発言までの経緯
“人語を理解する合成獣(キメラ)”を錬成した第一人者として国家錬金術師に指定された彼だが、以降の研究ではおもうような成果を上げられず、次回の査定の結果によっては資格を剥奪されかねないと宣告され窮地に立たされていた。
支給される研究資金を生活の糧としていたタッカーは、保身のために実の娘ニーナと飼い犬のアレキサンダーを錬金術により合成し、再び“人語を理解する合成獣”を生み出す(かつて、彼が国家資格を取得するキッカケとなった先の合成獣もまた、自身の妻を媒体にして生み出された個体である)。
ここ数日間、研究書物を借用するためにタッカー邸を出入りしていたエルリック兄弟だったが、顔馴染みとなっていたニーナたちが姿を見せないことや、合成獣の発した「お にい ちゃ(お兄ちゃん)」という言葉ですべてを察したエドワードは、査定に間に合ったと安堵するタッカーに対し以下のように質問する。
- エド「タッカーさん 人語を理解する合成獣(キメラ)の研究が認められて資格とったのいつだっけ?」
- タッカー「ええと…2年前だね」
- エド「奥さんがいなくなったのは?」
- タッカー「………2年前だね」
- エド「もひとつ質問いいかな ニーナとアレキサンダー どこに行った?」
- アル「!」
- タッカー「……君のような勘のいいガキは嫌いだよ」
ネット上では
いくら生活費のためとはいえ、それで養い守るべき幼い娘(更に言えば妻をも)を犠牲にし、自らの鬼畜の所業にも全く悪びれないタッカーに嫌悪や怒りを覚えた読者も少なくなく、上記のシーンは本作の中でも特に陰鬱かつ胸糞な展開と名高い。そのトラウマエピソードを象徴するのが本項に挙げた台詞である。
ネット界隈においても、そのインパクトにより知名度は比較的高く話題に挙げられることも多い一方で、いつの頃からかその汎用性の高さにも注目されてしまい、チャットやSNS、各媒体のコメント枠などで、上記の会話文を一部改変するような形で定型文として引用されることが多い。
使い勝手としては、後述のように何かしら不都合な事情を掘り起こされたり、伏線を先読みされたりなどした際の切り返しに使用される。
また、亜種として「君のような活きのいい牡蠣はフライだよ」なども存在する。
パロディ
セルフパロディ
田寺リュウが拠点としている段野ハナの住むアパートの部屋に帰ってくると、テレビで『鋼の錬金術師-FULLMETAL ALCHEMIST-』を見ていた。
そして、影森ジンに会ってきたことをユルに報告するが、それがただらなぬことである事を見抜かれ、鋭く問い返した際ちょうどこの台詞の場面が流れていた。
なお、同作の詳しい年代は不明だが、スマートフォンやニンテンドースイッチが確認されるため、平成末~令和初期と推測される。
この時期に『鋼錬FA』は実写映画公開に合わせてアニマックス→キッズステーションと繰り返しCS放送されていたため、そちらを見ていたと思われる。
他作品パロディ
アニメ2期『冴えない彼女の育てかたb』第2話において
澤村・スペンサー・英梨々と加藤恵の会話
- 恵「そういえばさぁ英梨々、何であの2人が一緒にいるってわかったの?どうしてその現場に居あわせたの?」
- 英梨々「そ・・・それは買い物に来たら偶然見かけたのよ」
- 恵「偶然かぁ‥。そういえば前に六天馬モールでも偶然会ったことあるよね」
- 英梨々「あなたのような勘のいい女の子は嫌いだわ」
なお、元ネタを多分知らない恵にはさらっと流された。
ゲームアプリ『ガーディアンテイルズ』の情報番組風動画『ガデテルチャンネル』内のルーナとアストリアの会話
- ルーナ「さあアストリア、コメ欄のみんなの意見を見てみるわよ。何て書いてある?」
- アストリア「えっとね…『Mk.33はどこ?』…だって」
- ルーナ「君のような勘のいいガキは嫌いだよ…」
ちなみに本編には更に危ないハガレンパロディが登場する。
アニメ『デート・ア・ライブⅤ』第2話において、精霊たちのやり取り
- 四糸乃「もしかして、士道さんたちへの差し入れですか?」
- 十香「おう その通りだ」
- 六喰「うむ。今、主様達は来る戦への備えをしておる。頭も働かせれば腹も減ろうて」
- 十香「四糸乃と七罪も(おにぎり)作らないか? 楽しいぞ」
- 七罪「えっ…?い……いや 私はそういうのは…」
- 四糸乃「やらせてください。私たちも皆さんのお役に立ちたいです。(※ここからよしのんを介した腹話術による台詞)ヌッフッフ…よしのんの肉球が火を吹くぜえ!…え? ウサギには肉球がないはずだって? ヌフフ…君のような勘のいいガキは嫌いだよ」
ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン
小説第6巻『ワン・サマー・デイ』及びアニメ2期第9話において、小比類巻香蓮(主人公・レンのプレイヤー)と篠原美優(フカ次郎のプレイヤー)のやり取り(アニメ版準拠)
- 香蓮「だいたいアミュスフィアがない!」
- 美優「大丈夫だ、問題ない。例のブツならウチに二台あるぜ。しかも一つは買ったばかり。」
- 香蓮「え?“幻の彼氏”の分か…そうか…、一緒に遊びたかったんだね…。ご愁傷様…」
- 美優「勘のいい女は嫌いだよ」
さらに第14巻『インビテーション・フロム・ビービー』において、同じく香蓮と美優のやり取り
- 香蓮「お主……ライバルのビービーを倒して、その正体を知りたいだけだろ?」
- 美優「勘のいい女は嫌いだよ」
- 香蓮「それ、前も聞いた。――ところで、その言い回し、良く聞くけど、元ネタは何?」
- 美優「はあああああっ!知らんかったのか?オメェ、それでも帯広出身かっ!」
関連イラスト
関連タグ
君のような勘のいいウマ娘は嫌いだよ:パロディの二次創作。
大泉洋:実写版でタッカーを演じたが、それ以前に看板番組で「僕は君のようなねぇ勘のいいガキは嫌いなんだよ」など、このセリフを元にした発言をしており、(冗談交じりに)「それが起用の決め手になったのでは」とも推測されている。そして映画本編でもこのセリフを願われたが、専ら原作の様なシリアスな様子よりも、看板番組での様なごねてぼやくような演技を求められ、しかも実際の場面では図らずもそれに応えるような姿を見せていたとあって、「これはタッカーではなく大泉」「大泉洋役の大泉洋」など、タッカーと認知されずに評価された。