概要
天罡星三十六星の天猛星の生まれ変わりで、序列第七位の好漢。
あだ名は「霹靂火(へきれきか)」。非常に短気で剛直な性分と、稲妻のような大変大きな怒鳴り声が由来となっている。
元青州の軍総司令官。剛直で短気な性格で、狼の牙のような棘状の突起物を無数に生やした長柄の棍棒の武器「狼牙棒(ろうげぼう)」を扱い、剛腕で敵を粉砕して戦う猛将。
来歴
青州で軍総司令官として妻子とともに暮らしていたが、青州の管轄下である清風塞の副長官・花栄が山賊に通じたため、部下の黄信が山賊の首領諸共に捕らえ、青州まで護送しようとしたが、途中清風山の山賊たちに奪われた。
秦明は兵を率いて山賊討伐のために出陣したが、敵の罠にかかり部下の殆どを失い、秦明も捕らえられた。山塞に連行されると、実は黄信が捕らえた山賊の首領は宋江で、花栄らの罪は全て清風塞の長官の劉高夫妻のでっち挙げだったと知り、自らの不明を詫びた。
宋江らから仲間に加わるよう打診されるが、これを拒否し青州に戻ることにした。ところが、青州に帰還すると青州知事の慕容彦達から、秦明が山賊と内通し青州を襲撃したため、反逆した罪により一族郎党を処刑したと伝えられる。
身に覚えのない罪で一族を殺され激怒したがどうすることもできず、やむなく清風山に戻った。宋江らにことの次第を話すと、実は秦明を仲間に入れるため宋江らが秦明に変装した仲間に青州を襲わせたという謀略だったことが判明(※)。秦明は激怒するが、2人が誠心誠意詫びるのと、今さらどうしようもないので仕方なく仲間に入った。また、作戦とはいえあまりに非道なことをしたため、宋江のとりなしで花栄の妹を娶ることになった。この後、秦明はさらに黄信を説得して仲間に加え、宋江たちが清風山を去るのに伴って梁山泊に合流した。
梁山泊では軍の中心の一人として活躍し、多くの敵将を討つ一方で、敵の罠にかかって捕虜になったり強敵を相手にして負傷するなど不覚を取ることも多かった。のちに五虎将の一人に選ばれる。
※作品によっては、生き残っていた秦明の部下が、宋江らと親しげにしていたのを目撃し、内通していたと勘違いしてそれを知事に報告したなどの展開もある。