新西暦2012年、人々を守る特命を帯びて戦う若者達がいた!
バスターズ、レディー……ゴー!!
新西暦2012年、人々を守る特命を帯びて戦う若者達がいた!
バスターズ、レディー……ゴー!!
概要
2012年2月から放送されたスーパー戦隊シリーズ第36作目の作品。
モチーフは動物及びスパイ。また、物語はコンピュータなどのサイバーパンク色が強いものとなっている。
「戦隊の革新」をテーマにスーパー戦隊シリーズにおけるお約束(従来のシリーズで続いていたオーソドックスなシナリオの流れ、変身・必殺技のバンク、コレクションアイテムの玩具展開など)が廃されており、『超電子バイオマン』で試験的に試みられたが当時の技術では困難であった「巨大ロボ戦と等身大での並行戦」がしばしば行われるという特異な構成となっている。OPも前期と後期で別れており、それもアレンジ曲や2番の歌詞を使用するのではなく、完全新規曲を使うという気合いの入りようであった。
海外リメイク『パワーレンジャー』の影響もそこかしこに見受けられ、敵ロボの総称が『メガゾード』(パワレンにおける巨大ロボ)となっている。
とはいえ、子供向け要素が全く無くなったわけではなく、EDは子供も歌いやすい楽しげな曲になっている。
獣拳戦隊ゲキレンジャー以来の3人の状態からスタートする戦隊であり、1999年の救急戦隊ゴーゴーファイブ以来13年ぶりに「ジャー」の名前が無い戦隊である。また、元ネタの無い完全オリジナル名称では太陽戦隊サンバルカン以来31年ぶり、メンバーのコードネームが色から始まるのは激走戦隊カーレンジャー以来となる。
炎神戦隊ゴーオンジャー以来となる金、銀色モチーフの追加戦士が登場した。
また、Mission.28よりOP曲が「モーフィン!ムービン!バスターズシップ!」に変更されている。過去に2番や別アレンジ、その他英語バージョン等が流れたことはあるが、完全に別の曲に変更されるのはスーパー戦隊史上初であった。
さらに戦隊シリーズ恒例の名乗り部分はあるものの、〆に入る「戦隊名の一斉コール」が存在しないのも特徴。冒頭の名乗り口上のように、行動開始の合図が代わりに入る。
なお2012年は宇宙刑事ギャバンが放送されて30年という節目の年でもあり、Mission31~32では劇場版ギャバン公開に合わせ、宇宙刑事ギャバンType-Gこと十文字撃とのクロスオーバーが行われた。
これまでの戦隊とは異なる歴史の世界が舞台ではあるのだが、後年放送された『宇宙戦隊キュウレンジャー』がこれまでの戦隊世界とは全く繋がっていないパラレルワールドだと描写されたのに対し、本作にはそれがないのでVSなどの際は普通に他の戦隊とも共演する(なので『ゴーバスVSゴーカイ』でゴーバスターズがゴーカイジャーの事を認知していたり、『さらば永遠の友よ』では『ゴーバスVSゴーカイ』の出来事をレッドバスターが覚えている)。
これについては、本作の放送から10年後の2022年に竹本昇監督がTwitterで披露した解釈によれば、ゴーカイジャー史観の西暦2015年が新西暦2012年に改元され、以降は新西暦で進んでいるため、『ゴーカイジャーの世界』でも『ゴーバスターズ』およびそれ以降の作品の出来事は起こっているらしい(ただし、これはあくまでゴーカイジャーの世界での設定であり、同時に竹本氏個人の解釈であって公式設定ではないので注意)。
