概要
日本の漫画家で、1934年6月18日、神戸市に生まれる。
手塚治虫作品に感銘を受けて漫画を描き始め、高校時代は投稿作が数多く漫画雑誌に掲載された。銀行、自転車製造会社、映画興行会社の勤務を経て、貸本漫画でデビューを果たし、『鉄人28号』で人気漫画家となり、東京都へ転居。そののちヒット作やロングセラー作を数多く発表し、日本の漫画やアニメに大きな影響を与える作品を発表している。
劇画の影響を受ける前の少年漫画では、ストーリー漫画にもギャグを入れることがお約束になっていたが、彼の漫画作品にはギャグ要素がほとんどなく、非常にシビアな展開をみせるものや衝撃的なラストを迎えるものも少なくない。このようにハードボイルドな横山作品に、逆説的なギャグ(ネタ)要素を見いだす者も存在する。
絵柄が少年漫画の時流に合わなくなったあとも、歴史漫画を中心に第一線で描き続け、生涯現役であった。ヒット作『鉄人28号』にちなんで「漫画の鉄人」と呼ばれる。
「(自分のことを)知りたければ(自分の)作品を読んでくれ。そこに全部書いてあるから」と語っていた。手塚治虫、石ノ森章太郎などと並び称される大御所ではあるものの、常に時代の最先端をひた走るタイプであったわけでもなく、前者二名に後塵を拝する場面はいくらかあった。しかし年を詰むにつれ研鑽(けんさん)を積み、絵もストーリーも悪く言えば単調であるが、裏返せば手堅く堅実で誰が読んでもストレスフリーにスッと入っていける漫画をコンスタントに描けるようになる。目につくキャラクターや衝撃的なストーリーなど、読者のすぐ目に入る部分以外にも力を注ぎ、構成や設定などを丁寧に積み重ねて作り上げるスタイルを確立した。識者に言わせれば「この構成力があればこそ水滸伝や三国志といった日本人にはなじみ薄い中国文学をここまでポピュラーにできた」とも。これらを武器に生涯にわたり挑んだジャンルは多岐に及び、本格的なSFも描けば歴史漫画も手がけ、ロボット物から対極にある魔法少女物など、その多彩さ器用さは手塚石ノ森に決して劣らない。
ファンから「作品を描く上で一番大切にしていることは何ですか?」と聞かれたら「いらないものを削ぎ落とすことを第一に考えている」と答えたとある。
『三国志』により第20回日本漫画家協会賞優秀賞を受賞。
2004年には日本漫画家協会賞文部科学大臣賞を受賞。
晩年には病を患い、そののち火災に見舞われ、全身火傷を負って意識不明の重体となり、同日22時に病院にて死去した。69歳だった。遺作は2005年1月に完結した『殷周伝説』で、次作については兵法書『孫子』で著名な兵法家・孫武の物語を構想していたと編集部が明かしている。
また、代表作の多くが作品が実写・アニメ化されているが、これに伴う絵柄・設定の変更には「原作は原作、アニメはアニメ」という姿勢であったようで、映像化に関しては寛容。商業的成功が第一である事に理解があり『マーズ』を原作とするTVアニメ『六神合体ゴッドマーズ』では大胆な改変が行われた。
反面、原作の跡形もなくぶっ飛んだ演出の『ジャイアントロボ 地球が静止する日』などは存外楽しんでおり、同じく今川監督の『鉄人28号』は深夜アニメでも楽しみにしていたとか…
評価
- 手塚治虫
- 「かれの作品は、計算の上にサービス精神を横溢(おういつ)させている」
- ゆうきまさみ
- 「コマとコマの間を読ませるという意味で、横山氏の右に出る者はいない」
- 荒木飛呂彦
- 「自分の原点」というほど横山作品(特に『バビル2世』)に影響を受けたと語った。
作品
オリジナル作品
ロボット漫画
少年漫画
少女漫画
中国小説
日本小説
原作:山岡荘八
原作:隆慶一郎
- 松平忠輝(捨て童子・松平忠輝)
原作:新田次郎
ほか多数。
アニメ作品
- 六神合体ゴッドマーズ:『マーズ』のアニメタイトル。
- 超電動ロボ鉄人28号FX:『鉄人28号』の続編。
- 太陽の使者鉄人28号:『鉄人28号』のリメイク。
- GR-GIANTROBO-:『ジャイアントロボ』のリメイク。
- CosmicBatonGirlコメットさん☆:『コメットさん』を原作にしているオリジナルアニメ。
- 横山光輝三国志:『三国志』のアニメタイトル。
派生作品
余談
- 横山氏はトキワ荘の住人ではなかったが、手塚の『鉄腕アトム』のアシスタントとして活動したこともあった。
- 生地である兵庫県神戸市には実物大の鉄人28号モニュメント像が飾られているほか、展示会場として「KOBE鉄人三国志ギャラリー」があり、『鉄人28号』と『三国志』が展示構成され、グッズショップも併設している。
関連イラスト
ジャイアントロボ | バビル2世 |
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魔法使いサリー | 三国志 |
関連動画
関連タグ
横山みつ子:『監獄学園』の登場人物で横山氏がモチーフになっている。