「おれが死んでも…… 覚えててくれよ? おれは笑顔で死ぬからよ…!!」
「だってお前… いつかおれを思い出して貰うなら 笑顔の方がいいもんな」
「おいロー 愛してるぜ!!」
「あん時お前 俺を刺したけど…痛くもなかった……!!!痛ェのはお前のほうだったよな……かわ゙いそうによォ……ロ゛ー」
「もう放っといてやれ!!!あいつは自由だ!!!」
概要
王下七武海ドンキホーテ・ドフラミンゴ率いるドンキホーテ海賊団の元・最高幹部コラソン(2代目)で、ドフラミンゴの実弟。
だが、その正体は潜入調査中の海軍本部所属の海兵(階級は中佐)で、センゴクの部下である。M・C(マリン・コード)は01746で、逆から読むとロシナンテになる。
ドフラミンゴと同じく天竜人の「ドンキホーテ家」の出身ではあるが、かつて構成員だった王下七武海トラファルガー・ローにとっては恩人にあたるため、ドンキホーテ海賊団潜入時のコードネーム「コラソン」をもじって「コラさん」と呼ばれて慕われていた。
名前の由来はスペインの小説『ドン・キホーテ』に登場する、主人公の乗る駄馬ロシナンテ。
プロフィール
本名 | ドンキホーテ・ロシナンテ |
---|---|
通称 | コラソン |
年齢 | 享年26歳 |
身長 | 293cm |
所属 | 世界貴族ドンキホーテ家→海軍本部中佐、ドンキホーテ海賊団♥︎最高幹部 |
所属船 | ヌマンシア・フラミンゴ号 |
悪魔の実 | ナギナギの実 (超人系) |
出身地 | 赤い土の大陸 マリージョア |
誕生日 | 7月15日 (音ないコラソン) |
星座 | かに座 |
血液型 | S型 |
好きな食べ物 | レタス、キャベツ、うめぼし |
嫌いな食べ物 | パン、ピザ |
初登場 | 単行本76巻 第761話『オペオペの実』 |
WT100 | 13位(157,167票) |
CV | 山寺宏一、広橋涼(幼少期) |
人物
容姿
全身にシンボルマークであるハートをあしらった服を着用し、背中にはドフラミンゴと色違いの羽が大量についたコートを着用している。また、顔には道化師のようなメイクをしている。
性格
子どもが嫌いで、容赦なく殴りつけたり、建物の窓から放り出したりする。しかし、その冷徹な一面の反面ドジなところがあり、躓くものが何もない場所で転倒し、熱いお茶を飲めば舌を火傷して吹き出し、タバコに火を付ければ全身に火が回る。また、とある理由からショックで声が出なくなっているため喋れず、意思表示は筆談で済ませている。
しかし、上記の性格はドジであることを除いて(本人曰く「ドジっ子」)全て潜入中であるための演技である。喋れないというのはドフラミンゴの勘違いを利用しているだけであり、実際には普通に喋れる。また、子供嫌いを装っているのは子供達が海賊になるのを防ぐべく、追い出すためである。
ドフラミンゴ自身は海軍へ情報を流しているのが実弟ロシナンテであることに半ば察している様子はあるものの、(不敵な笑みを浮かべながらではあるが)『信じたくねェ』と発言していたり、そのことでロシナンテに対する詰問や放逐などといった行動を積極的には取らなかったりしたこと、何より『自分のために死んでくれるだろう』と目されていたことから、ドフラミンゴ側からの信頼は(歪んだ形ではあったものの)厚かったと思われる。しかし、ドフラミンゴ本人は後にローに対して「俺にとってコラソンは足手まといで目障りだった」と言っている。
ちなみに嫌いな食べ物はパンとピザであり、幼少期に空腹を凌ぐために残飯を漁っていた過去が影響していると思われる。
本質は単純かつ感受性豊かで、慈愛に満ちた人物であり、天竜人や実兄ドフラミンゴとは似ても似つかない性格をしている。まだ幼かったとはいえ、父の短慮な行動が原因で凄惨な目に遭いながらも兄とは異なり父を憎むことはなかった。また、本人が語るところによると性格は両親譲りで、優しい父と母からドフラミンゴのような残虐な人物が生まれた事を疑問視している。上司であり、育ての親同然の人物でもあるセンゴクは、根は感情豊かで情に脆い人柄のようなので、その影響を受けたことも考えられる。
兄であるドフラミンゴに対し拒絶を見せるが、一方で最後まで直接危害は加えず、ドフラミンゴに処刑される時も、兄は弟である自分を容赦なく殺せることが分かっていながら、銃口を向けはしたが自身から引鉄を引くことは終ぞなかった。兄に家族としての情も捨てきれていなかったと見られる。
戦闘能力
悪魔の実 | ナギナギの実 |
---|---|
解説 | 音を消したり、周囲の音を聞こえなくさせる |
