「真剣で私に恋しなさい!」の林冲はこちら→林冲(まじこい)
概要
天罡星三十六星の天雄星の生まれ変わりで、序列第六位の好漢。
得物が蛇矛であることと、あだ名の「豹子頭(豹のような顔という意味)」から三国志に登場する張飛をなぞらえていると言われる。
魯智深とは義兄弟の契りを結んでいる。
来歴
初登場時は近衛軍教頭(教練班長)であったが、妻が上司の高俅の養子・高衙内に言い寄られてしまう。林冲は彼を追い返すが、林冲が邪魔と考えた高衙内は高俅に頼んで林冲を冤罪に陥れて逮捕させて流刑とさせる。
林冲は護送中だけではなく投獄後も暗殺されそうになり、暗殺者たち(買収された友人含む)を返り討ちにした後は脱獄して大財主柴進の紹介で梁山泊に入山入りしようとする。だが、当時の首領の王倫が首領の座を奪われるのではと邪推して渋るが、側近達に説得されて3日以内に旅人を殺し金目の物を奪うという入山条件を提示される。そして、3日目に現れた楊志と打ち合うが決着はつかなかったが、王倫は楊志も引き込んで林冲と競わせれば自分の地位は安泰のまま梁山泊の戦力が強化されると目論み、楊志に入山を勧めるが断られたため、渋々林冲のみが入山を認められた。
その後、追われる身となった晁蓋達が梁山泊を訪れた際、王倫は再び首領の座を奪われることを恐れ、わずかな手切れ金で追い返そうとするが、林冲は王倫の狭量さに激怒して彼を殺害し、晁蓋を新たな首領とした。なおこの時、林冲は妻を迎えようとするが、妻はあれから高衙内に縁組を迫られ続け、耐えきれずに自害してしまい、それを知った林冲は涙を流して悲しんだ。
その後は、梁山泊の軍の主力として活躍し、名だたる武将を討ち取る又は捕らえており、百八星集結後は五虎将の一人に選ばれる。
補足
流刑の際には「自分は生きて帰ってくる保証がないので、待ち続けて人生を無駄にしないように」と妻に伝え、梁山泊のクーデター収束後には彼女を呼び寄せようとするなど妻思いなキャラクターである。
しかし妻は夫以外との望まぬ縁組を強いられた末に自殺しており、その悲劇的な境遇から劇や挿絵では線の細い美男子として描かれることが多い。
そのため作中の描写とは裏腹に、横山光輝のように「三国志」「水滸伝」の両方を描いた作家でも張飛と林冲を近づけて描くことは少ない。
また、本作の悪役筆頭の高俅によって追われる身となったため、高俅に対する恨みは人一倍強い。ちなみに、意外にも梁山泊内で高俅が直接関わって陥れられたのは林冲だけである。
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