどの者が死ぬのが怖くてあっさり情報を吐いたなど、組に対する忠誠心はほぼない。一方で良識派の新人は戦闘力が高く(特に犬飼はあまりの強さで天羽組にも名前が知れ渡っているほど)、現状では周りの影響を顧みないような言動は見受けられないなど落差が激しい。
  • 裏社会に対する知識:然程詳しくないと思われる。おそらく大規模な組織であった為、追従する組織が多く、逆らう者は物量と武闘派の力量で叩き潰していたのが理由であろう。更には組長からの知らせや指示(逆らえない)もだいぶ間違えており、これが原因で天羽組に喧嘩を売ることとなった。
  • 伊集院茂夫との関係:ほぼ完全に敵対関係。前述の通り京極組自体が裏社会の事情に明るくないので、そもそも「伊集院茂夫」の存在と、如何なる人物であるかすら全く知らず、武闘派構成員の白武と久我そしてガソリン兄弟は、彼と遭遇していずれも酷い目に遭っている(白武は右目を潰され喉を貫かれている。久我は生まれて初めて死の恐怖と絶対的な敗北を思い知る羽目に。ガソリン兄弟は自分達が逆に燃やされた)。更に、京極組には金の為ならカタギを食い物にし、酷い場合は消す事も躊躇わない外道が蔓延っており、尚且つ破門された人間や関係者も大概が外道である。その為、関係者や破門された人間が伊集院に消された事が最低でも二度あり、京極組としては(金ヅルを消される、面子を潰されるという形で)少なからず痛手を被っているものと思われる。但し、久我虎徹、一条康明は時折彼に協力を進み出たりするなど、一部の良識派との確執は見られていない。
  • 紅林二郎との関係:稼ぎ頭である外道構成員が何人も潰されている為、おそらく日下の指示のもと報復対象に入っており、実際外道構成員の一人が刺客として差し向けられている。反面、良識派の構成員はそうではなく、特に一条は紅林と個人的な友好関係を築いている。また、同じく良識派の久我は紅林とは高校時代からの宿敵であり、組の意向ではなくいつか決着をつけたいと思っており、タイマンでは引き分けた。
  • 佐竹博文との関係:シマに来る度トラブルに巻き込まれ久我や一条ら良識派が救っている他シマ荒らしの捕獲に協力したことがある。その為佐竹と久我は互いに面識がある。また。一条と野島も手違いで佐竹を尋問した事があり(勿論人違いと判明して無罪放免になった)、その後は友好関係を築いている。
  • この抗争への考え:指揮官である五十嵐が終戦のために落としどころを探っている。このためか天羽組程敵対組織への怒りはなく、死傷者が出続ける現状に疑問を持つ構成員も現れている。とはいえ死傷させられた組員の仇討ちに挑もうとする構成員も存在している。

主人公編集

天羽組のキーマンである武闘派中堅ヤクザ。最近では狂人そのものの行いや言動も増えて来ており、銃の腕前なども裏切り者の「マシンガンの尾崎」を粛清してから爆発的に上がった。舎弟目線だとまさに狂人兄貴で、ここ最近では兄貴達に似たような発言をすることも多くなっている。

極道としての素質は十分ではなく、特に戦闘の才能が低い。だが彼はその才能の不足を血の滲むような研鑽と実践、そして幼少期からの極道への憧れを根幹とする脅威の精神力によって補っている努力家の凡人

経歴編集

共働きで多忙な放任主義の両親の間に生まれたため、親の愛情を知らない幼少期を送っていたが、近所に住んでいたヤクザの男「おっちゃん」に遊んでもらうなど親代わりになってもらったのがきっかけで極道に憧れるようになる。その後不仲や離婚等があったため、学生時代はグレて不良となり、高校卒業後には家を飛び出して裏社会に飛び込み、田頭組の藪下にスカウトされて極道の世界に入った。


京極組のキーマンである武闘派かつ人情派ヤクザ。自身の理念に共感する兄貴分と共に組織を改革し、京極組を一枚岩にしようとしている。彼は狂人じみた発言をすることはあまりなく、猟奇的な拷問や処刑も殆どしない。反面生まれ持った驚異的な才能を活かし、多種多様な方法で敵対者を抹殺する。

「覇王になる男」と呼ばれる程、極道としての才能はずば抜けており、戦闘から頭脳労働までどの様な業務もそつなくこなす上、強いカリスマ性も有する。その才能故に大した挫折も敗北も経験しておらず、どう足掻いても勝てない敵に出くわしたり極限状態にさらされると心が折れてしまう面もあり未熟な天才と言える。

経歴編集

父親の顔を知らず、8歳の時にはシングルマザーだった母親が生活苦を理由に男と蒸発してしまう等、孤独な幼少期を過ごし、施設に入ったがグレて不良となる。高校時代の喧嘩は無双であり、紅林二郎と唯一決着がつかずだった1人。その後あてもなく放浪していた20歳の時に、京極組の現若頭である五十嵐にスカウトされて入った。


