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英文ではSPY 。「スパイ」という発音はU.S.イングリッシュ発祥らしく、クィーンズ・イングリッシュでは「スピー」に近くなるらしい。


概要

スパイとは相手や敵の様子を密かに探ること、またその人(『デジタル大辞泉』)である。密偵 諜報員などともいう。


情報を入手したり、秘密基地に潜入したり、大立ち回りを演じたり、美女と恋愛したりするのが主な仕事で、裏方でありながら有名人も存在し、顔が割れていても潜入できるのはその人物がスパイだからに他ならない。

また、博士から便利な秘密道具を貰える。


スパイ活動のあらまし

より厳密には、スパイとはインテリジェンスを入手する活動の一つである。インテリジェンスとは、政策決定者が安全保障や外交の分野で判断の拠り所とできるように選り抜かれた情報をいう(手嶋龍一・佐藤優『インテリジェンスの最強テキスト』)。手嶋・佐藤によれば、情報機関は収集した膨大雑多な情報を精選してインテリジェンスとして報告する。その多くは報道や雑誌記事などむしろ地味な公開情報によるのだが、どうしても公開情報では分からない非公開の部分は当然出て来る。そういった非公開情報を入手する活動の一つがスパイであるという。具体的にはヒューミントといって、外国に潜ませた情報要員を情報源として機密情報を入手する。一般には相手国に協力者であるエージェントを配して秘密情報を探る。エージェントの協力への見返りとしては金や亡命の保証などを約束してのリクルートが行われているという(使い捨て扱いの場合は偽金で報酬を払うケースもある)。


スパイ活動、ヒューミントによる情報入手は外国中枢での極秘計画やその意図を入手できる可能性がある(手嶋・佐藤、同書)。一方で、二重スパイの浸透を許したり、摘発されて活動が露見した時に外交問題に発展するといったリスクも伴う。相手国に送り込まれる情報要員の資格としては、高い外国語能力、機密情報獲得の技能、現地エージェントを獲得する技術、通信手段に詳しく各種武器を用いる技量などがあげられる。身分は偽装して潜入する事になるので、表向きは大使館の外交官、商社現地社員、学者ジャーナリストなど現地での活動に適した様々な身分を偽装する(手嶋龍一・佐藤優『インテリジェンスの最強テキスト』)。


スパイの歴史

人類の歴史と共にあったとも言われ、モーゼがイスラエルの民と共にカナーンの地に向かう際に、十二人のスパイにその地の情勢を偵察をさせたともいう(海野弘『スパイの世界史』)。また『孫子』は五種のスパイを挙げている。すなわち、郷間(相手国の一般人を起用)、内間(相手国の重要人物を寝返らせスパイにする)、交間(相手国のスパイを寝返らせ二重スパイにする)、生間(潜入させかつ生還させて情報を得るスパイ)、死間(あえて相手国に捕えさせて殺される代わりに偽情報を流して混乱させる)である。その後の歴史を通じて、後世でいうならスパイに当たるような活動は各地で見られたが、臨時的局所的なものであって組織的なスパイ活動は見られなかった(海野弘『スパイの世界史』)。


近代に近い意味でのスパイの発祥はルネッサンス時代のイタリア都市国家とされる。これら都市国家が外国に外交官を派遣して大使館を置く制度を始めると、外交官は同時にスパイ網を在任国へと張り巡らせるようになったという(海野弘、同書)。最初の専門家としてのスパイを組織化したのはイギリスフランシス・ウォルシンガムとされる。ウォルシンガムはエリザベス女王に仕え、諸国の大使や外国宮廷に出入りする占星術師、イエズス会士などを情報提供者としてスペイン無敵艦隊の動きを察知し、戦勝に貢献したという。フランス皇帝ナポレオンの警務大臣を務めたジョセフ・フーシェも先駆的な情報機関の長であった。フーシェはあらゆる階層の人々をスパイとし、政府要人の手紙も読むことができ、ナポレオン自身の閨房の秘密まで握っていた。(以上まで海野弘、同書)。


