概要
- ランク:B
- 種別:対人宝具
- レンジ:-
- 最大捕捉:1人
バーサーカーが生前に成した十二の偉業の具現化した、祝福であり呪い。
それらは並の英雄では一つこなせるかどうかの難行であり、その功績からヘラクレスは死後、星座として神々の座に加えられた。
ランクB以下の攻撃をシャットアウトし、現界中致命傷を負っても11回まで代替生命で蘇生する事が可能という、全ての宝具の中でも桁外れに強力な代物。
さらに一度受けた殺害方法にある程度の耐性を身につけて二度と殺せなくし、イリヤの膨大な魔力により時間をかければストックの回復も可能。
なお耐性獲得は傷が治った時点で完了するらしく、死ぬ必要はないという。
つまり彼を倒すには「マスターからの回復の機会を与えずに、最大12通りのAランク以上の攻撃を叩き込まねばならない」という鬼畜仕様。
- 耐性の性能は、「ダメージを受けたら傷が治った後、対防御力+100。防御力3倍」というもの。原作者が出した例によると「火炎攻撃を貰えば、治癒した際に耐性を獲得し火炎攻撃に対して防御力が100上昇する」。恐らくヘラクレスの元の防御力を50として、50+100=150で"3倍"という意味だろう。
- あくまで「耐性」である理由は、BB「私が攻撃キャンセルに対して、筋肉さんは防御力が三倍化。何か違いでも?」バーサーカー「お前のようなチートとは違うのだ」とのこと。
よく勘違いされるがこれは「物理的法則外の理」であり威力がAランク相当であろうと世界を滅ぼせる一撃であろうと、ランク自体がB以下ならかすり傷1つつかない。あくまで攻撃の格がA以上必要という話である。
逆にAランクであれば、宝具でなくても筋力・魔力でも突破出来る。分かりやすく言えば最強の攻撃ではなく最高級の攻撃が効く。きのこ氏曰く「半端な英雄キラー」。
この宝具は逸話が具現化したものだが、能力自体は生前から持っていたらしく、試練を潜り抜けた直後にこの不死身の肉体を与えられ、以後ヘラクレスの肉体は攻撃を受け付ける事はなく、傷付けた者は自害した本人以外一人としていないとのこと。
一度受けた攻撃は効かないとされる。この効かないは肉体耐性と技術の両面。ゴッドハンドには一度受けたダメージを学習したのちそれへの耐性を肉体に付加する能力がある。ヘラクレス自身も一度見た攻撃を見破るスキルを持っており、その合わせ技で「一度受けた攻撃が効かない」というのが完成するとのこと。しかし、バーサーカー時は狂化しているため、その「剣士としての技術」は封印されゴッドハンドの耐性のみに頼っている。
一応「勝利すべき黄金の剣」や「契約の箱」のようなオーバーキルのダメージを与えれば、複数の生命ストックを一気に消費させることは可能。本体を持った神霊の宝具など食らおうものならば、魔術的な防護壁で守られていようが、一撃で死ぬリスクがある。
その性質上、多数の強力な宝具を有する傾向にあるライダークラスや、多種多様な宝具を雨あられと飛ばす者とはやや相性が悪い。しかし、この二人の場合は生身の戦闘能力ではヘラクレスが遙かに上なので、全く勝ち目がないわけではない。なお、ランスロットの「騎士は徒手にて死せず」そのもののランクはA++なので一見、十二の試練に対して効き目があると思われがちだが、基本的にランクは手にした宝具のランクが優先される為(そこらの物体ならランクDの宝具になる)、Aランク相当の宝具を支配下に置いておかないとダメージは全く入らないと思われる。
また、無限の剣製は投影した刀剣を貯蔵する宝具であるが、その戦法の一つである投影した宝具一つ一つの一射と宝具の一斉掃射(全投影連続層写)が別の攻撃としてカウントされるかどうかは不明(アーチャーはストックを異なる方法を用いて6回削り取っているので別カウントされていると思われるが…)。
ヘラクレス自身、元々破格の耐久力や戦闘技術を有している為並のサーヴァントよりはるかに死にづらく、「強力な攻撃を12種類当てる事が出来るのはあくまで倒すための最低条件であって、それだけで彼を倒せるわけではない」ということを踏まえないといけない。
中途半端に強力な攻撃程度なら耐えられ、耐性を付けられて更に殺すことが難しくなるだけであろう。
また、仮に令呪で自害を強制されたとしても、そもそも12も残機があるために3つ消費されるだけでまず抑止力にはなりえない。
二次創作や派生作品ではあまりに強すぎるため、真っ先に弱体化・あるいは何らかの理由をつけて制限されやすい宝具でもある(主にマスターの魔力不足など。正々堂々の決闘を望むため、本人が抑えているという節も見られる)。
同じギリシャの大英雄であるアキレウスの宝具とは、「神性」か「攻撃のランク」かという違いや、あちらは攻撃を突破されてもダメージを減らせる等差異があるが条件に達してない攻撃に対しての無効化性能は全く同じである。なお、十二の試練はアキレウスの宝具の使用を無効化するフィールドを張る「宙駆ける星の穂先」で無効化できるかは公式発言がない。仮にタイマン勝負に持ち込めたとしても、アキレウスの筋力はB+なのに対してヘラクレスの筋力はA+もあるので単純な力勝負では後者に分がある。