両組織対立の歴史編集

実はというと最初に京極組と激突したのは、選挙戦である。


天羽の剣客vs京極の人斬り 剣豪同士の激しい戦い編集

天羽組の準構成員が逮捕された際無関係であるよう便宜を図り、天羽組は千田の選挙に際して票を集めたり演説を妨害するものを連れ出すなど持ちつ持たれつの関係を続けていた千田が4期目の当選を賭けた選挙戦にて、対立候補・山添のバックに付いていた京極組にスキャンダルを盾に強請られ、立候補を辞退し政界からの引退を余儀なくされた。

これに伴い、天羽組は京極組に報復を行い、小峠、野田、和中が天羽組を舐めた京極組とその後ろ盾を得ている政治家の山添へのカチコミに動員された。野田と和中は同時に雑魚処理をし、野田が逃げた山添を追いかけた一方、和中は京極組の剣客である「袈裟斬りの吉岡」と一騎討ちになる。卑怯な真似を仕掛けてきた吉岡に対し、和中は剣客としての圧倒的な格の違いを見せつけ、吉岡を容易く逆袈裟に一刀両断して殺害した。


ちなみにこの時は京極組が報復する様子は見られなかった。


若き天才vsスリルゾンビ編集

天羽組を破門になり半グレ集団「怒苦炉」を結成して黒焉街で生活保護を受けている人間に法外な金利で金を貸し付けるなど闇金のシノギを行っていた元天羽組の古田を粛清すべく、久我と野島、そして鷹橋が派遣された。彼らが戦っている最中に、同じく古田の粛清の為に派遣されていた須永が猛スピードで久我に襲い掛かり、戦闘になる。しかし、野島が応援を呼び、一条も駆けつけると須永はオーバースリルと人数的に不利と悟り、そのまま窓を突き破り「古田を代わりに殺っといて」と告げた後、猛スピードで夕日に向かって走り去っていったのであった。


冤罪から始まった全て編集

北岡は天羽からの直々の指示により、ブラジリアンマフィアから最新の武器を調達するシノギを任されて、オンラインで相手と交渉をしていた(天羽は若手の有望株である北岡に商談交渉の経験を積ませて成長させるために、この重要な仕事をあえて任せたのである)。しかし、北岡は相手の言葉をよく理解できないまま交渉していたため、「空龍街以外で薬物を売りたい」という要求にもうっかり「イエス」と答えてしまう。これを許可ととったブラジル系のマフィアは、北岡との取引に応じる一方、京極組の領域である黒焉街で薬物を売っていたところ、久我と一条に見つかり捕まった。しかしこの時、彼らは「自分達は天羽組の傘下であり、北岡の指示で行っている」と事実と異なる言い訳をしてしまう。これに怒った京極組組長の日下は、一条に北岡の粛清を命じた。

このような背景を知らなかった北岡は、舎弟の速水から取引成功の祝いに「黒焉街のバーで酒を飲もう」と誘われる。北岡はその店が黒焉街の老舗であることに違和感を覚えたが、思い過ごしだと考えてこれを快諾。しかし店に着くと速水が酒に酔った勢いで北岡や天羽組に関する情報を店内で喋り出してしまい、これを聞いた店長がこっそり一条に電話連絡した(そもそもこの店は40年にわたって京極組にミカジメ料を払っており、京極組とは普段から懇意の関係だった)。

飲み終えた北岡と速水がバーを出ると、日本刀を構えた一条が待ち構えていた。「シマ荒らし」と一方的に決めつけられた北岡は必死に弁解しようとするが、一条は聞き入れず戦闘になってしまった。北岡はまず銃をとって戦ったが全て回避され、直後の斬撃で左目を斬り裂かれて視界を失い、続く斬撃で胴を薙ぎ払われて致命傷を負い、倒れてしまった。それでも北岡は最後の力を振り絞って、手持ちの串で後ろから一条の大腿部を刺し、一条の足止めをしている間に速水を逃がすことに成功した。

しかし、北岡は最終的に一条に叩き斬られてその生涯を終えた。そして、速水からこの報告を聞いた天羽組は烈火のごとく怒り狂い、組長の天羽桂司は天羽組の組員に日下の暗殺を命じた。そして描写にはなかったが、実行者である一条も粛清対象に入っている。