やがて、近代戦の時代になると、伝説的なスパイの活躍が次々と戦況を一変させ、歴史に名を残すようになる。女スパイの代名詞とも言われる、マタ・ハリは、その中でも初期に活躍した人物であろう。もっとも海野はマタ・ハリをスパイに数えるのは否定的である。オランダ生まれで東インド諸島に滞在経験があり、現地の流儀を生かした踊り子として名を成した。貴族や外交官と広く交流があり、フランス情報部のジョルジュ・ラドゥー大尉に雇わてドイツの情報部から多くの情報を入手した。しかしその多くは偽情報であり、真相に気づいたラドゥーらが事態を隠蔽する為にマタ・ハリをドイツのスパイとして処刑したという(海野弘、同書)。


リヒャルト・ゾルゲは第二次世界大戦当時の日本で活躍したソ連のスパイである。コミンテルンでの活動を経て1933年に来日し、近衛文麿内閣のブレーンであった尾崎秀実、オットー駐日ドイツ大使らと接触。日本がソ連に侵攻せず南進するという情報を入手。しかしモスクワからの帰国指示が無かったため協力者たちと共に逮捕された。日本側は対ソ交渉の道具として用いようとしたが、スターリンは黙殺、ついには処刑された(以上まで海野弘、同書)。


現代のスパイ組織はどのように形成されたのだろうか。イギリスに最初の情報部が生まれたのはクリミア戦争の時、ほとんど現地についての情報を持たなかった遠隔地での戦いに英軍が苦戦してからという(海野弘、同書)。批判にこたえて地形部と統計部が設立され、現地の地形や人口、経済などの地道な情報収集を行ったという。やがて陸海軍にも諜報部がおかれ、これらが1909年に改組されて外国部となり、後にはSIS秘密情報部)もしくはMI6と呼ばれるようになった。なおMI6は英国外でのスパイ活動を担当し、同時期に設立された英国内での防諜活動に従事する組織はSS保安局)もしくはMI5と呼ぶ。


超大国アメリカのスパイ機関と言えばCIA中央情報局)である。CIA設立は、第二次世界大戦後その権力が肥大化しすぎた戦時情報機関OSSが、ハリー・S・トルーマン大統領の疑心を招き解散した後のことである(海野弘、同書)。OSS解散によって米陸海空軍と各省がそれぞれ情報部を持って大統領に報告した為、情報活動は混乱した。それらを調整するCIG(中央情報局グループ)が設置され、その発展によってCIAとなった。なお、FBI連邦捜査局)との役割分担により、CIAの活動は国外に限定されることとなる。やがてCIAはただの調整組織の枠を離れ、1949年には氏名も給与も非公開で自由に部員を雇う権限を手にした。アレン・ダレスがCIA長官になると、その活動は情報収集から破壊工作活動へと拡大する。1953年にはイランのモサデク首相を英国のMI6と連携して追放し、1954年にはグアテマラの大統領を交代させる事にも成功した。


その1954年にはソビエト連邦の代表的な情報機関、KGB国家保安委員会)が誕生している。KGBはスターリン時代の秘密警察イメージを改善すべくニキータ・フルシチョフによって組織された(海野弘、同書)。しかし、誕生直後にハンガリー動乱が発生する。KGBはイムレ・ナジ首相を暗殺して数戦とも数万ともいう市民を殺害する作戦を主導し、そのイメージに早々に暗い影をまとうこととなった。ハンガリーからは二十万人ともいう難民が国外に脱出したが、KGBの現地作戦を指揮していたユーリ・アンドロポフは、難民の中に二百人もの工作員を紛れ込ませた。彼らは難民として西欧や米国にて歓迎され、そして連絡を取り合うことで西側世界に巨大な諜報ネットワークを形成した。この功績でアンドロポフは後にKGB議長に昇進している(以上まで海野弘、同書)。


さてでは日本ではどうだったのか、どうなのかと言うと……戦前は当然のように諜報組織を持っていた。いたんだが…………はい、いつものアレです。特に軍事情報に関しては例によって陸軍と海軍で仲が悪く、これに内務省外務省も加わった四者で対立こいたため、水準としては高いものを持っていたにもかかわらずこの四者間で連携が取れず日本の諜報活動は技量の割に高い成果を上げられなかった。