Fate/Grand Order
プレイヤーサーヴァントとしては使用不可の宝具だが、メインストーリーでは健在である。
期間限定イベント「ネロ祭再び」ではヘラクレスが単騎ボスとして登場するクエスト超高難易度「第一演技 十二の試練」が登場。
このクエストでは十一回の「ガッツ」という形で十二の試練が再現されている。
約二十四万のHPを削り切っても、ガッツ発動ごとに半分(十二万)が回復するという鬼畜仕様。
止めを刺した攻撃手段に耐性を持つ所までは再現されていないもののコンティニュー不能なため攻略は困難を極めた。
旧『Fate』版、十二の試練
11回分の戦闘まで絶対に負けないという概念宝具。 聖杯戦争だと自分以外には6人しかサーヴァン トがいないことから真っ当に戦えば絶対に聖杯戦争に勝てるという宝具。しかし、それを旧『Fate』ではアーチャーであるギルガメッシュが破る。その時のギルガメッシュは絶対に生き延びるという効力の宝具を持っており、これでバーサーカーの十二の試練の効果を相殺。絶対に負けないと“絶対に生き残る"の矛盾によって、負けはしなかったが命を落とす事になるという設定だった。
しかし「stay night」というゲームを作るにあた って「さすがにそれは無茶すぎる、やめよう」となり今の十二の試練に変更された。その代わり、宝具の効果を「11回アレイズにしよう」となり、変更後も無茶な強さは保っている。
余談
他の無敵持ちのサーヴァントはどこかしらの部位に無敵じゃない部分が存在するが、ヘラクレスの十二の試練はそれがない...ようは突破口が用意されてすらいない。
蘇生する以前にAランクの攻撃手段がない時点で負けが確定する。Aランクの攻撃手段が合ってもようやくスタートラインである。
きのこ氏「超チート。普通のゲームだったらエンディング間近で手に入る宝具。伝説の武器系じゃなきゃ一切ダメージが通らないんですから。」
ただし(型月ではよくあることなのだが)、同じ攻撃は効かないとされているが、完全に効かなくなるわけではないとされている。きのこ氏曰く「効かないとは言ったが無効化とは言っていない」とのこと。
また、一日に2つ回復できた代替ストックだが、2014年版アニメでは3日で1つ回復されるようになっている。
「Aランクに達してない攻撃無効」は性能が倍加する+の場合はどうなるのか?についてだが、公式では解答が無いため不明。
威力や性能がA以上でもランクがA以上じゃなければ無効化するという設定から無理だろというファンの意見もあれば、+の意味が倍加でB+は一時的にA以上(威力や効果ではなくランクがA以上)という理屈で行けるのではという意見もある。
ただ、その昔きのこへのQ&Aであった「Aランク宝具を所有していないランサーはバーサーカーに勝てるのか」という質問に対し「ルーンで宝具をAランク以上にできるので確率は低いが可能性はある」という回答(ランサーはB+ランクの宝具を持っているが、そちらではなくルーン底上げを勝てる根拠として挙げた)点から、B+では無理だという意見が比較的多い。
Fateルートではアーチャーが6回(なおアニメDEEN版では本来ランクC-の干将・莫耶を強化して使った鶴翼三連(おそらく強化に伴いランクが上昇したのだと思われる)を使用して一殺している)、凛が1回、セイバーと士郎が一撃で5回(ダメージ自体は7回分の威力なのでオーバーキル)削って倒している。
なお、バゼットはカウンター使用では無い場合基本ランクがC〜Dである斬り抉る戦神の剣でストックを1回削っているが、原理は不明である(おそらく十二の試練を常時発動型の切り札と見なしてカウンター宝具としての本来の性能を発揮してランクが大幅に上昇したのだと思われる)。
『Fate/unlimitedcodes』ではゲームの演出上、仕方ないとはいえ、アサシンが最終的にバーサーカーを撃破しているが、どうやったのかは不明(彼の筋力はC、宝具に値する対人魔剣のランクがそもそも無いなどの理由がある為)。
また、上記の「一度受けた攻撃は効かないとされる」設定について、アニメ版UBWに際しての設定変更とよく言われる(実際この情報初出時のインタビューにおける武内氏の反応もそのようになっている)が、
・一度受けた攻撃は効かない、はヘラクレスの技量から来る見切りと合わせて完成する(=ゴッドハンドだけでは完成しない)
・セイバーオルタのエクスカリバー連打でヘラクレスを打倒可能(=同じ攻撃の連打で倒せる)
・バゼットがヘラクレスにフラガラックを放った際に、二度目のダメージが一度目より少ない描写がある(=完全無効化ではない)
など、実はSnやホロウの時点でこのことを匂わせる設定や描写は複数あったため、設定変更ではなく昔からの設定だったのだと思われる。