アモス・ダラゴン
あもすだらごん
主人公アモスと、彼が「仮面を持つ者」として成長していくための旅を描いたフィクションファンタジー小説。全十二巻。第一巻は2009年9月に出版され、現在16以上の言語に翻訳されている。また、カナダにて、2016年9月にアニメ化されている。日本語版は竹書房出版。
神話や御伽噺の世界をベースに、人間と神々の対立を描いた作品。主人公たちは「善」と「悪」の戦いをとめ、「世界の平衡」を取り戻す旅に出る。世界に散らばる「気」「火」「水」「土」の四つの力を司る仮面と、十六個の「力の石」を手に入れ、神々の支配を終わらせるために冒険する。
はるか昔、世界は太陽と月、昼と夜、"善"と"悪"によって二分されていた。"善"と"悪"の神々は、地上を我が物にしようと、何世紀の間も死闘を繰り広げていた。対立が深まるにつれ、地上は争いに近づき、混沌が訪れようとしていた。
神々を生み出した至高の存在"白い貴婦人"は、この事態を憂い、12歳の少年"アモス・ダラゴン"に、特別な魔法の力を込めた"仮面"と、世界の平衡を取り戻す使命を与える。魔法の"仮面"を身に付け、"仮面を持つ者"となったアモスは、神々の謀略を止め、まだ手に入れていない"仮面"を見つける為、そして世界の平衡を取り戻す為に、旅をする事となる。
困難に見舞われながらも、"動物人間(オマニマル)"の少年"ベオルフ"や、"ドゴン族"の王女"ロリア"、"ゴルゴン族"の少女"メドゥーサ"といった仲間達と共に、使命を果たすべく、神々やその手下達と対立し、自らの役割について考えていく。
本作の主人公。女神である白い貴婦人から世界の平衡を取り戻すよう命じられた「仮面を持つ者」で、力の石を嵌め込んだ仮面を装着し、魔法の力を手に入れる。
アモスの親友の少年。ブラテル・ラ・グランドでアモスと出会い、仲間になる。動物人間(オマニマル)の熊族(ベオリット)で、熊に変身できる。
南の国の部族ドゴン族の若い女王。「古の民」の神、バロン・サムディに操られていたが、アモスたちに助けられる。部族のシャーマンでもあり、死者の霊を扱う魔法使いである。
ゴルゴンの少女。髪の毛は蛇で、背中に小さな翼がある。自分の目を見たものを石に変えてしまう。邪悪な魔法使いカルマカスに従っていたが、ベオルフに恋をしてカルマカスを裏切る。
子供のドラゴン。アモスが邪悪なドラゴン・ラグナロクから譲り受けた卵から産まれた。最初は凶暴だったが、グリフィンと戦って死亡したところをロリアに蘇生され、アモスたちを家族だと思うようになる。
主に中世ヨーロッパ風の国々や、バイキングの棲む北国、地獄などの神々の領域を舞台としている。北欧神話をはじめ、エジプト神話やヴードゥー教などの世界各地の神々や怪物が登場し、それらが「善」と「悪」の陣営にわかれて争いを続けている。