久我がキャバクラのママからの話を聞いて組に帰った時に、カシラである五十嵐が一条に厳しい表情で天羽組が報復に来ることと、命令を下した日下と実行した一条が狙われていることと、常に臨戦態勢でいるよう伝えた。その後、京極組はシマを荒らしたことは天羽組に非があるというのが京極組の論理である事、そして日下が久我に「小峠華太を狙え。戦線離脱させれば殺す必要はないが、最悪は構わない」との指示を下したという事を伝えた。しかし、五十嵐はこの指令にはあまり納得がいっていない模様であり、事情すら聞かずいきなり殺害指令を出した日下と、この指令を即座に実行してしまった一条が100%正義ではない、天羽組は将来有望の北岡を殺されて怒るのもわかるとあまり大事にしたくない模様であり、何とかしてでも落とし所を探しだし、可能な限り停戦もしくは条件付きの和解に持ち込ませようと尽力していた。しかし、北岡と飯豊が主人公となった動画で、久我が小峠を尾行しているシーンがあり、この指令があったためだと思われる。


若き天才vs努力の凡才編集

センシティブな作品

天羽組が北岡を弔った後に、カシラである阿久津が作戦会議を立て、北岡を殺すよう指示した日下と一条を粛清対象に、そして久我は殺す必要はないが数か月入院状態にするように指示した。その後、双方の組上層部は下っ端に無益な戦闘で火種を大きくしない様厳命していたにもかかわらず、この抗争で手柄を挙げたいと高揚していた下っ端の小競り合いが各所で繰り広げられ、血気盛んな飯豊も店の迷惑も考えずに京極組の下っ端と殴り合いになる(小峠は店のことを考えろとヤキを入れていた)。しかし飯豊は懲りずに暴れまくり、その結果京極組のキーマンである、「久我虎徹」と衝突する。飯豊は倒せば大手柄と自信満々であったが、あの京極組のスーパータフガイの顔面を陥没させるほど強い紅鬼と勝負がつかなかった久我に勝てるはずもなく、久我の一方的な猛激で飯豊は瀕死になる。その現場に小峠が辿り着き、これによって久我と小峠が一騎打ちになる。

一騎討ちに突入するや否や、久我は持ち前のスピードで小峠を翻弄。まず腹を斬り裂き、続けて凄まじい猛撃を繰り出し、小峠を一方的に追い詰める。だが小峠も致命打だけは何とか避けながら攻撃の機会を窺うが、全く手も足も出ず防戦一方。更にはフェイントを交えて繰り出される久我の拳打や蹴りをまともに喰らい、骨折レヴェルの大ダメージを負ってしまう。

しかし、小峠は己の最大の武器である精神力で久我に食らいつき、ドスの工藤からの教えである「天才は無傷で勝とうとする。わざと腹を刺させて身動きを封じ相打ちに持ち込め」を命懸けで実行。久我にわざと腹を刺させて身動きを封じ、お返しと言わんばかりに久我の腹にドスを突き刺して吐血する程の重傷を負わせる事に成功する。勝利の為ならば自らの命すら顧みない小峠の凄まじい精神力に恐怖して及び腰になった久我は隙だらけの状態になり、其処に小峠がトドメを刺す……

はずだったが、瀕死の状態だった飯豊が必死の形相で泣き叫びながら止めに入ったほか、京極組の猛者である六車と久我の舎弟の野島が駆け付け、飯豊と共に戦線離脱し、闇医者の氷室の元へ向かい、最終的に意識が途切れてしまったが、小峠は翌日に目を覚ました。また、カシラの阿久津も久我の実力を思い知り、「バケモン」と評していた。その後小峠は前線に復帰することを考えている。

一方で久我も六車と野島によって、闇医者に運ばれた。しかし、久我は小峠の恐るべき精神力に恐怖を覚えたこと、小峠に精神力で完敗したことで悔し泣きし、六車に宥められていた。

六車「泣いた分だけ強くなれ 虎徹」


紅林の腐れ縁である西条が女性の半グレ組織「美火暗」に拉致られ、助けた後に紅林が道で一条と出会う。一条は天羽組との戦闘が控えているため更なる精度向上のため、紅林にフルマックスパワーのパンチをしてくれとお願いし、紅林のフルパワーを受ける…はずが、相手のスキをかわし、紅林の超スピードパワーをかわしながら紅林にナイフを入れる隙を見ていた。どうやら一条はパンチを受けるわけではなく、天羽組には同等か上の超スピードを持つ狂人がいるため、そのスピードに対応できるかどうかを実践した模様。その結果、だいぶ自信がついたらしく、翌日の動画で久我曰く「殺戮オーラが増大している」との事。


