花栄
かえい
梁山泊第の九位の好漢で、天英星の生まれ変わり。
中国では養由基と並び称される弓の達人李広の如き弓の腕前の持ち主だった事から小李広と呼ばれた。また時には神箭将軍とも呼ばれた他、槍術も得意であった事から銀槍手とも呼ばれると言う水滸伝でも数少ない複数のあだ名持ちである事の他に、
- 歯は白く、唇は赤く、目は涼やかな切れ長で、腰は細く、胸はたくましいと言う男前な外見。
- 代々武官の家の生まれで弓と槍に優れる(初登場時も青州清風塞の武官のトップを務めていた)。
- 四書五経に精通するインテリで軍略にも通じている上にに頭の回転が良いので難易度の高い作戦で重用される。
- 義に厚く、友情の為に栄達や地位を捨てる事も厭わない。
- 相手を罠にはめる際も冷徹になりきれる。
- 妹は梁山泊の五虎将の秦明の妻。
- 息子花逢春は水滸後伝で大活躍。
と言う弱点らしい弱点が無く、個人の戦闘力も田虎軍の猛将山士奇を捕える程と言う並みいる梁山泊の豪傑達に劣らずな上に、得意の弓の腕前は、
- 腕前を疑う晁蓋に対して、空を飛んでいる雁の頭を射抜いて見せる。
- 祝家荘との戦いの際に、闇夜の中、敵の進軍の目印となっていた提灯を次々射落とす。
- 高唐州を攻撃した際に、追いかけてきた敵将の薛元輝を振り向きざまに一射必殺。
- 田虎軍との戦いで、張翔・董澄らを射殺。楊端と戦った際は、相手の放った矢を掴んで撃ちかえして射殺と言う妙技を見せる。
- 方臘軍との戦いで猛将鄧元覚(トウ元覚)を倒す。
と言う李広に並ぶ神箭の腕前と言うあだ名に恥じぬ活躍を見せる為、唯一の弱点が「宋江の友人である事」なんて言われるぐらいに梁山泊屈指の完璧超人として描かれている。なお、108星で唯一の負け知らずでもある。
抜群の能力と功績を持ちながらも、使いやすい人材ゆえに騎兵軍最強の五虎将ではなく、動かしやすい1ランク下の八驃騎兼先鋒使を任されており、時に遊軍として、時に城の防衛担当として活躍する。
そんな花栄は、閻婆惜を殺した事で逃亡せざるをえなくなった宋江が、自身の元に逃げてきたところから物語に登場する。
友情に厚い花栄は、清風塞の武官のトップと言う地位でありながら宋江を匿ったのだが、賄賂で清風塞の知事を務めていた唯一の上司で犬猿の仲の劉高がその事を知り宋江を捕えると、自慢の弓の腕前をもって力ずくで宋江を救出した。黄信に家族ともども捕えらた花栄は、護送途中に燕順・王英・鄭天寿に救出され、劉高を斬り、武官の栄達の道を捨てて無頼漢となった。その後、自身を討伐にやってきた秦明を戦って捕えると、秦明を仲間に引き入れる為に秦明の偽者を用意して清風塞を襲撃させてるも、この策により秦明の家族が皆殺しにされてしまい、花栄は謝罪として自らの妹を秦明の妻にした。その後、宋江の手引きで梁山泊入りし、以降は梁山泊にてそのチート能力を余す事なく発揮して活躍を続け、花栄が梁山泊にいた事により呼延灼や関勝らが仲間入りしている。
公式チートな能力を発揮して、官軍そして遼国軍、田虎・王慶・方臘ら賊軍との戦いを経て生き残った花栄だったが、その最期もまた、友情に殉じたものだった。
コメント
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