「僕は十六夜九衛門。お前の祖父が封印した、牙鬼幻月の家臣さ」
プロフィール(データ)
概要
牙鬼軍団の小姓。虎縞模様の装束と狐面の顔が特徴。牙鬼幻月の復活に必要な“恐れの力”を集める他、封印の手裏剣の回収なども担当する。
伊賀崎忍術道場から盗み出した小槌(『宇宙船 YEARBOOK 2016』内にて、正式名称が『十六夜の小槌』であると明かされた)と五トン妖シュリケンを用いて、妖怪を巨大化させる「妖術 “肥大蕃息の術” 」や、ガシャドクロ妖シュリケンを用いて巨大妖怪兵ガシャドクロを召喚する「妖術 “ガシャドクロ召喚の術” 」等々、様々な妖術や忍術、不思議な技を巧みに使う忍者である。第28話からは独自に〈十六夜流忍者軍団〉なる私兵軍団さえ従えるようになる。
手には瓢箪を携えており、妖怪の生み出した、人々の"恐れの力"などを水のような形で集められる。この水を振り掛けると幹部の蘇生もできる。
幻月を始め幹部に関しては「~ござりまする」「~くださりませ」などの古風な敬語で恭しく接するが、その本性は目的のためなら仲間をも利用し尽くし使い捨てる冷酷な性格。
終わりの手裏剣を他の幹部に明かしていなかったり、蛾眉雷蔵の意思を無視した作戦を展開したり、挙句天晴に潔く討たれる最期を望む雷蔵を嘲るかのように巨大化させるなどの非道な行動を見せる。
もっとも、幹部陣営を完全に手玉に取れているわけではなく、晦正影にわざと名前を間違えられて(八衛門、九兵衞など)気分を悪くしたり、有明の方に自分が集めた「恐れ」の入った瓢箪を横取りされて、化粧品の如く使用されるとひどく焦ったりした場面もある。
傲慢な態度は幹部陣営だけに及ばず、ニンニンジャーに対して見下した態度を見せる他、『春休み合体スペシャル』で同盟を組んだロイミュードさえも「カラクリ人形」と罵っていた。
しかし、作戦に失敗した際には激しく怒りを見せてたり、小槌を落としてしまうなど、コミカルな一面を持ち合わせている。
軍団の中では『妖怪以上幹部以下』な扱いのようだが、幻月や他の幹部が封印されている中で1人だけ最初から登場していたり、雷蔵からは存在を認知されていなかったりと謎が多い。
しかし、第12話でかつてラストニンジャ・伊賀崎好天の弟子であった過去が判明し、その後も同じく弟子だった伊賀崎旋風から忍タリティを奪った、第45話で、小槌の「妖術 “妖怪融合の術” 」によって生者のまま妖怪になった事実が明らかとなった。
更に、第40話で牙鬼萬月の仕掛けた罠にはまり、幻月の小姓でも忍びでもない真実を漏らしてしまう。真の正体(後述)が徐々に明らかとなっていく……。
色々と暗躍している彼だが、最大の目的は終わりの手裏剣を手に入れるに終始している。
その所持者と思われる好天に強い敵意を向ける一方、当初自分同様に終わりの手裏剣を狙っていたキンジ・タキガワには、相手が敵意を隠さないにもかかわらず何度も共闘や取引を申し出ている。
キンジにはそれなりにシンパシーを感じているらしいものの、あくまで終わりの手裏剣に至るために利用しようとしているだけのようで、
「裏切ったのは好天の方」
「好天は伊賀崎の一族ではない九衛門に、終わりの手裏剣を託す事を恐れた」
などと好天を疑わせるような情報を吹きこんだり、妖怪化を早める妖刀を「これで妖怪化を抑えることができる」と偽って渡したりしている。
本編での行動
第9話でついに雷蔵に「終わりの手裏剣」の存在を知られるも、小姓でありながら終わりの手裏剣を見つけ出そうとする豪気な一面を気に入った雷蔵は終わりの手裏剣を探すために力を貸した。
しかし、本気を出した末ニンニンジャーに敗北し悔いの無い最期を迎えようとしていた雷蔵に対し、用済みとばかりに「肥大蕃息の術」を施し無理やり巨大化させた。
第13話では蘇らせたばかりの晦正影に元々は牙鬼軍団に居なかった者である実態を看破され、釘を刺されながらも取りあえずの協力関係を結んでいる。
