解説
サーヴァントが持つ切り札であり、人間の幻想を骨子に創り上げられた武装。貴い幻想(ノウブル・ファンタズム)。わかりやすく言うとサーヴァントの必殺技。
彼らが生前に築き上げた伝説の象徴であり、物質化した奇跡である。
Fateシリーズにおいて、宝具の開放、使用は伝説や神話の再現とほぼ同義であり、「異なる伝説を持つ英雄達が、全力でぶつかり合い覇を競う」というFateシリーズを象徴する要素を盛り上げる事に大いに貢献している。
宝具は魔力で具現化している為、何も無い空間から投影魔術のように取り出すことが可能。
作中ではランサーが初めてこれを行い(アニメ版では始めから槍を持っているように改変されている)、そのあとにアーチャーも剣を取り出すという構図になっていることから、プレイヤーに「アーチャーもランサーと同じように普通に宝具を取り出しただけ」とミスリードさせる流れになっている。
彼らの生前使っていた武具が宝具になるだけでは無く、その英霊の人となりや生き方が武具の形となって宝具になったりとその成り立ちは様々。
更に、必ずしも武具などのアイテムであるとも限らず、英雄を象徴する攻撃方法や身にまとった呪い、技、技術、逸話を反映した能力などあり方は様々である。また、逸話の具現という側面が強いために、生前とは異なる現れ方をしているものもある。
なお、複数の持ち主が存在する武器なども存在するため、本来唯一無二の武具でも違う2人の英霊がそれぞれ所持していた逸話が存在するがために、持ち主同士が同時に現界していると同じ宝具が2つ以上同時に存在するケースも実際に起こりうる。
例:『不毀の極槍』と『不毀の極聖』、『戦神の軍帯』等
また、同じものでも複数の逸話や所有者を持つものは、持ち主によって使われ方や性質が異なるケースもある。 英雄を象徴するという性質上、同一人物でもクラスが違えばその逸話に合った別の宝具を使用するケースもある。オリジナルから派生したという明確な逸話を持っている宝具はデザイン自体が異なることも。
例えば『壊劫の天輪』『幻想大剣・天魔失墜』などは、王を選定する資格を持つ樹木に刺さった剣『聖権』の派生である。また、その原典たる『原罪』をギルガメッシュが所有しており、それぞれデザインが異なる。
聖杯戦争での英霊達の到達点は等しく”死”であるため「このサーヴァントの死の傍らにはこの宝具がなくてはならない」という理由で自身の死因となった武器や逸話を宝具として獲得する場合もある。所有者にとっては自身の分身ともいえるものであり、生前1度も使用していなくても何の問題も無く自身の手足の様に操れる。
レアケースな『無限の剣製』は"武器"や"逸話から昇華した概念"ですらないただの魔術だが、本人曰く「その英雄のシンボルを指すものを宝具というのであれば、この固有結界こそ自身の宝具」と語っている。つまり使い捨て宝具である。
大半の宝具は「宝具の真名を叫び解放する」ことでその力を発揮することが出来るが、自身の伝説の元になっている宝具の名前を相手に教えることになるため、多くの場合、使えば相手に自分の正体をバラしてしまうことになる。
基本的に必要となる魔力量も多く、発動に魔力以外の一定の条件が必要な物や、逸話の影響で大きなデメリットが存在する事もある。マスターもサーヴァントもリスクを払うことになるため、サーヴァント達はここぞという時以外は宝具を温存して戦うのが普通である。
逆に言うと強力な宝具の開放、使用を行うという事はサーヴァントが本気を出す、勝負を決めに行くという一種の意思表示でもある。
サーヴァント自体を象徴する存在だけに、サーヴァントの勝負とはつまるところ宝具の戦いであると称される事すらある。
ちなみに、真名を解放する以外にも常時発動するタイプの宝具もある。
また上記のサーヴァントが持つもの以外にも、伝説の時代から現代まで現存している宝具も少数ながら存在している。
『stay night』時点では英霊が持つ宝具は原則1つ。中には複数の宝具を持つ者もいるが、それでも2つが限度とされている。
しかし、ライダー、ランサー(地元)は3つ以上宝具を持っており、この法則は最初から破綻していたりする。コンマテ本によるとメドゥーサはサーヴァント中トップクラスの宝具数となっているので(これは、ライダークラスだからではなく、メドゥーサ個人のスキルと宝具が多いというニュアンスで記述されている)、規格外に多いだけだったのかもしれない。
ギルガメッシュの宝具は"生前集めた宝物が全て入っている蔵"であり、四次元ポケットをひみつ道具1つとカウントしているようなものだが、あくまで彼の宝具は1つ。
ランスロットに至っては現地召喚ではないバーサーカークラスであるにもかかわらず宝具数は3つである。といってもうち1つは令呪を使わないと発動できないので実質的な総数は2つなのだが。
