忘れないで――信じる心は、あなたの魔法よ。
概要
株式会社TRIGGERが制作したオリジナル短編アニメ。
2013年3月2日に公開された「アニメミライ2013」への参加作品であり、TRIGGERの劇場版アニメ第1弾。アニメミライの「新人育成」というコンセプトを、魔法学校を舞台に成長する新米魔女の物語として描いたものだという。設定面においては英国児童文学の『ミルドレッドの魔女学校』(Worst Witch)の影響を受けている。
略称として「LWA」がある。
動画サイトYouTubeでの期間限定公開が海外のネットユーザーの間で大きな反響を呼び、ファンの熱い声援に後押しされてか同年7月には続編の製作が発表される。なお製作資金の調達にはクラウドファンディングサイトのKickstarterが用いられ、目標額(15万ドル)には6時間で到達、1ヶ月の募集期間で62万ドル超が集まった。
続編はタイトルを『リトルウィッチアカデミア 魔法仕掛けのパレード』とし、2015年に公開された。
2016年、『宇宙パトロールルル子』にて本作の主要キャラクターと舞台が登場。さらにその最終回でルル子とのバトンタッチを披露し、放送終了後に新作テレビアニメ制作の発表が行われるというサプライズ演出が為された。
そして、2017年冬アニメとしてテレビシリーズが放送される事になった。
過去2作とは登場人物や設定が共通しているが、ストーリー上の繋がりはない。
あらすじ
幼い頃に見た魔法ショーで魔法の魅力に取り憑かれ、ヨーロッパの魔女育成名門校「ルーナノヴァ魔法学校」に入学したアッコ。大きな期待とは裏腹に日々の授業は意外と退屈。保守的な魔法界の雰囲気を打ち破り、魔法に夢を取り戻そうと張り切るアッコだが、周囲の目は冷ややかで授業でも空回りの連続。唯一の味方はルームメイトで親友のロッテとスーシィの2人だけ。そんなある日、学校でとんでもないハプニングが発生。思いがけず事件解決の鍵を握ってしまったアッコは、ロッテ、スーシィ達と共に学校崩壊の危機に立ち向かう!
(公式サイトより)
登場人物
主要人物
CV:潘めぐみ
日本出身。皆からはアッコと呼ばれている。小さい頃に見たシャイニィシャリオの魔法ショーに魅せられ、彼女のようにイケてる魔女を目指す少女。魔女の家系の生徒が多いルーナノヴァでは珍しく一般家庭の出身で、箒で飛んだこともない。そのくせ根拠のない自信に溢れており、こうと決めたら猪突猛進。その為、ダイアナとは考え方の違いから度々衝突が起きる。自室のベッド脇にはシャリオのポスターを貼っており、素敵な魔女像を教えてくれた彼女を慕う気持ちはまったく褪せていない。
名前の元ネタは「女性のアニメーターって「あつこ」って名前の人多いよね」というスタッフ間の会話から、及び『ひみつのアッコちゃん』の主人公「加賀美あつ子」から。
CV:折笠富美子
フィンランド出身。ヘマをしがちなアッコをフォローする、思慮深く堅実で、穏和な性格の眼鏡っ娘。地味な印象を与えるが大抵の魔法はそつなく使え、妖精を使った魔法を得意としている。講義も楽しんで受けているが、隣でアッコが居眠りするため気が気ではない。何かと突っ走るアッコのいいブレーキ役。
CV:村瀬迪与
東南アジア出身。ミステリアスな風貌の毒舌家で愛称は「スー」。私的に魔法薬を研究しており、アッコを半ば実験台扱いしている。怪物が相手でもマイペースを貫く肝の太さを持ち、実戦用に持ち歩いている薬瓶の中身は劇薬揃い。他の生徒達とは制服の形が若干異なり、ローブが足先までを覆っており、歩き方はナメクジのよう。
CV:日笠陽子
