「アカレンジャー!」
「アオレンジャー!」
「キレンジャー!」
「モモレンジャー!」
「ミドレンジャー!」
概要
秘密戦隊ゴレンジャーとはスーパー戦隊シリーズの作品であり、劇中に登場するヒーローである。
1975年4月から放送された記念すべき特撮戦隊ヒーロー番組の第一号。
それまで同時間帯に「仮面ライダーアマゾン」を放送していた製作局の毎日放送が「腸捻転」解消のため朝日放送とトレードされたことにより、NET(後のテレビ朝日)系列局における後番組として開始。しかしながらトレード先の朝日放送ではその時間帯は「連続アクチュアルドラマ部長刑事」が陣取っており、同日の夕方に先行放送されることになった。
本作は仮面ライダーストロンガーの没案の中に「特殊能力を使い分ける五人の仮面ライダーが活躍する」というものがあり、それから派生したアイディアで作られた画期的な番組である。なので、仮面ライダーシリーズと同じく石ノ森章太郎が原作者としてクレジットされている。コミカライズ版も石ノ森が担当した。
本作のもう一つの特色として、時にシリアスなスパイアクション・時に抱腹絶倒のギャグコメディ・次回予告にも使われたなぞなぞネタなど、TVの前の子供達を魅了する要素がふんだんに盛り込まれたことが挙げられる。
全84回。最高視聴率22%の記録を打ち立て、その後も続くスーパー戦隊シリーズの礎を築き上げた。
令和期になると場末の博物館にまで放映当時の関連グッズが展示されるなど「昔の子供が親しんだコンテンツと言えばコレ!」となるほどの立ち位置となっており、もはや歴史の資料と化している。
あらすじ
世界征服を企む悪の軍団、「黒十字軍」の侵攻を防ぐべく国連は「国際秘密防衛機構イーグル」という組織を作り世界中に支部を置いた。だが黒十字軍はイーグル日本支部に攻撃を集中、各地の支部を瞬く間に壊滅させてしまった。
だが、その中で奇跡的に生還した5人のスペシャリスト達は新宿の秘密基地に集結し、ゴレンジャーを結成。黒十字軍に逆襲を開始した!!
登場人物
ゴレンジャー
元イーグル関東支部所属隊員で海城分隊長の弟。サッカーが得意。
ムチ「レッドビュート」と麻酔銃「シルバーシュート」が武器。ゴレンジャーストーム及びゴレンジャーハリケーンのキッカーを務める。
海賊戦隊ゴーカイジャーにも登場するがゴレンジャー本編開始時点では24歳の設定だったためレジェンド大戦時点ではどう考えても還暦を越えていた事になる。
元イーグル東北支部分隊長。マシンの取り扱いに長けており、バリブルーン・バリドリーンに対して強い愛着を持っている。
洋弓「ブルーチェリー」が武器。六段蹴りも強力。
雪山で5、6人斃されただけで全滅とは、東北支部は守りが薄過ぎるのではないか?
元イーグル九州支部隊員。カレーが好物の怪力九州男児。
その怪力から繰り出される徒手空拳をメインに戦うほか、仮面怪人の行動を封じる電波を発する万能無線機「YTC」と、切っ先に拳骨のついた棍棒「キーステッカー」を武器とする。
イーグル九州支部分隊長に栄転した大岩の後任として、ゴレンジャー候補隊員から選抜された。怪力は同様だがこちらは甘党。戦隊シリーズ初の殉職戦士となった。
元イーグル北海道支部隊員。爆弾処理のスペシャリスト。
耳に下げている爆弾「モモビーズ」が武器(耳から外す事で安全ピンが解除される)。掛け声は「いいわね?行くわよ!」…いきなりそんな事言われても困る。
元イーグル関西支部の新米隊員。メンバー最年少で、やや猪突猛進の気あり。
ブーメラン「ミドメラン」が武器でスリング「ミドパンチャー」にもなる。
黒十字軍襲撃時は鳩に餌をやっていたために無事というオチ担当のような扱いだった(他の4人は敵と戦い負傷している)。
呼称表
が\に | 海城 | 新命 | 大岩 | 熊野 | ペギー | 明日香 |
---|---|---|---|---|---|---|
海城剛 | 俺 | 新命 | 大ちゃん、大岩 | 熊野→大五郎 | ペギー | 明日香 |
新命明 | 海城 | 俺 | 大ちゃん | 大五郎 | ペギー | 明日香 |
