千紫万紅・神便鬼毒
せんしばんこうしんぺんきどく
椀飯振舞、よろしゅうな?
死にはったらよろしおす…… 『千紫万紅・神便鬼毒』。はぁ……骨の髄までウチのものや
- ランク:B
- 種別:対軍宝具
- レンジ:1〜50
- 最大捕捉:100人
「Fate/Grand Order」に登場する酒呑童子の宝具。
杯から零した酒が一面に広がり、それに触れて溶けた相手を杯で飲み干す。
比喩では無く対象を『骨抜き』にし、『酒に呑ませる』宝具。
対象を溶かして酒に変える宝具としては、西遊記で有名な金角銀角の持つ「紅葫蘆(べにひさご)」が有名である。
『千紫万紅』とは百花繚乱と同義語、『神便鬼毒』は酒呑童子を屠るために醸された対鬼神用の毒酒である。神便鬼毒には特殊な呪術が備わっており、無類の酒豪たる鬼をも酔わせその自由を奪い、鬼の持つ絶大な妖力さえも根こそぎ封じてしまえる特上の呪物。
勿論、鬼も認める“極上の美酒”でもあるため、この甘美な猛毒の誘いに勝てる妖魔は多くないと思われる。
これほど強い酒となると、比肩し得るのは童子の祖である八岐大蛇を酔わせた“八塩折之酒”ぐらいだろうか。
ちなみに上記のとおり、この酒は酒呑童子の物ではなく、むしろ敵である頼光側が酒呑童子を倒すために用いた物である。まあ、同じようなことをしている人は他にもいるが……。
この神便鬼毒酒に関して言えば、罠とはいえ酒呑童子に対して振る舞われたものには違いないため、最終的には彼女の所有物となったと解釈できなくもない。酒呑自身もこの酒の味を大層気に入っている様子なので、強引に自分の宝具にしてしまったのかもしれない。さすがは酒呑みを名乗る鬼といったところか。
酒呑童子が思わず飲んでしまうほどいい酒らしく、気分の良い時にはこれで一献傾けているとか。
彼女の意思一つで「酒」はたちまち周囲を毒で汚染し、濃度を操ることであらゆるバッドステータスを付与する。
最大濃度ならば、全身を生きながらに腐乱させ、僅かな骨しか残さない。
また、一滴垂らすことでその一滴が瀑布の如き波となって敵陣を襲う、という別の用法もある。
完全解放に至れば合戦場さえ酒に飲ませて吸い上げることも可能な、恐るべき範囲攻撃となる。
逆に真名解放しなければ、毒ではなくそのまま美酒として出すことも可能。
ちなみに、脇に抱えた瓢箪は剣を咥えさせれば武器にもなり、酒呑童子に魅了された獲物を閉じ込める檻にもなるという。
そして、とっくりは零すだけではなく、恨み辛みに無念の類を吸い上げて、極上の酒へと変えることもできる。
伝承では人間を強化するとしかないが、坂田金時の幕間では、神と縁があるイシュタルの魔像に酒を分けた結果、息を吹き返した上に力を増したので、神性等も強化出来ると思われる。
なお解説の紹介にある“紅葫蘆”は、正式には「紫金紅葫蘆(しきんべにひさご)」という。
太上老君の五大宝貝の一つで、本来は不老不死の霊薬「金丹」の入れ物の瓢箪。
名前を呼んで返事をした相手は、たとえ偽名でも問答無用で吸い込み、中で溶かして酒に替えてしまう効果を持つ。
相対した孫悟空も名前を呼ばれて返事をしたらOUTというところまでは事前に調べていたが、名前の真偽はお構いなしという性質までは解る訳もなく、偽名を使って乗り込んで見事に吸い込まれてしまった為に「この安物が!!」と悪態をついたほど。結構いい加減な宝貝である。
だが、一方で「溶かして酒に替える」効果に関しては非常に強力であり、太上老君の八卦炉(上記の金丹を鍛えるために使う超高温の火炎炉)の炎に鍛えられていた悟空(太上老君はこの炎で悟空を殺そうとしたのだが、あまり効果が無かった)でさえ、「長時間はマズイ」と評するほどであった。
『Fate/Grand Order』における性能
種別はArts。効果は【敵全体に強力な攻撃[Lv.1]&弱体耐性を小ダウン(3ターン)&防御力を小ダウン(3ターン)&攻撃力を小ダウン(3ターン)&宝具威力を小ダウン(3ターン)&クリティカル発生率を小ダウン(3ターン)&スキル封印状態を付与(1ターン)&毒状態を付与(5ターン)】。
強化後はランクがB+に上昇し、ダメージ倍率の上昇と敵全体に蝕毒状態(毒の効果量がアップする状態)を付与(5ターン)という効果が追加される。