種類 | 超人(パラミシア)系 |
周囲で発生するあらゆる音を遮断する事ができる「無音人間」。言い方を変えれば歩く放送事故。
あらゆる音を周りに聞こえさせない、周りの音が自分は聞こえなくなるなど状況に応じて様々な使い分けが可能。
直接的な戦闘にはあまり向かない地味な能力(本人もちょっと気にしていた)だが、侵入や暗殺など「知られない」事に意味があるダーティな行動には抜群の相性を持つ。恐らくは「喋れない演技」や、海軍に情報を流すための通話か何かを行うときも、この能力を駆使していたと思われる。ちなみに本人は”安眠”において自分の右に出る者はいないとどこか誇らしげに語っていた。(ローの回想においてもピースサインをしながら「な?安眠できただろ?」と嬉しそうにローに自慢している)
また、同じ音を操る能力者であるスクラッチメン・アプーの能力を完封できるのではないかとも言われている。
予め能力を知っているという前提条件が必要だが、ウタの持つ特殊能力も完封することが可能と思われる。
悪魔の実には覚醒という段階があると聞くが、この能力が覚醒したらどうなるのか、気になるところである。
後述の「サイレント」と「凪(カーム)」との関係が、ローの「ROOM」と「K・ROOM」との関係に類似しており、K・ROOMは覚醒によってローが習得した技なので、実はナギナギの実も覚醒している可能性も。
当然だが、ナギナギの実の能力者がスケスケの実の能力者と組めば、『見えない・聞こえない攻撃』が可能。見聞色の覇気で感知は可能だと思われるが、強力であることは間違いない。
戦闘については格闘術の他、手榴弾や銃などの小道具を用いる。能力者であることを知らない最高幹部に「腕がたつ」と言われていることから能力以外でも高い実力を持つと思われる。実際、銃で天井の照明に無駄なく命中させて撹乱に成功している辺り、狙撃の腕前は悪くなかった。
つまりは、能力に頼らない部分での実力の高さと自身の能力を把握し研ぎ澄ました、階級を超えた実力者とも言える。ドジなところも相まって存分に発揮されることは無かったものの、多数の銃弾を受けて出血多量の状態でも数人の海賊を返り討ちにし、それだけならば生存可能であるなど当作品の実力者らしく常人離れしたタフネスの持ち主である。
また、戦闘や悪魔の実との関連性は無いが、遠距離移動より隠密に適してそうな小舟で、病弱かつ子供だった頃のローを抱えながら、各地の病院を渡り、オペオペの実の取引日時に間に合うよう移動してみせるなど、航海術も侮れない。
技
- サイレント
ドーム状の透明な”防音壁”を自分の周囲に展開する。
このドームの中に居る者は外側の音声が一切聞こえない。逆にドームの内側から発生した音声は外側には一切聞こえない。
外部に漏れてはならない会話をする上では最適の能力といえるが、外部からの音も遮ってしまうため、奇襲を受けやすくなるリスクがある。
劇中では技の効力も相まって、バッファロー達の存在に気付けずにローと話している姿を目撃されてしまっていた。
(ローが口止めして事なきを得たが)
- 凪(カーム)
「“お前の影響で出る音は全て消えるの術”だ!」
触れたものに能力を行使し、対象の影響によって発生する全ての音声を消す。
例えば自分に触れて”凪”を発動すると、花瓶を叩き割ろうが銃火器をぶっ放そうが屁をここうが一切その音は周囲には伝わらない。大量の爆弾を用意して建物を吹き飛ばそうとも、”凪”を行使された者がそれを行えば、傍から見れば音も無く突然建物が火を噴きながら崩壊したように見える。なお、解除しないと当人の発する声も聞こえない。
ローは後に四皇ビッグ・マムとの戦闘において彼の技を元に「R・ROOM 凪(リ・ルーム サイレント)」という新技を繰り出した。
自他共に認める地味な能力であった彼の「音を消す」能力が結果的にローの命を救い、そして成長したローにより四皇を倒す大技に使用されるとは何とも感慨深い話である。
来歴
聖地マリージョアにて天竜人のドンキホーテ・ホーミング聖の次男として生まれる。
両親の考えにより家族共々天竜人から人として地上に降りて生活することになったが、天竜人を憎む一般市民達からの復讐による迫害を受けるようになる。家を焼かれて追われ、逃亡先で兄のドフラミンゴと共に生ゴミを漁り必死に生き延びながら、市民にリンチされる毎日を送り、数年後には母が病死する
遂には親子三人ともども磔にされ時間をかけて処刑されそうになり苦痛と絶望のあまり「死にたい」とまで追い詰められるが、同じく拷問されていた兄ドフラミンゴが覇王色の覇気を開花させたことで生き延びる。
