作品概要
史記封神演義などをモチーフにしており、殷王朝末期~周王朝鼎立の殷周革命を描いている。モチーフとされた作中では神通力や魔法で説明されていた能力をタネがあるトリックとして描いているが、神話的な要素も残している。横山氏の遺作ともなった。
主な登場人物
周王朝
いわゆる太公望、原作では姜子牙。崑崙と言う山で修行した道士だが、周朝の易姓革命を助けるべく下山。打神鞭や四不像は使わないが、70代でも中年男性並みの体力を持ち、古今東西の兵法や知識に詳しい。殷帝国を倒したのち、分封された先で斉の国を興す。
まさかの忍者キャラ。影の術と言う、その名の通り人影や物陰に隠れて気配を殺すワザを会得している。多くの敵が彼のゲリラに敗れ、暗殺された。細目で色白な、目立たない優男であるが強い。
青銅棒・如意珠・乾坤圏を振るって活躍。秘密兵器で周軍が敗れた後は哪吒が如意珠で反撃するのがお約束。
殷王朝
殷の天子。聡明で武勇の優れた人傑王だったが、女神様の像に恋慕して軽んじたために帝国の守護は失われ、悪霊がはびこる国になってしまう。忠臣や皇族を迫害したために国力を失い、牧野の戦いで敗れたのち、最後まで仕えた忠臣二人と自害した。
悪女の代名詞。悪霊が蘇家の当主・蘇護の娘を殺して乗り移った化身で、封神のようにキツネではない。人間性善説を唱える天の世界に対し、人間は欲望に生きるのが本懐として反抗した闇の邪神を集め、殷帝国で悪事三昧の限りを尽くした。紂王が死ぬと自分も肉体を滅ぼして消えるが、その際に周が弱体化、戦は再び発生する事を予言した。
ブンチュウではなく、モンチュウ(モンジュウ?)と読む。イケメンで仙人のフジリュー版と違って老人だが武芸達者。殷の中心で元老。紂王が親のように慕い、恐れる人物。四聖や山賊を従えて西岐征伐をするが、失敗して退却した時に太公望軍に追い込まれて戦死。残った一族は奸臣と妲己の悪知恵で処刑される末路を遂げた。
たるんだ頬にどんぐり眼と出っ歯というその面相は、悪人面を通り越してもはやザコ面の域。頭の回転も今ひとつで、初戦から計略を呂尚に見破られ伏兵五千を失う。そんな冴えない男でありながら原作通り最強クラスの武力を誇るのだからたまらない。平地での決戦となるや疾風のように駿馬を駆って周軍を散々に打ち負かし、周の公子を含む多くの首級を挙げた。妻の高蘭英もつり目・鷲鼻のモブ面だが、黄飛虎を完封している。