概要
獅子王組の現組長が、アルツハイマー型認知症を患い組長を続行することは不可能と判断されたため組長の座は本来ならば若頭である小御門へ継承されるはずだったが、継承式の前日に小御門が暗殺されてしまった。これにより次の跡目候補が組織ナンバー3で金を稼ぐことを重視する黒澤航太郎が率いる黒澤派と組織ナンバー4で仁義を重視する眉済俊之が率いる眉済派に内部分裂した。
内部抗争で保守派に当たる派閥。旧河内組時代の先代から続く暴力的・交戦的性質を受け継ぎ、力と金がものを言うという主張を掲げている。メンバーの黒澤と来栖三成は金が無いと任侠も成り立たないという考えを持っており、任侠あってこその金稼ぎと考える眉済派とは逆とも本質は似通っているとも言える。
黒澤派の中でも来栖・鮎川・犬亥はファンから「黒澤派の御三家」という呼び声がある。
構成員
現在は派閥が無くなったため、ここでは元構成員、協力関係にあった人物と死亡時点で黒澤派に所属していた構成員を上げる。
主要メンバー
- 黒澤航太郎 ×
CV:畑耕平
獅子王組のナンバー3で黒澤派のトップ。多数派である黒澤派を率いる金髪と成金風衣装が特徴の男。眉済曰く仁義知らずとのこと。旧河内組に入門したばかりの阿蒜寛太を強引に黒澤派へ引き入れようとしたが断られ、阿蒜に対して少なからず殺意を向けていた。
彼も元々仁義を重んじる極道であったが、当時貧乏だった舎弟が金に目が眩みヤク漬けになってしまい、それがきっかけで金が無ければ組織も成り立たないし人も生きられないという考えになった。
抗争の終盤までその信念を貫いていたものの、来栖の助言や協力関係にあった半グレ組織の裏切りがきっかけで自らの行動を振り返ることに。最後は組の仲間を守るために眉済派のアジトに単独で特攻し、潔くその人生を終えた。
「暴力こそが極道の真髄。俺たちが強いからこそシマで喧嘩がなくなって安定を生むんだよ」
- 鮎川鉄次 ×
CV:ヤシロこーいち
狂人その7。異名は「ナタの鮎川」。獅子王組でも最強戦力の一角に数えられる実力者。
伊武隼人のことが嫌いだったらしく挨拶がわりに戦闘を仕掛けた。さらに黒澤派を体現したかのような戦闘狂気質の持ち主である。
その後、内部抗争で深手を負った伊武が入院している病院を襲撃し、絶体絶命という状況にまで追い詰めたものの、駆けつけて来た龍本雅幸の参戦によって逆に不利な状況に追い込まれる。そしてそのまま激戦の末に致命傷を負い、どこか満足げな笑みを浮かべながら絶命した。
「奈落の底って見たことあるかい?」
- 半田民生 ×
CV:遠山春
狂人その6。異名は「ケーキナイフの半田」。元眉済派の中堅で、組内トップクラスの狂人とされてきたが実際には眉済派時代から舎弟を虐めていた本物のクズ。
眉済を裏切り黒澤についたが伊武に恩を仇で返したことと眉済派時代からの外道ぶりにブチギレてこれまで溜めていた怒りを爆発させた阿蒜とここで仕留めなければチャンスは来ないと致命傷を負いながらも命を賭けた村井により敗北した。さらに、これまで虐めてきた阿蒜に謝罪を要求されるが、パワハラを悪事と思っていない故に表面上の薄っぺらい謝罪しかできずに無能扱いされ、自らのこれまでの行いや論理を返されて死亡した(ただし、阿蒜は最初から彼を許す気もなく、村井は半田を止めるために犠牲となってしまった)。
「スポンジと人間って似てるよねええ!」
- 光山祐介 ×
黒澤派の若手構成員。
鮎川と手下数名と共に犬飼鷹四郎を強襲し死の淵まで追い詰めるも、犬飼の驚異的なタフネスでドスの攻撃を耐えきられてしまい、その隙に犬飼の渾身の一撃を顔面にもろにくらい絶命した。
なお犬飼のハンマー攻撃の後は本編からはフェードアウトしたが、エンドイラストの左上に表示されたテロップに「死亡:光山」と書かれており、とても敵組織のネームドキャラとは思えないあっけない最期だった。
「京極組は腰抜けばっかりだなぁ!どうせテメエも逃げんだろ!」
- ニック山岡 ×
黒澤派の若手構成員。飛びぬけてイカれていると噂であり、身内でも自分の気分で嬲り殺すことに躊躇いがない様子を見せていた外道。
