ここでは、同組織内で発生した戦争について説明する。
タイトルとなっている物語そのものについては河内組舎弟・阿蒜寛太の地獄日記を参照。
極道に暴力は必要だ。だが何でもかんでも粛清じゃあ恨みを買うだけだ。仁義を守り任侠に生きることが極道に繋がるんだ!
暴力こそが極道の真髄。俺たちが強いからこそシマで喧嘩がなくなって安定を生むんだよ!
概要
阿蒜寛太が元々所属している獅子王組の内部分裂によって起きた内部戦争。
獅子王組となっているが、旧名は河内組であった。
事の発端(河内組時代)
河内組の組長だった河内は重度のアルツハイマー型認知症にかかり機能不全状態となってしまう。彼は自分の身に何かあった時に備えて若頭である小御門を後継者として育てていたが、彼は鎌田組のヒットマンに殺害されたため、河内組は組長も若頭も不在の状態になる。
この結果、空位となった組長の座を巡ってナンバー3の黒澤航太郎とナンバー4の眉済俊之の正反対の思想が真っ向からぶつかり合い、内部抗争が勃発する事となった。
河内の迷言により河内組は獅子王組に改名されたのはこの時期である。
比較
共通点
- 対決する派閥は同じ組織に所属している。
- 幹部はいるが、どちらの派閥にも味方をしておらず中立(と言うより機能不全)の状況である。
- どちらも組長になる事を焦点に置いており、組織全体の弱体化を防ぐためターゲットになる人物以外を極力命を奪わないスタンスを取っている。ただし井上に関して黒澤は調子に乗り過ぎているなら、始末するしかないと発言している。眉済派も来栖の事も病院送りで済ませられるならばそれでいくスタンスだが、やむを得ない状況になれば殺す方向である。
相違点
眉済派
- トップ:眉済は仁義と任侠を重んじる穏健派かつ改革派であり、武力による殲滅よりも交渉で進める事を是としている。
- カタギへの対応:眉済の方針もあってカタギへの対応は律儀で真っすぐ。
- 人員:黒澤派よりも少人数であるものの、黒澤派の猛者や物量と真っ向から対立できる一騎当千の猛者が揃っている。また、必要とあれば京極組とも協力している。
- 構成員の人間性: 仁義と任侠を重んじる派閥なだけに仲間意識や結束力が強い。しかし、黒澤派の構成員程ではないが、功名心に駆られて無謀な勝負を挑んでしまう者もいる。
- 組織体としての弱点: 少人数なため若手の構成員は勿論、要となる精鋭の武闘派が戦線離脱もしくは命を落とせば戦力に大打撃を受ける確率がかなり高い。また、任侠を貫く方針を諦め金稼ぎが大事と悟った組員の裏切りもあり得る。
- 京極組との関係:京極組の6代目組長である五十嵐幸光とは仲が良く、その五十嵐も黒澤と犬猿の仲なため、互いに仁義を重んじる者同士協力し合っている。五十嵐が京羅戦争終結後には力を貸すと公約しており、終結後に約束通り久我虎徹と犬飼鷹四郎を派遣してもらえた。
- 紅林二郎:現時点で面識があるのは阿蒜寛太・龍本雅幸・伊武隼人の3名である。龍本とは敵同士でやり合ったものの、阿蒜や伊武とはカタギを巻き込む半グレ組織の粛清に向けて協力し合った。また、紅林の仲間である愛天雄の羽柴和成の姉は伊武と面識がある。
- 羅威刃(並びに戒炎)との関係:東雲竜政と秋元詩郎が黒澤派と協力関係にある事を聞きつけており、久我と犬飼に伝えるなど警戒している。
黒澤派
- トップ:黒澤は旧河内組時代の先代から続く暴力的・交戦的性質を受け継ぎ、力と金がものを言うという主張を掲げている保守派である。
- カタギへの対応:来栖三成を除きカタギの事情を考慮する事なく(貸したお金とは言え)借金を容赦なく取り立てる等、恐怖を感じさせる当たり方をしている者が大半である。また、他にも黒いシノギを行っているとされている。