尤も、ゼンカイジャー以降は「全ての戦隊はそれぞれ独立したバラバラの世界と、vsやゴーカイ等の複数の戦隊が同一世界上に存在する世界が存在する」という世界観設定が公開されている為、既にこの辺りの世界観の繋がりについてはあまり気にする必要はないのだろうが。
東日本大震災を意識してか「大災害からの復興」と言う裏テーマがある(プロローグの亜空間転送事故は阪神大震災を意識しているとも)。
総合評価
上記のようにお約束を廃してしまったことや、戦隊やヒーロー作品としては不必要にシリアスかつやや難解なシナリオ、従来の戦隊やヒーロー像を崩した作風などが、残念ながらファンからの受けが悪く、加えてメモリアル作品だった前作や王道路線の次作という、戦隊の中でも特に世間的な人気や知名度が高いヒット作2作の合間ということもあってか、当時の評価は率直に言って芳しくなかった。メインライターである小林靖子氏のファンの間でも評価はあまり良くなかった程である。
大友からの評価すらこれなので、当然ながらメインターゲットの子供からの受けはかなり悪く、途中からライオブラスターのような叫ぶ音声アイテムを登場させるなどの路線変更が図られるもその甲斐もなく、玩具の最終売上は前作から大幅に落として100億を下回ってしまった。
しかし、良くも悪くもご都合主義を徹底的に廃したストーリー展開やメカニックの描写により内容にリアリティがあったこと、さらには後にラブライブ!サンシャイン!!の黒澤ダイヤ役の声優で知られる小宮有紗氏の出演作という話題性が見出されたことなどから注目を集め、近年では一部でかなり再評価されてきている。
また、アニメ監督の庵野秀明氏は、激走戦隊カーレンジャーや後番組の獣電戦隊キョウリュウジャーと共に好きな戦隊として挙げている。
海外展開
諸事情からゴーカイジャーのリメイクである『パワーレンジャー・スーパーメガフォース』の後番組がキョウリュウジャーのリメイクである『パワーレンジャー・ダイノチャージ』となり、戦隊では初の海外リメイクされなかった作品となった(ダイレンジャーはキバレンジャーや気伝獣の要素が拾われたのち、異星のパワーレンジャーとしてダイレンジャーそのものが登場している)。
そして6年後、ハスブロ社体制になって以降『パワーレンジャー・ビーストモーファーズ』として漸くリメイク。シーズン2まで製作されるなど人気を獲得している。そちらも大まかな流れ自体は同じであるものの、追加戦士のモチーフが無理のある変更をされるなど変な所でのパワレンクオリティは健在である。
あらすじ
13年前-
人里離れた研究所のスーパーコンピューターにバグが発生。メサイアと呼ばれたそれは意思をもって暴走し、人々を襲ってきた。
人類は大きな犠牲を払い、研究所ごと亜空間に転送、当面の危機は回避された。
しかし、亜空間に転送されたメサイア率いる“ヴァグラス”は完全に滅びたわけではなく、この世界と人類を支配するため密かに体制を整えていたのだ。
そして人類も、ヴァグラス襲来に備え、『特命戦隊ゴーバスターズ』を結成していた。
事件から13年後-時は新西暦2012年(N.C.2012)
都市生活を支える新エネルギー“エネトロン”を狙い、ヴァグラスが出現。
今こそ出撃の時!人々を守る特命を帯びて戦う“ゴーバスターズ”が、相棒の“バディロイド”とともにヴァグラスに立ち向かう!