全面戦争突入編集

一条と野島の二人が黒焉街でいつもの様に見回りをしていると、須永と工藤のコンビと遭遇。須永vs.一条と工藤vs.野島の構図が出来上がり、戦闘に突入。一条の卓越した戦闘センスに防戦一方になる須永だが、致命打を持ち前の野生の勘で回避しまくり、変則的な攻撃で攻守逆転する。しかし、欲をかいた所為で空き瓶につまづいて強烈な一撃を貰ってしまう。一方の野島は工藤に斧で斬りかかるも、実力差は歴然。悉く回避された挙句に左膝を破壊されて無力化されてしまう。そして工藤が須永に加勢し、戦況は一条の圧倒的不利に。須永の変則的攻撃で体勢を崩した一条は工藤に腹を刺し抉られて致命傷を負ってしまう。気合いで工藤を刺し返すも、工藤は致命傷を負ってはおらず涼しい顔で平然としている。絶体絶命の一条に久我と六車が加勢。形勢不利と判断した工藤と須永は潔く撤退。その後、久我と六車の手で一条と野島は病院に担ぎ込まれた。幸い一条は病院に担ぎ込まれたのが早かった為に一命を取り留めたが、戦線離脱してしまう事になった。一方の野島も数ヶ月間の戦線離脱を余儀なくされた。


不意打ちの猛襲編集

朱雀町での粛清を終えた小峠と冨樫を排除する為に、小峠には六車が、冨樫には相良と鷹橋が差し向けされた。冨樫は相良と鷹橋によって車で撥ねられて重傷を負ったところを相良に叩きのめされて瀕死になったが、気合いで相良に一矢報いて彼の肋骨を全て破壊する事に成功する。しかし、予め「一度轢いても冨樫が死ななかった場合、もう一度轢け」という相良の命令に従った鷹橋によって、冨樫は再び撥ねられてしまい、内蔵をぐちゃぐちゃに破壊されてしまう。しばらくして冨樫を探しにきた香月と飯豊に発見されるも、既に冨樫は事切れていた……

一方の小峠は六車に襲撃され、銃撃で応戦するも京極組最強クラスの実力者であり裏社会有数の剣豪である六車には通用しなかった。一人ではとても勝てないと判断した小峠は、六車に複数回斬りつけられながらも逃げ、和中が会議中のクラブ「LEON」に辿り着く。そして腹の底から絶叫して和中に助けを求め、それに応えた和中によって小峠は窮地を脱する。そして此処に、和中と六車という、剣豪二人の一騎討ちの火蓋が切られた。


真紅の一刀vs群青の双剣 死闘の果てに編集

六車に急襲された小峠が和中に助けを求めた事で突入。和中は一騎討ちだから助太刀は許さないと小峠に釘を刺した。最初は六車が疾風の如き速度で和中に肉薄、右剣で袈裟斬りを繰り出すも和中に防がれる。しかし六車の膂力は脅威の一言で、和中の守りを押し切ると和中の袈裟を浅く裂いた。その直後、意趣返しと言わんばかりに和中が突撃。六車をして疾いと言わしめる、閃光の如き速さで六車に肉薄し、上下半身を分断しようとした。しかし、六車の双剣による守りは鉄壁で、右剣で防がれた後、左剣による斬撃が飛んできたが和中は紙一重で回避。睨み合いになる両者、急に六車が「正当な流派の剣術を収めた和中が前々から気に食わなかった。叩き上げの雑草の強さを思い知らせてやる」と告げ、和中に突進した。そして双剣による手数を活かして凄まじい連撃を繰り出すも全て和中に紙一重で回避され、壮絶な打ち合いになだれ込んだ。しかし、和中の速さは常軌を逸していた。六車の双剣を物ともせず手数で圧倒し、袈裟懸けに六車の胴を深く斬り裂いた。しかし六車は一切怯まず、全体重を右剣に乗せて落石の如き剛撃を叩き込んだ。和中はこれを易々と受けるが、その重さに体勢を崩し、六車の左剣による薙ぎ払いを腹に喰らってしまう。起死回生の攻撃で体勢を立て直した六車は、「エリートのお前に戦場で育った修羅の強さを思い知らせる」と豪語。しかしそれが和中の癪に触ったのか、和中は「自分は決してエリートではない。血反吐を吐くような鍛錬の末に今の境地に辿り着いた凡人でしかない」と言い放ち、最速の技を放った。六車の喉笛を狙ったその技は六車に流されてしまうも、左肩を貫き六車の左剣を封じる事に成功する。そして再び和中が最速の技を放ち、六車は今度こそ喉笛を貫かれ絶命……と思いきや、回避不可能である事を悟っていた六車は、自らの頬を貫かせて和中の刀の刀身を歯で噛んで止めると言う無茶苦茶な捨て身を敢行。和中を武装解除させる事に成功する。それでも和中は「貴様などもとより徒手で十分」と言い放ち戦闘を継続しようとする。勝利を確信した六車は残った右剣を大上段に振り上げた。しかし、もはや限界であった小峠によって六車は腹部を銃撃されてしまい、そのまま昏倒してしまう。彼を失う事を惜しんだ和中によって、六車は闇医者氷室の元に担ぎ込まれた。因みに和中の命令を無視して助太刀を行った小峠は和中にヤキを入れられた。