- 人員:眉済派の数倍の人員を抱えているだけではなく、中には一騎当千の実力者や若手ながら相当な実力を備えた者もおり、PCのセキュリティを突破して重要人物のスケジュールを入手して見せる情報屋も抱えている。また、利害が一致すれば半グレ集団を引き込むもしくは協力関係を結んでは戦力を拡充している。
- 構成員の人間性:黒澤の影響もあって戦闘やシノギは手段を選ばずに行う者や功名心に駆られる者が多い。一方、構成員の中には貧困がきっかけで大切な家族や舎弟を喪った事による強迫観念が原因でシノギ重視の考えになってしまった構成員が複数名いる。金稼ぎが大事で任侠だけじゃ貧困を乗り越えられない考えは、トップである黒澤が味わった貧しさによる悲劇から来る強迫観念によるものが大きい。
- 組織体としての弱点:金と名声を求める人物が多いだけに、何かしらのきっかけで暴走する可能性が拭えない。井上月麦曰く、「黒澤派は実力主義で成果を求める」と言う言葉通り、黒澤から褒められたいがために勝手な行動や凶行に及んだ挙句失態を犯す、最悪命を落とす者が実際に出ている。
- 京極組との関係:京極組の現組長である五十嵐とは犬猿の仲であり、黒澤派が跡目争いに勝てば京極組の敵になるのは確実であり、黒澤としても京極組を完全に潰す事も視野に入れている。
- 紅林二郎:現時点で面識があるのは来栖のみ。但し紅林は組の名前が変わった事や来栖が黒澤派の人間である事は認知しているが、来栖が仁義を重んじる人間である事も重なってか内部戦争については知らない。
- 羅威刃(並びに戒炎)との関係:東雲や秋元と協力関係にある。事と場合によっては戒炎の構成員と協力を結ぶ可能性もあり得る。後に戒炎トップ・我妻京也との交渉は決裂し、羅威刃トップ・東雲からは京極組が元居た場所に戻ったのもあって勝手に離れていった。
イッキ見動画
獅子王内戦完結後の9月24日に本エピソードのイッキ見動画が投稿された。累計5時間程度と大ボリュームではあるが、本記事は動画のスポイラーを多く含むので上記の動画を先に視聴しても良いだろう。
経緯
→獅子王戦争まとめを参照。
この戦争で負傷した人物
眉済派(京極組陣営も含む)
半田戦で重症を負うも、村井の協力もあり生き延びることができた上に半田を討伐することに成功する。
阿蒜らと事務所に詰めているところ、阿蒜と西山が犬型ロボットに爆弾が付いた事に気付かないまま不用心に通した事で爆撃されてしまう。爆破のダメージと、犬亥ら構成員との戦闘と黒澤派に寝返った半田によって相当なダメージを負ってしまう。後に入院する病院の医者を買収した黒澤派の鮎川らに襲われ、更に重傷を負ってしまう。
黒澤派(羅威刃陣営も含む)
眉済の1日のスケジュールを優秀な情報屋によって割り出し、複数の構成員を従えて綿密な計画で奇襲する。構成員らによる鉄球と銃の嵐、手榴弾で龍本を重傷に追いやり、阿蒜も手にかけようとするが、井上の乱入で未遂に終わる。戦闘に発展するも、圧倒的な実力差の前に現れ、重傷を負いながら援軍によって命を拾う。
柳楽、井上に敗北してそれぞれ重傷を負うが生存。
鮎川を斃した龍本の下に現れて戦闘に発展する。以前よりも戦闘技術を上げ、更に冷徹になって覚悟を高め、龍本を極限まで追い込むも、龍本や阿蒜の機転で逃がしてしまい、自身は腹を斬られ左腕を貫かれる負傷を負ってしまう。
この戦争で戦闘不能になった人物
眉済派(京極組陣営も含む)
入院した久我を見舞いに行った帰り道に鮎川と戦闘になる。鮎川の強さと戦術で大ダメージを受けてしまうも、軽視できないダメージを与えた事と犬飼の介入で難を逃れた後に入院する。
阿蒜と伊武が入院する病院の医者に買収され、彼らの情報を掴んだ鮎川らに襲撃されるも、助け出した上で鮎川を屠る。しかし、黒澤派に与した東雲とかち合い戦闘に発展する。凄まじい死闘で深い斬撃を数回貰い、背中に斧による斬撃が決定打となった事で生死を彷徨う重体となってしまう。命を繋ぎ阿蒜らを救うも、脊髄損傷による下半身不随になってしまった事で、内部抗争の復帰どころか武闘派極道を引退せざるを得なくなった。