よく間違えられるがサーヴァントが所持している武器が全て宝具というわけではなく、ただの通常武器という場合がある。最たる例がメドゥーサの天馬であるが、宝具はあくまで手綱の方であって天馬自体は鎖杭と同じく宝具ではない。
長尾景虎や巴御前も武器を複数持ってきているが宝具とは説明されておらず、ただの通常武器と思われる。剣士系の英霊は必ずしも刀剣自体が宝具になる訳ではなく、彼らが生涯のうちに編み出した技が宝具扱いされる事も多い。
また、サーヴァントが宝具を持てる数が限られている以上、英霊の逸話全てが宝具になるという訳ではなく、一部の逸話はスキルに回されたり(例えばFGOの場合、発動できる宝具は1種だけなので明確に宝具と設定されているものも、スキルや通常攻撃に回される。)、特殊なケースであればセイバークラスであり、剣を複数所持した逸話があるのにもかかわらず、持ってこれる武器はその中でも突出して有名なもののみといったものも。
ちなみに名称はサーヴァントの出身国の言語に則っているパターンが多い一方で、お前、どこ出身!?と突っ込みたくなるようなルビが振られているサーヴァントも多い。その最たる例がギリシャ出身サーヴァントや神霊で、ルビがなぜか英語。
ただし、アキレウス、アタランテ、ディオスクロイ、イアソン、オデュッセウスなど近年のギリシャ鯖はルビがギリシャ語由来になって来ているし、初期に登場したメドゥーサの宝具が英雄の名前に由来していたりするなどの例外はある。
性能項目
ランク
宝具のランク付けとしてA〜E、そして規格外を示すEXがある。
最下位のEが10、その後20、30、40と上がりAが50。A+など、+の補正がついているものは一時的にその数値が倍になる(+が2つついているものは3倍)。A+は魔法一歩手前のランクとされている。
EXは評価規格外という意味であり、Aを上回るという意味ではないため、実際にはA未満の威力である事もある。例えば戦闘用の宝具とそうではない宝具の場合、前者のランクがAで後者のランクがEXだとすると戦闘用の宝具の方が威力が高いということがある。
ランク分けされていても宝具やクラス・スキルの相性で強弱の差が出る。詳細な性能を表した数値化も可能だが、英霊の能力はある意味言葉遊び的な「〜より強いが〜には負ける」みたいなもので、数値よりも大まかな概念としてのA〜Eのカテゴリーに分けられている。
宝具には「強さが数値化出来る宝具」「特殊な宝具*というジャンルがあり、平均的な宝具の定義としては能力が数値で表せるものかつレベルで言えばBのものが該当するとのこと。
前者の例として、壊れた幻想(後述)、「風王結界」、「突き穿つ死翔の槍」があげられている。
逆に効果が概念的なもの、運命干渉系が後者とされ、「刺し穿つ死棘の槍」といった数値で強さを表せられないものがこれに該当する。例えばこのダメージ計算は「敵のHP - 宝具威力」ではなく、「敵のHP -(敵のHPの絶対値 + 宝具威力)」となっている。
なおサーヴァントの能力・保有スキルのランクの基準については公式からの説明としては
「召喚したマスター、土地柄によって多少は変動しますが、基本、英雄の残した偉業と、それを讃える人々の認識で決定されたワールドランキングです」
という説明がされており宝具も同様と思われる。
最大捕捉
宝具による捕捉人数。捕捉可能な人数であり、実際の威力は必ずしもそれに留まらない。
とはいえ、あくまでフレーバーな事が多く、実際の描写と合っていない宝具も珍しくない。
かつては登場宝具の捕捉人数の最大値が軒並み1000人だったためこれが設定上の上限値と思われていたが、それを上回る宝具の持ち主も表れている。
レンジ
宝具の効果範囲(距離)を表していると思われる。
こちらもかつては最大値が軒並み99であったためこれが上限値と思われていたが、それを超える宝具が多数が存在しはじめ、今では99999という宝具まで登場している。
また「最大捕捉」以上に描写・設定にあっていない宝具が多く、例えば最大射程距離2500kmと明言されている宝具のレンジが99であったりする。
※この宝具の初出の時期は既に99を超える宝具が複数登場していた頃。
なお、最初に99の上限を突破したのは『CCC』でのギルガメッシュによる「天地乖離す開闢の星」の999、
その上限突破は『FGO』での浅上藤乃による「唯識・歪曲の魔眼」の9999、
その上限突破はビーストⅢ/Lによる「愛の世界、燃える宇宙」の99999となる。
インフレ祭りもソコまでにしとけよ。
種別
大別して、
- 個人戦で力を発揮する「対人宝具」
- 集団戦に威力のある「対軍宝具」
- 一撃で雌雄を決する「対城宝具」