ちなみにその後、京極組事務所は羅威刃による爆破襲撃を受けるが、この出来事は天京戦争と全く関係のない別件のためここでは割愛する。詳細はこちらを参照。


亡き兄貴分の教えを胸に 新人舎弟vs残忍極道編集

小峠、香月、小林らの熾烈極まる京極組の下っ端狩りで、冨樫を殺害した者が相良と鷹橋だということが判明。天羽から野田、小峠、飯豊に相良の粛清命令が下る。京極組も厳戒態勢の為、情報屋にあたることができないために飯豊は自分の暴走族時代の後輩達に相良の居場所を突き止めるよう連絡をした。

一週間後、後輩が遂に相良の居場所を突き止める。場所は久遠町の三番地であり、飯豊の自宅のすぐ近くだった。小峠に相良を発見した旨の連絡をした後現地に向かう。その後、シノギを終えて別の場所に車で向かおうとする相良を発見するも、天羽組の狂人兄貴達に匹敵するほどの戦闘力と狂気を感じ臆してしまう。しかし、冨樫の「なりたい自分がいなければ、それを見つけて目指したらいい」という言葉を胸に相良に挑む。隔絶した戦闘力と経験の差に圧倒されるものの飯豊は根気で立ち続ける。だが、ドスは警戒されて当たらないと悟り、相良にカウンターで拳を叩き込む事を思い付く。しぶとい飯豊を完全に沈めるべく、相良が繰り出した攻撃を喰らって鼻骨を折られる寸前に冨樫に教えられた「人生をはじき返す気迫で受け止めることができれば隙が生まれる」ことを思い出して何とか耐えきり、執念と魂の込めたパンチを相良の脇腹に叩き込む。そこで飯豊も相良も全く予想していなかった事が起こる。実は冨樫との戦闘で喰らったハンマーの一撃で折れた肋骨がまだ治っていなかったため、その肋骨が折れて内臓に刺さって相良は吐血して行動不能になってしまう。勝機を見つけた飯豊は一気に懐へ潜り込みドスで相良の腹を斜め上に切り裂き、致命傷を負わした。そして小峠と野田が駆けつけた時、既に相良は虫の息だった。そして相良は飯豊に火をつけてもらい、タバコをふかしながら、鷹橋は自分の命令で動いただけだから勘弁してくれと頼み、野田はそれを相良の最期の頼みとして了承した(鷹橋も粛清すると決めたのは組ではなく野田の判断であったため)。そして相良は「俺はお前にやられたわけじゃない。あのおっさんと引き分けたんだ。勘違いするな」と言い残しそのまま息を引き取った。その後、野田は飯豊に「飯豊、よくやった。たいしたもんだ。冨樫も喜ぶだろう」と労い、飯豊は号泣する。

一方でその帰り道、野田は小峠に「気合い入れとけよ華太。京極組にも死者が出た以上、これからこの戦争は激化するぞ」と真面目な顔で告げたのだった。

後日あげられた状況整理の動画で、飯豊が京極組に狙われる身となった事が判明した。…のだが(後述)


「漁夫の利」を狙う羅威刃と河内組、貴凛町の守護者、それぞれの『第三者』の横槍編集

お互い無駄な抗争で火種を大きくしない様注視する中、貴凛町で京極組と天羽組の構成員が争いになっているとの報を聞いてそれを止めるべく近藤が駆けつけたが、そこに謎の男が現れ、全員殺されると直感で感じた近藤は男の前に立ちはだかるも完膚無きに叩きのめされ、近藤は長期の入院を余儀なくされた。


抗争も激化し、双方とも負傷者が増えて疲弊していく中、久我の前に突如武闘派半グレ組織「羅威刃」の新トップの城ケ崎が現れ、一時は一触即発の事態になるが城ヶ崎はあくまで挨拶として現れたと言いその場を去る。しばらく経ち一条と野島が退院し、2人の復帰に喜ぶ京極組だったが、突如事務所に羅威刃のダンプが突貫し、ダンプに仕込んだ爆弾で事務所は半壊する。とどめを刺しに来た羅威刃の前に全身を負傷し満身創痍の一条が立ちはだかり、ボロボロの身体を押して羅威刃の雑兵を撃退して組員を守り抜いたが、その直後に意識を失う。結果、京極組は多くの死傷者を出し、一条も意識不明の重体で再び入院する事となり、事務所もしばらくの間は第二事務所に移る事となる。一方天羽組も疲弊していた所を、一時は停戦状態だった「河内組」や半グレ組織が空龍街と朱雀町のシマを狙うようになり、組員全員がシマを守るために連日駆り出される事となる。