大岩大太 | 海城どん | 新命どん | おいどん/わし | 大五郎 | ペギー | 明日香 |
熊野大五郎 | 海城さん | 新命さん | 大岩さん | 俺 | ペギー | 明日香 |
ペギー松山 | 海城さん | 新命さん | 大ちゃん | 大ちゃん | 私 | 明日香 |
明日香健二 | 海城さん | 新命さん | 大ちゃん | 大ちゃん | ペギー | 僕/俺 |
ゴレンジャーの関係者
スナック・ゴンのマスターにしてゴレンジャー総司令官。司令官としての采配は一流で、直属の部下であるゴレンジャーからの信頼も厚い。
だが、いつもつけでカレーを食っている大岩にはいつも悩まされている。
ゴン
スナック・ゴンで飼われている九官鳥。なぞなぞの答えを先に言って大岩を小馬鹿にしている。
ゴレンジャーをサポートするイーグル連絡員。スナック・ゴンの店員も勤める。
連絡員の中ではもっとも長期に渡って活動、予備パイロットとしての訓練も受けており、ゴレンジャーが別行動をしている際にバリタンクやバリドリーンを操縦したこともある。またゾルダー相手であれば、生身で渡り合える実力を持っている。今の時代だったら大岩の一時離脱後大五郎が参入せず、彼女が二代目キレンジャーを務め、大岩復帰後に正式に(別のカラーの)追加戦士として加入、という展開があり得たかもしれない。
陽子の弟。イーグル連絡員として働く姉を強く尊敬する良い子。
スナック・ゴンに出入りしており、大岩によくなぞなぞを出している。
その立場から黒十字軍に狙われる事もしばしば。
黒十字軍
世界征服のため、人類抹殺を目論む秘密結社。
世界各地に戦線を広げ、計画遂行の邪魔となるイーグルおよびゴレンジャーと戦う。
本作最強の敵でラスボス。最終回で意外な事実が判明する。
後年、ゴーカイVSゴセイジャー199ヒーロー大決戦で悪霊の一種として復活。
第15話「青い大要塞! 大暴れバリブルーン」より登場した黒十字軍の初代大幹部。
「アフリカの星」という異名を持つ。炎を操る。
モンゴルから来た幹部で鋼鉄軍団を率いる。誇り高く忠誠心が強い。戦闘力も強大。最期はバリブルーンを道連れに爆死するという戦果をあげ死に花を咲かせた。マグマンの間抜けさとは対照的である。
アイスランドから来た幹部。噴火軍団を率いており、移動要塞ナバローンと共に日本に来た。
怒りの大噴火という強力な必殺技を持ちゴレンジャーの個人武器を最小限の動きで捌くなど戦闘力は高いが、やられ方の間抜けさも有名。(下記参照)
棺から目覚めた黒十字軍の最高幹部。アフリカ軍団を率いる。
いわゆる今週の怪人。第1話ではいきなり5人登場した。モチーフが金属の怪人が多い。基本はシリアスだが、ギャグ要素も強い。(野球仮面、機関車仮面など)子供が怖がらないようわざとギャグ要素を強くしている。
戦闘員。「ホイ」が掛け声で剣を武器に戦う。コミカルだが任務には忠実(怪人の中にもゾルダーを大事にする者もいた)。キが分からないなぞなぞの答えを教えた事もあった。
黒十字忍団
第64話から登場。「宇宙侵略軍」という外部勢力との結託を機に結成された精鋭部隊。
壁をすり抜けるなど、忍者的な特殊能力を持ち、ゴレンジャーも苦戦を強いられた。
第53話『赤いホームラン王!必殺の背番号1』に登場。
黒十字軍の大量殺人兵器開発者として逮捕され刑務所に収監されたが毒薬を飲んで一度死亡することで野球仮面に救出されて脱獄したあと黒十字軍の高度な再生医療技術で生き返る。イカデビルではない。
マシン・メカ
バリブルーン(第1~42話)
ゴレンジャーが誇る空の要塞、42話まで活躍した。
重爆撃機に匹敵する火力と戦闘機以上の機動力に加えて給油なしで世界一周飛行ができるという高性能ぶりを持つ
ゴレンジャーマシーン(第1~54話)
ゴレンジャー隊員が使用する陸上戦闘・追跡用の特殊バイク。ブルーマシーン、グリーンマシーンはサイドカーを切り離せる。動力源はリチウムエンジンでこれによってゴレンジャーマシーンは空気のあるところならば半永久的に走ることが出来る。