の3つに分けられる。コンマテの説明には「対人宝具」と「対軍宝具」の違いは『個人を対象とするか、数十人から数百人の軍勢を対象とするか』、「対人宝具」と「対城宝具」の違いは『威力の桁』とだけ記述され、対軍が対人より威力が高い・対城は対人より範囲が広い等とは一切書かれておらず、「対軍宝具」=範囲基準、「対城宝具」=威力基準というふうに読み取れる。
実際、玄奘三蔵やケツァル・コアトルの様に「対城」でも対象範囲は「対人」レベルな場合もある。エクスカリバーは威力が高すぎるが故に副次的に範囲が広くなったといったところか。
作中の説明では「対人宝具が弾数制限のない拳銃で、対軍宝具が1発限りのミサイル」。
この他、特殊な種別として以下のものが存在する。(作品名は名前が初出のもの)
『stay night』 | 『Apocrypha』 | 『strange Fake』 | 『帝都聖杯奇譚』 |
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『EXTRAシリーズ』 | 『Samurai Remnant』 | ||
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『Grand Order』 | |||
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最近のもの、特に『FGO』では特殊な分類が「その宝具が何を対象にして効果を発揮できるか」「どのような種類の宝具なのか」といった意味合いで種別設定がされている事も多い。
- 魔剣・奥義・絶技
- 「対人魔剣」「対人奥義」「対軍奥義」「対人絶技」「対軍絶技」
厳密には宝具ではないのだが、宝具に匹敵する神秘を兼ね備えた技がこう呼ばれる。
これを宝具の代わりに自身の切り札とするサーヴァントが何名か存在し、こうした技術系の宝具は威力を魔力に依存しない為、基本的に魔力消費が少ないとされる。
壊れた幻想(ブロークン・ファンタズム)
魔力の詰まった宝具を爆弾として相手にぶつけ破裂させる技能。
宝具によっては本来の威力を越えたダメージを与えるが、使用するということは「わずかしか持たない切り札の破壊」と同義であり、加えて宝具の修復は困難であるため、まず使われることはない手段である。
第五次のアーチャーがこれを得意技とし、平気で使えるのは「無限の剣製」の特性によるもの。
宝具の代償
基本的に宝具は真名の漏洩や、大量の魔力を消費するというのが一般的なデメリットだが、一部の宝具にはサーヴァント自身が消滅する危険性を孕んだものも存在する。
それらは「特攻宝具」とも分類され、「己が命と引き換えに起こした偉業」や「自身の死の瞬間を概念武装としたもの」など、自身の死につながる逸話を持つ宝具は自分の命(霊基)と引き換えになる可能性が極大となる。
また、宝具の持つ力(神秘)が強すぎてサーヴァントの霊基では耐えられないものや、自身の霊基を魔力リソースとして全力で宝具を放つ際もサーヴァント自身が消滅する危険性がある。
また、壊れた幻想(ブロークン・ファンタズム)の項目で触れているように、破壊された場合は修復が困難であることが多く、身体能力等を宝具で補っているサーヴァントは特に著しく能力が低下する危険性がある。
各サーヴァントの宝具
基本的に、初出の作品別。
Fate/stay night
※1 - 厳密に言えば宝具ではないが、便宜上宝具扱いされている。また投影した武具も分類上は宝具であるが彼固有のものではない。
※2 - そもそもアサシンはキャスターのイカサマによって召喚された「名前も知らない農民」なので宝具を持たないが、『空を飛ぶ燕を落とす為だけに振り続けた剣の腕』から来る「対人魔剣」を持つ。『FGO』では宝具として扱われる。
Fate/hollow ataraxia
Fate/Zero
Fate/EXTRA
味方サーヴァント
※客演作品である『FGO』における名称。
敵サーヴァント
Fate/EXTRA CCC・FoxTail
アルターエゴ・ムーンキャンサー
※1 - 『FGO』にて心境に合わせて変化。
※2 - 『FGO』にて登場。物質世界でのみ使用される。
合体宝具
Fate/EXTELLA
Fate/EXTELLA LINK
シャルルマーニュ | |
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カール大帝 |
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アルテラ・ラーヴァ | 妖精の翅 泪の星 |
Fate/EXTRA Last Encore
※正式名称は不明。
Fate/Apocrypha
黒の陣営
赤の陣営
