忍者ムジナ
にんじゃむじな
九衛門が牙鬼家に伝わる「狢」忍者の絵巻物から「忍び招聘の術」を行使する事で現代に蘇った、牙鬼軍団第四の忍び。名前通り頭部が狢を模した形状をしており、忍者ハヤブサ同様に紺色の忍び装束に身を包んだ上から、茶釜を思わせる鎧を上半身に身に着けている。
遠距離・近距離どちらの戦闘でも敵を凌駕する、鎖鎌ならぬ「鎖釜(くさりがま)」で武装しており、相手の長所を宝石状にして奪い取る「イイトコドリの術」が得意。
更にわら人形を使った「変わり身の術」や敵に化ける「変化の術」、影から虚像を生み出す「分身の術」等、数多くの忍術バリエーションを誇る凄腕忍者である。
ニヒルだが強者との戦いが生き甲斐と言う好戦的な性格の持ち主であり、任務に忠実なプロ意識も持ち合わせている。元々は牙鬼に仕える御庭番と言う事も有って有明の方には敬語で接するが、十六夜流忍者として自身を使役する九衛門に対する忠誠心は他の3名と違って皆無であり、タメ口を利いて隙あらば攻撃を仕掛けたり、任務を放棄して単独行動を取ったりする。
忍びの31「ニンジャ逃走中!」
九衛門によって召喚されると、直後に彼を攻撃しようとするも未遂に終わる。そうして九衛門の説明から「主も変われば任務も変わる」と、一応形式上では九衛門を主君と認め。だが「人間の『恐れ』を集めろ」という命令に対し、「『遊び』がないならつまらない」と言う理由で一蹴して任務を放棄、そのまま独断行動を始める。
まずは修行中だった凪と霞を襲い、彼らが変身したキニンジャー、モモニンジャー両名と交戦。
キよりも一枚上手な忍術で相手を翻弄し、「イイトコドリの術」を発動するが、咄嗟にかばったモモの方の『イイトコロ』を入手してしまう。
程無くして他のニンニンジャーも合流し、彼等全員と戦おうとするが、現れた九衛門に制止されてその場は一時撤退する。
アジトに戻ると、美肌温泉から帰ってきた有明の方に『恐れ』を貯めていなかった事を憤慨される(※主にそのとばっちりを受けたのは上官の九衛門だが……)。
だが、モモの『イイトコロ』を奪った成果報告と、他のニンニンジャーも同様に倒せるという自信満々な進言を申し付けると、マイペースな彼女に珍しく実力を認められ、自身の任務を本格的なニンニンジャー殲滅へと変更する。
そして、『イイトコロ』を奪われた霞を含めたニンニンジャー全員をとある工場跡地に呼び出すなり、『鬼ごっこ』対決を開催。
尚、『鬼ごっこ』にはムジナ自身のルール説明やその後の描写から以下の様なルールが適用されるらしい。
- ニンニンジャー側はスッパラゲ達が布袋に入れて抱えてる霞の『イイトコロ』を奪還すれば勝ち。
- 一方でムジナは残りのニンニンジャー達の『イイトコロ』を全て強奪できれば勝ち。
- ムジナに『イイトコロ』を奪われたメンバーは敵の拠点の檻に『イイトコロ』を失った状態で転送される。
- ルールは『ケイドロ』の様な敗者復活制で、檻に入っても再度『イイトコロ』を与えられると復帰出来る(※ただし、後述の様に『イイトコロ』は他人の物でも可)。
かくしてゲームが開始されるや、ムジナは手始めにモモに化けてアオを呼び出し(※描写は無いがこの時点で既に『イイトコロ』を失ったモモを捕らえて入れ替わっていた物と思われる)、突然の抱擁に動揺する彼の隙を付いて捕獲。
さらにスッパラゲとの分身の術対決に勝って有頂天になっていたアカも捕え、半数を捕らえた事で悠長に経過報告をアナウンスする。
その後、スッパラゲに変装したスターが『イイトコロ』の袋を奪還し、残りの3人が拠点の檻に駆けつけ、ムジナの攻撃をスターが身代わりになって引き受けてる間にキ達が取り返した霞の『イイトコロ』を彼女に向かって蹴り付けるが、天然な彼女がしゃがんだ事でその背後にいた天晴の方に彼女の『イイトコロ』が吸収されてしまい、その混乱に乗じて復帰した天晴と残りの2人に一時退却されてしまう。