元暗殺者の内なる思い 大逆無道の暴君を討ち果たす編集

相良颯誠の死を皮切りに激化していく戦争。そんな中、天羽組の小林幸真が行動を起こす。幼少期から裏社会で暗殺者として過ごしてきた為、ある種の勘が働く彼は、この戦争の裏に何かあると睨み、天羽組、拷問ソムリエ御用達の情報屋を頼り独自に調査していたのである。その結果、彼は京極組組長日下の裏の顔と、北岡の死の真相を知る事になった。そもそもこの戦争は天羽組の北岡隆太がブラジリアンマフィアとの交渉でヘマを犯し、結果として黒焉街でブラジリアンマフィアが薬物の取引を始める様になったのが原因である。しかし、碌に下調べも何もせずに日下が即断即決で北岡の殺害を指示したのには裏があった。日下は京極組のシマである黒焉街で、メキシカンマフィアであり世界的な麻薬カルテルでもある「マッド・カルテル」に麻薬の販売を独占させ、その見返りとして巨額の賄賂を受け取っていた事、しかもその事を子分達に一切知らせず「シマ荒らしから黒焉街を守る」と言う大義名分を掲げて、マッド・カルテルの悪行を知らず知らずのうちに手助けさせていた事、そして自分の金稼ぎの邪魔をした北岡を逆恨みで殺した事(ただし無自覚ながらもシマ荒らしをした北岡にも落ち度はある為完全な逆恨みとは言い切れない)であった。それを情報屋から聞かされた小林は、凄まじい憎悪と怒りで魔王すら裸足で逃げ出す様な恐るべき形相を浮かべ、日下の惨殺を改めて決意するのであった。そして情報屋から日下の行方を握っているのは武闘派半グレ組織「羅威刃」であると聞かされ、早速羅威刃の下っ端を片っ端から叩きのめして尋問すると言う行動に出た。それを繰り返していくうち、小林は羅威刃幹部の間宮恭平に辿り着く。小林は下っ端達と同じ様に間宮を叩きのめして尋問し、日下の情報を聞き出した。その情報に従い、小林は竜桜町に点在する32のタワーマンションの入り口付近に小型カメラを仕掛け、ほぼ不眠不休で監視を続けた。そして3週間以上経ったある日、小林はそのうちの一つに日下と護衛が映っているのを確認。即刻襲撃を敢行した。そして護衛をゴミ処理めいて片付けると、私利私欲と保身に塗れた日下の下衆の言い訳(ただし冨樫殺害に関しては何一つ関与しておらず、日下の言い分は一部事実であるため線引が難しい)を論破し、史上最強クラスに強烈なグリングリンを日下に喰らわせて殺害した。これは京極組にとってメンツ丸潰れを意味し、のちに若手達が報復を画策していることが判明した。


若き天才と努力の凡才、再び出会い、刃を交える。編集

  • 舞台版オリジナルエピソード(未動画化)

遂に京極組は真実を知る編集

日下殺害を受けて京極組仁義外れ幹部にして日下亡き後の仁義外れ派閥のトップ・桑田裕二は五十嵐に罪を着せるため天羽京子を拉致・殺害するように白武に指示し、白武も嬉々として受け入れて実行しようとするも、その作戦は察されており永瀬光一により白武は始末される。

それと同時期に国生は日下殺しの犯人を探すため空龍街でシマ荒らしをしていたところ小峠華太と野田一に遭遇。日下に疑念をもったままではいくら国生と言えど拳に魂が入らず野田に敗北。勝利した野田は国生に日下を疑うようにアドバイスし、国生・五十嵐・海瀬による日下の遺品調査が進められることとなった。そして後日、天羽京子の拉致・殺害計画の首謀者として桑田は仁義破りとして五十嵐、海瀬に粛清されたと思われる。


終戦。そして……編集

組長である日下の死に怒り狂う久我や海瀬達は、天羽組の組長である天羽桂司の命を獲らねば天秤が釣り合わないと怒りを溜め続けていた。そんな中、五十嵐幸光主導で行われていた京極組の内部調査と日下の遺品整理が終了。その結果、五十嵐は日下の悪事の全貌を知り自分達に大義が無かったと知る。同時に何も知らないまま日下の薄汚いシノギに加担させられた挙句、天羽組の構成員2名の命を奪ってしまった事に愕然とする。それを知らされた久我達構成員も当然ながら愕然。久我に至っては大義もへったくれもなかったのに、自分達は何を犠牲にしてきたのだと悔し泣きをした。そして五十嵐は自分達に非がある戦争を終わらせ組員を守るために単身天羽桂司の家に趣き誠心誠意謝罪。エンコ(両手小指)と切腹(こちらは小峠が寸前で止めた)で手打ちにする覚悟を見せた。天羽はその覚悟に対する見返りとして、


