「きょうりゅうもにんげんも おんなじいのち」(「恐竜カレー」パッケージより)
概要
スケさんこと杉下竜之介が経営する和風喫茶店。紫蘇町に所在する(※1)。
凌駕達がアバレンジャーとして初陣を飾った後、スケさんの案内によりこの店に招かれたのを機に、彼らの活動拠点としても位置付けられるようになった。またそれからさほど間を置かずして、スケさんの依頼により外国人技師が店内の一部設備を改装、秘密基地としての機能がより強化されることとなった(詳細は後述)。
建物は3階建てで、このうち店舗スペースは1階に集約されており、カウンター席と和風の個室席が設けられている他、内装として恐竜の頭骨を組み込んだテーブル(※2)が飾られていたり、壁には恐竜のシルエットが描かれてもいる等、店長であるスケさんの恐竜好きな趣味が色濃く反映されたものとなっている。
2階・3階には従業員用の個室が複数設けられており、爆竜の出現に際して住居のマンションを失った伯亜父子、それに故郷が遠く離れているアスカ・幸人・らんるがここに住み込むようになった。このうち幸人は当初、本人の馴れ合いを好まない性分ゆえ(「店が狭過ぎて自分の気に入った家具が置けない」と皮肉ってもいる)ホテル暮らしをしていたが、最終的に効率を考え同居を承諾するに至っている。物語当初からのレギュラーのうち、実家が健在かつ近場であった今中笑里のみ学校の合間を縫って自宅から通っていたが、彼女も第39話にて両親が海外に転勤となって以降は住み込みとなった。
物語が進むにつれ、マホロや謎の少女(カスミ)等住人もさらに増えていくようになったが、エヴォリアンとの戦いが終息した後はそのほとんどが旅立っていき、最終回ラストの時点での住人はスケさんとヤツデンワニのみとなった。
(※1 店舗外観のロケ地には、埼玉県朝霞市に所在するバーが使用されている)
(※2 このテーブルについては、1952年に英国のアーリー・リバー社が作った恐竜家具シリーズの一つであることを、作中にてらんるが言及している)
メニュー
恐竜やの名物として、恐竜を象った陶製の皿に盛られた「恐竜カレー」が挙げられる。ルーはジューシーなポークを始め、沢山の具材をふんだんに使って煮込まれた「太古に思いを馳せたロマンの味」で、福神漬にうずらの卵、それに唐揚げとトッピングも充実している上、サラダ付きで900円(※)というリーズナブルなメニューとなっている。また、カレー一辺倒の店という訳ではなく、「恐竜づけ丼」といった丼ものも充実しており、無料でガムも配布している。
気になる味についてだが、新作メニューとして考案された人の顔の形に盛られたカレーは非常に美味しく、ピーマン嫌いだったらんるや、貝が苦手な幸人をして好き嫌いを瞬時に克服できてしまうほどで、チェーン展開できるのも納得のクオリティであることが窺い知れる。
この恐竜やのカレーは、放送当時「東映ヒーローネット」限定でレトルトパック(4食分)とカレー皿のセットが通信販売されたこともある他、2021年にパセラリゾーツとのコラボレーションで東京・池袋にオープンした「スーパー戦隊レストラン」においても、一時期恐竜カレーがメニューの一つとしてラインナップされていた。
(※ 後述のOV『許されざるアバレ』においても、20年の月日が経過してはいるものの価格は据え置きとされている)
基地機能
前述の通り、内装の改修により基地機能が強化されており、前述のテーブルの一部である恐竜の頭骨の歯を動かすか、もしくは次元の扉反応を感知することで、カウンター席が180度回転して司令室が姿を現し、天井からも大型のモニター(グラスヴィジョン)が迫り出すようになっている。これらの設備は、幸人の出資によるものであることが作中でも説明されている。
大型モニターには、各所に設置された監視カメラと連動し、エヴォリアンやそれによって引き起こされた異変を捉えることができる他、エヴォリアンの出現に伴う次元の扉反応を感知し、その正確な位置を表示。さらに爆竜との会話をも可能とするなど、その機能は多岐に亘る。
また司令室にも、小型のモニターが3台設置されている他、内装にも恐竜の要素が散りばめられており、壁は恐竜の化石が埋め込まれている他、床にはアバレンジャーのマークも施されている。
基地機能を展開する際には、恐竜やとしての営業も一時ストップする必要があるため、その時点で店内にいる客(主に横田さん)も店外に追いやられることとなる。
