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西遊記

さいゆうき

1.中国、元代の旅行記。長春真人西遊記。 2.橘南谿による紀行随筆。 3.中国、明代の口語体の長編小説。中国四大奇書の一角。多くの場合「西遊記」と言えば3を指す。Pixivでも同様である。
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概要編集

の高僧・玄奘、所謂“三蔵法師”がインドへ行き、中国仏教の経典をもたらした史実を軸に、そのお供の孫悟空・猪八戒・沙悟浄が妖怪悪鬼を退治して玄奘を助ける活躍ぶりを描く。日本では孫悟空を主人公として大幅に内容を端折った「そんごくう」が絵本などで知られている。


1570年頃成立。一般に著者は呉承恩(1504年頃 - 1582年頃、江蘇省出身の官吏・詩人)とされているが確証は無い。ストーリーに民間伝承と共通する内容が多数盛り込まれている事から、講釈師などによって在野の小話がひとつにまとめ上げられ、民衆が更なる完成に導いた可能性もある。


魑魅魍魎や神仏など多岐に渡る多彩な登場人物が出場するのも特色のひとつである。人間サイドの登場人物には名僧・玄奘三蔵や唐の皇帝・太宗など実在の人物が顔を並べるが、設定は完全にフィクションであり史実とは一致しない(余談だが、作中では敬虔な仏教徒として描かれる太宗皇帝だが、史実では熱烈な道教の支持者だった)。


世界観編集

三蔵法師の旅という史実をベースとしつつも、神秘的な領域も舞台として登場する。その世界観は道教・仏教・中国の民間伝承が渾然一体となった内容である。


地上世界の地理は須弥山を中心とする仏教の宇宙論から引用されており、東勝神洲、南贍部洲、南贍部洲、北倶盧洲の四大部洲のうち、中国は東勝神洲、天竺(インド)は南贍部洲に位置するものとされている。


中国神話における神仙の住居である十洲・三島が言及されると同時に、天界構造は仏教に基づく三十三天となっており、太上老君の住居はその一つである兜率天とされ、その別名として民間伝説における「離恨天」が挙げられている。


道教側の神仙たちが手を焼いた孫悟空を封じたのは釈迦如来だが、彼も修行者としての玉皇を強くリスペクトする発言をしている。

そして、釈迦の十大弟子の一人スブーティが「須菩提祖師」の名で登場し、悟空の最初の師となって道術を教えている。


影響編集

孫悟空、猪八戒(朱八戒)、沙悟浄は、同名の実在人物や祖型となる伝説・神格を持ちつつも、極めてオリジナル色の強いキャラクターである。

しかしながら『西遊記』はのちの『封神演义封神演義)』のように、実際の信仰に多大な影響を与え、孫悟空や猪八戒、また紅孩児(聖嬰大王)のような西遊記の登場人物が現在に至るまで一部の道教や民間宗教の廟で祀られている。


主な登場人物編集

三蔵一行編集

行者

東勝神州・花果山で産まれた石猿。美猴王を名乗って花果山の猿類の上に君臨していたが、仙術を学び、斉天大聖を名乗って天界に反逆するも、釈迦如来により調伏・封印される。後に三蔵法師の一番弟子となる。乱暴者だが義理人情には熱い好漢。


猪八戒

彼だけ名前に「悟」が入っていないが、これは本来の法名は猪悟能で八戒は通称であるため。元は天の川の水軍大将「天蓬元帥」(てんぽうげんすい)。女犯により天界から追放され、雌豚の胎内に入ってしまった為容姿がとなってしまう。後に三蔵法師の二番弟子となる。食と色気に弱い一行のムードメーカー。


『沙悟浄』

沙和尚(あるいは沙僧)とも呼ばれる。元は天帝の側近職「捲簾大将」。罪を得て下界に追放され、水怪に身をやつす。後に三蔵法師の三番弟子となる。悟空と八戒との間を取り持つ役。日本では河童の妖怪とされる事が多いが、本場・中国では顔色が黒い大男として表現される。