阿蒜と村井に「挨拶をしなかった」と因縁をつけ(事実ではあるものの、抗争中であることから返事を返せないのは普通)強引に捕縛、海岸で苛烈すぎる暴行を加えて眉済のシノギのルートを割らせようとするが、彼は一切口を割らなかったためにいたぶって殺害しようとする。しかし、異変に気付き龍本が駆けつけてしまう。そのまま彼と交戦するが全く相手にならず倒されてしまった。
「教育がなってねえな!挨拶返せよぼけ!」
- 峰岸 ×
井上月麦の同期。
功名心に目が眩んで黒澤に命令されたわけでもないのに独断で行動してしまい、井上に挑むがあっさり敗れてしまう。
「だがな、この抗争で俺たちは名をあげなきゃならねえんだ」
- 佐島 ×
峰岸同様、井上の同期。赤髪のスキンヘッドの男。
彼と共に井上を襲撃するが、全く相手にされず小銭が額に突き刺さる。最後のチャンスとして「死相が出ているがそれでも(戦闘を)やるか」と聞かれるがこれを無視して続行した結果、殺害された。
「テメェは目の上のたんこぶなんじゃあ!」
- 粟野 ×
黒沢派の若手。獅子王組に出向してくる久我と犬飼を眉済派と偽って誘き寄せて抹殺しようとするも、久我の機転と犬飼のパワー、更には援護に来た伊武と阿蒜によって一気に不利になり自身だけ逃げようとするも、結局は久我に切り殺された。
「くそったれ!奴等の言ってたことと全然違うじゃねえか!」
- 近田 ?
黒澤派4年目の若手構成員。鮎川とともに伊武・阿蒜が入院している病院を急襲。阿蒜に攻撃されたことで鮎川に加勢することは阻まれてしまうも、圧倒的な実力で阿蒜を着実に追い込んでいく。しかし、戦闘の途中で伊武が放った強烈な蹴りを食らってしまい、窓ガラスを突き破って病室から落下、その際に受け身を失敗してしまったことで死亡こそしなかったが戦線離脱となった。その後の生死は不明。
「さぁて 手柄を独り占めしてうまいビールでも飲みますか...」
- 近本
黒澤派9年目の中堅。
自分の派閥に不満を抱いていたところを久我につけ込まれ、金に目が眩んで犬亥の情報を吐いてしまった。
氏名不詳
- 獅子王組黒澤派構成員A
ニックの舎弟。
村井を殴り倒して拉致した。やがて兄貴分のニックが倒れると、遅れて現場に到着した秋元と入れ替わる形ですぐに逃走した。
- 獅子王組黒澤派構成員B・C・D・E・F ×(全員)
粟野の舎弟達。
久我と犬飼を誘き寄せるが、時間をかけすぎてしまい救援に追いつかれ排除される。
- 獅子王組黒澤派構成員G・H ×(両者共)
犬亥の舎弟達。
久我と犬飼を襲撃するチームを組んで彼らを襲い、犬飼と交戦して負けた。
- 獅子王組黒澤派構成員I
債券回収担当の構成員。
強引な取り立てを一般人に行う場面を見せている。
- 獅子王組黒澤派構成員J・K ×(恐らく)
G・Hとは別の犬亥の舎弟達。
犬飼と対峙するが相手にされず撃破される。
助っ人
現時点で黒澤と接触した最初の羅威刃のメンバー。1月6日の動画では連絡が取れなくなった阿蒜と村井を追っていた龍本に遭遇、そのまま交戦した。その後は眉済派の誰とも戦うわけでもなく、東雲と共に花宝町の半グレ組織を傘下に収めていき、羅威刃は勢力を取り戻していく。
「地獄へボンボヤージュ」
秋元の接触時に黒澤は「東雲くんもいずれぜひ」と発言していた。その後モブ構成員から東雲も黒澤派への加担が言及され、2月11日の動画では本格的に黒澤派に加わった。
4月24日の動画終盤で鮎川らが急襲した病院に遅れて到着、その流れで龍本との戦闘に発展し、彼を武闘派極道から引退せざるを得ない状況にまで追い込んだ。しかし、羅威刃と提携関係にある戒炎トップの我妻京也と黒澤の会談が決裂しのち東雲も眉済派に出向していた久我と犬飼が元居た場所に戻った事を理由に黒澤派から手を引く。そしてこのことで黒澤はある決意をした結果……
「京極組は地の果てまで追い詰める」
余談