ルーラー
没サーヴァント
Fate/strange Fake
偽りの聖杯戦争
真の聖杯戦争
Fate/Prototype
※ライダーの宝具はsnライダーと同じ宝具以外、どれも正式名称が分かっていない。
蒼銀のフラグメンツ
Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ
子ギル |
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アンジェリカ・エインズワース | |
ベアトリス・フラワーチャイルド/マグニ | |
ダリウス・エインズワース |
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パンドラ | この世全ての贈り物 |
ロード・エルメロイⅡ世シリーズ
ロード・エルメロイⅡ世の事件簿
※正確には仮想宝具。
ロード・エルメロイⅡ世の冒険
コハエース
Fate/KOHA-ACE 帝都聖杯奇譚
リメイク版の『帝都聖杯奇譚 Fate/type Redline』も共通。
帝都聖杯奇譚回顧録 昭和戦国絵巻
ぐだぐだ太閤伝ZIPANG
※『FGO』ではこちらが宝具として実装されている。
Fate/Grand Order
シールダー
セイバー
アーチャー
ランサー
ライダー
キャスター
アサシン
バーサーカー
ルーラー
アヴェンジャー
アルターエゴ
殺生院キアラ | 快楽天・胎蔵曼荼羅 |
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メカエリチャン | 鋼鉄天空魔嬢 |
メカエリチャンⅡ号機 | 鋼鉄天空魔嬢 |
沖田総司〔オルタ〕 | 絶剱・無穹三段 |
シトナイ | |
蘆屋道満 | 狂瀾怒濤・悪霊左府 |
マナナン・マク・リール〔バゼット〕 | |
太歳星君 | 太歳頭上動土 |
スーパーバニヤン | 闇を拓く星条の象り |
徐福 | |
グレゴリー・ラスプーチン | 零れ氾く暗黒心臓 |
阿曇磯良(ひびき&千鍵) |
フォーリナー
ムーンキャンサー
プリテンダー
オベロン/オベロン・ヴォーティガーン | |
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ヘファイスティオン | |
レディ・アヴァロン | 彼方に手まねく理想郷 |
九紋竜エリザ | |
トラロック/テノチティトラン | 重起動心臓都市 |
ケット・クー・ミコケル | 祝いの躍祭 |
テュフォン/テュフォン・エフェメロス | 汝、宙を裂く雷霆 |
アレッサンドロ・ディ・カリオストロ | 秩序に死を、遍く世に混沌を |
アビゲイル・ウィリアムズ〔サンタ〕 | 希う淡き夢見し |
ビースト
ゲーティア | |
---|---|
ティアマト | なし |
ビーストⅢ/R | スカーヴァティー・ ヘブンズホール |
ビーストⅢ/L | 愛の世界、燃える宇宙 |
ビーストⅣ:L | 雷天日光・禍音星落火流錘 |
ソドムズビースト/ドラコー | 抱き融す黄金劇場 |
エレシュキガル(水着) | |
U-オルガマリー | すでに過ぎし人理の終 |
Fate/Grand Order Arcade
セイバー
アーチャー
ランサー
ライダー
キャスター
アルターエゴ
ビースト
マンガで分かる!Fate/Grand Order
Fate/Requiem
※Requiemには名前のみ登場の英霊が多すぎるため、メインサーヴァントのみ記載
Fate:Lost Einherjar 極光のアスラウグ
Fate/Samurai Remnant
セイバー | |
---|---|
アーチャー | |
ランサー | |
ライダー | |
キャスター | |
アサシン | 化身・伊吹大明神縁起 |
バーサーカー | 六道五輪・倶利伽羅天象 |
逸れのセイバー | |
逸れのライダー | |
逸れのバーサーカー | |
逸れのルーラー | 王の財宝 |
逸れのキャスター | |
逸れのルーラー(DLC) | |
逸れのセイバー(DLC) | |
逸れのライダー(DLC) | |
逸れのバーサーカー(DLC) |
マスター、その他の宝具
※ - 神造兵装と記述されているが正式名称は不明。
ネタ宝具
※これらを含め、FGO水着イベントに登場した新規サーヴァントの宝具は大半がネタ宝具である。公式が病気。
pixivでは宝具を使用するサーヴァントや宝具そのものを描いたイラストに付けられるが、
大抵の場合はその宝具の名前や使用するサーヴァントの名前がタグとして使われる事が多い。
基本的に表記とルビ(読み方)が一致しないのが宝具の特徴なので、タグ付けする際は注意。