浪僧陳褘 | 享譽佛國

この名前は尊称で法名は玄奘。生まれる前に、賊に父を殺され、母を奪われて、生まれてすぐに川に流されるが、ある山寺で拾われそこで育てられ、高僧として大成する。この一連の仇討の物語はもとは別の講談であったらしく、省かれているバージョンもある。観世音菩薩の命を受けて天竺へと取経の旅へ遣わされる。


前世で天界にいた時は釈迦如来の第二の弟子、金蝉子であったが、仏法をないがしろにした罪で下界に落とされた。因みにこの人物には実在のモデルがいるが、劇中の三蔵は史実とは全く異なる。


玉竜

西海龍王の第三太子。罪を得て死罪に為るところを観世音菩薩に助けられ、紆余曲折を経て三蔵の乗騎たるに化身、取経の旅に同行する事になる。


神々編集

  • 釈迦如来
    • 西方の霊山大雷音寺に住む偉大な仏。天帝の依頼で孫悟空を調伏した。ストーリーの様々な局面で関わりがある重要なキャラクターである。
  • 観世音菩薩
    • 観音菩薩、または観自在菩薩とも呼ばれる。釈迦如来の弟子の一人。取経の旅を影からサポートする。劇中では大抵、柔和な女性の姿で描かれている。三蔵が悟空に殺される事を恐れ、三蔵に妖魔調伏の神宝・緊箍児を託す。
  • 哪吒太子
    • 少年の姿をした戦神。天界で暴れる孫悟空を討伐しようと諸神と共に出撃し、悟空と死闘を繰り広げる。
  • 二郎真君
    • 美丈夫の姿をした戦神。孫悟空を軽くあしらう程の実力者。今作の原型となった作品では八戒の退治に現れるシーンも。
  • 天帝
    • 天の神々を統率する最高神。斉天大聖の反逆で天界を滅茶苦茶にされ、最終的に釈迦如来に調伏を依頼する。民間伝承では篤い崇拝を受ける神だが、本作ではやや頼りなく描かれている。
  • 太上老君
    • 道教の最高神のひとり。本作では神仙が用いる様々な神器や、仙薬を開発する巧の神としての側面が強い。なぜか弥勒菩薩がいるはずの兜率天に居を構える。斉天大聖が捕縛された時、自身の所有物である「八卦炉」で焼き殺そうと試みたが、却って斉天大聖を怒らせる結果となった。

妖怪編集


  • 如意真仙
    • 牛魔王の実弟。落胎泉(らくたいせん)と言う魔法の水が沸く泉を独占している。
  • 金角銀角
    • 兄弟の魔王。元は太上老君の傍仕えの童子だが、天界の神宝を盗んで下界に逐電した。金角大王銀角大王とも呼ばれる。
  • 白骨夫人
    • 白骨の精。巧みな変幻術で三蔵一行を翻弄し、孫悟空が三蔵に破門されるきっかけを作った。
  • 霊感大王
    • 元は観世音菩薩の寺にある池に住んでいた金魚。津波に乗じて下界に逐電し、多大な神通力を傘に来て人間達に生贄を要求する。
  • 地湧夫人
    • ネズミの妖魔。三蔵に懸想し、自らの婿に迎える為に三蔵を誘拐する。哪吒太子に命を救われた事があり、その事から彼を「尊兄」と呼んで崇拝している。


他にも本作に登場する妖怪の類については多数存在しており、興味が湧かれた方は是非とも関連書籍を購読されたい。


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西遊記をモチーフにした作品編集

作品全体編集

漫画・アニメ編集


ゲーム編集


ドラマ編集


他作品編集


一部のキャラ・イベント編集


関連イラスト編集

ドラえもん西遊記(1978)
危険が危ない三蔵法師ご一行!!!!!
最遊記マシュランボー
最ログ詰マシュラ

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