黒澤派(羅威刃陣営も含む)
- 犬亥の舎弟数名
犬亥指揮の下で伊武・西山・阿蒜を奇襲するが、伊武によって斃された。
久我が仕掛けたリベンジマッチにて雨のせいで爆薬や煙幕が使えず弛緩剤も流れ落ちたせいで状況が悪化し過ぎて敗北、溺死するはずだったが犬亥の事情を知った久我は川から引っ張り出して蘇生させる。その後久我から戦線離脱を指示され従った。
この戦争で犠牲になった人物
眉済派(京極組陣営も含む)
- 大村
眉済派のナンバー3だが、何者かによって暗殺されてしまう。
- 小島
眉済派3年目の構成員だが、犬亥に勝負を挑んだ挙句に惨殺された。
阿蒜と同期の構成員だが、犬亥の仕掛けた爆弾付き犬型ロボットの爆破から阿蒜を庇って即死した。
- 村井
眉済派2年目の構成員で舎弟の阿蒜と協力して半田を追い詰めるも、半田によって付けられた傷が深すぎたことで救援が間に合わずに命を落とすこととなった。しかし、死の直前まで粘ったことで阿蒜は半田を討伐することができた。
黒澤派(羅威刃陣営も含む)
- 荻田陽次郎
功名心に駆られ龍本と戦闘するも、あっさり組み伏せられ情けで見逃されるも、恩を仇で返すように襲う。しかし、龍本には通じず逆に殺された。
- ニック山岡
眉済派のシノギのルートを洗い出すために阿蒜と村井を拉致・拷問するが、龍本の救援を許してしまい飛び掛かるも、あっさり返り討ちされた。
- 粟野
獅子王組に出向してくる久我と犬飼を眉済派と偽って誘き寄せて抹殺しようとするも、久我の機転と犬飼のパワー、更には援護に来た伊武と阿蒜によって一気に不利になり自身だけ逃げようとするも、結局は久我に切り殺された。
- 佐島&峰岸
手柄に目が眩んで独断行動を起こしてしまい、井上と戦って負ける。
- 粟野の舎弟達
粟野と同じく久我と犬飼、救援に来た伊武と阿蒜によって全滅。
- 犬亥の舎弟2名
犬亥の指示の下で京極組に向かう久我と犬飼を奇襲するも、犬飼のパワーとタフネスの前に死亡。
- 鮎川の舎弟3名
犬飼の凄まじいパワーとタフネスの前にやられ、内2名が犬飼が鮎川や光山の攻撃から守る盾代わりにされた挙句、死亡する。
- 光山祐介
鮎川と共に犬飼を襲撃し、久我や京極組を手酷く罵倒する事で引き摺り出す事に成功し、ドスによる斬撃を2回浴びせるも、犬飼のタフネスで耐えられた挙句、顔面にハンマーを叩き込まれ死亡。しかもそれを伝えたのはエンドイラストの左上に表示されたテロップのみという、仮にも派閥の功労者とは思えないあんまりな物だった。
- 橘花の舎弟数名
橘花指揮の下で眉済・龍本・阿蒜を奇襲するが、龍本によって斃された。
パワハラと裏切りの報復を全て受ける形で阿蒜に怒りの斬撃を振り下ろされあまりに無惨な死を遂げた。
高砂戦で勝利するも、頭に頭突きと鼓膜をやられると言う軽視できないダメージを受け、犬飼の乱入で仕留め損なう。後に犬飼と戦闘し大ダメージを与えるも、カウンターの蹴りをまともに喰らって肋骨を折られると言う高砂とやり合った時以上のダメージを負った。後に阿蒜と伊武が入院する病院に彼らの担当医を買収して不意討ちに動く。作戦通り伊武を更に痛めつけるが、怒りに燃える龍本に乱入されてしまう。連戦に加え、伊武との戦いで鼻が陥没しており、龍本の剛腕による壁へ叩きつける攻撃を二発もらった事で酸欠状態になってしまい、ドスによる強烈な斬撃で致命傷を受けてしまう。
戦闘狂として戦いに明け暮れながら、かつて世話になった兄貴分の龍本とやり合えた事を誇りに思い絶命した。
羅威刃と戒炎に協力を求めたことが裏目に出てしまい、彼等の暴挙を許す結果にしてしまったケジメのため単身で眉済派のアジトに乗り込み、サシで眉済と剣撃を繰り広げるも眉済に力負けしてしまうだけでなく、自らの信念さえも揺らいでしまったことで完全に隙だらけになり眉済のドスを食らって致命傷を負う。最期に眉済に舎弟を飢え死にさせないことを忠告すると同時に、獅子王組の未来を託し安堵の表情でその生涯に幕を下ろした。