関係者
- 杉下竜之介:店長
- 今中笑里:アルバイト
- ヤツデンワニ:看板トリノイド。OV『特捜戦隊デカレンジャーVSアバレンジャー』では社長に就任
- 横田さん:恐竜やの常連の一人で、「横ちゃん」の愛称で呼ばれることも多い中年男性。前述の通り、恐竜やが秘密基地として機能する際には店外に追いやられるのがお決まりのパターンとなっていたが、物語が進むに連れて普通に客として来た筈なのに、アバレンジャーが出動するに当たって注文を出してもらう間もなく店番を頼まれる、というケースも多くなった。
シリーズ内他作品への登場
前述の通り、エヴォリアンとの戦いが終息したTVシリーズ最終回の時点でも恐竜やは健在で、後日談に当たる『デカレンジャーVSアバレンジャー』では、なんと超高層ビルに本社を構え、チェーン展開も行うほどの大手外食産業へと急成長を遂げていることが語られている。
同作に限らず、その後も本作でメインライターを務めた荒川稔久が参加する戦隊作品、特にスーパー戦隊Vシネマを中心に、何かと恐竜やが登場したり、その存在に言及するケースがしばしば見られる。
- 『海賊戦隊ゴーカイジャー』:第4話にて、作中に登場したテナントに「恐竜や」の文字が見られる。
- 『ルパンレンジャーVSパトレンジャーVSキュウレンジャー』:作中、はぐれてしまったラッキーを探して一服ついていた店に「恐竜や」の看板がある。
- 『魔進戦隊キラメイジャー』:エピソード14にて登場した銭湯の広告の一枚に、「恐竜や」の文字が確認できる。
他スーパー戦隊で恐竜やと関わりがある人物
店員
- 城範人(『炎神戦隊ゴーオンジャー』):過去にアルバイトとして勤めていたことが言明されている。
お客様
- ドギー・クルーガー(『特捜戦隊デカレンジャー』):若い頃によく通っていたことが語られている。
- 白鳥スワン(同上):小津深雪とも、恐竜やを通じて親しかったことが語られている。
- 小津深雪(『魔法戦隊マジレンジャー』):常連さんの一人。
- 牧野森男(『轟轟戦隊ボウケンジャー』)
- 真咲美希(『獣拳戦隊ゲキレンジャー』)
- 久津ケン・幸子兄妹(同上):同作のTVシリーズ修行その30にて、未遂に終わったものの恐竜やのカレーを食べに行こうとした。
- キャプテン・マーベラス(『海賊戦隊ゴーカイジャー』):VSシリーズでチキンカレーを食べていた。
- スティンガー、ハミィ、スパーダ(『宇宙戦隊キュウレンジャー』):前述のラッキー探しの情報交換の際に恐竜やを訪れている。スパーダは本職がシェフであるためか、恐竜やのカレーを食べた際にその味を絶賛してもいる。
備考
2023年放送の木曜ドラマ『警視庁アウトサイダー』では、何かと特撮も含めた過去のドラマなどのパロディが散見される点でも話題を博したが、本作からも恐竜やにちなんだパロディが盛り込まれている。
これは同作の2023年3月2日放送分(最終回)でのことで、作中に登場する居酒屋龍宮城のメニューとして「今日・龍カレー」が登場。恐竜カレーと同様にカレーは恐竜型の器に盛られており、コップには恐竜やのロゴが描かれているという念の入れようである。
また、このシーンでは店内に踏み込んできた一途会の構成員の一人を、本作でのアスカ役である阿部薫が演じており、カレーを一瞥して思わず反応してしまうというくだりも挟まれている(この他、カレー繋がりなのか、『仮面ライダーリバイス』で五十嵐さくらを演じた井本彩花が演じる沙希が、仮面ライダージャンヌの変身ポーズで立ち塞がり、決め台詞を言うシーンまである)。
同作の演出陣の中には、本作のOV『爆竜戦隊アバレンジャー20th 許されざるアバレ』を手掛けた木村ひさしも名を連ねており、同作の最終回の演出もやはり木村の手によるものである。
関連タグ
スナックゴン(秘密戦隊ゴレンジャー) スナックサファリ(太陽戦隊サンバルカン):いずれもスーパー戦隊シリーズの他作品に登場する飲食店で、名物としてカレーを提供しているという点で恐竜やと共通している。特にスナックサファリは、様々な作品に登場し、共通する作品も多い。
ゴールド寿司:『侍戦隊シンケンジャー』に登場する飲食店の一つ。ごく一時期のみではあるが、メニューの一つとしてカレー(寿司カレー)を提供したことがあり、前出の「スーパー戦隊レストラン」においても恐竜やのカレーなどと並んでメニューの一つにラインナップされていた。