それからしばらくして逃走するシロを発見して追跡してると、湖上のスワンボートに搭乗して呑気に待ちぼうけしていたと言うアカの挑発に乗り、ターゲットを彼に移して再度捕獲する。
所が実は、それこそが霞の『イイトコロ』を得た天晴の分析と、「追い越すのではなく、常に先回りする気持ちでいる」と言う助言を正常だった頃の霞から受けた凪の発想で編み出した作戦であり、アカを捕まえて油断した途端に「憑依合体の術」でボートと融合していたキが暴れて湖に転覆。
キが作戦の全貌を話しているのを尻目に溺れながら必死に岸へ辿り着くが、その間にシロの暗躍で他のニンニンジャーの身柄と『イイトコロ』を奪還され、『鬼ごっこ』に敗北。
直後に逆上してニンニンジャー達の人数に合わせて分身を行い交戦するが、次々と分身が倒されていき、最後の一体もキに圧倒され、彼と超絶になったアカの「超絶ダブル手裏剣斬」を受けて倒されてしまう。
その直後、九衛門の肥大蕃息の術によって再生巨大化するや、そのまま覇王シュリケンジンと交戦。
相手を「デカ物」と罵り、鎖釜の盾からの光線で攻撃するも返り討ちにされ、最期は覇王アッパレバスターを受けて爆散した。
しかし、実はその巨大化して倒された個体も分身の術によって作っていたダミーに過ぎず、本物は九衛門の動向を怪しんで暗躍。
忍びの32「ゲキアツ忍者!アチャー!」
自分達牙鬼の忍びを利用して完成させた「カラクリキュウビ」でニンニンジャーのオトモ忍を壊滅させた九衛門が帰還すると、自身も無傷の姿を見せる。
両者一触即発となっていたが、そんな空気などお構い無しに『恐れ』不足に有明の方が嘆いてると『恐れ』の収集役を立候補し、彼女の命令で九衛門から彼の小槌を預かる。
街に出現すると小槌で2体のガシャドクロを召喚して破壊活動を始め、その2体にスターの駆るロデオマルが応戦している間、自身は駆け付けたアカとキのコンビと交戦。
残りのニンニンジャー達も、当初は新戦力の新たなオトモ忍の完成(※最後の行程のオトモ忍の『器』に『魂』を宿らせる作業)が滞っていた事に葛藤していたが、鉄之助のフォローで「くよくよせずに、まずは目の前の物に飛び込む」と吹っ切れた事で2人に加勢。
白兵と援護が入り乱れる5人の連携に圧倒され、必殺の「一斉忍烈斬」を受ける。
しかし、それでも完全に爆散せずしぶとく生き延び、「伊賀崎を倒すためなら手段は選ばない」として自分の身体に「肥大蕃息」を施して巨大化し、ガシャドクロ達に加勢。
しかし、そこで「目の前に飛び込む」というモモ達の言葉をヒントにアカが自らオトモ忍の魂になって巨大変化したホウオウマルの初陣に翻弄され、それに続けて他のニンニンジャー達も変化したオトモ忍が集まった一斉攻撃にガシャドクロ達が撃破され、彼等が合体したゲキアツダイオーと交戦する。
相手の格闘攻撃に圧され始め、それでもしぶとく反撃に出ようとした矢先、突如背後から現れたカラクリキュウビの剣で一突きにされ、「察しの良い奴は嫌いだよ」と吐き捨てた九衛門の手によって用済みとばかりに始末され、そのまま空しく爆散した。
モチーフは名前通りの狢あるいは狸だが、他にも狸繋がりで茶釜も含まれている。
声を演じた楠氏は3年前の『特命戦隊ゴーバスターズ』の劇場版『東京エネタワーを守れ!』にて、スチームロイドの声を担当したのがスーパー戦隊シリーズにおけるデビューとなったが、本格的なTVシリーズ本編への出演はこのムジナが初となる。
タヌキモズー:『大戦隊ゴーグルファイブ』に登場した狸&忍者繋がりの大先輩。
ムジナ(カクレンジャー):『忍者戦隊カクレンジャー』に登場した偉大な先輩。
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