暗躍が難しくなった他、晦から上述通り名前の件でからかわれるなど振り回される場面も多くなる。
第20話ではライオンハオーに上級妖怪ヌエを撃破されてニンニンジャーのパワーアップを痛感。
「予定より早いが状況が状況」として、有明の方を復活させる。
有明の方の無茶な命令に振り回されながらも、第27話では彼女の招いた西洋妖怪オオカミオトコが暴れるのに乗じて、オオカミオトコとの因縁を持つキンジに取引を持ちかける。
キンジは結局取引を反故にしたが、この時の経緯が後の妖刀を巡る一幕のきっかけになる。
オオカミオトコが倒れ西洋三大妖怪が全滅すると、有明の方に「指揮権を与えてくれる」ようにと提言し、上述の十六夜流忍者軍団を率いて、遂に本格的に動き出す様になる。
十六夜流の忍者達を使って恐れを集める一方、十六夜流忍者が倒された後、体についている歯車を回収するなどの怪しい行動を見せ始める。
第29話では過去の人間だったときの姿が明かされ、彼こそが伊賀崎旋風の力を奪い忍者としての未来を閉ざしていた経緯が明かされた。
そして第31話で十六夜流忍者が全滅し、すべての歯車を回収したのを機に、密かに隠し持っていたカラクリキュウビを起動させ、歯車を装填。その実力は圧倒的で、ライオンハオーすらも退けてしまった。
十六夜流忍者達は、オトモ忍の必殺技を歯車に蓄積させ、カラクリキュウビに抗体を作らせるための消耗品だったのだ。
ライオンハオー達を完膚なきまでに叩きのめした後、好天と初対峙。彼と互角以上の戦いを繰り広げる。
勢いに乗る九衛門だが、第32話で新たなロボ「ゲキアツダイオー」を完成させたニンニンジャーに追い詰められ、為す術なくカラクリキュウビは爆散。姿を消した。
しかし第35話で、左目に傷を負いながらも生存が判明。
妖怪化の兆候に悩むキンジに接触し「取引」と称して〈妖刀浦鮫〉を渡すが、これは逆にキンジの妖怪化を早めて、弟子の命を盾に好天に終わりの手裏剣を要求する計画だった。
第36話では、完全に妖怪と化したキンジの精神世界にも現れ、キンジと瓜二つの顔(別名:十六夜キンジ)を披露して彼を精神的に追い詰め、完全に人間を捨てさせようとした。
しかし、自分の弱さを自覚し、仲間との思い出を悟ったキンジの成長によって失敗。浦鮫はニンニンジャーの新しい武装忍者激熱刀に変化し、利用したと思っていた相手にパワーアップされてしまった。
その後、巨大化したオボログルマに乗って戦い、覇王ゲキアツダイオーの前に敗れ去って辛くも脱出した際に少なからぬダメージを負った晦を助け、裏切り者である彼を疑う晦に対し、牙鬼復活を望んでいるだけとして、その証拠として自身が所有する瓢箪を渡して去って行った。
第40話にてスターニンジャーと交戦中の最中、有明の方が産んだ牙鬼萬月と対面。自らを「牙鬼軍団の小姓」と語るが、当然彼が信じるはずもなく、奪ってきた霞の作った嘘発見器(嘘かどうかの判別だけでなく本音も喋らせる恐ろしい仕様になっている)にかけられてしまう。
「お館様の小姓でも忍びでもない」と、忍者であるのを否定した後、「僕は牙鬼・・・」と重要な情報を漏らしかけるが、すんでのところで嘘発見器を破壊して逃走した。
キャラクターソング
『闇夜ノ月』
作詞 | 森由里子 |
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作曲 | 小野貴光 |
編曲 | 新井理生 |
歌 | 十六夜九衛門(潘めぐみ) |
『手裏剣戦隊ニンニンジャー キャラクターアルバム アッパレ! 歌とニンニントーク巻』にてラインナップされている楽曲。
劇中の九衛門の暗躍や心情を歌詞に纏めている。
しかし、歌の終盤になると九衛門の隠された本心も散りばめられていき……
客演
スーパー悪者軍団の一員として登場。
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以下ネタバレにつき閲覧注意!!!
