概要
特命戦隊ゴーバスターズのリメイク作。
今作から玩具販売と製作が従来のサバンブランドとバンダイから両方ハズブロに変更されている。
『パワーレンジャー・タイム・フォース』などと同様に比較的原作の要素を色濃く残しており、例えばエネルギー管理局・特命部にあたる組織はグリッド・バトルフォースとなっており、エネトロンに相当するエネルギーは「モーフX」、初期メンバーのウィークポイントも細部が改変されているが、効果は概ね同じである。
また、今作のモーフィンブレスの仕様は鍵を挿して起動というモバイレーツやダイノコマンダーに近い仕様となっている。尚原作では変身バンクがなかったのに対し、パワレンでは存在するなど従来寄りの作風が目立つ。また、本作がゴーバスターズをベースにした事により、「恐竜大決戦!さらば永遠の友よ」をベースとしたエピソードも製作されている(バンク映像でアバレンオーと大獣神の操縦シーンも挿入されている)。本作では宇宙大恐竜ボルドスはエヴォックス(メサイア)の操縦する巨大兵器という扱いである。
オリジナル装備としてライオン型召喚器の「ビーストXキングモーファー」、タテガミライオーを模した「ビーストXキングメガボウ」と「ビーストXスピンセイバー」、ゴーオンジャーで言うところのハンドルブラスターに相当するレッドレンジャー専用装備「チータービーストブラスター」、青龍刀型の「チータービーストブレード」、チーターの腕を模した鉄爪「チータービーストクロー」といったアイテムも登場しているなどいつものパワレンクオリティも健在である。
過去作とも設定がリンクしていて、作中でエネルギーが産出される「モーフィン・グリッド」はパワーレンジャー第1作の根幹設定に関わっている。
登場人物
()内は日本名。
- デヴォン・ダニエルズ/レッドビーストモーファーズレンジャー(レッドバスター)
市長の息子。
テレビゲームが好きなお調子者で、グリッド・バトルフォースのシミュレータに興味を持ち、父親のパスコードをコピーして施設に侵入したとして拘束されてしまうが、エヴォックス襲来の際に脱出してラヴィらを救出し、ネイトの独断でレンジャーに選ばれた。
チーターの遺伝子と融合しており、高速で走ることができるが、ネコ科が恐れる犬を見ると体が固まってしまう(元ネタのウィークポイントは鶏)。
- ラヴィ・ショー/ブルービーストモーファーズレンジャー(ブルーバスター)
レンジャーの候補生だったが、エヴォックスに他の候補生が意識を奪われる中、デヴォンに助けられる。
ゴリラの遺伝子と融合しており、怪力を発揮するが思考が野性的になる(筋肉の加熱という形で熱暴走設定が残されている)。
- ゾーイ・リーブス/イエロービーストモーファーズレンジャー(イエローバスター)
レンジャー候補生の脱落者で清掃係として働いていたが、
エヴォックス襲来の際、ネイトの独断でレンジャーに選ばれる。
ジャックウサギの遺伝子と融合しており、高く跳躍できるが疲れやすくなってしまう。原作はお菓子を食べて回復という設定だったが、こちらでは人参を食べて回復という設定に変わっている。
- ネイト・シルバ/ゴールドビーストモーファーズレンジャー(ビートバスター)
グリッド・バトルフォースの最高責任者。6歳の頃からグリッド・バトルフォースに関わっており、10歳でモーフィングリッドの接続方法を見つけ出した天才。ビートバスターのモチーフはカブトムシだが、彼はカマキリの遺伝子と融合したという設定になっている(変身バンクでもカマキリが出る)。尚、原作ではJがいないと変身できなかったが、本作は単独でも可能。
- スティール(ビート・J・スタッグ)/シルバービーストモーファーズレンジャー(スタッグバスター)
ネイトのDNAとコガネムシのDNAを融合させたビーストボット。こちらもモチーフがクワガタムシから変更されている(変身バンクでもコガネムシが出る)。
名前は彼自身が名乗ったミスターファンタスティック・スーパーハンサム・ストロングアズスティールを略したもの。
- クルーズ(チダ・ニック)