レッドマシーン
アカレンジャー専用バイク、運転は海城剛が担当。
ブルーマシーン
アオレンジャーとキレンジャーが乗るサイドカー、運転は主に新命明が担当。
グリーンマシーン
ミドレンジャーとモモレンジャーが乗るサイドカー、運転は主に明日香健二が担当。
バリドリーン(第42話~)
第42話のラストから初登場した、バリブルーンに代わる空の要塞。
扇子のように開く5色の翼が特徴的。機首前方部には万能戦車バリタンクを搭載している。
バリタンク(第42話~)
第42話のラストでバリドリーンと共にに初登場した6輪の万能戦車。
バリドリーン機首部分のスロープから発進する他、バリドリーンが飛行中の際にはパラシュートによる降下が可能。
スターマシーン(第55話~)
第55話より登場したゴレンジャーマシーンの後継車両(設計案は第52話で語られている)
第三次防衛計画の一環として開発されており動力源は旧マシーンと同じリチウムエンジンで無人走行可能。
レッドスター
アカレンジャー専用の新型バイク、運転は海城剛が担当。
ブルースター
アオレンジャーとキレンジャーが乗る新型サイドカー、運転は主に新命明が担当
グリーンスター
ミドレンジャーとモモレンジャーが乗る新型サイドカー、運転は主に明日香健二が担当。
バリキキューン(第69話~)
第69話より登場した気球型飛行メカで主な操縦者はモモレンジャーもしくはキレンジャー
レーダーに引っかかることなく、いかなる場所にも離着陸できる。
必殺技
モモレンジャーが開発した特殊爆弾でサッカーボールの形をしている。
ゴレンジャーストーム・ニューパワー作戦の変化能力を最大限に引き出したラグビーボール型爆弾。
各話リスト
サブタイトルは一部を除いて「○○! ××」(第64話以降は「○○!! ××」)というフォーマットで統一されている。また、色名が必ず使われている。
音楽
主題歌
- 進め!ゴレンジャー(OPテーマ)
作詞:石森章太郎/作曲・編曲:渡辺宙明/歌:ささきいさお、堀江美都子、コロムビアゆりかご会
- 秘密戦隊ゴレンジャー(1期ED)
作詞:八手三郎/作曲・編曲:渡辺宙明/歌:ささきいさお、こおろぎ'73
- 見よ!!ゴレンジャー(2期ED)
作詞:石森章太郎/作曲・編曲:渡辺宙明/歌:ささきいさお、こおろぎ'73、ウィルビーズ
挿入歌
- とべ!バリブルーン
作詞:赤井圭/作曲・編曲:渡辺宙明/歌:ささきいさお、こおろぎ'73
- 赤い力だアカレンジャー
作詞:田中守/作曲・編曲:渡辺宙明/歌:ささきいさお
- 青い空からアオレンジャー
作詞:石森章太郎/作曲・編曲:渡辺宙明/歌:ささきいさお
- おいどん大喰いキレンジャー
作詞:赤井圭/作曲・編曲:渡辺宙明/歌:こおろぎ'73、コロムビアゆりかご会
- ナゾナゾのミドレンジャー
作詞:赤井圭/作曲・編曲:渡辺宙明/歌:ささきいさお、堀江美都子、コロムビアゆりかご会
- 花のモモレンジャー
作詞:田中守/作曲・編曲:渡辺宙明/歌:堀江美都子
- 進めゴレンジャーマシン
作詞:吉井勝/作曲・編曲:渡辺宙明/歌:ささきいさお、こおろぎ'73
- 悪魔の黒十字軍
作詞:土井信/作曲・編曲:渡辺宙明/歌:こおろぎ'73
- ゴレンジャーストーム
作詞:石森章太郎/作曲・編曲:渡辺宙明/歌:ささきいさお、堀江美都子、こおろぎ'73
- ゴレンジャー絵かきうた
作詞:石森章太郎/作曲・編曲:渡辺宙明/歌:堀江美都子
- ゴレンジャーがやってくる
作詞:八手三郎/作曲・編曲:渡辺宙明/歌:ささきいさお、ザ・チャープス
- バリドリーンの歌
作詞:上原正三/作曲・編曲:渡辺宙明/歌:ささきいさお、こおろぎ'73
- 戦いおわって
作詞:八手三郎/作曲・編曲:渡辺宙明/歌:ささきいさお、こおろぎ'73
劇中未使用曲。
関連作品
1976年7月18日公開の劇場版。東映まんがまつりの一編として上映された本作単独作品。
1978年3月18日公開の劇場版。東映まんがまつりの一編として上映された本作と次回作『ジャッカー電撃隊』のクロスオーバー作品。