登場人物
ゴーバスターズ
正式名称はエネルギー管理局・特命部。
初期メンバーの3人は13年前に何らかの形で事件を経験している。
呼称表
が\に | ヒロム | リュウジ | ヨーコ | マサト | 黒木 | 森下 | 仲村 | ニック | ゴリサキ | ウサダ | J |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ヒロム | 俺 | リュウジさん | ヨーコ | 陣さん | 司令官 | 森下さん | 仲村さん | ニック | ゴリサキ | ウサダ | J |
リュウジ | ヒロム | 俺 | ヨーコちゃん | 先輩 | 司令官 | 森下 | 仲村さん | ニック | ゴリサキ | ウサダ | J |
ヨーコ | ヒロム | リュウさん | あたし | 陣さん | 司令官 | 森下さん | 仲村さん | ニック | ゴリサキ | ウサダ | 樹液 |
マサト | ヒロム | リュウジ | ヨーコちゃん | 俺 | 黒リン | 森下 | 仲村ちゃん | ニック | ゴリサキ、バナナちゃん | ウサダ | J |
黒木 | ヒロム | リュウジ | ヨーコ | 陣 | 私 | 森下 | 仲村 | ニック | ゴリサキ | ウサダ | J |
森下 | ヒロム君 | リュウジさん | ヨーコちゃん | 陣さん | 司令 | 僕 | 仲村さん | ニック | ゴリサキ | ウサダ | J |
仲村 | ヒロム君 | リュウジさん | ヨーコちゃん | 陣さん | 司令 | 森下さん | 私 | ニックさん | ゴリサキさん | ウサダさん | 樹液さん |
ニック | ヒロム | リュウジ | ヨーコ | 陣 | 司令官 | 森下 | 仲村 | 俺 | ゴリサキ | ウサダ | J |
ゴリサキ | ヒロム | リュウジ | ヨーコ | 陣さん、陣 | 司令官 | 森下 | 仲村 | ニック | 俺 | ウサダ | J |
ウサダ | ヒロム | リュウジ | ヨーコ | 陣 | 司令官 | 森下 | 仲村 | ニック | ゴリサキ | ウサダ(たまに僕) | 樹液 |
J | ? | ? | ? | 陣 | 黒リン | ? | ? | チダ・ニック、バイク | ゴリサキ・バナナ | ウサダ・レタス | 俺 |
演:鈴木勝大
本作の主人公。20歳→21歳。
ワクチンプログラムの投与によって高速移動が可能になった。
姉の反対によって長らく戦いに参加できなかった経緯がある。
ニワトリを見ると最大5分ほど動けなくなるウィークポイントを持つ。
声の出演:藤原啓治
チーター型のバディロイド。ヒロムの良き兄貴分。
バイク形態に変形可能だが極度の方向音痴。
演:馬場良馬
メンバー最年長の28歳→29歳。
ワクチンプログラムの投与によって怪力を発揮できる。
常に身体を冷やさないと熱暴走を起こすウィークポイントを持つ。
熱暴走中は敵味方の区別無しに暴れまわり、性格も凶暴化する。
声の出演:玄田哲章
ゴリラ型のバディロイド。
体格と裏腹に気弱で心配性な性格をしている。
演:小宮有紗
メンバー最年少の16歳→17歳。
ワクチンプログラムの投与によって驚異的な脚力を得た。
定期的に甘い物を食べないとエネルギー切れを起こすウィークポイントを持つ。
声の出演:鈴木達央
ウサギ型のバディロイド。
かなりの毒舌家。
演:松本寛也
ヴァグラスの被害をなんとか逃れた科学者。黒木タケシ、ヨーコの母とは古い友人。
演じるのはかつて魔法戦隊マジレンジャーでマジイエローを演じた松本寛也。
声の出演:中村悠一
陣マサトが開発したバディロイド。
目立ちたがり屋な性格で陣の前に立つことが多く、度々叱られている。
各話リスト
話数のカウントは「Mission○」(最終回は「Final Mission」)で統一されている。
関連映像作品
劇場版
2012年1月21日公開。ゴーバスターズの3人がTVシリーズに先駆けて先行登場。
2012年8月4日公開。ゴーバスターズの単独劇場版作品。
2013年1月19日公開。前作『海賊戦隊ゴーカイジャー』とのクロスオーバー作品。