イギリス出身。優雅な雰囲気を漂わせる優等生。尊大な態度に見合う実力を持ちながら、思い上がって思慮を欠くことも(OVA 映画 TV版でそれぞれ性格が異なる)。魔女は恐れられるべきものと考え、意見の食い違うアツコとは度々衝突が起きる。シャリオへの憧れを隠さず口にするアッコを「嘆かわしい」と一蹴するものの、昔自身も彼女のファンだった事を思わせる様な部分もある。いつも取り巻きのハンナ、バーバラを連れているが、いざとなれば単独行動も辞さない。
CV:日髙のり子
燃えるような赤い髪をなびかせ、七つ星の輝く杖「シャイニィロッド」を操るヒロイックな出で立ちの魔女。
アッコにとっては今も昔も憧れの存在。魔法を使った華やかなショーを繰り広げ、多くの観客を幻想的な世界へと誘った。
10年前に引退して以来すっかり過去の人となっており、子供騙し、荒唐無稽、魔女の誤ったイメージを広めたなどとして、魔法界ではあまり良く思われていない。
ルーナノヴァ学園
アツコたちが魔法を学ぶ、伝統と格式のある全寮制の魔法学校。しかしその内情は規範や慣例で凝り固まって蛸壺化し、魔法そのものが時代遅れとなりつつあることもあって入学者数が年々減少して行き詰まりつつある。名前は「新月」のこと。
ルーナノヴァ学園の生徒
CV:志田有彩
アメリカ出身。映画『魔法仕掛けのパレード』から登場しているキャラ。
自他共に認める「反逆児」で素行が悪く問題児扱いされている。運動神経に優れ、特に箒のアクロバット飛行が得意。
CV:村川梨衣
ドイツ出身。アマンダと共に映画『魔法仕掛けのパレード』から登場しているキャラ。
小柄な体に、大きな赤色のリボンで髪をひとつに束ねているのが特徴。映画・TV版共殆ど喋る事はなく、かなり寡黙な性格。
校内に機械技術を持ち込んで独自に製造、密売していた奇人で、教師陣からは問題児扱いされている。スーシィとは気が合うらしい。
CV:上田麗奈
ロシア出身。アマンダと共に映画『魔法仕掛けのパレード』から登場しているキャラ。
ふくよかで大柄な体格と、常に殆ど変わらない表情が特徴。極めてマイペースなのんびり屋。
食いしん坊で、授業中にもかかわらず教師の制止を振り切ってお菓子を食べ続け問題児扱いされている。実はかなりの力持ち。
ハンナとバーバラ
ダイアナの取り巻きの二人組。茶髪にポニーテールでツリ目なのがハンナ、黒髪にロングヘアーでタレ目なのがバーバラ。
フルネームはハンナ・イングランドとバーバラ・パーカー。
アツコを落ちこぼれと見下しており、事あるごとに出てきては陰湿な嫌がらせをしたり露骨に馬鹿にしたりする虐めっ子。しかし根は二人とも小心者であり、いざとなるとダイアナへ泣きついた挙句にトラブルを拡大したり、アツコたちから思わぬ逆襲を受けたりすることもある。
ここまで書くと典型的な取り巻きキャラなのだが、それにもかかわらずどこか憎めない面も多い。
エイブリー
CV:朝日奈丸佳
入学式の日にハンナとバーバラと一緒にいた女の子。紫髪のボブカットに赤色のヘアピンが特徴。TVアニメ版ではその後目立たないが、コミカライズには再登場している。
CV:村川梨衣
褐色の肌にサンバイザーを付けているのが特徴。ルーナノヴァニュースネットワーク所属。校内のイベントなどで報道活動を行なっている他、ホウキリレーでは実況中継を担当していた。
ルーナノヴァ学園の教師たち
CV:日髙のり子
ルーナノヴァの教員。魔法天文学を担当。
厳格なルーナノヴァ教師陣にしては珍しく生徒に優しく接している人物だが、教師陣の中では発言力が弱い立場にある。アツコたちを何かと気にかけており、彼女たちの成長を優しく見守っている。その正体にはある秘密が示唆されているが・・・?