戦後、GHQの占領政策も解けたばかりの1952年には早くも「和製CIA」を意識して「内閣総理大臣官房調査室」が設けられる。が、当時の国民世論をマスメディアが煽り、「戦前回帰」「特高の復活」などと批判され一度は頓挫する。しかしそれでも1957年には「内閣調査室」を発足、対立していたソ連・中国のみならず自陣営の在日米軍も監視対象とした。1977年、総務部門、国内部門、国際部門、経済部門、資料部門がそれぞれ設置され、中曽根康弘内閣下で後藤田正晴の働きによりそれまで官房長官を通して報告されていたものが直接内閣総理大臣に報告される体制が敷かれた。

この「内調」とは別に、防諜や破壊活動の阻止を目的として1952年に「公安調査庁」が設けられている。

1986年に現在の「内閣情報調査室」に改名。略称は「内調」。現在は先に上げた5部門の他に、情報収集衛星(所謂偵察衛星)の運用を行う技術部門が追加されている。

普通に生活している日本人が意識することはなく、またあったとしても頼りない感がある「内調」だが、実はホワイトハウス国防総省の情報が日本に割と筒抜けだったりする。


日本国内での諜報活動の主な対象は街宣右翼などの右翼団体、革マル派や中核派などの戦後の新左翼団体、国外犯罪組織、朝鮮総連、宗教団体(近年ではオウム真理教)、日本共産党などの政治団体である。

一方、国内犯罪組織として一番有名な指定暴力団は、通称マル暴として知られている警視庁組織犯罪対策部や各道府県警察の刑事部捜査四課が担う。


現在のスパイ

当然ながら、現在でもあらゆる国に各諜報機関のスパイは潜み市井の人々に紛れて暗躍しているとされる。各国における諜報機関の詳細は「諜報機関」記事も参照の事。さらに通信技術の発達により電子諜報(シグナルインテリジェンス)がより主役になり巧妙かつ複雑になっている。


何も諜報機関だけがスパイではない。企業がライバルもしくはそれより上のランクの企業に企業秘密となる技術等をスパイを送り込んで盗みとる『産業スパイ』というものもある。このような民間のスパイ、産業スパイについては「情報屋」記事も参照のこと。


スパイ道具

スパイといえば隠し武器といった一般的な物に偽装したものがイメージされるが、実際に使われたものとされる道具は武器(暗器)よりも重要な物件(情報が記されたメモもしくはマイクロフィルム)を隠匿して持ち運ぶもの・カメラといった記録機器が多い。というのも、スパイの任務として創作などでは暗殺などの破壊工作がクローズアップされがちだが、破壊工作はリスクに見合うほど成功率は高くない。実際にはあらましの節に記載の通り地道な情報収集の方が主要任務だからである。


関連イラスト

SpySpy Round Here!


関連タグ

007 ミッション・インポッシブル MGS キングスマン TTSS SPYvsSPY コードネームU.N.C.L.E.

忍者 エージェント 情報屋 二重スパイ 諜報員

諜報機関 MI6:イギリス CIA:アメリカ KGB:ソ連 FSB:ロシア RAW:インド 内閣情報調査室:日本

孫子兵法 - 三国志などの中国史の作品では、よく孫子の兵法所を用いてスパイ(劇中ではよく「間者」と称される)活動をしていた記述・場面が散見される。

陸軍中野学校 - 日本の戦前において、軍内でも極秘とされていたスパイ養成所。


女スパイ ハニートラップ


スパイもの スパイ小説 スパイ映画

スパイスーツ


主な『男スパイ』の人物・キャラクター ※アイウエオ順

人によってはネタバレになる場合もあるので、閲覧は自己責任にてお願いします。

★主な『女スパイ』は<こちら>を参照★


実在人物

※(本国→スパイした国)


過去にスパイだったのではないかと噂された事のある人物

※あくまでも噂・疑惑である事に留意。



キャラクター・組織


※他にも魅力的なスパイがいましたら追記お願いします。

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