戦績
(眉済派&京極組 × 黒澤派&羅威刃)
・伊武(分) × 鮎川(分)
・龍本(勝) × 荻田(敗死)
・阿蒜&村井(敗) × N.山岡(勝)
・龍本(勝) × N.山岡(敗死)
・龍本&阿蒜&村井(敗) × 秋元(勝)
・伊武&阿蒜&久我&犬飼(勝) × 粟野(敗死)
・井上(勝) × 佐島&峰岸(敗死)
・久我&犬飼(敗) × 犬亥(勝)
・高砂(敗) × 鮎川(勝)
・小島(敗死) × 犬亥(勝)
・犬飼(勝) × 鮎川&光山&舎弟3名(鮎川以外は敗死)
・井上&龍本&阿蒜(勝) × 橘花&舎弟数名(橘花以外は敗死)
・鮫洲(敗) × 来栖(勝)
・柳楽(勝) × 来栖(敗)
・伊武&西山&阿蒜(分、西山は殉職) × 犬亥&半田&舎弟数名(分)
・阿蒜&村井(勝、村井は殉職) × 半田(敗死)
・阿蒜&伊武(分) × 鮎川&近田(分、近田は退場)
・龍本(勝) × 鮎川(敗死)
・龍本&阿蒜(実質敗北) × 東雲(実質勝利)
・久我&犬飼(勝) × 犬亥&舎弟2名(敗、犬亥は戦線離脱)
・井上(勝) × 来栖(敗)
・眉済(勝) × 黒澤(敗死)
功績
- 龍本雅幸: 荻田殺害、N.山岡殺害、橘花撃退、鮎川殺害
- 井上月麦: 峰岸チーム殺害、来栖2回目撃退
- 柳楽和光: 来栖1回目撃退
- 眉済俊之: 黒澤殺害
- 鮫洲誠司: 来栖の足止めに成功、龍本チームの救援
- 阿蒜寛太: 半田の発見、そして悪事の数々を明かした末に殺害
- 久我虎徹: 粟野チーム殺害、犬亥撃退
- 犬飼鷹四郎: 高砂の救援、光山殺害
余談
ヒューマンバグ大学における戦争シリーズにおいて珍しく、主人公サイドの味方でフルネームが明らかになっているメインキャラの死亡者が現れなかった。(眉済派を裏切った半田や死亡こそしていないものの脊髄損傷による下半身不随となったために武闘派極道を退くことになった龍本を除く。)
考察
この内部戦争は関東極道を震え上がらせる大きな戦火になると説明されており、現に眉済派には京極組の久我と犬飼が加入し、黒澤派には羅威刃の東雲と秋元がつき抗争が激化した。さらに、公式ツイートにて、羅威刃はあくまで自分たちのペースで動くのだが、黒澤派の協力者としても戒炎の協力者としても戦争に参加する予定なので眉済派の協力者である京極組にとってもこの戦争を無視できない状況にあった。
さらに、京極組のシマである黒焉街では戒炎が本格的に暗躍し始めたので、この抗争と京炎戦争はリンクしている。そして様々な組織や派閥が関与しているため、その規模は京羅戦争を超えている。
そして、黒澤は戦争に勝つために戒炎に協力を仰ぐも、勝てば花宝町の利権の半分を寄越すように要求され、同じく協力関係にあった羅威刃もまた京極組が離れたことで自分たちも離れることを宣言した上、きっちりと利益を得ようとする等好き放題を許してしまう結果に至ってしまった(ただし擁護するとこの行動は正当な期限満了であり、羅威刃だけが悪いわけではない)。更に黒澤の死亡に伴い獅子王組は仁義を重んじる眉済が組長となった。戒炎並びに羅威刃は京極組と共通の敵になり、獅子王組はのち「羅威刃狩り」で京極組をアシストした。その後の顛末は京炎戦争を参照。
関連タグ
EL戦争 - 同じく、組織内での内部対立。ただしこちらは一部の不穏分子(急変した組織の方針に反対した保守派)が集団でクーデターを画策したことで起きた。
京羅戦争 - 一時同時期に起こっていた京極組と羅威刃の戦争。
ヒューマンバグ大学における戦争
京極組
天京戦争→京羅戦争→ 獅子王組の内部戦争/京炎戦争→麻薬戦争
獅子王組
獅子王組の内部戦争→旧眉済派主戦VS羅威刃二枚看板→麻薬戦争
羅威刃