2011年6月11日公開の劇場版。『海賊戦隊ゴーカイジャー』と『天装戦隊ゴセイジャー』を中心としたスーパー戦隊35作記念作品。
本作から海城剛/アカレンジャーが登場。
2021年2月20日公開の劇場版。『機界戦隊ゼンカイジャー』の単独作品。
本作から海城剛/アカレンジャーが登場。
漫画版
TV放送と同時に漫画版も展開されたが、本編はほぼ打ち切り未完同然の内容で、少年サンデー連載版は「秘密戦隊ゴレンジャーごっこ」へ改題され、こちらも「公式が病気」の展開となった。
余談
- ゴレンジャーの英字表記は一部の資料で「GORANGER」と書かれていることもあるが、劇中では「GORENGER」となっている
- 「5人全員がスーツの機能あるいは生来の能力で空を飛ぶ戦隊」の元祖である(他はジェットマンとゴセイジャーのみ)。
- ゴレンジャーハリケーンは爆弾ボールがいろんなアイテムに変形して様々な怪人たちを倒した技であるが、怪人たちの死にざまは爆弾の変形以上にギャグテイストに満ちていた。例として「アバラ仮面、鶏がらスープ爆弾で爆殺された怪人でアバラだけに。」「火の山仮面マグマン将軍、たまご型爆弾を自らの噴火能力でゆでて食して自ら爆死」(今や公式が病気)などがある。
- 新命明がバリブルーンの操縦者に設定されたのは、演じた宮内洋が多忙な為彼の出演場面だけ別撮りできるようにとの配慮からである。
- 仮面戦隊ゴライダー 2017年3月下旬より配信予定のネットムービー及び劇中に登場するヒーローチーム、元ネタはゴレンジャーの初期案が「5人の仮面ライダーで構成」であったものに由来すると思われる。東映が末期。
- ご長寿早押しクイズにて、(「さんまのSUPERからくりTV」「ご長寿グランプリ」両方で)この戦隊の名前を答える問題が出題されたことがある。問題文に「5人そろって」とあるにもかかわらず、最初の答えが「シチレンジャー」という珍現象が起きた(どちらの番組でも)。勿論ゴレンジャーには、追加戦士も番外戦士も登場していない。
- 企画初期のタイトル案は『レッド・1』(バイオマンに非ず)というものであり、各メンバーの名もレッドマスク(マスクマンに非ず)などと仮称されていた。その後に考案されたのが『ファイブレンジャー』で、メンバーの名称もレッドレンジャーなどとするものだった。しかし、この『ファイブレンジャー』は「理屈っぽい」として却下され、次に出た『ガッツレンジャー』も却下された後、最終的に「5人レンジャー」の「人」を取って「5レンジャー」の名前が考案され、片仮名の『ゴレンジャー』が決定名となった。
- 作中ではゴレンジャーの姿になることを「テンカン(転換?)」、82話では解除することを「ギャクヘンテン(逆変転?)」と呼んでいる。
- 漫画版では、第1話での海城の台詞から、劇中世界でウルトラシリーズや仮面ライダーシリーズがTV番組として放映されている事が窺える。
関連イラスト
関連動画
関連タグ
- ジャッカー電撃隊VSゴレンジャー:カウントはされてないがのちのVS作品の原型。
- 四天王ロボ:ジャッカー電撃隊VSゴレンジャーに登場した合体怪人
- 百獣戦隊ガオレンジャーVSスーパー戦隊:アカレンジャーとバンク映像で新命明とバリドリーンが登場。
- 海賊戦隊ゴーカイジャー:第1話でアカレンジャーが誠直也氏の声で登場。劇場版第1弾とTV本編最終話で誠氏本人も海城剛として登場した。また第4話でジョー・ギブケンとアイム・ド・ファミーユが行ったビル内にスナック・ゴンの名前があった。
- 199ヒーロー大決戦:海城剛がレジェンドとして登場。
- 黒十字王:199ヒーロー大決戦にて黒十字軍の首領・黒十字総統が生まれ変わった姿。
- なぞなぞ:事件解決のヒントになる事も。
- カレー:イエロー=カレーはここから。
- ゴレンジャイ:ダウンタウンのごっつええ感じで放送されていたコント。
- 関根勤:ラビット関根時代にゲスト出演した。
歴史の始まり
秘密戦隊ゴレンジャー→ジャッカー電撃隊