概要
西洋占星術における黄道十二宮の巨蟹宮にあたり、6月22日~7月22日前後に太陽に留まる。
ほぼ星座中央にあるM44ことプレセペ散開星団が最も有名。名前の意味は「飼い葉桶」で、γ星(アセルス・ボレアリス)とδ星(アセルス・アウストラリス)が飼い葉桶の餌を食べる2頭のロバに見立てられていたため。ちなみに英語では「Beehive(蜂の巣)」。
モデルとなっているのは、ギリシャ神話の巨蟹カルキノスであり、怪蛇ヒュドラの盟友である。
ヘラクレスの「十二の試練」における「レルネーのヒュドラ退治」において登場。ヘラクレスと激闘を繰り広げているヒュドラを援護しようとしたが、特に気にも留められず、登場して早々に踏みつぶされた。
なお彼を星座にしたのはヘラであり、一説には魔獣コレクターとしても名高い彼女がヘラクレス憎しで指し向けた刺客ともされる他、友を助けようとする心に胸を打たれて星にしたとも語られている。
この蛮勇ともいえる熱い友情のおかげか、今日ではヒュドラを押しのけて黄道十二宮の一員として光り輝いている。もっともヒュドラの方も黄道十二宮にこそ入れなかったものの、全天一の大きさを誇る星座として夜空を飾っている。
ちなみに星図によっては(特に古い絵だと)ザリガニの姿で表される事も。それは果たして〝かに〟座なのだろうか……
また、他の多くの星座にも言える事だが古代オリエントから古代ギリシャに「星座」「黄道十二宮」と云う概念が伝わった時点で、既に「蟹に見立てられた星座」であり、「何故、あの位置にある星座が『蟹座』なのか?」と云う事に関する神話は「古代ギリシャ人にとっても理由は良く判らないが最初から『蟹に見立てられた星座』だったものに対する後付設定」である。
古代中国では散開星団プレセペを『積尸気(せきしき)』と呼び、二十八宿の一つ「鬼宿」と合わせて死者の「魄」(陽気の霊たる「魂」と対を成す陰気の霊)が集まってできたものと考えられていた。
デスマスクの積尸気冥界波など、星座モチーフの作品で死者に関連付けられるのは大体これが由来である。
日本にはこれとは別に平家の亡霊とヘイケガニが結びつけられる事がある。
なお、『聖闘士星矢』のデスマスクを筆頭に星座をモチーフとした作品で蟹座のイメージのキャラクターが大抵不遇な扱いを受けてしまっていたことから、「星座カースト制度」の最下層に位置付けられてしまうことが多かった。
しかし近年ではそういった扱いはあまり見られなくなり後述する巨蟹武神キャンサードやキャンサー・ゾディアーツは優遇&強者として描かれ、星座カースト制度の元凶である聖闘士星矢シリーズでもパラレル世界を描いたロストキャンバスでは蟹座の黄金聖闘士・マニゴルドが大活躍、本家のデスマスクも黄金魂では改心してこれまた活躍しており、かつての扱いの悪さはほとんど改善されたと言っていい。
ちなみに癌も英語でCancerと言う。ズバリ形が蟹に似ているからである。
蟹座をモチーフとしたキャラクター
聖闘士星矢
特撮
アニメ
- 巨蟹武神キャンサード(バトルスピリッツブレイヴ)
- 蟹座のルキノス・巨蟹星鎧ブレイヴキャンサー(最強銀河究極ゼロバトルスピリッツ)
- 夏樹みくる(アイカツ!)
- キャンサー・バーテックス(勇者であるシリーズ)
- かに座のプリンセス(スター☆トゥインクルプリキュア)
漫画
ゲーム
- 東月錫也(Starry☆Sky)
- 尸空/尸逝天(第3次スーパーロボット大戦Z)
- 断罪の暴君ゼロムス(ファイナルファンタジーシリーズ)
- スラキャンサー(ドラゴンクエストモンスターズシリーズ)※ジョーカー2以降
- キャンサー・バブル(流星のロックマン)
- クリム(白き鋼鉄のX)
その他
- Karkat Vantas、Kankri Vantas、The Signless(HomestuckのTroll。蟹座がモチーフ。)
関連イラスト
関連タグ
かに座 巨蟹宮 キャンサー 蟹/カニ ♋ 鬼宿(二十八宿) 積尸気