CV:阿部薫
スーツアクター:日下秀昭
概要
アバレンジャーのメンバーの一人でアスカが変身する黒の戦士。爆竜ブラキオサウルスをパートナーとし、「無敵の竜人魂!」というキャッチフレーズを持つ。
物語上最初に登場したアバレンジャーでもあり、他の3人のメンバーとは後述の通り様々な部分で異なる部分が見受けられる存在でもある。
まず変身アイテムとして、他のメンバーの使用するダイノブレスではなく、ブレスレットの「ダイノコマンダー」と、ハーモニカ型の「ダイノハープ」とを組み合わせる形で使用。装着するアバレスーツも、菱形の模様が金色かつ黒いラインの入ったものとされ、両肩にはアーマーもデフォルトで装備されているのが特徴である。
戦闘でも専用のダイノウェポン「ダイノスラスター」を駆使し、多彩かつ強力な技を繰り出す他、相手を持ち上げ地面に叩きつけたり、ボディを貫通するほどのパンチを決めたりとパワフルかつ豪快なアクションを得意としており、時には単体で巨大な敵――それもアバレンオーですら苦戦を強いられた相手をも撃破し、キラーオーさえ撤退に追い込んでしまうなど並外れた実力を発揮する。
他方で、その実力はアスカの精神状態に影響されやすく、心に迷いが生じた場合は雑魚にさえ苦戦を強いられるばかりか下手をすれば変身さえままならなくなるという難点とも紙一重であったりする。
また、実力を十全に発揮できた場合でも精神エネルギーを著しく消耗し、暫しの間休眠状態に入ることもある。
これらの仕様の差異については、作中でも特に詳細な言及はなされていないものの、
- 「爆竜ブラキオサウルスに由来する膨大な量のダイノガッツが封入されている為、ダイノハープが安全装置になっている」
- 「旧式もしくは新型である」
という二通りの考察が、放送終了直後に刊行された『爆竜戦隊アバレンジャー超全集』(小学館)にて提示されている。
特異な立ち位置
前述の通り、TVシリーズ初回の冒頭でアスカはアバレブラックに変身しており、作中に登場した最初のアバレンジャーとなったが、その戦闘の最中にダイノハープを破損し、修復が完了した第7話まで変身不能な状態にあったという経緯がある。
こうした経緯や前述した様々な差異、さらには明確に追加戦士でありながらも敵対していた時期が長かったアバレキラーの存在もあってか、アバレブラックは「1人目にして4人目の戦士」、「初期メンバーとも追加戦士とも言える」というシリーズの中でも非常に特殊なポジションとなっている。
一応、アバレブラックの登場は他の3人と共に番組開始前から発表されてはいたものの、いずれかに分類されるかは作品により異なる(一例として、『海賊戦隊ゴーカイジャー』では前者として扱われている)という状況が、現在に至るまで続いている。
海外版
『アバレンジャー』の英語版ローカライズ作品『ダイノサンダー』では「ブラックレンジャー」として登場し、ドクター・オーことトミー・オリバーが変身する。
トミーと言えば、かつて初代グリーンレンジャーを始め、様々な形でレンジャーとして戦ってきた伝説の存在でもあり、同作では主人公達の通う高校に教師として赴任(※)、レンジャーとしての活動のみならず学業の面においても、彼等を導く司令官ポジションを兼ねる。原典におけるアバレブラックが他のメンバーと一線を画した実力の持ち主であるのは前述した通りであるが、同作のブラックレンジャーもやはり過去のレンジャーとしての戦闘経験や、持ち前の格闘センスにより他のメンバーの追随を許さぬほどの実力を発揮している。
このブラックレンジャーとしてのトミーの起用は、同作が前作『パワーレンジャー・ニンジャストーム』の反省を踏まえ、過去のシリーズ作品との関連や原点回帰を意識したことに起因したものでもある。
他方で、物語中盤では様々なトラブルにより、しばらくの間元の姿に戻れなくなるハプニングに見舞われるという、奇しくも一時的な戦線離脱を余儀なくされていた原典に近い展開も発生した。
これはトミーを演じるジェイソン・デビッド・フランクが、一身上の都合によりアメリカに帰国したことによるもので完全復帰を果たした際には過去に自身が変身した歴代のレンジャーの幻影とも戦っている。
翌年に放送された『パワーレンジャー・S.P.D.』での共闘エピソードでも、やはりスケジュールの都合により変身後のみが登場、声も別の役者が当てている。
(※ レンジャーを引退した『パワーレンジャー・ターボ』の時点では高校卒業後にテストドライバーとなっているが、その後紆余曲折を経てマサチューセッツ工科大学を卒業、考古学者に転身している)
関連タグ
ホウオウソルジャー:『宇宙戦隊キュウレンジャー』に登場するヒーローの一人。アバレブラックと同様に、初登場回にてジャイアントキリングをかました実力の持ち主である一方、こちらは明確に追加戦士として位置付けられているという相違点も有する
スーパー戦隊シリーズ歴代ブラック