「野望渦巻く、戦乱の世にあって、自由と平和を守るために、
敢然と悪に立ち向かう、仮面をつけた忍者がいた!!」
解説
横山光輝作の忍者漫画『仮面の忍者 赤影』は、「週刊少年サンデー」(小学館)にて1966年45号から1967年48号にかけて連載され(全50話)、単行本全3巻、文庫版全2巻が発売されている。
連載当初は『飛騨の赤影』であったが、特撮テレビドラマにて『仮面の忍者 赤影』のタイトルで放映され、それにあわせて原作もテレビと同じタイトルに改められた。
特撮(連続ドラマ)
1967年4月から1968年3月にかけて関西テレビ、フジテレビ、東海テレビ、仙台放送、テレビ西日本など放送された。製作は東映京都撮影所。三洋電機の一社スポンサー番組だった。
元々は白土三平の漫画「ワタリ」のTVシリーズ版を放送する予定が、劇場版の内容が気に食わなかったことから白土が企画を白紙化させたため、TVシリーズ化の予定で集めたキャスト・スタッフや衣装・大道具を活用する代替企画として本作が作られた。
いかにも忍術武芸帖然とした時代劇バトル漫画である原作とは異なり、特撮版は相当に時代背景を無視した設定であり、主人公は体一つで宙を舞って光線やミサイル(「気」とかではなく本物の兵器)を使用し、悪の忍者集団はUFOや巨大ロボットを操り、第2部以降この傾向はエスカレートし、ウルトラマンなど怪獣ブームの真っただ中だったのを意識してか、第3部、4部になるとほとんどの敵忍者が怪獣を使役し(怪獣を使わない忍者はあっさりやられたり、出撃の機会に恵まれない者が多かった)、ラスボスは怪獣に変身するなど、
今の目から見ずとも放送当時からぶっ飛んだ作品であると認知されていた(タレントのテリー伊藤は放送当時学校で「いくらなんでもこれは無いんじゃないか」と友人と議論していたらしい)が、それはそれで原作と異なる面白さがあるため根強い人気を得るに至った。
現在の「無茶苦茶な演出やゆで理論も、NINJAなら仕方がない」的な発想は、大体この特撮版のせいである。
単発ドラマ
フジテレビの単発ドラマ枠のひとつだった「月曜ドラマランド」のプログラムのひとつとして、1985年8月26日に放送された。
ただ、白影が出て来ない上に青影は高田純次に差し替えられてしまった。そのせいか、オリジナルのくノ一3人が加わっている。
制作はテレパック。東映ではないので念のため。ジャパンアクションクラブとサニー千葉エンタープライズの協力を得ている。
テレビアニメ
1987年10月13日から1988年3月22日にかけて日本テレビ系列局(ただしテレビ岩手、北日本放送、高知放送除く。また、放送当時日本テレビ系列〔単独参加〕局だった福井放送は放送日時差し替え)およびテレビ朝日系列局約2局(いずれも放送当時)で全22話が放送された。さらに、フジテレビ系列局約1局でも放送されている。なお、全23話制作されたが、1話放送されていない。
放映に合わせ横山光輝によって「週刊少年チャンピオン」にて新作漫画『仮面の忍者赤影(新)』が連載された。こちらは特撮版の荒唐無稽さを逆輸入したかのように青影がハンググライダーを使用したり、中華風の敵忍者が登場したりしている。
映画
2001年には「RED SHADOW 赤影」の名で実写映画化され、同年8月に東映系の映画館で公開されたが、それまでの全ての作品とは全く異なった内容となっている。
なお、東映創立50周年記念作品として製作された。
あらすじ
特撮版第1部
豊臣秀吉がまだ木下藤吉郎だった頃、琵琶湖の南に「金目教」という怪しい宗教が流行っていた。木下藤吉郎は天下平安を願い、飛騨の里の「影一族」に助けを求め、赤影、白影、青影の三人の忍者が駆けつけることになった。かくして彼らは、奇っ怪な忍者集団と戦いを交えていくことになる。
登場人物
特撮版にも登場する人物は/の後にキャスト
赤影=(アニメ版のみ)赤垣源之介(CV:古川登志夫)/坂口祐三郎
露丸(CV:塩沢兼人)
山吹(CV:土井美加)
織田信長(CV:戸谷公次)/(特撮第2部まんじ党編)倉岡伸太郎(第3部根来編)嶋田景一郎
邪鬼(CV:屋良有作)
あかね(CV:皆口裕子)
かえで(CV:渡辺菜生子)
無元和尚(CV:宮内幸平)
主題歌
特撮版オープニング・エンディングテーマ
「忍者マーチ」
歌:ヤング・フレッシュ、ボーカル・ショップ 作詞:伊上勝 作曲・編曲:小川寛興
アニメ版
- オープニングテーマ
「仮面の忍者赤影」
歌:秋保和也・秋保浩司 作詞:三田陽子 作曲:小杉保夫 編曲:山本健司
- エンディングテーマ
「朝焼けの中で」
歌:山野さと子、森の木児童合唱団 作詞:森田由美 作曲:有澤孝紀 編曲:山本健司
余談
- 一部の怪獣のモデルは、『怪竜大決戦』からの流用である。
- 脚本は特撮版では伊上勝が全話を、アニメ版では息子の井上敏樹が数話を担当と、親子二代で携わることとなった。
- 『忍たま乱太郎』には赤影をパロディした「仮免の忍者 赤ヒゲ」が登場したことがある。
- 『クレヨンしんちゃん』の単行本に掲載されている外伝の一つ「ヌパン四世しんのすけ」には、明らかに赤影をモデルにしたであろう怪盗「ブラックシャドー」が登場する。
- また、『クレヨンしんちゃん』公式番外編『家族連れ狼』では野原一家に敵対する悪徳大名として、『赤影』の悪役・夕里弾正がモデルと思しき人物も登場している。
- 『めちゃイケ』のコーナー、色とり忍者はこれのパロディで、テーマソングも忍者マーチの替え歌である。
- 『魔法戦隊マジレンジャー』に登場する冥獣人ニンジャのキリカゲの登場シーンは赤影の登場シーンのオマージュ。
- 『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』に登場する新幹部ソノシは赤い仮面を被り四苦無・レッドシャドーという苦無を操ることから赤影をモデルとされている。