劇中でも度々触れられているが、元々は1つの組であったために両陣営とも複雑な胸中で戦いに臨んでいる。特に個人間においてはかつて良好な関係だった場合もあり、その死を惜しむことも珍しくはない。この辺りは今までのシリーズにおける戦争とは異なる点である。
また、互いに考え方こそ違うものの、獅子王組を大切に思う気持ちは共通している。黒澤派に仁義外れな行いがあったのは事実だが、それも獅子王組を貧しくさせないようにという信念からくるものであり、完全に否定することもまたできないのである。
眉済派もそれ自体は理解しており、黒澤の最期の言葉を聞き入れる、黒澤派構成員を冷遇せずシノギの才能を活かしてもらうといった形で黒澤派の考えも一部引き継いでいる。
また、抗争中は内部抗争の醜聞を外に出さないため死体も内部で葬っていたが、黒澤の死後彼の葬式がおこなわれたことを考慮すると、この抗争で命を落とした構成員も弔いはされたと推測できる(流石に根っからの仁義外れであった半田や相当イカれていたニック山岡辺りについては例外となりそうではあるが)。
批判と論難
戦争の最終盤において彼らは戒炎に協力を要求するが法外な見返りを要求されて決裂し、さらに羅威刃も京極組が敵対派閥への支援が外れたことを理由に抜けた。このことは動画のサムネなどで「半グレの裏切り」と言われているが、実際のところ羅威刃は「京極組と敵対する者に味方する」旨をきちんと説明しており、黒澤本人も「(向こうが勝てば)あんたらにも都合が悪いはずだ」と納得して協力関係を結んでいた。
つまり羅威刃側からすれば任期を満了して自分達の戦いに戻ったことを一方的に裏切りと非難され、契約に従って龍本を撃破した報酬も貰えなかったどころか、最後は花宝町で活動する権利まで没収されると、いいように使われた上に自分達には何の利益も生み出さなかった(一応、内戦期間中に兵隊を集めることはできたが)ことになる。実際にこの件が響いたか、彼らは後に協力者の戒炎にも「恐らく(黒澤派の連中と同じように)俺たちを都合のいい駒としか思っていない」と懐疑的な目線を向けるようになっている。
このため最後に黒澤がとった行動に何一つ誤りがなかったとはいえず、主に羅威刃を支持するファンから非難が出ている。なお、もし羅威刃が絡んでいなかった場合に黒澤派は犬亥が小島を撃破した1件だけしか完全勝利を記録出来なかった(京極組相手を含めても僅か2件が追加されるだけ)ため、「恩知らず」「自分たちだけじゃ何もできなかった癖に」という声が出てしまうのも残念だが仕方ないと言えよう。
考察
仮に眉済派に勝利した場合
もし、眉済派に勝利したとしてその後も組織を存続できるかと言われると、その可能性は限りなく低いといえる。理由としては、戦争序盤で有望株の若手を6人も失ったことなどで主力が来栖・橘花・犬亥の3人しかいなくなり、こんな戦力では少しでも戦争になった場合に攻め滅ぼされてしまうことが目に見えている(相手派閥の眉済・龍本・柳楽・伊武は明確にターゲットとされており、井上にも動向次第では暗殺を許可されていたため、終結時に被害を抑えていても鮫洲・阿蒜が追加されるだけ)。
さらに黒澤は羅威刃に対して正当な契約で借りを作っており、彼らがこれに対して約束を守れと要求するのは筋が通っている。さらに上述の通り対眉済派本体に限定した時、完全勝利時の戦績は羅威刃が上回っているため、それを理由に不平等条約を結ばされる可能性も高く、金を稼いでも返済に使う必要があることは明らかである。これを繰り返した時、時間と共に貧乏時代に戻ってしまう可能性が極めて高い。
まかり間違えて最後の黒澤と眉済の勝負で黒澤が勝ち組長に就任したとしても、龍本・柳楽・伊武・井上が離反する可能性が極めて高く同じ末路を辿ると思われる。(柳楽・井上に至っては黒澤の半グレを利用した戦略に激怒していた。)
また、仮の話だが戎炎と契約して我妻達に眉済派の主力を全滅させていた場合、花宝町の利権を半分奪われ、獅子王組はては花宝町が終焉を迎える未来は遠くないであろう。
関連項目
毛利グループ - 他組織の保守派。
京極組仁義外れの構成員 - 金や力を重視する点は共通するが、悪質さは京極組仁義外れの方が上。