・京極組は天羽組に対して詫び料3億円の支払い


・京極組は空龍街と朱雀町におけるシノギの永久的な禁止


・天羽組は用があれば黒焉街での活動が可能


という不平等条約を提示したが、五十嵐は迷わずこれを受け入れたことで手打ちとなった。

こうして天羽組の北岡隆太の死を皮切りに勃発し、裏社会を騒がせた天京戦争は、京極組の敗北という形で決着した。


そして、天羽組では長年の宿敵である「河内組」に、京極組では先の天京戦争で事務所を爆発した半グレ組織「羅威刃」に対する新たな戦争が始まろうとしていたが、天羽組はなんととある組からの幹部襲撃によって、思わぬ戦争が幕を開けるのであった……


この後、日下の葬儀が執り行われ、京極組の若頭である五十嵐は、前組長の日下が死んだ事により、京極組六代目組長に襲名した。


その後、天羽組に対する京極組の支払いは行っているが、支払い方法は提示中であり、天羽から1年以内に詫び料を完済するなら分割でも良いと伝えられている(しかし3億という詫び料は月額2500万円、日額だと約82万1917円という高額であり、組総出でシノギをする必要があるため、新生京極組後は五十嵐からしっかり稼いで来いと活を入れられている)。

また、天京戦争終結後の関係は犬猿の仲という訳ではないようで、佐古と速水の状況整理では2人の仲良さげなやり取りが窺えたり、速水・飯豊、野島・佐古の状況整理で野島が羅威刃の東雲に足を切断されたことを飯豊が心配する一面もあった。

また、京極組の次なる戦争で国生が死亡してしまったときに、野田と小峠は葬儀に出向いて弔い、久我が天京戦争で小峠と切り合ったことを謝罪しており、両組の蟠りは無くなったと思われる。尚、この戦争の発端となった一条康明に関しては天羽組側は小林の発した「組織のためにやったんだろうが」という事を理解しているので恨みこそないが、かと言って完全に許している訳でもないという複雑な状況にあり、張本人である一条に関しても申し訳ないと思っており、天羽組には何か詫びたいと思っている様子。

戦争終結から約半年が経過し、2時間にわたる天京戦争のまとめ動画が投稿された。この動画にはオリジナル編集を加え、オープニングCGなども付けている。ちなみに、北岡が外国語を理解できないままブラジルマフィアが空龍街以外で薬を売るのを容認してしまうシーンや冨樫の仇をとった飯豊に野田が労うシーン等が一部省かれている。また、今回の戦争の重要人物の一条の戦線離脱の過程を語るために第3勢力の羅威刃が動画に登場する一方で、瓜生によって近藤が戦闘不能にさせられる動画は入っておらず先にイッキ見の方を観ると「あれ?いつの間にか一人戦線離脱してる。」というおかしな状況になっている。


この激突で犠牲になった組員編集

天羽組編集

北岡隆太

俳句の一条により死亡。彼の死により天羽組と京極組の全面戦争が勃発するきっかけとなった。

尚、公式サイトではあたかも戦争中に落命したかのように表記されている。


冨樫宗司

特殊警棒の相良と鷹橋修也による卑劣な襲撃によって死亡。



京極組編集

吉岡

日本刀の和中によって死亡。彼の死後、京極組が報復に乗り出す様子は見受けられなかった。

ちなみに彼は上述の通り選挙戦で天羽組と激突した際に落命しており、天京戦争中に死亡した訳ではない。


相良颯誠

冨樫の敵討ちにきた飯豊朔太郎とタイマンになり、当初は優勢だったが冨樫から受けた怪我に飯豊の強烈なパンチが入り内蔵に肋骨が刺さったスキにドスで胴体を切り裂かれ死亡。最後は天羽組に鷹橋は許してやって欲しいと頼んでいた(天羽組は組織として鷹橋の命を狙っていたわけではないため野田一は了承した)。


日下孝次郎

この戦争の元凶にもかかわらず指揮を放棄。竜桜町の高級マンションにガラをかわしながら女遊びをして悠々自適に過ごしていたところ小林幸真に潜伏先がバレてグリンで討伐される。しかし、彼の死は京極組を腐らせていたガン細胞の除去を意味し、左遷されていた腕利きの帰還など、京極組をより勢いづかせる結果になってしまい、野田が国生に忠告しなければ更なる報復が待っていた。


白武利光

組長の妻を狙っていた際に永瀬光一に遭遇。何もできないまま喉を潰された挙句に目玉をガスバーナーで炙られ、尋問に答える間もなく殺害された。戦闘能力のない妻を狙われたことに怒りを抑えられない天羽は五十嵐に白武を犠牲にカウントしないように警告した。


この戦争で行方不明となった人物編集

天羽組編集

なし

京極組編集

桑田裕二

白武の天羽京子の拉致・殺害を煽動した首謀者として、仁義破りとして五十嵐と海瀬に粛清されたと思われる(ただし明確な描写や言及がないため生存説が浮上している)。組幹部ではあったが汚いシノギしかしなかったため組にとっては害悪でしかなく、何ら影響はないと思われる。また直接天羽組の構成員に殺された訳では無いので犠牲者に数えられてない。