レッドレンジャーのビーストボット。バイクに変形する。
物忘れする癖がある。
- スマッシュ(ゴリサキ・バナナ)
ブルーレンジャーのビーストボット。
性格は温厚で人懐っこい。
- ジャックス(ウサダ・レタス)
イエローレンジャーのビーストボット。
かわいいという評価は嫌っている。
- タイラー・リンカー/オレンジレンジャー
8歳の少年。タイタニアムレンジャーに次ぐ今作オリジナル追加戦士で、ヘルメットには鳥の意匠がある。
本編に登場したキャラクターではなく、「子供の夢を叶える」がコンセプトのボランティア団体"Make-A-Wish"の働きでメンバーに任命された一般人の少年である。正式にメンバーの一人として任命されており、ハズプロとパーティーシティから特別製のスーツも送られている。
レンジャーの協力者
- ショウ司令官
グリッド・バトルフォースの司令官で、ラヴィの母。
息子にもあくまで部下として接する一方、デヴォンを即座にレンジャーに指名する度量を見せたりもしている。
黒木タケシに当たるキャラだが女性である。
- ベン&ベティ
グリッド・バトルフォースのメンバーである兄妹。ベンはオペレーター、ベティは受付嬢を担当。
- ブレイズ
パワーレンジャーの正規メンバー。まじめな性格だが、デヴォンに負けて感情的になる一面も持つ。
エヴォックスによって意識を奪われ、アバターとして利用された。
- ロキシー
パワーレンジャーの正規メンバー。
ラヴィの恋人だったが、お互いがレンジャー候補に選ばれたため、未練を持ちながらもグリッド・バトルフォースの規約に従い一時的に関係を終わらせていた。
エヴォックスに意識を奪われ、アバターとして利用された。
- ドクターK
平行世界である『パワーレンジャー・RPM』の世界の科学者。
エヴォックスに意識が乗っ取られた父を救うべく、パワーレンジャーのアーカイブを検索していたデヴォンが「かつてサイボーグと化したパワーレンジャーがウイルスに汚染されたのを救った」という記録を突き止め、通信で助力を求めるも力にはなれなかった代わりにダイノチャージシルバーレンジャー(キョウリュウシルバー)が悪人格を分離させた際に使われたデバイスを使用することを助言する。
- キャプテン・チャク(ギャバンTypeG)
悪のエイリアンであるライジャック(ライノダブラー)を追って地球にやって来た宇宙刑事(本作ではサイボーグである)。
- アダム・ダニエルズ
コーラルハーバーの市長であり、デヴォンの父親。厳格な性格で、不仲というわけではないが悪意なく息子を束縛してしまう一面もある。
当初は息子がレンジャーであるとは知らなかったが、第1シーズンの終盤でその事を知り、デヴォンを救うためにサイバーディメンジョンに突入したが、脱出の際、エヴォックスに意識を乗っ取られてしまうが、第2シーズンの中盤でレンジャーらの尽力でエヴォックスと分離する事ができた。
歴代レンジャー
- ジェイソン・リー・スコット/MMPRレッドレンジャー(ティラノレンジャー)
- MMPRブラックレンジャー(マンモスレンジャー)
- MMPRブルーレンジャー(トリケラレンジャー)
- MMPRイエローレンジャー(タイガーレンジャー)
- MMPRピンクレンジャー(プテラレンジャー)
- ダイノサンダーレッドレンジャー(アバレッド)
- ダイノサンダーブルーレンジャー(アバレブルー)
- ダイノサンダーイエローレンジャー(アバレイエロー)
- タイラー・ナヴァロ/ダイノチャージレッドレンジャー(キョウリュウレッド)
- チェイス・ランドール/ダイノチャージブラックレンジャー(キョウリュウブラック)
- コーダ/ダイノチャージブルーレンジャー(キョウリュウブルー)
- ダイノチャージグリーンレンジャー(キョウリュウグリーン)
- ダイノチャージピンクレンジャー(キョウリュウピンク)
- アイヴァン/ダイノチャージゴールドレンジャー(キョウリュウゴールド)
登場人物(敵)
モーフィングリッド掌握を企むコンピューターウイルス。第1シーズンではコブラのような立体映像で指示を出していた。また第2シーズンではアダムの意識を乗っ取る事で暗躍していた。