「残念でしたね若君……貴方はもうすぐ死ぬようです」
萬月「てめぇは……結局てめぇは、何者だったんだ……!!」
「フフ……死ぬ前に尻尾を掴ませてあげましょう…………
───────────僕は牙鬼幻月の息子、君の『兄』だ」
そして第42話では瀕死の萬月に対し、自らの正体を「牙鬼幻月の息子=萬月の兄」であると明かした後、小槌と首飾りを奪い去り爆散する萬月をよそにその場を去った。
第43話で萬月を探し求める有明の方に、萬月の死を伝え彼女の深い嘆きにより噴出した、大量の “恐れの力” を使い、遂に父・幻月を復活させる。
この際に初めて「父上」と呼んでいる。
彼の正体は、444年前幻月が密かに側室に産ませた息子・牙鬼久右衛門新月であり、幻月が死ぬ間際に、妖力によって現在の時空に飛ばしていたのだった。
それ以降の活躍はこちら
演者について
声を演じた潘めぐみは前年におけるプリキュアシリーズ『ハピネスチャージプリキュア!』でプリキュアの一人キュアプリンセスこと白雪ひめを演じていた→キュア九衛門
小槌が発売される際にはインタビューに答えており、好きな台詞は「ドロンさせてもらうよ」であるようだ。
また潘氏はアニメ「NARUTO」でうちはオビトの少年時代を演じており、「大ボス復活と目的の物を入手するために敵味方問わずあらゆるものを利用する」「主人公の父親と因縁を持つ」「最終的に主人公たちにより改心しかけるが見限られ力を奪われる」など共通点が多い。
藩氏は幼少時から既に「忍者戦隊カクレンジャー」のファンであった他、本作の10年前の戦隊である『魔法戦隊マジレンジャー』では母親の潘恵子女史が天空聖者スノウジェルを、『獣拳戦隊ゲキレンジャー』では幻獣ピクシー拳ヒソを演じている。
雑誌『宇宙船』における潘氏のインタビューによれば、“『ハピネスチャージプリキュア!』のアフレコ現場にニンニンジャーのサブプロデューサーである若林豪(同作Dの長峯達也とは聖闘士星矢Ω2期で組んでいた)が訪れ、オーディション参加のオファーをした” との弁である。
驚くべきは、当初は終盤までの起用が予定されていなかった事実である。
雑誌『宇宙船』において、チーフプロデューサーを務めた武部直美氏とメイン脚本を務めた下山健人氏の対談によれば、“当初は夏休み明けに入ってから中年系の人間態を出して、それによって怪人タイプから素面系男性幹部に変化させる予定だったが、潘氏の演技が非常に役にハマっていたことから、このまま予定通り怪人タイプから素面系に変化させると、かえって違和感が生じてファンの反発を招きかねないと判断し、当初の予定を没にした” と答えている。
第36話における “十六夜キンジ” のメイクは、人間態の俳優が登場する予定だった名残かもしれない。
余談
その意匠は狐を彷彿とさせるが、両肩の肩当は虎の頭部を模している。本来牙鬼とは何の関わりも無い九衛門が、幻月の小姓と言う立場を偽って暗躍する様は【虎の威を借る狐】を現しているのかもしれない(後に上記でも説明されているが、幻月との血縁関係が判明)。
第29話での人間時代の彼を演じた竹場龍生はオンエア当時12歳(中学1年生)であり、旋風も力を喪ったのは風花位の時と言っていたので、旋風の力を奪う暴挙に出たのは中高生くらいの年齢と思われる。
その歳から既に外道と化しているとは恐ろしい。まあニチアサにおける前例がないわけではないのだが。
姓が十六夜で妖怪がらみで幹部と、某メイド長を連想する人もいる。あちらは時間を操る程度の能力を持っているただの人間だが、こちらは人間が妖怪化している。
関連タグ
救星主のブラジラ:『天装戦隊ゴセイジャー』に登場する悪の組織の幹部で、『終盤まで生き延び、戦隊ヒーローと敵対した』『元々は戦隊ヒーローと同種族だったが禁術で種族が変わった』共通点こそあるが、ブラジラには『所属勢力を2回も変えている』相違点がある。