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概要編集

梅干とは、日本人の心のふるさとである。


昔から「健康の基」と言われ親しまれてきた。

栄養素としてはクエン酸などが含まれ、これが疲労回復効果につながっている。

しかし、実際には梅干しそのものの栄養価が高いというよりは、酸味によって唾液の分泌が促されることによる食欲増進剤としての効果の方が大きい。例えば梅干しを見ただけで唾液が出る反応は有名である。

また、これに関連して梅干しの身をほぐした梅肉を利用した料理も幾つか確立しており、ソースのように用いられることもある。


塩漬け・酢漬けという特性から、非常に高い抗菌・防腐作用を持つ。このため長期保存が可能であり、環境と作り方の条件が整えば年単位での保存も可能である。

伝統的な製法である「白干し梅(しらぼしうめ)」は優に数百年を超えるレベルで保存が効く食材で、天正4年(1576年)に漬けられたものが良質な状態で現存している。


滅多に腐る事がないため、一部の地域では「梅干が腐る時は何かしらの異変が起こる前触れ」とされる。

ただ、近年市販されている、塩抜きした上で糖分や化学調味料入りの調味液に漬けて作った「調味梅干」は、塩分が少ないため防腐効果が低く、冷蔵していないと腐る。それでも通常の食品に比べればある程度保存が効く上、伝統的な製法の梅干しも作り方や保存条件が悪ければ腐敗するため、一概に調味梅干だけが長期保存に向かないというわけではない。


漬け汁からできる梅酢もふくめ、抗菌・防腐効果を期待して(特に暖かい時期の)おにぎり弁当に用いられることも多い。ただし、一個入れた程度ではせいぜい梅の周囲にしか効果がないため、過信は禁物である。

なお、発酵食品ではないので長く保存しても美味しさが熟成されるわけではないので注意。数年ほどでよく漬かった状態になることで塩味、酸味がなじみ食べやすい味になる。


塩分が多い為、食べ過ぎには注意が必要であり、現在では塩分を抑えたものも売られている。また、夏場の発汗で失われがちな塩分補給には良いとされる。


全国各地で生産されるが、梅の生産が盛んな和歌山県が有名な産地であり、特に「南高梅」は最高級品とされる。


種の中身()を好んで食べる人もおり、「天神様」とも呼ばれている。これは、菅原道真が好んでいたという逸話に因む。

実際には、生の梅やその種にはアミグダリンという成分が含まれており、胃腸の酵素によって加水分解されると猛毒であるシアン化水素(青酸)を生成する。さらに、特に種に多く含まれているため、生の状態で食べるのは大変危険である。

しかし、現代では漬け込むことで毒性が分解されるため、少なくとも梅干しの種を通常の範囲で(例えば、梅干しの身を数個食べたついでにかじる程度)食べることは特に問題がないと考えられている。


作り方編集

  1. 熟したウメ(、学名Prunus mume)の果実を摘み取り、よく洗ったあと陰干しにして軽く乾かし、表面の水分を取る。
  2. 水分が取れたら漬けにする。
  3. 梅の水分が上がってきたら、2-3日日干しする(ここで終わると「白干し梅」となる)。
  4. 水分が抜けた梅を、干したシソの葉と共に重しをして元の漬け込み液(梅酢)に再び漬ける(本漬け)。
  5. シソの赤い色が梅についたら、容器から取り出して日干し、好みの柔らかさになるまで水分を抜く。
  6. かめ、ビンなどの密閉容器にしまい、冷暗所で保存する。長期保存により、味が馴染んでより食べやすくなる。

※なお、シソを使うようになったのは江戸時代からと考えられている。

※日干しせず作ったもの、もしくはそれに梅酢を足したものを梅漬けとも言う。


梅の果肉の酸っぱさと塩の塩辛さが混ざり合い、白いご飯が何膳でも進む味に仕上がる。


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強い酸味と強い塩味の両方を持つため、なにかと嗜好が二極化しやすい食品である。


世界的にも「舌の感覚がなくなるほど酸っぱくて塩辛い食物」として賛否があり、「ジャパニーズフード」としての知名度も同じく好き嫌いが分かれやすい納豆と並ぶ。


梅の原産は中国であり、梅干の源流も中国にある。ただし中国の梅干は梅酢の副産物であり、酢漬けの梅であるため、塩漬けである現在の日本の梅干とは既に別物となっている。

このため中国の人が日本の梅干を食べると、あまりの酸っぱさに顔をしかめてしまうほど。

参考∶【ビックリ日本】恐怖の日本食実験


ただし、近年は日本人の味覚も変化してきているため、スーパーなどで並んでいる梅干しのほとんどがシソを加えた本漬けないし先述の「調味梅干」であり、元来の白干し梅はまず見られなくなってきている。

しかし、梅干しは家庭でも比較的簡単に作る事ができるため、生の梅の実さえあればチャレンジしてみるといいだろう。


まだ熟していない青梅を漬け、日干しをしないで硬い食感を残した「カリカリ梅」も存在し、特に保存を要しない場面では梅干しと同じように用いられることがある。

中国や台湾、東南アジアでは、酢漬けの梅干しをさらに乾燥させ、甘い調味液につけた「干し梅」が昔から作られており、日本でもお菓子として人気がある。特に沖縄では台湾から輸入されたものが有名で、沖縄土産としても知られていた。


また、焼酎でもお湯割りで梅干しを入れるのも定番の一つである。


梅干しが好物な人物編集

架空の人物編集



実在の人物編集

菅原道真…前述の通り、梅干しの種の中身を好んで食べたという逸話がある。

ストイコビッチ…ピクシーの愛称で知られる元サッカー選手。大の梅干し好きで有名で、他にも納豆なども好物である。


関連イラスト編集

梅干

センシティブな作品うめぼし。


版権

プリパラ 北条そふぃキャラクターと食べ物 その52


関連動画編集

梅干の作り方


梅干の合う食品編集

おむすび 日の丸弁当


表記揺れ編集

梅干し / うめぼし


関連タグ編集

和食 食品

 漬け物 / 漬物

ご飯  シソ

酸っぱい


関連キャラ編集

スッパマン 団栗林むすび 梅干し(艦隊これくしょん) 奇襲梅


本田速人…とあるエピソードで梅干し漬けの生活をさせられた。


外部リンク編集

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