- ブレイズ・アバター/サイバー・ヴィラン・ブレイズ(ダークバスター)
エヴォックスがレンジャー候補生であったブレイズの意識を奪い製作したアバター。
第1シーズンでブレイズとロキシーが救出されたため、第2シーズンで残されたデータを元にスクローグルの手でロボ・ブレイズ(エンター・ユナイト)が生み出された。
- ロキシー・アバター(エスケイプ)/サイバー・ヴィラン・ロキシー(エスケイプ・エボルブ)/
エヴォックスがレンジャー候補生であったロキシーの意識を奪い製作したアバター。
第2シーズンでロボ・ブレイズと共にロボ・ロキシーが生み出されるが、色はサイバー・ヴィラン・ロキシーが黄緑であったのに対し、ロボ・ロキシーはエスケイプ・エボルブと同じ紫である。
- スクローグル
サイバーディメンションの支配者を自称する科学者。エヴォックスに無理やり協力させられ、さらにバーゴイルというロボットから逃げている。
- バーゴイル(ダンガンロイド)
サイバーディメンションの原住民であるロボット。フューリーセルをめぐってスクローグルと対立していたが、後にエヴォックスの傘下となる。
- トロニック(バグラー)
スクローグルが自身を守るために作ったロボット。
- ロボトロン(メタロイド)
スクローグルが改造したモーフXキーにエヴォックスのウイルスとモーフXを注入し、物体に差し込む事で誕生するモンスター。
- ギガドローン(敵メガゾード)
スクローグルが所有するロボット。
- ゴルダー・マキシム(ネオグリフォーザー)
初代パワーレンジャーが戦ったゴルダー(グリフォーザー)が再生された姿。原典ではグリフォーザーとは別人だったが、本作品では同一人物である。
- スナイド(ネオガイルトン)
ダイノチャージにも登場したゼルトラックスに似た戦士。
余談
- 今までの作品は日本版の最新作から見て1年前の作品、または直近の作品をローカライズする方法が主流であったが、2012年のスーパー戦隊をローカライズするという今までに無いケースである。
- 諸事情で烈車戦隊トッキュウジャーや動物戦隊ジュウオウジャーが飛ばされたり、シンケンジャーのローカライズが大幅に遅れたり、同じ戦隊を2シーズン続けたりと2000年代後半から2010年代のパワレンは色々あったので無理もないだろう。キュウレンジャー以前の作品で無難な設定の作品がゴーバスターズぐらいだったという背景もあるのだろう。
- とはいうものの、ゴーバスターズも玩具展開や設定の都合上、一度パワレン化を見送られていた作品だった事は内緒である。実はシリーズ化を見送られた作品がパワーレンジャーの歴史に加わることはこれが初である。またパワーレンジャー・RPMの続編としてゴーバスターズのリメイクの話は出ていたらしい。
- スーツアクターのツイッターによると、メタロイドなどのスーツは改造や廃棄でほとんど現存していないため、新規撮影には新しく作り直されたものが使用されている。
- 先ほど述べたビートバスターのモチーフがカマキリに変更されていると言う話はバンダイアメリカが「ハズブロ社よ…カブトムシをどう見たらカマキリと言い張れるんだ」とネタにしている。
- おそらくだが、変身前で能力を使うに当たり、カブトムシの特性がブルーと被ると見なされたからなのかもしれない…。
- 尤も過去にモチーフが変更される事はパワレンにはあるあるらしい。(パーツの一部だったり見た目だったりで言い訳がつくケースもあるが)何をどうやったらそれに見えるんだという物ばかりなのだが。
- 例えば…星麒麟(麒麟→グリフォン)、ギガライノス(サイ→ケンタウロス)、ギガバイタス(サメ→クジラ)、烏賊折神(イカ→タコ)、恐竜折神(恐竜→サメ)、マジレジェンド(神獣→マンティコア)など。
- ギンガルコン(ハヤブサ→コンドル)、タイガランス(タイガーサウルス→サーベルタイガー)ミルニードル(ニードルサウルス→ステゴサウルス)と言った風に違和感のないモチーフ変更もあるにはある。