概要
中国四大奇書の一つ。作者は蘭陵笑笑生であるといわれている。
「水滸後伝」同様水滸伝のスピンオフ作品だが、前者が水滸伝の後日談なのに対しこちらは水滸伝のパラレルワールドとなっている。
作品解説
水滸伝の武松の仇討ち(兄嫁・潘金蓮と間男・西門慶が共謀した兄殺しに対する仇討ち)の回から分岐した今で言うところのif系二次創作作品であり、西門慶らは討ち取られずに話が展開したらどうなったかという設定で話が展開する。
タイトルの『金瓶梅』はストーリーの中心となっている3人の女性、潘金蓮、李瓶児、龐春梅の名前から1文字ずつ取ったものである。
『水滸伝』二十三回における武松の虎退治のエピソード(景陽岡武松打虎)を入り口とし、そこに登場する武松の兄嫁の潘金蓮は姦通した後殺されずに姦夫の西門慶と暮らし始めるという設定となっている。ストーリーが『水滸伝』から分岐した後は、富豪の西門慶に、金蓮も含めて6人の夫人やその他の女性がからみ、邸宅内の生活や欲望が展開してゆく。
パラレルワールドだけあって水滸伝とはあまり重ならないが、1968年に日本で製作された映画「金瓶梅」では原作では登場しない魯智深・楊志・花栄・李逵・史進らが武松の助太刀に登場している。
ゲームでは光栄の「水滸伝天導108星」のPS版において李瓶児や龐春梅ら金瓶梅のみに登場する人物も追加で実装され金瓶梅準拠のイベントもある。
漫画作品ではぶんか社から発刊されている女性向け雑誌の『まんがグリム童話』にコミカライズ版が掲載されており、単行本50巻以上にも及ぶ長期連載となって同誌の看板作のような存在になっている。