ホルブルック校長
CV:谷育子
ルーナノヴァ第44代目校長。
日和見主義者で流されやすいところがあるものの、おっとりしたマイペースな性格。入学早々にトラブルを起こしたアツコたちの入学を特別に許可するなど、大らかでウィットとユーモアに富む大人物。
ちなみに余談ではあるが声優を務めた谷育子氏は奇しくも某有名魔法学校の副校長の日本語吹き替えも担当している。
フィネラン
CV:山本留里子
ルーナノヴァの上級教員。魔法語学や生徒指導を担当。
ルーナノヴァの厳格な教師の筆頭で、しばしばトラブルを起こすアツコたちを叱る事が多い。規則や規範、品位、世間への体面を気にするあまり生徒に対しては不寛容で、状況を見誤ることもある。
ネルソン
CV:高山みなみ
ルーナノヴァの特技教員。魔法のホウキの実習教官。パイロットのような出で立ちで、一部欠けた歯が特徴。安全の為か、魔女でありながら授業中もパラシュートを背負っている。
危険が伴う飛行魔法を指導する立場からか、授業中に危険な飛行を行なう生徒や不真面目な生徒には厳しいが、同僚に対してはとても気の良い人物でもあり、同僚が替玉に変わっているのに当初気がつかないなど抜けたところもある。
ルーキッチ
CV:岡本茉莉
ルーナノヴァの上級教員。魔法薬学や錬金術、魔法法律学を担当。
古参の教師であり、古臭い奇怪な風貌とこけおどしで生徒を脅しつけるかのような時代錯誤な授業を行なっている変人。授業は退屈極まりないようだが、スーシィだけは楽しんで受けている様子が見られる。
バドコック
CV:矢野亜沙美
ルーナノヴァの上級教員。校長補佐。教師としては数秘学などを担当するほか、経営や備品管理にも携わっている。
バドコックによるとルーナノヴァの経営はかなり逼迫しているらしく、生徒の眼前で経営面の生々しい話を持ち出すなどして生徒の行動を制限する事もしばしば。
パイシーズ
ルーナノヴァの上級教員。魔法哲学を担当。
アツコによると彼女の授業は「教卓に置かれた金魚鉢をひたすら眺めるだけ」という意味不明なものだったが・・・?
アツコのせいで死に掛けたうえ、排水口に流され、校外へ放り出されるなど散々な目に遭うが、その状況を楽しんだ上でアツコを評価した大器な人物(?)。
CV:竹内順子
14話から登場した新任の教師。現代魔法を担当。
ルーナノヴァ教師陣らしからぬ先進的な考えの持ち主でデジタル技術をはじめとする最新技術も躊躇なく活用し、着任早々にトラブルを解決してアツコをはじめ周囲の信頼を掴んだ人物。
その一方で何かを画策している節もあり、底の知れない部分が多い。またシャリオやアーシュラとはなんらかの因縁があるようで・・・?
その他テレビアニメ登場人物
CV:金本涼輔
ハンブリッジ伯爵の息子。
イギリスきっての名門校エイプルトン校に通う高校生。容姿端麗で文武両道、「エイプルトンの貴公子」の異名を持つエリートで周囲から持て囃されている。
父の影響から魔法を「時代遅れ」「インチキ」と決めつけて酷評していたが、アツコと出会ったことでその見方に変化が芽生えつつある。ダイアナとは幼馴染かつ家同士が古い親戚であり、周囲からはお似合いと評されているが非常に不仲。
ハンブリッジ伯爵
CV:玉野井直樹
アンドリューの父で政治家。家柄が良く若くして国務大臣の座に登り詰めた生え抜きのエリート。表面上はルーナノヴァとも付き合いがあるものの、本音では魔法も魔女も嫌っており良い感情を持っておらず、ルーナノヴァへの訪問などは「魔法保守派に貸しを作るためのパフォーマンス」と割り切っている。
フランク
CV:興津和幸
アンドリューの友人。一見只のチャラ男に見えるが、人間の本質を見抜く力がある。ひょんなことからロッテに好意を抱き、友人関係となる。
アナベル・クレム
CV:諸星すみれ
アニメ第4話「ナイトフォール」に登場。世界中にファンを持つ超大型歴史巨編少女小説「ナイトフォール」の作者。
これまで一度も人前に出たことがなかった覆面作家であり、120年ものあいだ同一の筆名で「ナイトフォール」を書き続けていたことから正体は魔女ではないかと推測されていた。
近頃の「ナイトフォール」は「核弾頭を素手で受け止める」「アカペラ選手権で優勝を目指す」「主要人物が宇宙へ行く」などブッ飛んだ展開が多く、SNS上などでしばしば炎上している。
第365巻の発売記念イベントにて初めて衆目へ姿を現したが・・・?