2014年1月18日公開。次作『獣電戦隊キョウリュウジャー』とのクロスオーバー作品。
音楽
オープニングテーマ
作詞:藤林聖子/作曲・編曲:大石憲一郎(Project.R)/歌:高橋秀幸(Project.R)
第1期OP。
作詞:藤林聖子/作曲・編曲:大石憲一郎(Project.R)/歌:高橋秀幸(Project.R)
第2期OPテーマ。歴代戦隊では2期OPテーマというと主題歌のアレンジ版というパターンが多かったが、本作は完全新規曲を導入した初めてのケースとなる。
エンディングテーマ
作詞:藤林聖子/作曲・編曲:大石憲一郎(Project.R)/歌:謎の新ユニットSTA☆MEN
通常バージョンの他、劇場版公開時期に合わせた「2012 summer MOVIE MIX」や冬映画公開時期に合わせた「豪快にアレンジver」の2種が用意された。
キャラソン
数あるキャラソンのうち、24話から25話まで初期メンバーのキャラソンがEDテーマに採用された。
- One wish,One day
作詞:藤林聖子/作曲・編曲:鈴木盛広(Project.R)/歌:桜田ヒロム&チダ・ニック(CV:鈴木勝大&藤原啓治)
- 心配 ハニー♡バニー
作詞:藤林聖子/作曲・編曲:浅田将明/歌:宇佐見ヨーコ&ウサダ・レタス(CV:小宮有紗&鈴木達央)
- Blue Banana Moon
作詞:藤林聖子/作曲・編曲:高木洋/歌:岩崎リュウジ&ゴリサキ・バナナ(CV:馬場良馬&玄田哲章)
- ジュマペル エンター
作詞:八手三郎/作曲:Raizo.W/編曲:中畑丈治/歌:エンター(CV:陳内将)
- Let's モーフィン☆ドローウィン
作詞:マイクスギヤマ/作曲・編曲:池毅/歌:桜田リカ(CV:吉木りさ)
- パーフェクション!
作詞:藤林聖子/作曲:高取ヒデアキ/編曲:籠島裕昌/歌:陣マサト&ビート・J・スタッグ(CV:松本寛也&中村悠一)
- マピュース レクイエム
作詞・作曲:Raizo.W/編曲:中畑丈治/歌:エンター&エスケイプ(CV:陳内将&水崎綾女)
挿入歌
- バスターマシン、発進せよ!
作詞:八手三郎/作曲・編曲:大橋恵/歌:山形ユキオ
別バージョンとして「ゴーバスターオーVer」も存在している。
- Boost Up! ビートバスター
作詞:藤林聖子/作曲:高取ヒデアキ/編曲:川瀬智/歌:高取ヒデアキ(Project.R)/演奏:Z旗
- Brand New Spark!
作詞:藤林聖子/作曲:黒田晃太郎/編曲:黒田晃太郎、平木LAGGY宏隆/歌:高取ヒデアキ(Project.R)
- Perfect Mission
作詞:藤林聖子/作曲:NoB/編曲:河野陽吾/歌:NoB(Project.R)
- ライオー! 見参! チャンピオン!
作詞:藤林聖子/作曲・編曲:大橋恵/歌:水木一郎
別バージョンとして「ゴーバスターキングVer」も存在する。
余談
本作のサブプロデューサーは14話で降板。本作放送中にTwitter上で自身を批判する相手に対して「東映をあげて告訴してやる」と訴訟をチラつかせたことで、当時取締役の白倉伸一郎氏にも「君は何を言っているのかわかっているのか」と直接怒られたという顛末があったため、これが原因ではないかと言われている。
件のサブプロデューサーはこの一件の後白倉氏の自虐ネタを自身に対する批判と勘違いして皮肉を浴びせたことも問題視されていた。
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ゴバスより、リュウさんの過去話。◆13年前の事件後、リュウさんがヨーコちゃんを妹として捉えたときの話です。◆設定などねつ造しています。拙作「make up 特命部」http://www.pixiv.net/novel/show.php?id=1989556 の設定を踏襲しておりますが、大体雰囲気で書いているのでそちらを読んでいなくても全く問題ありません。◆最後のページはあとがきです。6,864文字pixiv小説作品七月怪談(深夜の部)
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