わずか6歳の頃に母親を亡くし、8歳の頃に実の兄に父を殺され、兄の元から逃げ出し路頭に迷っていたところを、当時中将であったセンゴクに保護される。
センゴクの元で成長して彼の直属の部下となり、海軍本部中佐として兄の率いるドンキホーテ海賊団の危険性を鑑みて、弟であることを利用してドンキホーテ海賊団に潜入する。
また、この時期ドンキホーテ海賊団に加入した子供たちを敢えて手ひどく扱い、逃げ出すように仕向けている。それでも、ローやベビー5、バッファローなど将来幹部級に育つような者は残ってしまっており、皮肉な話だが、ある意味でドフラミンゴのお眼鏡に適う人材の選別作業になっていたという側面もある。
珀鉛病の中毒に侵されて自暴自棄になりドンキホーテ海賊団に入団してきた少年時代のローを憐れみ、強引にローを連れ出して海賊団を離れ、あちこちの病院を訪ね歩いて治療法を探そうとしたが、どの病院も「病気が伝染する」という理由でローを診ようともしない。その度にローを拒絶した医師に怒り殴り付けては病院を爆破するようになり、ローを助けられない無力感や幼いローに対するあまりにも惨い世間や医師達の仕打ちに涙した。その涙は寝たふりをしながら聞いていたローが心を開くきっかけとなる。
なお闇雲に病院を巡った件については浅慮ではないかと指摘することもあるが、ローの病状の進行が本人の予想より早く命の危機が迫っていた焦りや、他に頼みの綱と言えるオペオペの実も都合よく実そのものや能力者が現れるとも限らないことを考えれば、医療については門外漢のロシナンテなら「何年も経てば治療法や薬が見つかっているはず」という希望的観測で動いても仕方ないと言える。
旅の途中、ドフラミンゴから「ローを治療できる”オペオペの実”を見つけたからお前が食って治せ」と連絡が入り、ドフラミンゴを出し抜いてローを治すために”オペオペの実”を持つ元海軍将校の海賊であるディエス・バレルズのアジトから奪取することを画策する。ちなみにこの時、センゴクに「”オペオペの実”の取引がミニオン島で行われるという情報をドフラミンゴが得ており、実を盗み出そうとしている」と報告したところ、センゴクから「海軍を派遣してやって来るドンキホーテ海賊団を一網打尽にする。お前は島に近づくな」と命令を受けたが、これを無視して島に向かっている。当然ながらこれは上司であるセンゴクに対する抗命行為であり(センゴクも後にドレスローザでローに対してこのことを「〈ロシナンテは〉生涯で一度だけ私に嘘をついた」と語っている)、バレれば自分がドンキホーテ海賊団と海軍の両方から追われる身になることも覚悟の上での行動である。
結果、ナギナギの能力を最大限に使って何が起こったか理解させない程に鮮やかに奇襲し、”オペオペの実”の奪取に成功するも、直後に感極まって油断したために転倒して複数の部下に発見されてしまい、銃弾を撃ち込まれ重傷を負うという致命的なミスを犯す。それでももなんとかローの元へと戻り、彼に”オペオペの実”を与えて能力を得させることに成功し、何とか病気を治す手立てを手に入れる。
その後はドフラミンゴを止めるためにも、動けない自分に変わって、今までまとめた情報文書を海兵の誰かへ届けるようにローに頼む。だが、不運にもローが出会った海兵は海軍に潜入していた先代コラソンであるヴェルゴであった。そうと知らずにローが情報文書を渡すだけでなく、重傷を負ったロシナンテの救護まで頼んだことが原因となって彼らは鉢合わせてしまう。あまりにも衝撃的な出来事に思わずドジって喋ってしまった上に、届けようとした情報の中身を見られたことで自身の裏切りの決定的な証拠まで発見されるロシナンテ。その後は、裏切りに激怒したヴェルゴによってロー共々徹底的にボコボコにされ瀕死の重体となる。
結果、全ての事がヴェルゴを通じてドフラミンゴや彼の仲間達に知られてしまい、隙を付いて逃げたものの、”鳥カゴ”によって逃げ場を塞がれる。その後、自身の命を諦めてでもローを自由の身にするために彼を”宝箱”の中に匿った。
対峙したドフラミンゴから裏切りを非難され、彼に銃口を向けるがそれでも実の兄を撃つことはできず、コラソンの殺害を決めたドフラミンゴに銃撃される。しかし、少しでもローの逃げる時間を稼ぐ為に気合いで命を繋ぎ、最後までローを想いながら息を引き取った。
彼の稼いだ時間がつるの到着を間に合わせ、能力がきれた後に響き渡ったローの慟哭は彼女の軍艦の砲撃音にかき消された。