グレートベン810
CV:???
アニメ第4話「ナイトフォール」に登場。「ナイトフォール」の熱烈な愛読者のひとりで、「ナイトフォールの主人公ベルが冒頭で住んでいた街の時計塔」というかなりマニアックなコスプレに扮した上で、通行人の子供から限定グッズとして付属していた100年前のハブラシを所望していた怪人物。
実はロッテとは「ナイトフォール」のファン同士としてSNSを通じた付き合いがあり、イベントのクイズ大会では決勝まで競り合い、惜しくも敗退した。その正体は・・・?
ファフニール
CV:飯塚昭三
アニメ第5話「ルーナノヴァと白い龍」に登場。
ラスタバン遺跡に住むとても強欲で老齢の白いドラゴン。これまで100年間、外界に姿を現していなかった。ある目的からルーナノヴァを襲撃し魔導石を強奪するが、その目的というのも実は・・・?
ホルブルック氏
CV:多田野曜平
アニメ第9話「ブライトンベリーアンデッド紀行」に登場。
アツコの修復魔法のミスで墓場から蘇ったガイコツ。生前は魔法黄金期のブライトンベリーで暮らしていた。蘇生後は記憶も曖昧なまま仇敵を探し出そうと暴走、アツコたちを散々振り回した。その正体は・・・?
ウッドワード
CV:堀江美都子
伝説の「ナインオールドウィッチ」の存命する最後のひとり。アーシュラの恩師で、ある目的から洞窟の奥でアツコを試し、アーシュラにアツコを導くよう命じる。
なお、CVの堀江美都子氏は『ひみつのアッコちゃん』のアニメ第2作で主人公の加賀美あつ子を演じていた。
『魔法仕掛けのパレード』の登場人物
トーマス
CV:青山桐子
ルーナノヴァ魔法学校のふもとの街に住む金髪の少年。パレードを企画するアツコたちに嫌がらせを仕掛けるが、これが大騒動の引金となってしまう。
トーマスの仲間
トーマスの取り巻きの少年たち。
市長
CV:大竹宏
ふもとの街の市長。市長のある思惑がきっかけで大騒動を引き起こしてしまう。
古の巨人
CV:なし
大魔女ジェニファーによって封印されていた巨人。
アニメミライ版登場人物
ミノタウロス
CV:乃村健次
実践訓練の迷宮にいた怪物。
いにしえの竜
CV:なし
迷宮地下のアイアン・メイデンに封印されていたドラゴン。当初は小さくひ弱そうなトカゲでしかなかったが、ある特性から巨大化し大暴れした。
スタッフ
監督・原案・キャラクターデザイン - 吉成曜
脚本 - 大塚雅彦
美術監督 - 金子雄司
色彩設計 - 垣田由紀子(T2studio)
撮影監督 - 山田豊徳(サンジゲン)
編集 - 坪根健太郎(Real-T)
音響監督 - 渡辺淳
音楽 - 大島ミチル
プロデューサー・担当制作 - 堤尚子
アニメーション制作 - TRIGGER
小ネタ
・過去のTRIGGER作品同様、本作も無数のオマージュやパロディが盛り込まれており、それらを探すのも一興。登場人物や小道具、舞台の名前一つ一つにも元ネタや由来が存在している。
・13話までのEDは複数イラストによる紙芝居となっているが、エピソードによってイラストの内容が変わることがある。スタッフによると本編に盛り込めなかった没ネタが利用されているとのこと。
関連タグ
宇宙パトロールルル子:本編にて同作の魔法学校が登場し、スーシィも本人が姿を見せると言う展開に。ちなみに、この回に関しては制作会社繋がりである。更にはルル子の最終話にも……。
タイアップ曲:星を辿れば Mind Conductor