ちなみに他の外道派組員にも策略の件で声をかけたが賛同したのは白武のみ(藤宮を始めとする他の生存している外道派組員については不明)であり、桑田の粛清で外道派幹部は全員淘汰された結果となり、五十嵐の六代目襲名の際は満場一致で賛成、新生京極組として憂いの無いスタートとなった。


戦績編集

(天羽組陣営×京極組陣営)

・和中(勝) × 吉岡(敗死)※戦争本格化以前のもの

・北岡&速水(敗、北岡は殉職) × 一条(勝)

・飯豊(敗) × 久我(勝)

・小峠(分) × 久我(分)

・工藤&須永(分) × 一条&野島(分、野島は退場)

・小峠(敗) × 六車(勝)

・冨樫(敗死) × 相良&鷹橋(勝)

・和中(勝) × 六車(敗、小峠の不意打ちにより戦線離脱)

※このタイミングで、京極組事務所が羅威刃の奇襲により爆破され、一条が戦線離脱。近藤も別件で戦線離脱。

・飯豊(勝) × 相良(敗死)

・小林(勝) × 日下&マッドカルテル構成員(全員敗死)

・永瀬(勝) × 白武(敗死)

※この後で、京極組幹部・桑田裕二が行方不明となる

・野田(勝) × 国生(敗)


功績編集

小峠華太∶(相打ちながらも)久我撃退、和中を護って六車を戦闘不能に、香月・小林と共に冨樫殺害の犯人が相良である事を突き止める

小林幸真∶日下殺害、日下の真実を突き止める

和中蒼一郎∶小峠の救護

野田一∶国生撃退、国生に日下についての真実を調べるよう伝える

永瀬光一∶桑田の策略から京子を護る、白武殺害

飯豊朔太郎∶相良殺害、深手を負いながらも久我を刺し合おうとする小峠を静止

冨樫宗司∶(致命傷を負いながらも)相良に後の一戦に響く深傷を負わせる

天羽桂司∶五十嵐の命をかけた懇願に応えて手打ちに応じ、戦争を終結させる


天京戦争に込めたスタッフの願い編集

なお、この天京戦争編が終結した日のヒューマンバグ大学公式Twitterでは、天京戦争編に以下のような願いも込めて動画をつくっていたことが明かされた(コチラを参照)。


戦争に勝者などいない。尽きぬ思いを抑え込んででも、終わらせられるならば...終わらせる方が良い野田。


舞台版編集

天京戦争の終結から一年以上経った2023年8月5日に、本エピソードの舞台化作品となる「舞台 華の天羽組-天京戦争編-powered byヒューマンバグ大学」が発表された

公式サイト

公式X(Twitter)

同年12月9日〜17日までの日程で品川プリンスホテル クラブeXにて上演。脚本は鈴木智晴氏、演出は扇田賢氏が担当。


登場人物


天羽組

・⼩峠華太:⾺場良⾺

・⼩林幸真:磯⾙⿓乎

・和中蒼⼀郎:國島直希

・野⽥⼀:碕理⼈

・須永陽咲也:五⼗嵐啓輔

・飯豊朔太郎:毎熊宏介

・⼯藤清志:横⼭真史

・北岡隆太:松⽥将希

・冨樫宗司:笠原紳司

・天⽻桂司:⾦⼭⼀彦

・速水泰輝


京極組

・久我⻁徹:校條拳太朗

・⼀条康明:杉江⼤志

・六⾞謙信:林光哲

・相良颯誠:千⽥京平

・五⼗嵐幸光:⼤迫⼀平

・⽇下孝次郎:篠原功

・野島翔

・鷹橋修也

・国生英明


羅威刃

・城ヶ崎賢志

・津田


その他

・伍代千隼


アンダーキャスト

・佐藤祐亮

・木村一輝


注意編集

天羽組と京極組との抗争で、自身が応援しない組や組員に対する誹謗中傷が多々見受けられる。どちらを応援するかは個人の自由であるが、応援しない組やその組員に対する誹謗中傷は慎むべきである。ましてや組員を応援しているファンや創作者への誹謗中傷は、とんでもない仁義外れであるので控えるべきである。


関連タグ編集

ヒューマンバグ大学 天羽組 京極組

戦争 極道 ヤクザ


小峠シリーズにおける長期抗争編集

天京戦争羽王戦争天城戦争


久我シリーズにおける長期抗争編集

天京戦争京羅戦争京炎戦争麻薬戦争


その他ヒューマンバグ大学における戦争シリーズ編集

EL戦争ME戦争(瓜生シリーズで展開)

獅子王戦争(阿蒜シリーズで展開)

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