死に顔は彼が心の中で望んでいた通り、それまでに見せた表情の中でも最高に優しい笑顔であった。また、ローはこの件がきっかけでドフラミンゴを討つために生きてきたのだった。
余談
- 担当声優
声を担当した山寺氏は、以前にサボ役などのオーディションに応募するも落ち続け、その後「もうないかな」と諦めかけた頃にやっと勝ち取ったキャラクターがコラソンだったという。収録も多忙により実際にロー役の神谷氏と一緒に収録できたのはたったの一回だけだったらしい。
- 初期設定
初期構想では帽子がフードではなくハットで、名前も「ロシナンテ」ではなく「ドロシナンテ」。加えて「助けに行くドフラ→つらくあたる」というメモも書かれており、「兄を嫌い、軽蔑している」という関係は初期から存在していた模様。
- 読者からの人気
本編ではローの過去編のみの登場だが、第6回人気投票ランキングで16位、世界人気投票で13位(国内10位)と読者から高い人気を獲得している。
ワンピースパーティー
安藤英氏が描いたスピンオフギャグ漫画。
2巻より登場。
本編においてコラソンはクールで優しい二枚目な一面だけでなく、ドジっ子のためか三枚目の部分も合わせ持つボケキャラ(ローがツンデレかつツッコミ役)でもあった。
しかし今作ではクールすぎるコラソンにデレデレなローがコラソンが好きすぎるあまり数々の問題行動を起こして麦わらの一味(3巻ではセンゴクにも)にツッコミを入れられるという異例の設定になっている。
- ローに向かって「自分がやられて嫌なことは他人にやっちゃダメだ」と教える
- サンジとローの追いかけっこ対決でサンジがドフラミンゴの名前を連呼してドフラを召喚するのに対抗し、ローは自分の精神が壊れるのを防ごうと「コラさん!コラさん!コラさん!」と連呼し召喚される。そして 「ドフラミンゴ!ドフラミンゴ!」「コラさん!コラさん!」 と言われるたびにドフラミンゴと手をつかみ合い兄弟喧嘩を始める。
- 何故かローに相撲を教えている。しかも「どんな大きな相手にもひるむな!恐れずに立ち向かえ!「強い心」がお前の一番の武器になる!」という熱血ぶり。
※ちゃんと“こんな回想はありません”という注意書きがコマに書かれている。
- ルフィとローの相撲対決で案の定“ゴムゴムの風船”でルフィに吹っ飛ばされたローに死んでるはずなのに出てきて「ローーーーーッ!!!」と絶叫して慌てる。
しかし感動的な場面も存在しており、ローがモドモドの実で2歳児にされ、同じくモドモドの実で子供の姿に変えられたルフィに背負われながら「くらしゃ」とコラソンのことをずっと呼び続け、泣き出したところに、夢か現か同じく子供の姿となったコラソンが現れ、泣き出すローをあやしてあげる包容力を見せている。
因みに学園パロ回では、本編で叶わなかった「ローが自身の能力を駆使しドフラミンゴからコラソンを守る」という胸熱展開がなされるなど、スピンオフ作品でもかなりの活躍である。
台詞
「全部、演技だ」
「ドジを踏み続けているのは、ひょっとして嘘なのか?」というロー少年の問いに対して。タバコの火が引火して肩を燃やしながら平然と答える姿が印象的。
「悪かった。昔の事、思い出させちまったか?」
ローを患者ではなく病原菌そのものの扱いをする医師達に激昂して病院で大暴れした後の台詞。少年時代に自身の患った病が原因で病院嫌いになったローが、成長して「死の外科医」という二つ名を持つ大海賊になるとは皮肉である。
「あん時、お前オレを刺したけど…痛くもなかった…痛ェのはお前の方だったよな…可哀想によぉ…ロー…!!」
自身の無力さ、病を患ったローに対する不憫さを思い、眠っているローに涙ながらに語り掛けるロシナンテ。いかに彼がローを大事にしているのかを窺える台詞である。
「愛してるぜ!!」
宝箱の中のローに向かって変顔(ローに自分の死後も自分の事を笑顔で思い出してもらうためにつくった)を浮かべながら言った台詞。
結果的にこれがローとの最後の対面となった。
「ウソをついて悪かった……!!! お前に嫌われたくなかったもんで……!!!」
ドフラミンゴ達に追い詰められ、自分が海兵であると認めた直後の台詞。これを聞いたドフラミンゴは自分に対する謝罪だと勘違いしていたが、実際には背後の宝箱に隠れているローに向かって言ったもの。
「もう放っといてやれ!あいつは自由だ!」
自分に銃口を向ける兄のドフラミンゴに対してローの事を想って放った台詞。
この直後に彼は銃撃を浴びる。
今のローが何よりも自由を求めているのは彼のこの言葉に影響している。
関連イラスト
幼少期
青年期
関連項目
ルナチャイルド…音を消す能力、ドジっ子つながり。